爺と二人で迷宮探索・・・
爺に強制連行されて放り込まれたのは俺的に地獄のようなところでした
ルールウドお兄様、反省してるからこいつから解放して…
木や草の生い茂る中度々珍しい植物を見つけては爺を呼び止め待っていて貰いながらも採取していくと爺はそのたびに仕方ないなと言いたそうにして止まってくれた
採取方法は分ちゃんに任せ、教えてもらいながらもたくさん収穫していった
木の実もいくつかとったり、花を摘んだり、草を根から掘ったり、草だけを摘んだり色々と採取したがどれも分ちゃんが薬効と共に説明してくれたのでわかりやすかった
「そんなにとってどうするんじゃ…」
「薬にするんだよ。その後はルールウド君とかにあげようかなーって。」
「その薬は難しい物もあるのではないかの」
「んーそうでもなくね?レシェルナさんに聞きながら作るから問題ないし」
「ほぉ…鏡電話とやらで話しながらそんな事も出来るのか?」
「テレビ電話みたいなもんだからなー」
「がっはっは、そんなことまでできるとはな!」
爺はひとしきり笑った後満足したのか、納得したのかその後は薬の事を聞かなかった
影の中が植物や薬の材料で半分くらい埋まると漸く次の階層に繋がっているのだろう、なんだか自然の中の人工的なものとして異色な感じのする丸太で組んだ階段が下に向かって出来ていた
「小僧、次の階層からは魔物が出るんじゃ、気を引き締めよ」
「この階層は出なかったけど本当に出るのか?」
「この階層は雑魚しか出んからわしがいるだけで出てこんかったんじゃ。」
「爺は虫よけならぬ、魔獣避けか。」
「楽が出来たんじゃからいいじゃろうが」
「散々脅しといてそれかよ…てか次からは爺がいても出てくんのか」
「そうじゃな、わしは気配を隠して小僧についてくからな」
「…………おい爺」
はっはっはと笑ってそのまま爺はその階段を下りて行ってしまった
何のために連れてきたのかわからないと言う事になりかねないからかもしれないが俺はそこまで凄い実績を持っているわけじゃないから姿消した爺がどこにいるのか見失いそうで怖いんだが…まぁそしたら分ちゃんに聞けばいいか
~バガモールの迷宮 二階層~
俺も階段を下りると、再び右も左も森林地帯だった
爺が透明化の魔法と気配を消しているのか、かなりうっすらと爺の姿が見える状態になったのが階段を下りた先で魔法を使った瞬間になったのが分かった
というか降りて少ししたら急に気配が変わって驚いた
そしてそのまま爺が歩き出したから俺も慌てて爺が透明で、気配が薄いものだから見失わない様についていくのに必死になった
「わしはよほど困難にならん限り手助けしないぞい」
「いや手助けしろよ。こんな幼気な子供一人になんてことしようとしてんだ」
「幼気というには生意気すぎるがのぉ…しかもお前、自分で言うかの…」
「おう」
堂々と言いきるとやや呆れたように爺が溜息をついた
雑談しつつも再び歩き出したが今度は魔物が出るようになった
爺は見るだけだった
己ぇ爺ぃ…
助けてやるとかないのかてめぇ
こんなかわいい幼い子供を目の前にキセルをふかしやがって木の上でじーと見やがって…
魔獣との戦闘は分ちゃんが弱点を教えてくれて何とかなったけど!けどさ!
あんまりじゃないか?!こんな幼気な子供なのに!
俺一人に対し5、6匹の魔獣を相手させるだなんて最低だぞ爺!
囲まれちゃ大変だから俺は二匹ずつ相手してやるけど!
他のはどうするかと一瞬考えたけれど、分ちゃんが檻と鎖を作って縛り付けた後閉じ込めろと言うアドバイスをくれたのでその通りにして、何とか分断して相手をしている
勿論俺は魔法でクロスボウを作り、射抜きつつ戦っている
魔法でほぼ無限に矢を作り出しつつ頭や心臓部分を狙い撃ちしていくだけの単調な仕事です月額×××円から、異世界のとある学園、迷宮内にて募集お待ちしております
そんなくだらない事を考えつつも最後の魔獣の首に太い杭の様な柱を落とす
グチャ、と潰れる音がして首と胴体が地面と一体化して、魔石と爪とか体の一部を残して粒子化して消えた
子供の姿で、自分の何10倍の大きさの狼みたいなやつとか、犬っぽい奴とかサルっぽい魔獣とか…相手してごらんよ
そりゃ下手すりゃ死ぬぞ?
更に歩き出した先にはまた違う魔獣が堂々とご登場なさった(こんにゃろめ)
チンパンジーやゴリラに人間の大人が敵わない様に、すばしっこく動き回り力だって何倍も向こうの方が上だし、俺はちょっとでも風圧で吹き飛ぶほど軽い
いつぞやのアイスクルードと同じように向こうも容赦なんかは絶対にしないせいで俺が度々空中に放り投げられたり俺に向かって巨大な岩が飛んできたり、したけれど爺は見ているだけだった
囮にすらなりゃしねぇ、あの爺…高みの見物を文字通りそのまましやがって
木に乗っていやがるので俺がそこまで行って魔獣を擦り付けようかとすら思ったことが何回かあったが魔獣の標的になることはなく、あの爺はのうのうとキセルをふかし、時折面白おかしそうになんか檄を飛ばしてくる(ふざけんな)
そして魔獣がいなくなるとスタッと降りてきてさっさと先に進むので休憩もくそもねぇ
…魔獣を倒すふりをして思い切り弓矢で頭勝ち割ってやろうかとすら思う事数回
恐らくようやく中腹位の所まで何とか歩いた
キューリャさんが声を掛けてきて、魔力回復薬を飲むように言ってくれたので2本飲んで魔力を回復して、そのついでに魔祖が含まれている含有魔祖量の多いフルーツを少しつまんで魔力に少しでも変えといておくために食べてから爺に文句を言いつつも弓矢で見つけた魔物を射抜いたりとかしながら気軽に射撃しながらも進んでいった
サクサク射抜いたり、魔獣の射程圏外からばかすか射撃して射貫いて殺したりうっかり躱されて刺激してしまい、向こうから視認され戦闘になったりしながら手(武器)を変え品(魔法)を変え攻撃しまくって魔獣や魔鳥を討伐していたら爺が時折どこかへと行って戻ってきてはにやにやして帰ってきた
こっちが苦労しているのにむかつく顔をしながらもやってきたので俺はさらにむっとしながらなんだよとか何処に行っていやがったんだよという文句を言う
爺はそれには答えずに、にこにこしながらも俺に木の実を寄越した
「なんだよ」
「これはエルフ族の好む木の実じゃ、どうかの。」
「…プラムっぽいな…貰うけど」
爺の持ってきた木の実は俺が持つと結構大きくてマンゴー並みの大きさだった
大きさはマンゴー位なのに、俺の片手でも持てるようなくらいの重さだった
しゃく、と皮をむいて食べるとキウイフルーツに似たような美味しい食感、味だった
「キウイ?」
「ほぉー…これをキウイに似とるように感じるのか?」
「っぽい。甘酸っぱくって、でも中心が甘いかも。でもってやわっこくって美味しい」
「わしらドラゴンにはこれは味がないんじゃがなぁ。そのためそこら辺に植えてあっても無視されるもんじゃ。ま、もしかしたら口に合うやもと持ってきてやったがなぁ、そういう風に言われると喰ってみたくなるなぁ」
そう言って俺の手にある木の実をじーっと見つめてきた
自分でとってきたんだからもう一回とってくればいいのになんでそんなに羨ましそうにしてるんだこいつ…でもあれか、取ってきてもどうせ美味しくないなら意味無いか
俺が全部食べると手がべたべたになった
…思っていたより水分量がある物だったらしい
拭くものが欲しいなと思っていたらキューリャさんが布を、スミレが水を出してくれたので蛇口から水を出すような水圧と水量でちょろちょろとだしてくれたので手が洗えた
キューリャさんに布を貸して貰って手を拭いたら爺がわしわしと俺の頭を撫でて来て痛かったので俺は再び無駄だとわかっているけれども足を蹴り飛ばした
…やっぱり無駄だったので遺憾に思います
魔物や魔獣、魔鳥を討伐しつつ、射撃しつつ歩いてようやく階段が見えた
一階部分は魔獣も魔物も姿形どころか影すらなかったのだけれども、2階に来ただけでもう2、30回は戦闘をしている
内爪とか毛皮とかわかりやすい物を落としたのがたったの10だ
魔石は割と回収しやすかったけれどもそんなに多くなかった(15とかその位だった)
まぁもれなく全部影の中に収納しておいたからいいんだけれどもね
後でルールウド君達に自慢しよう
~バガモールの迷宮 三階層~
三階に進むとそこはなんというか…草原地帯にしか一見、見えなかった
森林っぽい所を抜けてやってきたのが草原地帯とかどんな地形してんだよ、迷宮…
まぁ進むしかないんだけどね
俺と爺はさっさと目的を果たすため辺り一面草しか生えていない所を歩いて行った
平坦な草花が生い茂っているだけの、平穏な地帯だ、本当に迷宮か、ここと聞きたくなるような平穏さだ
【昇次、左前方地面に潜んでいる魔獣がいます、気を付けて】
【昇次、落とし穴に注意して】
【右に避けること推奨、左に罠があり前には毒草がある。ふむと足が腫れるぞ】
【昇次、木が襲い掛かってくるから逃げろ】
…前言撤回、やっぱこの草原地帯も半端じゃない面倒臭さを兼ねそろえている只の迷惑地帯だわ、迷宮の一部ですわ…
油断してたらぐわっと地面が揺れて、巨大な魚が現れたり(モニョハンのとある魚野郎がポンと思い浮かんだ)恐竜の取りみたいな、鳥とも爬虫類とも違うような奴が透明になって群れを作り飛んできて俺を強襲してきたりとか(分ちゃんがいないと死んでる所だった)俺の足元にちょこまか走ってきて自爆まがいな攻撃してくる生き物や植物も魔獣もいた
迷宮、侮りがたし…
平穏だと思ったちょっと前の俺は全力で消し去りました
むしろさっきまでの戦い詰めの方が目に見えて警戒できるからまだましと知りました
分ちゃんが教えてくれるものに感謝しかない
だってこの階層、罠が平気であるし魔獣や魔鳥も全力でステルス、隠れては俺に忍び寄ってくる恐ろしくも頭いいものになってやがる
何とかスミレを落とさずに、分ちゃんに従いながらも対応、時に応戦しつつ、4階層に行ける階段を探しつつ目指しつつも歩いていく
てか植物も襲い掛かって来るとか何なの
植物は植物らしく大人しくしててよ
抵抗する位ならまだしもお前…自ら襲い掛かって来るんじゃない!
じっとしてなさい!あとどうせ自ら襲ってくるならお前の木の実寄越せ!
薬効のある物なら何でもいいぞ!枝とか葉っぱとかでもいい、寄越せよ
さっさと自爆すんなよ、消えたあと俺の疲労感が増すだけになるからやめろ
むきーーーーーーー!
俺が精神的にはボロボロになりつつも何とか爺に追いついていくと爺はにやにやと笑いながらもキセルをふかしつつやはり助けることはしなかった
手助けしろよ!こっちとら幼気な子供しかも、新入学したばかりのぴちぴちのピカピカ一年生だぞ?!俺の世界だったらランドセル背負っているような年齢の子供だぞ!!
お前…助けろし!
こっちとらお前の膝位の身長しかない位ちっちゃいんだぞ!
なんて文句言っても全然聞く耳持ってくれなかった爺はただ楽しそうににやにやしてみていただけだった…くそ野郎…
しかも全然階段は見えないし、植物が俺の足に蔦を伸ばすから俺は鎌を生み出してその場で草を刈ったり除草剤を作ったりして植物から何とか猛攻を受けつつも躱し切れた
本当になんで見た目普通の平原にしか見えないのに、全然普通じゃない…っ!
どうしようもない位、階段にたどり着くまでの道のりが長い気がする
もう疲れたよ、ルールウド君助けて…と言っても中々どうして階段の場所は全く見つからないしルールウド君がここにいる訳じゃないし誰も助けてはくれなかった
階段にたどり着く前に少し休憩して、フルーツを食べて魔力を回復させてスミレにささみ上げて少し座って疲れを取った後は爺はなんもしてくれなかった
キューリャさんもフルーツをたくさん持ってくれていたからおかげでよかったよ
4階にたどり着いたときはこの罠だらけな平原から抜けられるとひそかに喜んだ
…4階には何がいるのか、爺はちゃんとヒントというか言っていたのに、その時は考えてなかったんだよ、ステルス、罠だらけの平原から抜けられると喜んでいただけだからね
爺は確かに言っていたんだ
エリアボスのカマキリの雌を前の階層はオスがいる、と・・・
(正確には『ちなみにオスはメスのいる場所の近くに多く生息しとるぞ』といっただけど)
~バガモールの迷宮 4階層~
4階層に足を踏み入れると物凄い所に来たという感想を抱いた
周りには巨大な草と花、そして前が全く見えない視界
…よくある、自分が小さくなっても周りがそのままな風景がそこには広がっていた
で、でかい…草がでかすぎて手前が全然見えない
自分が米粒並みに小さくなったんじゃないかと思えるほど、今見える花は下から見た花のように、緑の…何だっけ、あのー…トマトのヘタみたいな感じに見える花と茎を繋げてある、あの部分
あれが見える
「で、でけぇ」
『ミャ―…』
思わず出た言葉は、スミレも同じだったらしく小さな口をぱかーんと開けて間抜けで可愛かった
…俺の体感で言うなら草の高さが大体4mくらい、花の高さは大体6mくらいだと思ってくれればいいと思う
俺の身長はまだ子供で、測っているわけじゃないから何とも言えないけど120いっていればいいほうじゃないかな
そう思うと本当に小さいんだが上も周りも草だらけだからほとんど景色なんざ緑一色だ
わー、目に良いなー、あははは・・・ハァ
察しの良い人はわかるだろう
これ、虫も大きくなっている奴だ、と・・・
俺は気づいてしまったのだ
なんせ・・・
巨大な蟻がぎちぎちと音を立てて口を動かして続々と通っているのを草の影から見えてしまったのだから・・・
逃げたい
助けて…
蟻の大きさは、くそ爺の身長より高い足があり、とにかく不気味だし気持ち悪かった
なんつーか…俺の頭を一齧り出来そうなくらい、でかかった
スミレが口に手を当てて尻尾を膨らませて無言で驚く位には迫力があった
『みゃー、奴らはにゃんにゃんだにゃ…』
「こっわー…あれ蟻だろ?ありえねぇでかさだぜ…」
「“あり”だけにか?がっはっは」
「喧しい、態とじゃないし茶化してんじゃないんだよ、こっちは」
「おじいちゃんジョークじゃ」
「控えめに言って死ね」
しょんぼりとした顔していようが知るか
俺はまじめにこの階層から逃げ出したくて仕方がないんだ
爺のくそより役に立たねぇ冗談に突っ込みかましているような余裕がないんだ
蟻って結構嗅覚だか何だかが鋭いんじゃないっけ?
ってことは俺見つかっちゃうんじゃないか?
そう考えたら寒気すら感じるんだが…爺は相変わらず余裕そうだった
お前、この自分より大きい怪物じみた虫なんかに囲まれていてその余裕はどこから来ているんだよ、ふざけんな
「魔虫は大きく二つに分けられる。わしらの世界で言う昆虫とそうじゃないものという感じじゃな。魔虫の昆虫類は頭と胴が離れても攻撃してくるからよお覚えとけよ?」
「あー…気持ち悪い…まじない。ない、頭と体が離れてても向ってくるとかキモイ。」
「魔虫はほとんどの者が毒持ちだから気を付けよ?」
「やっぱり控えめに言って死ね爺」
「せっかく教えてやっとるのに何じゃその態度は。おじいちゃんは親切でアドバイス上げとるだけじゃろうが」
何言ってやがるんだこの爺は…
お前がこの場所に無理やり連れてきたんだろうが
親切も糞もねぇっての
俺は虫に見つかりたくなかったので透明化して、更に影の中から闇討ちじゃないが虫を三か所頭と胴とさらにおまけでもういっちょ胴体の下の部分を狙うように射貫くことにした
そこまでしたらきっと死んでくれるだろうと思ったからだけれども、俺と虫の大きさから考えてあまり効果的に思える攻撃方法が思いつかないと言うだけの事だ
キューリャさんが不思議そうにしているのだけれども、俺が透明化して影に入った理由をこっそりと言うと納得してくれたのか、同じく透明化しておまけに気配までも消してくれた…キューリャさんと爺がまるでいなくなっているようだったので本当に透明化する魔法が凄いなとか思ってしまう
特にキューリャさん…すさまじいな、透明化した後さらに気配を消して匂いもないなんて
そして影の中にいるまま、虫どもの相手をすることになった
もうやだ気持ち悪い(><。)
ネズミや虫、更には得体のしれないドロドロした液状の何か、モニャハンにもいそうな泥を体にこすりつけた魔物なんかもいた
まあ一つだけ彼らの共通点を上げるならば・・・お前らデカすぎ…
草をかき分けなんとか進んでくそでけぇ大木並みの大きさの茎をしている花とか、俺がちょっと揺らしてもびくともしないような草の、影を伝いつつ陰ながら虫を無s…虫をスルーしていきながらも階段を目指した
半分くらい影の中に潜みつつ何とか進むと爺がどこからか話しかけてきた
「ここから先にバガモールの雄が大量発生するぞ、気を付けた方がいいのぉ」
そういってかかと笑う爺だったが、俺の耳にはどこからか、突然巨大な音が聞こえてきた
それはまるでなにも音のしない空間で一人、自分しかいない所で水分を含んでいる物を食べているようなものが本当に唐突に、聞こえてきたのだ
…嫌まじで爺、なんで今さら言ったし
はっきりみえてないけれどもこの爆音がする、原因…
一寸堅めの野菜の茎か何かを軽くかじっているような、ぱきぱき、ぼりぼりと何かをかじっている何かの租借音(それも、腹の底に響いてくるようなくらい、でかい音で、だ)
………これはぁ…
恐る恐る、そろりと顔を上空に向ける
はるか上空に見える、花の葉っぱに巨大な足と胴体を見つけ、それが…二本の大きな前足で抑えながらもぼりぼりとお食事していらっしゃるのは、例の話に出て来ていたカマキリで、食事となっていらっしゃるのは同じく巨大なネズミさん
…キャー、カマキリがネズミ喰ってるー!
ちなみにお食事になってしまっているネズ公様は土をかじって俺のいる方に吐き出して攻撃して来やがったネズ公で、カマキリの全身よりでかい筈だ
怖い
俺は今すぐ逃げ出したいのをぐっとこらえて分ちゃんに今カマキリの雄は上にいる奴だけなのか聞いてみたら俺の500m以内にあと4匹もいると言ってきた
殺虫剤をいち早くこの場に散布しなくてはいけない!
俺は無言で奴らに効くような化学物質を想像した
『ショージ、空気に混ぜてお薬の攻撃するにゃらショージ自身も効いちゃうにゃ!気を付けるにゃ!』
「(わかった)」
ぶしゅーーーーーーーーーーっと音を立ててスプレー缶が空中に浮かび、化学物質を散布する音がしばらく長く響いた
俺は前もっとガスマスクを想像し、キューリャさんの分もちゃんとつけさせて(爺は知らん。)から散布したので問題ない
しかし俺のその化学薬品はあまり効果的ではなかったのか、悶え苦しんでいるような変な音を甲高い音とも声ともとらえられそうな音を出して食べかけのネズミを落とした
うわ、効いてんのかわかんねぇ
うわ、喰われかけているネズミの死体が落としたせいでこっち迄来たし、マジ最悪…
そう思っていたら、カマキリたちが俺の出した魔法のスプレー缶に向かって何かを吐き出した後、両手の鎌の部分を思い切りスプレー缶の方へ振り回した
するとスプレー缶がジュッと音を立てて溶けて穴を開け、金属は変形した上に細切れにされた
カマキリこあい(´>×<、。)ブワッ
なにあれおっかない
逃げ出したい
カマキリたちは仲間を呼んだのか、へんに高い音をががががっと勢いよく鳴らした
更にカマキリ10匹追加された
お代わりまできていよいよ俺はどうしようもなくなった気がした
うわーん、どうしてこうなった!
【昇次が挑発するからだ、キリッ!(`・ω・´)】
挑発なんかしてねぇし!攻撃しただけだし!!
【その結果がこれだよ】
喧しいわ!虫なんだから殺虫剤で殺せると思っただけじゃんか!
どうして死なないんだよぉ><
【殺虫剤の中身を昇次自身、あまり知らないのが原因】
…へ?
【殺虫剤の中の化学物質をきちんと知らないのが、原因。ただ霧状の殺傷能力のあるものがトリガーを引くだけで出る、此れじゃ想像できていても魔法としての実現力はほぼ1割もない。もう少しちゃんと毒を出す、その毒はどういう毒なのか、きちんと想像するべし】
……毒って…虫に聞く毒…?えー…と(汗)俺が考えたのって、確かゴキジェ〇トなんだけど、それでも駄目だったんだ?
【駄目だからこうなってる。】
ですよねー…(遠目)
どないせいっちゅんじゃあ…
俺は影の中に潜りながらもがくがくブルブルと震えながらもカマキリたちに怯えていた
俺が中途半端に想像したのが気に障ったと言うので、今度はきっちり想像してリベンジしたいと思います
今度想像したものは、巨大な虫取りかごだ。そして虫網を想像し、片っ端から鋼でできた虫取り網を動かしカマキリを捕まえてかごの中に入れて…いれ…い…………
どうやっても、カマキリが入ってくれない(泣)
虫網にバサッと捕まるのは良いんだが、その後は網にしがみつきガガガガと怖い音を鳴らしているし、中には引き千切ろうとしているのか網に噛みついているのもいる
ぶんぶんと振って叩き落してやろうとしているが物凄い脚力でしがみつき、更には鎌をガリガリと網に引っ掻けている
虫籠の中に素直に入ってくれよ、怖いんだよ!
なんだよその音カマキリの出す音じゃないくらいに怖いんですけど!
「はっはっはっは、苦労しとるのぉ~小僧」
爺は相変わらず高みの見物中だ
そのままカマキリに食われて死ねばいいのに
俺は影の手を生み出して、カマキリたちを叩き落すようにぶんぶんと先程よりもやや強めに網を振り回し、かごに無理やり入れた
直接触りたくないので陰の手にも巨大な手袋をつけての作業だったが途中ガブッと噛まれて影の手が消えかけたりしたトラブルがあったものの何とか全匹入れることに成功した
カマキリ怖い(´Д⊂グスン
俺は何とかカマキリを閉じ込めた虫籠をそのままに、念のために他にはカマキリがいないかを分ちゃんに聞いた
【…いい知らせと悪い知らせあるどっち聞きたい?】
………………………
え、なにそれ何その微妙な聞き方
・・・ま、まぁじゃあ悪い方で
【…悪いほうはカマキリたちと戯れている時に出した殺虫剤のせいで、他の虫たちもこっちの方に向かって集まってきている】
ぎゃあああああああああああああああああ?!?!なんですと?!
俺は慌てたけれどももうすでに無駄だと言われたので色々と諦めた
…あー、で、いい知らせって何ですかい分ちゃん…
【ステフィム先生が目を覚ましてこの迷宮に昇次がいるのを突き止めてくれた。もうしばらくしたら助けに来てくれる…かも知れない。少なくとも、雌のバガモールのいる階層に行った時くらいには合流できる、かもしれない】
分ちゃん不確かだけどいいのか
【ステフィム先生が来てもこの迷宮を抜け出せるかわからないため、こういう言い方になるのは仕方がない。“私”はステフィムが教頭に言い負かされる未来が見える。この迷宮から脱出できるかという点では不鮮明。】
………あー、確かにそういう事なら仕方ないかもしれない
ステフィム先生押しが弱いから余計に不安だね
爺相手だと特に強く言えないような感じだし、ちょっと不安になってきたな…
俺も必死に抵抗しているんだけどこの爺かてぇし蹴ってもびくともしないし、人の話を聞きゃあしないし!!(ギリイ!)
……………まぁでもこの爺に言っても無駄だと諦めよう
てか今はカマキリだよ!
…捕まえて虫籠の中に放り込んでおいたけどもどうしよう……
しかも他の虫も来ちゃったとかまぁ大変…どうしたらいいのでしょう…
えーと、えーと!虫だから殺虫剤?
【昇次は混乱している。おちつけ。殺虫剤で引き寄せられたのに更に追加してどうする】
だってどうすりゃいいのさぁ(>A<。)
【…ここの虫は魔虫。魔虫というのは魔法を使う虫。魔法を使えなくすることを、推奨。】
へ?魔法を、使えなくする…?
【そう。魔虫は体の中に魔族と同様魔祖と体内の燃料となる魔力を合わせる気管がどこかにある。そこを突き止め潰せば生命が維持できず死ぬ。】
……………………………何それ怖い
大体そんなん見た目でわかるわけないだろ!
【相手をよく観察したらわかる。バガモールの雄の場合、けつの所に薄い膜のようなものがあるだろ?】
……………………………?????
俺は首を傾げながら怒り狂っていらっしゃるカマキリ様をよく見てみる
すると、うっすらと後ろ脚と、いわゆる下腹部辺りに確かに魔力の幕みたいなものが張ってあるのか、滲んで見えるのが確認できた
【そう、そこがバガモールの雄の魔法を使う器官。そこがないと魔法どころか生命を維持できなくなる、第二の心臓。】
ほぉーん…そんなのがあるんだ…で?
【………そこに傷をつけるだけでバガモールの雄は弱る。早く魔法で刺せ。ちょっとでも異物で傷つけたりすれば魔法事態は使えなくなり弱る、早くしろ。虫たちの大軍140匹くるぞ】
ぎゃああああああ!?!?!
なにそれきしょい!スルスル!早くカマキリさんコロコロします!!
って言ったってカマキリをどう傷つけりゃいいんだよ
あのネズ公を食い散らかすくらいの顎と鎌だぞ?
【あれは超過魔法だバーカ】
なんぞそれ
【強化魔法を部位的に一点特化で強化した魔法で超過魔法と呼ばれるものだ。だから、あの顎や鎌は魔法を封じれば脅威にならないの。オワカリ?】
…そ、そうなんだ…
そうと分かれば俺でも倒せる!
俺は土でできた結束バンドを出し、カマキリをちょっとだけ拘束し、その拘束中に巨大な針風の魔法でちく、ちくとカマキリたちの下腹部を刺した
するとアンだけ息巻いていたカマキリたちは死んだかのように痙攣を起こし弱弱しく数歩歩いただけでパタリと動かなくなった
……うわぁ
「ほぉ?」
爺が感心したかのように、カマキリの淹れた籠を見つめてうんうんと頷いた
手助けしねぇし、なんなんだこの爺…
そう文句を心中だけで言いながらカマキリを拘束しては針風でプスプスとけつや歪んでいる羽の先っぽの所を刺していった
全部のカマキリが弱り、ころりと仰向けにひっくり返るやつも出てきた頃にやっと一段落ついたので陰から出て、透明化も解除した
まだ透明化し続けるのは慣れてきたとはいえ魔力消費が馬鹿にならないんだよね…
「よぉ気付いたな。魔虫の弱点を見抜いたか」
「お見事ですショージ様」
キューリャさんも透明化を解除して魔祖の多く含むフルーツを渡してくれた
爺には褒められてもうれしくないけど、キューリャさんに褒められた!
やったぜ!と思っていたら分ちゃんがポップアップで文句を言ってきた
【昇次に教えたの“私”だけど?(#^ω^)】
・・・・・・・・・・はい、その通りでございます
今回は本当に助けて貰ってばかりなので、正直言って感謝してます
【<(`^´)>】
俺は素直に、言う事にしてご機嫌を取っておくことにした
「俺じゃなくて、分ちゃんが教えてくれたんだよ」
【昇次のフォローは任せろ!(`・∀・´)エッヘン!!】
分ちゃんが紙上で偉そうにしていても今回はなにもいわないことにしておこう
だって実際に凄く助かったからね
分ちゃん大先生には頭が上がらないよ…色んな意味で
「便利じゃのぉ、その魔法…」
「さすがです、分析魔法様」
【(*´σ-`)エヘヘ】
なんだその顔文字
またもや知らない所での顔文字検索か?
えへへ、って確か(∀`*ゞ)エヘヘ≪こう≫じゃなかったっけ?
【おニューの顔文字続々登場してて使うの楽しみ!】
…いや、いやいやいや
そんな
そんな服や靴を新しく買いそろえて貰っちゃったぜ的な感覚なの?!
“彼氏に新しいバック買って貰って使うの楽しみー、きゃはは”的な感じでいいの?
【煩い】
分ちゃん、あんたって子は…全く
俺が分ちゃんとの会話を楽しんでいると爺が少し顔をしかめ、重たい腰を上げた
「やれやれ、おじいちゃんも少しばかり害虫駆除でもするかのぉ」
?ッと思っているとキューリャさんが俺を抱きかかえ左後方へとジャンプした
なんでと思う間もなく、虫が自分の身を省みずに弾丸化の様に特攻してきたからすぐにわかった
…こっわ、あと数秒キューリャさんが抱えてくれるのが遅かったら頭に虫が刺さってた
…いや、それの表現としてどうかと思うけどさ、実際にそう見えるってことだよ
俺の数秒前位にいた所に飛んできた虫は鋭い蚊みたいな口をした、全長30mもした超巨大な羽付き蟻・・・っぽい何かだった
でか!こわ!きも!
三拍子そろったな、おめでとう、かえってくだしあ
えーなにがこわいって、その羽付き蟻もどきが大群で襲い掛かってきている事ですよ
100は見えるんですね、ハイ
そいつらがわらわらと集まり、俺達の方へ特攻しかけ、降ってくると考えてみてください
地獄でしょう?
それが現在進行形で行われている事ですが、何か?
ズガガガガガガガとお前らは銃か何かなのかと聞きたくなるほど、一審にキューリャさんに降りかかってくる羽蟻の大軍
しかも一匹が、30mででかいんだよ?しぬよ、これ
地面は抉れ、穴が開く
岩も粉砕してもけろりとして再び空中に戻り、キューリャさんを狙って特攻してくる羽蟻たちの軍勢は一向に衰えない
キューリャさんは無言で俺を抱きかかえたまま素早く躱してはいるけれど、俺というお荷物がいる為時折魔法を使って防御して押されている状態だ
御免なさい、俺が殺虫剤なんか魔法で作ったばっかりに…
殺虫剤の内容をちゃんと記憶していればこんな事にはならなかったかもしれないのに…
除草剤や肥料の農薬とかなら、少しだけ両親が農業やってたから知っていたのにいざという時なんも役に立たんな…くそう…
俺がひそかに反省している、その時
ごおおおおおお、と物凄い音がして、羽蟻の軍勢をあっという間に燃やし尽くす、青白い炎が辺りを覆った
「「?!」」
俺とキューリャさんが二人して驚いていると爺がニヤッと笑った
どうやら爺の魔法だったみたいだ
「どうだ、おじいちゃんも捨てたもんじゃないじゃろぉ?」
そう言いながら爺は青白い炎を指先から出して、ついっと何でもないような、ほこりを払うような感じで息を吹きかけてみせた
すると炎が勝手にキューリャさんの背後にいた最後の一匹に当たりジュッと音を立ててあっという間に殺した
……………………………
た、助かったんだろうけど、なんだあれ…
【炎と雷光の組み合わせた、魔法。上級魔法同士を組み合わせた超級魔法。頑張れば、昇次にもワンチャンできる。コピーして、自分のものにできなくは、ないが疲れるだけだぞ?】
やらんわ、あんなの!いらんいらん
そんなの、俺が過剰戦力になりすぎて俺兵器になっちゃうだろ?
そしたら拘束されんじゃないか!そんなのやーだ、っぺ!
【(…………それはすでに手遅れ…(ぼそっ))】
分ちゃんが小文字、しかも見えない位の文字でなんか言っていた(文字として書かれている)けど俺は気にしないことにした
奇麗に片付いたカマキリたちや虫たちの粒子を見送りつつ、魔石と体の一部がごろごろと落ちているのを拾ってから階段を目指して歩き出した
てくてくと歩いて数十分くらいの所に再びカマキリの軍勢が5匹もいるのが分かった
なんでまだいるんだよ
【そりゃいるだろJK】
くそぅ!
【ここはバガモールの巣みたいなもんだから、いて当然だ】
あ、ハイそうですか、そうですよね・・・(がっくり)
俺は再び同じ手でカマキリたちをかごに入れ、拘束し、サクサクとカマキリたちの尻を針風で刺していった
やり方さえわかっちまえばこっちのもんよと言いたくなるくらいに、先程まで苦労していたのが嘘の様にパタパタと死んでいくカマキリの雄は、魔石をゴロゴロ落としてくれた
後鎌になっている、腕の部分も多く落としてくれた
やったぜ
俺はそれらをまとめて影に入れてバカでかい草の根をかき分けつつもサクサク進んでカマキリの雌のいるであろう5階層につながる階段を目指した
「バガモールの雌は雄と違い更に凶悪になっとるし凶暴性や速さが段違いじゃ、しかし、弱点は同じところにあるから頑張るんじゃぞ?」
「爺は手伝わない訳ね…」
「うむ!」
「うむじゃねぇよ。くそ爺」
「小僧のための試練じゃ!」
試練とか言っててめぇが楽したいだけじゃないのかと問い詰めたくなるがきっとこの爺はなんも言わないでニヤニヤして終わるだけだろうからやめとくことにした
無駄なんだもん
手伝ってくれる気配しないし、てか気配消して隠れるだけだしこの爺…
で、なんだっけ?すばしっこくなるって言ってたか…
まじで雄より厄介なんだよな、雌って…
俺の世界で何度か目にしたことがある通常のカマキリでさえ雄をただの食糧としか考えてない奴だったから、余計に恐ろしいんですが、それは…やだやだと言っても仕方はないし、助けが来てくれるわけでもないのだからいやだけどご対面するほかないよな
…ステフィム先生、なるべく早く助けてくれぇ…




