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何とか無事に帰ってこれた

爺に連れられ良く、迷宮ドキドキ旅行(強制連行)、ようやく終了

此れより爺はステフィム先生と共に叱られに行く模様

(ネタバレ)

…ステフィム先生、なるべく早く助けてくれぇ…


俺がそう思いつつも階段を見つけたので下る

するとバタバタと駆け込んできた人の足音が聞こえてきた

お、と思って立ち止まっているとそう、そこにはあのステフィム先生が慌てた様子で駆け寄ってきたのだった


「きょ、教頭先生!ショージさま!ご無事でしたか!!」

「おう、ステフィム!無事に目が覚めたか、よかったなー!」

「え、あ、えぇ…って、そうじゃあありませんよ!ここは当学園でも上級生でも夏休み前の試験で使われる迷宮!何をお考えなんですか、教頭!」

「はーっはっは!そういわれてもこやつはけろりとしてここにいるじゃあないか!」

「笑い事ではございません!校長先生にご許可はとって頂いてますか?」

「そんなもんない!」


………うわぁ、言いきった

いっそ清々しいほどに無責任な教頭先生だ事…

本当に死んでくれればいいのに

一介の、しかも入学したての幼気な子供になんて事をしでかしてんだこいつ


そりゃあ色々と規格外かもしれないんだけどさ

まぁ俺は少し楽しかったけどね

最初とさっきのカマキリたちの対策が分かってからの対処方法だけは、な

ただし3階層、てめぇは駄目だ


「ステフィム先生、またたき草沢山集めました!」

「…ショージ様、よかったですね」

「これでまたお薬作れますよ!」

「そうですね。」


俺が影からまたたき草の入った袋を見せると被害にあった可哀そうな子供を見るような生暖かい目でそっと俺の頭を撫でてくれた

そうそう、撫でるっていうのはこういう感じだよ!

グワシッと掴んで振り回すんじゃないんだよ!!聞いているか、そこの爺!

その後ステフィム先生にマースの花やら途中でとった薬草の話をしたり、途中で拾った錬術の材料や薬草の材料なんかを見せてみた


「ずいぶん沢山集めましたね」

「ルールウド君に自慢したくて!」

「そうですか。」


ステフィム先生はよかったねと言うような、子供に向ける表情をして俺の話を聞いている

楽しかったから仕方ないね


「スミレ…俺の精霊も一緒に色々と集めたんですよ」

『みゃーん』


嬉しそうに一鳴きするスミレについつい背中を撫でてやりつつうちの子可愛い凄いとアピールしたらステフィム先生はさらに目を細めてうんうんと頷いてくれた

そしたらなんか張り合っているのか、爺がつまらなそうに口を尖らせた


「さっきはわしの魔法で助けてやったのに、薄情じゃなぁ」


爺は拗ねたのか、ブーブーと文句を言ってきた

助けたとか言っているけどその前までちょっとしたピンチの時全然動かなかったじゃないかよ、ふざけんなくそ爺め!!(ギリイ!)


「せっかくわしの格好いい所を見せたと言うのに…」

「教頭先生にはあとで校長先生に叱って頂きます」

「ちょ、あ奴は固すぎるから嫌いじゃぁ…そこをなんとか」


爺がステフィム先生に頼み込むようなポーズをして、ウィンクをしてお茶らけている…

いやそれで謝っているつもりか爺…

お前…自分の見ため考えろよ、爺だぞ?可愛げ皆無だぞ?

“そこを何とか”っていう雰囲気じゃないだろそれ…という文句を俺は小一時間位爺にしてやりたくなってきた位、むかつくポーズだった


「一介の新入生をこんな迷宮に連れ込んだ、それだけで十分話を通すしかない状況ですが。そもそも教頭先生、貴方は面白いと言うだけで一介の生徒を拉致、拘束する権限はありませんと前から何度も言われているじゃあないですか!今度同じようなことをしたら一年デスクの仕事を自宅でしながら謹慎だともいわれていますよね?」


……す、ステフィム先生の本気を始めてみた気がする

御免なさい、ステフィム先生

俺今までステフィム先生の事を少し誤解していたよ

もっと温厚な方なのかと思っていたよ

俺に対する説教はまだ優しい方だったんだね…

態と優しくて加減して怒っていてくれた方だったんだね

気が付かなかったよ…


「ハァ…ショージ様」

「?はい」

「迷宮は各5階層ごとにしか、出口はございません。」

「そうなんですか」

「はい。なので、私とこのまま一階に行くか、私と教頭と共に5階層へ行くかお選びください。どちらにしても私がサポート致しますしお守り致します。」


ステフィム先生は俺の目線に合わせて座り込み、優しくそう聞いてきた

しかし茶々を入れるくそ爺

…絶対にその顔にはつまんないと言う子供のような文字が浮かんでそうな顔をしている


「せっかくじゃ5階層を見てみんかのぉ。ここまで頑張ってきたんじゃし」

「教頭先生?」

「………………すまんかった」


しかしステフィム先生、今回ばかりは一切引かない

ジロリと睨み、爺を黙らせた

す、すげぇ…


「それで、ショージ様はいかがなされますか?」

「んー…せっかくだし、5階層行って、木の実とか取りたいです」

「…そうですか、仕方ありませんね。では5階層へと行きましょう。」

「どうせならエリアボスと戦いたいじゃろ?」


せっかく自分で頑張って、初の迷宮での採取、初の迷宮攻略だし、ここは…と思ってせめて木の実とか薬草とかを持って帰ってルールウド君に見せたい、その思いがうずうずと出てきてしまったからそううっかり言ってしまったのだが…この爺、反省してねぇ

むしろ我が世の天下とばかりに堂々と生き生きしやがった!


「「それは良いです」」

「教頭先生?ショージ様のみの安全のため早々に帰化しますからね!」


俺とキューリャさんが同じく声をそろえて否定するとステフィム先生がじろりと爺をねめつけ、はっきりと断った

爺はつまらなさそうに口を尖らせ、文句を言いたそうにしていた(ざまあみろ!)


「ちぇー」


チェー、じゃねぇよこのくそ爺…

そう思いながらも俺達は新たにステフィム先生を仲間に、階段を降り切ったのだった


~バガモールの迷宮 5階層~


5階層はなんというか、…なんというか…

3階層の草原みたいな所だった


嫌な思い出が…う、頭が!と言いたくなるくらいにはそっくりだった


――――――ただ、一か所を除いて。


見渡す限りはただの草原で、時折薬草や木の実などが実っている

が しかし

草原の中に、建物がぽつりと建てられているのだ

違和感を感じるくらいに、唐突に人工的なものが…いきなり、ぽんとある


「あの建物なんですか?」

「あれはエリアボスを倒した後に開く、帰る為のゲートです。」

「ほぇー…わかりやすくっていいですね」

「えぇ、まぁそうですね。」


ステフィム先生が頷いてくれているのであれだけども…なんつーか、悪趣味だなこの迷宮作ったやつと思わずにはいられない、毒々しい色合い(赤と紫が交互に塗られている)とめっちゃリアルな人間の目とその真横まで伸びて割かれている口が、書かれている家みたいな建物だ…

……何だろう、本当にあそこに入らないといけないの?


「ご安心くださいショージさま。あれは一つの目安ですので。」

「?目安?」

「はい、あの家にはエリアボスが存在している時しか、あの顔は浮き出ていません」

「そうなんですか」

「はい。教頭先生、教頭先生一人でバガモールの雌をお願いしますね!」

「わし一人で?「何か文句でも?」わかったわかった、爺使いが荒いわい…」


ステフィム先生が爺を押している、だと…?

凄いレア状況を見ている気がする…

ステフィム先生が指をさして俺にやさしく言うように心がけているのか、木の実を指した


「ショージ様、あちらに5階層でしか取れない木の実がございますよ」

「お土産にちょうどいいですかね」

「えぇ、きっと。」


俺はすぐにその木へと近づいたら洋ナシのような形の木の実があった

ただしその木の実は、俺の顔位の大きさだった


「わぁ!でっかい!」

「ふふふ。この木には害虫などはこないし、この階層にはエリアボスのバガモールの雌以外生物が居ないので取りたかったら好きなだけいいんですよ、ショージ様」

「本当ですか!」

「えぇ、どうぞ」


俺は許可をもらったので、土属性の階段を作り出し、そこから木に登って木の実を取った

ステフィム先生は魔法を使った時に警戒したような感じでビクッと魔力に反応してたけど俺が階段を作り出したのを見て明らかにほっとしている顔をした

俺はなんか悪い事ばかりしているみたいじゃないか!

一寸酷いんでねぇの?Boooooo…


【自業自得だと思われ】

オダマリ分ちゃん

【           】


全く分ちゃんは、本当に…全く!

なんて思いつつも木の枝に腰かけて手を伸ばして何とか届いた木の実をキューリャさんに受け取ってもらいつつ結構あちこちの枝の木の実をとった


20個ほどとってからそろそろ降りようと思って縄を木の枝に縛りしっかり固定してスルスルと降りた


トン、と地面にたどり着くと安心したようにステフィム先生がほぉ、と溜息をついた


俺はその後となりになっている木を目指し再び階段を動かした

暫く夢中であちこちの樹や草花、更に水溶液(水みたいなプルプル震える木の実がなっていた、すげぇ!)をたくさん摘んで影に一杯入れた


「ショージ様沢山採りましたね」

「はい!ルールウド君にお土産沢山です!これでお薬沢山出来ると良いな…」

「そうですね。さ、もう帰りましょうか。教頭先生、駆除できましたか」

「爺扱いが荒いわい…いいのぉ、楽しそうじゃったのぉ…」

「駆除できたんですね。さ、ショージ様行きますよ」

「はい、ステフィム先生」


俺とステフィム先生が建物の方へと足を向けると建物はあの毒々しい色合いではなくなり只のクリーム色の壁紙になっていて、あの変にリアルな目や口はなくなっていた

…どうなっているんだろう、この建物の仕組み…


そんなことを思いつつもステフィム先生の後についていき、ガチャリと建物の扉を開けた

扉を開けると目の前にあるのは机にポーションなどの薬と小さい赤と金色の装飾がされているいかにも宝箱みたいな箱、そして床にも同じ模様の大き目な箱がおいてあり、その奥に扉みたいな枠があり、青白く光り輝いているいわゆるゲートがあった


おおお!なんか、なんか…ファンタジーっぽい!

ゲームみたいでthe・異世界って感じがする!


俺が目を輝かせると爺が少し考えて俺を呼んだ


「小僧、頑張ったからこの小さい方のをお前にやるぞ。ステフィム、それでもいいかの。」

「え?」

「そうですね、ショージ様は4階まで頑張ってたどり着きましたから、そのご褒美を上げるくらいならいいのではないかと私も思います。」


わーい、ご褒美だって!やっほーい!

俺はワクワクしながら小さい宝箱を貰った


「その宝箱は中身が毎回この建物に入り、手にしたものにより中身が変わるからのぉ。」


わー、なんだろ、それ聞くと猶更楽しみだな!


「これ、此れも皆のいる所で開けていい?」

「いまあけんのか」

「楽しみはとっとくの!」

「やれやれ、好きにせい」


微笑ましそうに教員二人が見ているけど知らんな

俺はさっそく影に宝箱をしまった

何が出るかはおっ楽しみーってね


~ダンジョン部屋~


青白い光を通って最初に来た暗いような廊下に帰ってきた

ハー…なんか疲れた

まだ俺入学してから3日なんだけど、なんでこんなに濃い日常を送っているんだろうか…

そう思っているとステフィム先生がにこやかに俺に向き直りしゃがみ込んだ


「ショージ様、私は少々教頭先生を校長室へとお連れしてまいります。」

「うげぇ」


爺は心底嫌そうに潰れたカエルのような声を出し、舌を出した

しかしステフィム先生はそれを華麗にスルーして俺に向けて話し続けた


「それまでご自分で教室へと変える事が出来ないと思うので、今回は特別にショージ様に生徒会室へと繋がる鍵を渡しておきます。それを壁に近づけると生徒会室へと行けるので、そちらから生徒会室へ行き、今度は生徒会室で誰かがいらっしゃると思うのでその方に1Aの教室へとつなげて送って頂いてください。そしてそのまま教室で待機していて欲しいのですが、よろしいでしょうか。」

「…はーい!」


俺は子供っぽくも片手をあげて返事した

そしたらステフィム先生は目を細めて微笑んだ後ぽんと俺に鍵なのだろう、ブローチを貸してくれた


そしてその後爺を連れてどっかへと行くため爺になんかをペタッと貼ってさらに縄を出し爺に巻き付け連行していった…爺は腕にさらに手錠っぽい物をされて文句を言いながらも犯人さながらにステフィム先生とともにどっかいった


……大変だぁね、先生っていう職業は。


俺はこの廊下から出てすぐ、エレベーター付近の一番最初に目についた壁にブローチを当ててみた

スッと紋様?波紋みたいなのがパアアアアッと広がり、ガチャリと音がして扉があいた


扉を開けるとすぐ目に入ってくるのは緋色の布が壁にある、生徒会室だ


生徒会室には困惑している様子の子供たちと、同じく困惑している生徒会の人なのだろう、見たことの無い人だ

初対面なのになぜ生徒会の人と分かるのか?


腕に、生徒会と描かれた腕章をしていたからだ


「…えーと、君は一体誰かな?」


シェンフ君とはまた違う意味での王子様っぽい人がはきはきとした口調で、しかし困惑している様子で訪ねてきた子供は、オレンジ色の短髪でよく見たら目がオッドアイだった

左目が紺色、右目が藍色だ


「僕はショージ・ドラゴニアです。新一年生です。…教頭先生に、ダンジョンに行かされて、担任の先生がここから自分の教室へと行けるようにしてもらうと良いって…言われて。」

「あぁ…そうか、教頭先生の悪癖に…。災難だったね、ショージ君。僕はこの生徒会の一番上の役職をしている、生徒会長のインペラドルっていうんだ。ドラゴニアっていうと、君が噂の元人間の第二皇子かな?」


噂されてる…だからミーシェちゃん、食堂という場所であんな事言っちゃダメっていったのに(言ってなかったけど気分的にはいってたし?)ハァー…とがっかりしつつも頷いた

インペラドルさんは苦笑をして噂は気にしない方がいいとか人の悪口はよく耳に通りやすいだけだからとか言って励ましてくれた

…うぅ、知らない人に、しかも初めて会う人に噂されたことだけ知られてても俺は嫌だぞ


「所で生徒会のメンバーが、何処にいるか君知っているかい?」

「あ、たぶん…。僕の教室にいると思います」

「おや、またなんでそんな所に?」

「例にももれず教頭先生の無茶ぶりです」

「…はは…あぁ、なるほど?…君を引き抜こうとして断られてしまったから、生徒会メンバー総出で君をスカウトしに行かせたって事かな?教頭先生らしいなぁ。ふふ、そっか。」


すげぇ、合ってるけど

あの無茶ぶりというかとんでもない事案を“教頭先生らしい”で片づけていいのか?

いやまぁこの人は生徒会会長らしいから振り回されるのに慣れているって事かもしれないけどさぁ…


「それで、君はどこの教室なのかな」

「1Aです」

「わかった、今そこの廊下の壁に繋げてあげるね」


そう言って生徒会長さんは扉に魔力を流した


ガチャリと鍵のかかったような、逆に鍵が開いたような金属の音がして扉を開けると俺の教室の扉とプレートが目の前にあった


「ありがとうございます!」

「いえいえ。僕も生徒会のメンバーに用事が出来て、困惑していた所だったから居場所を教えて貰えてよかったよ。一緒に行ってもいいかな」

「あ、はい、どうぞ!」


俺が頷いたらにっこり微笑んでありがとうと言われてしまった

面と向かってそんな風に言われると、なんだか照れるなぁ…


1Aの教室へ行くと生徒会のメンバーしかいなかった

結構遅かったからかな?

ルールウド君が真っ先に俺の所へと駆け寄ってくれた


「あぁ、ショージよかった、怪我はない?」

「うん、大丈夫。ただもう二度と御免だね」

「ふ、ふふ。それはショージの口が悪いのが、悪いよ。」

「だってあのじ…あいつがあ!」

「こらこら。」


そう言いながらもルールウド君が苦笑した

ちょっとくらい口が悪くなるのも仕方がないじゃないか…

あいつを敬うなんて絶対に出来っこないぞ、俺

絶対に無理だね、なんて思いつつも口を尖らせると苦笑された


俺がハタ、と そうだ、ここに連れて来てもらったんだったと扉の方を振り返ると苦笑をして扉の前にたたずんでいる生徒会長さんが困った顔しているままだった


「生徒会長、どうなさったんですか?」


俺の見ている方向を見てルールウド君がそういうと生徒会長さんは苦笑したまま頬を掻いていた


「あー…いや、ショージ君、だっけ。さっきと口調が違っていたから驚いてしまって…。」

「あぁ、ルールウド君…お兄様がいる時とかは良いかなーって」

「よくないけれどね?」

「いいじゃん」


俺がいつも通りに言うとルールウド君は額に手を当てて困ったなっていう表情をした

大体、食堂やほかの人がいる所ではちゃんと気を付けているんだけどそれだけじゃダメなのかい?敬語とか苦手なんだけど…

まぁ苦手とか言ってても一応これでも前世ではサラリーマン、しかも広報課だったわけで使い分けていられている気はしなくもないのですがねぇ…

駄目なんですかねぇ…


「だめです。ここは他の貴族のご子息様が通っている学園なんだよ?日頃から気を付けないと上げ足取られても知らないよ?」

「ミーシェちゃんはいいの?」

「………だ、駄目だけど、ミーシェは…ほら、言っても聞かないから…。と、とくにショージは注目集めているから気を使わないといけないよ!」


注目を集めたくて集めているわけでは決してないと言うのに、第一、ルールウド君だって敬語はコントロル君に対して使えていな…・・・いたわ

バリバリ喧嘩売っているような言葉をオブラートに包んでがんばって使っていたわ…

でもやっぱり少しだけ、理不尽に感じてしまう…


「おーぼーだー…」

「キューリャにちゃんと言い聞かせて貰うからね!」

「まじかぁ…」


俺がぐったりしているとシェンフ君が生徒会長さんに俺を紹介している声が聞こえてきた

小声で時折魔法の事とかも言ってチラリと声をひそめて規格外な物や異世界の物を実体化させたりするなんてことも話しているのがばっちり聞こえる


俺耳良いからね!


うんうん頷いたり驚いた表情をしたりしていた生徒会長さんはシェンフ君の話を聞いた後真剣な目をして同じくシェンフ君に小声で早く保護をした方がいいと言っているのをばっちり聞いた


「ところで一つ聞きたいのだけれども」

「?はい」

「生徒会室にいた人たちは、いったいどうしたんだい」

「「あ」」


生徒会メンバー全員が、あっちゃーという表情と、あぁいたっけ、というような表情をしていた

ルールウド君は前者と同じく、口を開けて思い出したやばい、というような顔をしていた


シェンフ君が事情を話すと生徒会長さんは苦笑をしつつも納得してくれたみたいだ


「なるほどね…じゃあもう自分の教室ないしは自室に返していいんだね?」

「はい、恐らく。」

「よかった。じゃあそう言って解放してあげてくるね」


そう言って生徒会長さんは廊下に出て壁に魔力を出して生徒会室へと入って行った


きっとこの後は送ってあげるんだろうなー…

あの人優しそうだったから、きっと生徒会にいた人たち一人一人に聞くのかな?

どうなんだろ


あ、そういえば!


「ルールウド君俺頑張ったよ!」

「え?あぁ、教頭先生と仲良くなれた?」

「……1/18くらいは?」

「…何それ?仲良くなるのを頑張ったんじゃないの?」

「…ううん。でも少しは話したよ」


ルールウド君は苦笑して額を指で揉んだ

まるで何のために行ったんだ、と言いたそうな表情だった


でもそんな事より俺は話したいこと沢山なんだ


「迷宮連れてかれてさぁ、あいつ人の事ポイッと迷宮に放り投げたんだよ!」

「…はは…う、うん、それで?どこにいったの?」

「ばかもーる?ってとこ。なんか、カマキリ一杯だった!」

「…………………馬鹿もぉる…?そんなところあったかな?」


ルールウド君がそう言ってうーんと悩んでるポーズをした

するとテンツァーさんがポンッと手を叩いた


「もしかして、“バガモール”か?」

「そうそう馬鹿モール!」

「…別名カマキリの迷宮。巨大な虫の温床だった、はず。…上級性、しかも5年生の夏休みの前の、課題で潜るような危険度高めの迷宮…」


そう言って俺をじーっと見てきた

俺もとりあえずはうん、うんと頷いてみた

ステフィム先生が来た時、そんなような事言ってた気がするから頷いたけどどうだったかなー、と思いながらも頷く


「そこに、教頭と行って大丈夫だったのか?」

「ほぼ一人で相手させられた」

「…ほぼ一人で?そ、れは…何とも無茶な…」

「爺がさぁ、酷いんだ。自分は透明になって、気配完全に消してキセル片手にぷかぷか吹かせやがって高みの見物してて、全然魔獣とかの相手してくれないんだ。で全部俺に押し付けて手伝ってくれなかったんだ。それを4階層迄ずーっとだよ!つかれたぁ!」


俺がそう愚痴るとみんな大きく目を見開いた

なんでだろう、あ、爺のやり方が驚きだったって事かな


「よ…よく…よく生きていたね?」

「えー?生きてるよ、失礼な!爺が無責任なんだよ!あ、それでねこれ!見てみて採ってきたの!たっくさんとったの!ルールウド君にあげるねー?」


俺が影から沢山の木の実や草、枝、水溶液のような木の実、更に討伐時に出てきた魔獣や魔物、魔虫の体の一部を出した

ルールウド君が驚いている顔をして、口を大きく開けた

はっはっは、驚いている顔を見たかったからちょびっと満足した


「凄い量だね、こんなに採取してどうするの」

「薬作るの。そしたらルールウド君にも上げるね?」

「う、うん…ところでこれ何?」

「あ、それはねー、カマキリの雄の鎌」

「……………………カマキリの雄の鎌?なにそれ」


ルールウド君が首を傾げ片手に持ち上げたのは重そうで鋭い片面のカマキリの鎌の部分で、前足の部分だった


「迷宮の中で4階層にたっくさんいたんだ。10匹以上!だから頑張ったよ!」

「そ、そうなんだ?僕よりショージの方が物知りだね」

「ううん!それよかったら加工して貰って武器にできるかもって分ちゃんが言うから貰っといたの。迷宮の中で分ちゃん頑張ってくれたんだよ!」


俺がそういうと俺の片手にポン、と紙が出てきて分ちゃんが自慢そうにした


【(`・∀・´)エッヘン!!】


いやそれだけを言うために出てきたんかい!

えっへん、じゃないよ

俺は思わず苦笑するしかないよ

ちょーっと誉めるとこれだよ、まったくもう

今回は助かったけれどもさぁ!


「分ちゃんは分析魔法だから、すごく役に立った?」

「うん!色々と教えてもらったし危険になれば避ける所を教えてくれるし、罠があれば避けろって教えてくれるし、もう凄く助かった!」

「そっか、よかったね。」


ルールウド君に頭を撫でられた

俺は本当に撫でられすぎじゃないか?


「レシェルナさんに教えてもらおうって思って沢山採ったんだ、よかったら上げるね」

「うん。加工はショージに頑張って貰おうかな」

「失敗しても大丈夫な位には採ってきたから!」

「うん、頑張ってね!そうだ、僕片手の短剣が欲しいな」

「わかった、頑張る!」


俺がそういうとテンツァーさんが不思議そうに尋ねてきた

何か疑問があったらしい…俺は特に変な事だと感じなかったけどなぁ


「ルールウドはなぜ昇次に武器を頼むんだ。鍛冶師なのか?」

「錬術が得意なんです。ショージはその他薬剤調合や鍛冶も出来るし武器鍛造だってできるし、さらにさらに」

「そんなのできないよ、落ち着いてルールウド君」

「え、何言っているのショージ。武器を材料だけ並べて組み合わせて剣を造ったことあったでしょう?あれはれっきとした“武器鍛造”だよ」

「あぁ…そっか」


納得したらなんか皆に驚かれた

遊技君が俺に一つの剣を渡してきてこれを鍛造しなおせるかと言ってきた

そんなことしなくてもいいのに何でそうさせるんだろうと首を傾げた

スミレがさっきから剣をまじまじと見ていることから、治す必要ないのにね


昇次の教頭先生に対する好感度は下がったまま。

むしろ悪化の一途をたどりつつある…

果たして教頭先生は昇次に気に入られる日が来るのか…


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