生徒会室にて一悶着
俺は役目終わった、さっさと教室へ戻ろうと思ってくるりと振り返る
そこにはにやにやと嫌~な笑みを浮かべている壁がごときくそ爺が入り口付近で座り込んでいた
こんのくそ爺…(怒)
「……………………邪魔なんだけど」
「はッは、素直にここを退けば小僧はさっさと教室に帰るじゃろ?」
「そりゃそうだろ。」
「じゃ、どかん」
「控えめに言って死ねくそ爺」
「どこが控えめなの、ショージ!後口悪いって言ってるでしょ!そんな言い方しちゃいけません!」
俺がニコニコしているデカ物(筋肉爺)に向かってそういうとルールウド君に即座にお叱りを受けてしまった
だが俺はそれを無視して爺をどうやってどかそうか悩んでいた
シェンフ君達は呆れた、という表情や、また始まった的な表情をしてソファーやいすの方へと行き、入り口から向かって右の方のスペースにある大きなテーブルとソファーへと自主的に移動した
俺のそばにはルールウド君とキューリャさん、マクスェルさんがいて、少し離れている所にナイト君とコーヒーを口にして満足そうな表情の清爽君とキキョウさん、呆れた顔をして居るコントロル君だけだ
「…………退いてくれませんかねー」
「生徒会に入れば退いてもいいぞ」
「……まぁ?生徒会に入れば面白そうだし、ルールウド君いるし、同郷の人たちもいるし」
「そうじゃろう、そうじゃろう?」
「魔法も色々と出来そうだしそれなりに権力ありそうだから一寸した些細な不祥事も潰せそうだし」
「不祥事って何やらかす気なの?まだなんかやらかす気なのかい?」
シェンフ君が思わず突っ込んできたけれども俺はそこをあえてスルーした
「第一に先輩たちから色々と聞けるのかもしれないし、他国の人や他校の人から守れる守れないが出てくるっていうのもわかるんだけど」
「おう」
「俺ハッキリ言ってお前のやり方が気に食わねぇんだよくそ爺!周り巻き込むな!」
「さっさと小僧がわしの申し出を断るのが悪い!」
「こんな幼気な子供にする事か!?」
「お前さんもどうせ転生者だろうが!子供が聞いて笑うわ!」
売り言葉に買い言葉状態でくそ筋肉爺が俺に突っかかってくるが俺だってフラストレーションたまってんだからな!
言いたいことも言えねぇような大人しい性格なんざしてねぇんだぜ!
「本物の子供巻き込むんじゃねぇ!この老害が!」
「小僧がさっさとわしの組織に入ればいいんじゃ!」
「やることが汚ねぇてめぇがいる所なんざ入りたくねぇんだよ分かれくそ爺!」
「わしはこう見えてそれなりに外にも権限があるんじゃ!そのわしが認めてやるから生徒会事態に権限がある時もあるんじゃ!何が悪い!」
「子供に向かってその権限を働かせてくんじゃないって言ってんだよ、ボケ爺」
俺とくそ爺がギャーギャーと言い争っていたら急に俺の体を黒い手が覆い、俺を押し込むようにグイグイと影に引きずり込んだ
そんなことをしてきた犯人は…
「はいはい、教頭先生も、ショージも!言い争うのはそこまでにして!」
ルールウド君だった(くそう…)
むうう、納得いかねぇ…なぜ俺だけ陰に引きずり込まれなきゃいけないんだ
『フゥ…頭痛いなぁもう…』
解せぬ
スミレが呆れたように、はふん、と大きなため息をついたが、それがルールウド君とほぼ同時にため息をついたのでなんだか仲がいいようで何よりです
じゃなくて
俺はまだ言い足りない文句があるにもかかわらず止められて少しばかり不機嫌だ
『ショージ、少しはそこで反省してなさい。教頭先生、ショージがすみませんでした』
上からルールウド君の声で反省を促すよう言われたけれども俺は絶対に反省なんかしてやるもんかと少しばかり意地になり、みられてもいないだろうけどそっぽを向いた
俺は何日でもいてやるぞ!
こうなったら俺反省しないもんね!
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~ ルールウド視点 ~
教頭先生とショージの喧嘩を仲裁するために、ショージを一方的に影の手でつかんで影の中へと引きずり込んだ後、大きなため息が出てしまうのは止めようがなかった
「ショージ、少しはそこで反省してなさい。教頭先生、ショージがすみませんでした」
僕がそう自分の足元にある陰に呼びかけると拗ねたようにそっぽを向くショージの姿が脳裏に映り込んだ
ハァ、全く…どうして教頭先生に突っかかるんだろう、ショージは…
確かに少しやり方は狡いと思うけれど、教頭先生はそれなりに有益な事も命令されるんだけどなぁ…
まぁ今回の事は多少僕も思う事がないわけではないけれど、それにしたってショージの口が悪すぎるよね
それに、間接的とはいえ、教師に魔法をかけるような人物がショージを狙っていると言う方を真剣に考えたらさっさと生徒会に入れてしまいたいと思うのは仕方ないと思う
多少、やり方がどうかと思うけど、それだけ急を要するものなんだと思えばこそ、だと納得せざるを得ないんだけど…ショージはどうやら教頭先生を完全に敵認定してしまっているようだ
ショージ…敵対する人には容赦なく否定するからなぁ…
フロストエルフの里に初めて行ったときにも散々行くたびに些細な悪戯をしては困らせていたし…これからの事を思うと…ハァ、頭が痛くなってきた…
まぁちょうどいいか
ショージは今魔力使いすぎていたし、少しは影の中で反省してくれる…と思うし
僕は教頭先生にもう一度謝ってから多様大人げないのではと控えめにだけれど注意を促してからソファーの方へ座った
教頭先生はケロッとしていたけれども、あの様子じゃまた繰り返すんだろうな…ハァ…
「あらら、お兄ちゃんは大変ねぇ~?」
「有能すぎる弟が今だけはなんとか僕に従ってくれるからまだいいんですけどね」
「あら、ルールウドちゃんだって有能よん?」
「そうでしょうか…僕は純粋にやり合えばきっとショージに勝てませんよ…。分析魔法も僕より精度がいいし、魔力も、魔法のバラエティーも。」
僕はただ、生まれ持って鑑定眼を持っているから、色々と推測して行動に移しているだけだし、知識も本に頼って偏っているし…正直自分に自信がない
特に、今日見てしまった創作魔法を真似するなんて…
「仕方ないじゃない、ショージちゃんの魔法は私らの中でも到底できるレベルじゃないもの。ルールウドちゃんは落ち込む必要ないと思うわ?大体魔法って個人差がある物だもの。ね、元気出しなさいよ」
「…はい」
僕が落ち込んでいるのでキキョウ先輩が見るに見かねて慰める言葉をかけてくれた
更にキキョウ先輩がグリーン茶をくれた
僕がお礼を言って口をつけるとキキョウ先輩は口角を少しだけ上げてはにかむ
…先輩もそれなりに思う所があるっていうような顔に見えた
「まぁ規格外っていう言葉がショージちゃんの魔法にはピッタリよね。」
「ショージは最初からあんな感じで、ポン、と魔法を思いついては簡単に発動させて僕たちを驚かせてくるんです…」
なんであんなに発想と同時に魔法が発動できるのか、観察をしていても鑑定眼で見ていても、魔力の動きを注視していてもまるで自然に、最初からそうであるかのように魔法が発動するからいつも予測が出来ない
その為面白い、と思ったことも、これは流石にまずいんじゃないかと思ってヒヤリと背筋が凍ったり肝が冷えたりしたことも何度もある
だから今は何とか“兄”として言う事を聞いてくれるけれど、ショージがいつまで素直にいう事を聞いてくれるのか不安だな、なんて思う
もし本気で抵抗されようものなら、きっと僕は適わないだろうし…
「ハー…」
「…んふふ、大丈夫よ、そんなに落ち込まなくたって。昇次ちゃんはきっとルールウドちゃんの言う事や妹さんの言う事は絶対に聞き入れるわ。魔法だって今は加減知らないからやらかしているだけで、勝手がわかってくればきっと…確証はないけど、控えめになるはずよ…だって昇次ちゃんは途中から、この世界に転生してきたんだもの、まだ色々と試行錯誤しているのよ…そばで注意してあげられる人がいなくちゃね」
「…自信ないです」
キキョウ先輩にそう言ったら横からスッと本が差し出された
差し出したのはハダス先輩で頬を少しだけ上げて困ったように眉を顰めている
「どうぞ」
「それだけじゃ伝わんないわよ。」
「昇次君は多少規格外なところがありますが、それでもそれなりに恩義を受けた人を無下にはしないと思うので、ルールウド君が心配するように彼が裏切ったり君を見限ったり、なんてことはないと思いますよ。でも不安なら本をたくさん読んで少しでも彼のフォローをできるよう備えるしかないのでは、と。」
「…そうねー、今できる事ってそんくらいよね。不安に思うのも仕方ないけど。」
…僕は無言で本を受け取った後、頷いた
ショージがもし大変なことをいつやらかしても大丈夫なように、そうするしかないよね
「それに、一見危ないように見える私にもちょっと話しただけでビールを作れるようしてくれちゃったし、こっちから喧嘩を売らなければ友好関係をあっさり築けそうね。ルールウドちゃんがしっかりしないといつの間にかいけない組織と繋がってしまいそうね。そうなったら困るわ。ルールウドちゃん、しっかり!」
「そうですね、簡単に信じやすすぎるのも問題です。」
「ルールウドちゃんショージちゃんはこっちにきてから何年になるんだっけ?」
「…えっと、もうすぐで5年ですかね。妹が3歳の時に来て、今年で8歳だから…」
僕がそういうと先輩方それぞれが5年目の時を思い浮かべているようでどこか遠くを見ているように目を上に向けたり目を閉じたり考え事をしているかのように俯いたりして納得するような声を出していた
「ボクなんか、5歳のころ調子に乗りまくって魔力使い果たしていっつも寝込んでたなー」
「あぁ、一度はやりますよね…かくいう僕もやりましたけど」
ブルローネ先輩がそう言って、ハダス先輩も頷いた
ショージもよく魔力の限界ぎりぎりまで魔法を使いたがるし、眩暈なんかいっつも起こしているけど、先輩たちもそんな事していたのだろうか
「ふふ、私なんか調子に乗って家中を草だらけにして植物園じみた事していたわね。本とかで見て、花を実際に育てちゃうの。で、周りに怒られたわ。」
「…魔法を使いすぎて家を燃やしかけて怒られた。」
次々にとんでもない失敗談を話す先輩方に、僕のその頃はどうだったかを思い出した
僕はすでにミーシェがいて、マクスェルがいたからそんなに…派手な魔法の使い方してなかったような気がするけど…でも、確かに5歳の時は、何でもかんでも本で調べたくて仕方がなかったっけ…
よく父様の書籍へ行って怒られてた…
そうか、ショージもそうなんだ…僕の場合は本で調べたがったけれど、ショージの場合、きっとそれは魔法なんだね
魔法で自分自身何ができるのか調べ足りないんだね
知識欲と思うと少し、派手にやらかしていても仕方がないと思えてしまった
まぁそれにしても本当に限度ってものがある気がするけど
「…ま、私たちは転生してからそれなりに経ってちゃんと7歳から学園に来たけどショージちゃんは中途半端に学園に来たみたいなものだもの大目に見ましょ。」
「…はい」
僕は少しだけ魔法でやらかしても仕方ない、というのを念頭に置くことにした
…まぁ今の所しばらくは影の中にいて貰って、ちゃんと口が悪いっていうのを反省して貰ってからじゃないと駄目だけどね
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影の中に無理やり入れられてから少し時間がたったらしい
ルールウド君が影の上の方から呼んでるのが聞こえた
『ショージ、反省した?』
「してない!」
『…なんでそんなに偉そうなの…ハァ』
「くそじ…あいつのやり方気に食わないんだよ。あいつに対する口の利き方がどうこう言うならここから出ない気でさえいるよ、俺は!」
意地でも出るもんか!
俺がそう思っていたらルールウド君が黙って大きくため息ついた
スミレが哀れんだような目で見てきたけど知ったことか
ルールウド君が溜息をついて額に手を当てているのが見えた
結局俺がルールウド君の影から出る気がないので俺は影の中から魔法を使い、本を出して読みふけっていると拗ねてないでと宥める言葉が聞こえた気がした
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~ルールウドサイド~
暫く先輩たちといろんな話をして、鐘が鳴ったからもう昼食を取りに行く時間だと思い、もう反省しただろうと思って影の中にいるショージに話しかけることにした
「ショージ、反省した?」
『してない!』
「…なんでそんなに偉そうなの…ハァ」
『くそじ…あいつのやり方気に食わないんだよ。あいつに対する口の利き方がどうこう言うならここから出ない気でさえいるよ、俺は!』
僕は思わず言葉を飲み込んでしまった
駄目だ、こうなったショージは結構意地になっちゃうんだ…ハァー…
あぁ、拗ねて自分で魔法を使ってソファーだして本さえ出しているのが脳裏に浮かんでくるようだよ…
思わずため息が口から出たけれどもそれだけでキューリャは察したらしく、影へフルーツを送るよう言ってきた
詳しく言うならば影の中にいるショージへ送るよう言ってきたのだけれども、しばらくこの様子じゃ意地になって出てこないなぁ…きっと
僕の様子を見てキキョウ先輩が口角を少し上げた
…思うのだけれど、なぜ先輩たちはあまり感情を顔に出さないんだろう
なんか、よくわからないけれどそんなに感情を出さないのでぱっと見怖い人たちっていう印象が持たれているという事もあるし…そういう話をよく聞くんだよね…
「あら、そんなに見つめちゃってどうかしたの?」
「いえ、ただ先輩たちはあまり…悪口ではないのですが、感情表現しないなと」
「あら、してるわよ?」
「………そうですか?無表情で怖いってよく聞きますし、嬉しい、とか悲しい、とかそういうのが全然でない人が多いね、とよく聞きますけど…」
「あぁ…私たちのいた世界では皆良い年をしている大人だからね、派手に感情を露出したりしないのよ。後国民性かしら。私達のいた国では大袈裟にはしゃぐのは子供だけなのよ。」
「子供でも冷静な子もいますし、逆もたまにいますけどね。それでも時と場所考えて、ですが。」
「そうよね。」
そんな話をしていると教頭先生がシェンフ先輩やソルシエ先輩と共に仮医務室から出てきたので会話を切り上げた
「それで、どうだったの?」
ブルローネ先輩がそう聞くと教頭先生は目が覚めたら事情を聴くと言って起きたら教頭室へ来るようにと言っただけでそれ以上は何も言わなかった
どうやらソルシエ先輩でも特に悪影響を受けることはなかったのかもしれない
それ事態はよかったと思えることだけれども問題はまだまだありそうだと言う事は僕にもわかる
「ところで小僧はまだ影の中か?」
「なんだか、意地になっちゃっているみたいで…でない、なんて言い張っているんです。」
「ははは、まぁわしは孫に会えたみたいで一向に構わんがな。いやぁ、わしの孫も昔はよぉっくあれこれとわしに文句言って突っかかってきたもんだ。」
「…はぁ…(汗)」
教頭先生がそう言ってはははと笑う
うーん、笑って済ませるような事じゃない気がしなくもないけれど、本人がそう言っているのならという思いもなくはないけれどショージが…今現在拗ねているから…はぁ…
教頭はひとしきり笑った後仕事があるから仮医務室の人たちが目覚めたら呼びに来るよう言って戻っていった
あの人は結構忙しい筈なのだけれども…ショージが学園に入ってから会う機会増えた気がするなぁ
「ルールウド君、ショージ君を陰から出してくれないかな」
「あ、はい。いいですよ」
シェンフ先輩が言うからショージを無理やり影から追い出した
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影の中でむすっとしたまま本を読んでいたらなんか急に追い出された
体をぐっと押し上げて、影からポイッと捨てられた感じで追い出された
ルールウド君、人をなんだと思っているの?酷くない?
…許しちゃうけどさ
「なんだよ、謝んないぞ」
「教頭先生は自室に仕事をしに帰ったよ?」
「そっか、ならよかった。で、何の用?絶対に反省しないぞ?」
「なんでそんなに意地になっているんだかわからないけど…、ふうー…。シェンフ先輩が呼んでいたんだよ」
ルールウド君がそういうから首を傾げつつもシェンフ君の方を向いた
シェンフ君は割と真剣そうな顔をしていたから、なんかあるのかと警戒してしまうぞ
「シェンフ先輩、なんですか?」
「生徒会としてチームに入れたいと言うのは変わらないんだけどね?」
「?はい」
「それとなく、教頭先生に、君の知り合いと妹さんを保護する意味で生徒会に入れたらどうか聞いてみたんだけど」
俺の知り合い…?妹はミーシェちゃんなのはわかるけど何ぞと思って首を傾げた
知り合いは俺のクラスメイト…あぁ、ルネア君達の事かな?
「ほら、カフィーユくん?だっけ?」
「あぁ!カフィーユ君!え、てかカフィーユ君達も巻き込む気なんですか」
「あくまで保護の名目だけどね。巻き込む、というのも間違ってない見方だと思うけれども、こうしないと今日の様に友人や知人が巻き込まれることもあるんだよ。」
「…」
確かに今日の様にカフィーユ君やルネア君達を巻き込んでしまった、なんてことはあるかも知れない
その時俺だけじゃ守り切れない…かもしれない
「それで、一度君の言うチームに入れてあげると言った人と知人たち、親しくなれたこをルールウド君と僕たち生徒会のメンバーに合わせて欲しいんだ。それだけでもだいぶ違うから。全く知らないんじゃ守れもしないし、いざとなったらかばう事も出来ない」
「気軽にお友達紹介ってことだと思えばいいわん。私たちも、一応生徒会に入る前面通しとして紹介してるからショージちゃんだけってわけじゃないわよ?」
「お友達紹介…いいですよ?ただいま寝ているけど。」
「ちょうどもうお昼ご飯になるから、紹介してくれる?」
えー、もうお昼なの?鐘の音とか聞こえなかったんだけどなぁ…
あ、影の中ってあれか、ルールウド君の影の中だったからルールウド君の任意の音しか聞こえないのか
俺自身の影に入っていたわけじゃないからかも知れない、そう思うと鐘の音が聞こえなかったのも少し納得した
そして友人を紹介と聞いてもうすでにルールウド君には紹介しているんだけどなぁとか一寸思ってないよ?本当だよ?
「というか俺まだ生徒会に入るなんて一言も言ってないんですけど」
「え、ほぼ拒否権なんかないよ?今更何を言っているの?ショージももうわかっているでしょう?」
ルールウド君にそう言われて俺は頬を膨らませた
俺は何でこう…もう!巻き込まれるんですかねぇ!此畜生め!
そんなもやもやを抱えているとスミレが俺の足元でぐるぐる回り、ニャーと鳴き出した
抱きかかえると不満そうに、何度も鳴いた
抱き上げると途端にスミレがぺしぺしと俺の手を叩いてきたのでささみを出したら渋々と言う顔で食べだしたので、カリカリの方が欲しかったとみた
仕方がないので、俺はカリカリを出してあげるとすぐに食いついた
『にゃーん!なーん!にゃー!』
「スミレ?ささみ上げたでしょ…」
『なーんにゃーん!』
「なんだよ…あぁ、ご飯か…はい。」
『みゃー!はぐ!はぐはぐ!』
一気にご機嫌になったスミレを見つつも俺は魔力回復薬をぐっと煽って飲んだ
コントロル君がなんか自分の影に生肉を落としまくっているのを見てきっと姿を見ながら魔獣に餌をやりたいのにスミレに遠慮して影にいる子たちに餌をそのまま上げているんだなと少しだけ悪い気がしてきた
「あ、コントロル先輩は魔獣とか魔物にはいつも餌あげているわけじゃないからそんなに気にしなくていいんだよ、ショージ?」
「あぁ?(イラッ)」
ルールウド君はそっぽを向いて何でもないような表情でスミレのいる辺りを撫でているがスミレの背中をかすっているだけで、本当に撫でているのではないようだ
きっと見えないから適当に撫でるふりをしているだけなのだろう
はっきり見えている時はちゃんとスミレの背中やあごの下とか撫でられるのに、見えていない時(俺の作った薬飲んでいない時)はかすりもしないと言うある意味凄い器用なルールウド君だった
本人曰くぼんやりとどこの辺りにいるのかはわかるみたいなのでそこら辺を適当に撫でているだけなのだろう
「ミーシェちゃんを保護する必要があるのはわかるけど、友人知人まで巻き込んで保護って大袈裟な気がするんだけど」
「あぁ必要に応じて、ってだけだよ。生徒会のメンバー全員の友人知人は一通り知っておかないといざという時に大変だって言ったでしょう?」
「保護はすぐにしないの?」
「一々匿っていたらそれだけで大変な数になるからね。身を守るための魔道具を貸して、いざという時に僕たちに知らせる魔道具と魔法をかけて、ショージの友人たちは皆日常を過ごして貰うだけだよ。ショージには生徒会メンバーとしてこの教室にいて貰うけどね」
そっか…俺さっそく友達出来なくされちゃうのか
悲しいなぁ…
俺がしょんぼりしているとコントロル君がむにっと頬を引っ張った
「んな顔しなくても他の奴らにゃ普通に会えるし、用事がねぇ時はずっとここにいていいんだぜ?ここ、PCあるんだよ。」
なぬ!?PCが…PCがあるだとぉ!?
コントロル君の方を見るとにやーっと笑顔になって一つの扉を指した
「あっこにPC部屋があって、PCでゲームが出来たり、とっくに卒業した先輩たち転生者さんとメール出来る。生徒会メンバーになりゃ使いたい放題な。んで、こっちは各個人の部屋へと繋がってる、鏡があって行き来自由、ってわけ。」
コントロル君が案内したのは生徒会室に来た時に壁で見えなかった、ベッドのある部屋とは正反対の壁にある扉で、そこは姿見の鏡がネームプレートと共にいくつもあった
話によると個人の部屋へと繋がっているとか…ホリ〇タみたいであぁここは異世界だったんだなと思わずにはいられない、わくわく感が凄い
「ハァー…便利じゃん!」
「だろー?さらにこっちは、生徒会メンバーだけの図書館。」
コントロル君が次に案内したのは鏡だらけの部屋の隣の青い色をした扉で、ガチャっと開けると物凄い量の書籍、壁一面天井まで敷かれている本の山と本棚と紙の束や丸まっている羊皮紙の山だった
ふぁあああああああ!こ、これはすごい!屋敷の中でも書斎は充実していたけどここはもっとすごい!
「わあああ!凄い量だ!え、ナニコレ読んでもいい奴?!」
「すっげぇテンション上がってんなー…俺は見た時うげーって思ったけど」
「なんで!?いいじゃん、俺本好きだから片っ端から読みたい位だよ!ね、植物図鑑ある?」
「お前そういうとこ兄貴に似てんのなー…ほれ図鑑。」
「ありがと!」
俺が受け取ってぱらっと開いてみるとルールウド君が呼んだからすぐに本を閉じてルールウド君の方に行き凄くない?といった
「興奮するのはわかるよ、僕もそうだったもの。でもショージ、本読むときは座って読みなよ。ショージは夢中になるとすぐ回り見えなくなるんだから」
「そ…ソンナコトナイヨ」
「そんな事あるよ。お昼だって言ったでしょう、食べに行こ?」
「あ…」
もれなく図鑑はボッシュートされました…(がっかり)
ルールウド君は苦笑をして本を図書館部屋へと返してしまった
ぐぬぬ…後でコピーしてやるぅ!(ギリイ(# ゜Α゜))
「さ、コントロル先輩の生徒会室案内はそこまでにしてお昼にしようよ。」
「あ、まって。」
ルールウドくんをひきとめて俺はビールの樽を中くらいの大きさまでの奴を一つ、赤ワインのワイン樽を一つ、更には白ワインのワイン樽一つを出してあげた
「ナ……なにこれ」
「これ、ワインの赤と白、それにビールの樽だよ。コントロル君と、生徒会のメンバーの人達にあげる。」
「「くれんの?!」」
「おっ前…いい奴だな、昇次!!」
コントロル君が俺の肩をバシバシと叩いた
俺はよろけたけれども大して気にしてないので構わないけれども、スミレがルールウド君と共に眉を顰め嫌そうにしていた
「そんなに大きい物だして魔力は大丈夫なの?ショージ」
「大丈夫だよー?これレシェルナさんと二人で生み出した魔法の樽でね、魔力を流せば魔力がそのままお酒になる魔法樽なの。凄くない?魔法使ったわけじゃないから俺の魔力は減ってないよ。そういえばこれがあったなーって影の中にいた時思いだしたから上げる。」
「なにそれ僕そんなのあるって聞いてないよ」
「うん、作って満足したからレシェルナさん達の家に一つと残りは俺の影に入れて置いて、他の事していたらすっかり忘れていたんだ。」
それを聞いてルールウド君が頭を抱えてふらついた
慌てて支えるとルールウド君が小声で 俺は全くもう、とか呟いてた
あはは…ごめんちゃい♡
シェンフ先輩がワイン樽に片手を添えて不思議そうにしているから使い方を教えてあげることにした
「魔力をこの樽の、蛇口に流してひねれば中の水と反応してワインが出来るんですよ」
「…中身は、水なの?」
「正確に言えば、アルコールの入っている水です。蛇口に魔法陣が彫られていて、魔力を通せばワインになるようなってます。中の水は半分になったら自動で増えるように、アルコールも自動で…魔法陣があって、魔祖も入っていて魔族でもおいしく感じられるようになってるお酒です、飲んでみる?」
「いただけるならちょっともらうよ」
シェンフ先輩がそういうので俺は蛇口をきゅ、きゅと回してコップをその下に持っていきワインを注いだ
ふわりと葡萄の発酵した香りとアルコール臭がする中、コップ一杯になったので蛇口を閉めてワインをシェンフ先輩にあげた
「…ん!美味しい…!」
シェンフ先輩が受け取りワインに口をつけてかなり驚きコントロル君と直感さんが羨ましそうに見ている中うっとりとした表情でシェンフ先輩がもう一口、今度は味わって飲んだ
「これは本当に美味しいね。このワインを瓶に詰めたら相当高値で売れるんじゃないかな」
「金儲けに使ったらだめですよ!これはあくまで個人で楽しむ用です!」
「あはは、ごめん、ついね。」
「これ魔法道具だし、俺一人で作ったものじゃないですから…」
「それは済まなかったね、冗談だよ」
シェンフ先輩はそう言って苦笑した
飲みたそうにして居るコントロル君達にワイングラスを上げるとさっそく受け取り好きなだけワイングラスにワインを注いで飲んだ
「う、うまいっ!」
「…美味しいですね」
「…うん、癖がない。飲みやすい感じ。」
テンツァー先輩も飲んでいる所を見るとそれなりに年を取っているようだ
清爽君もワインをワイングラスに少量淹れて香りを嗅いだりゆっくり飲んだりしてうっとりした顔になって嬉しそうに飲んでいた
「…わかってると思うけど、その…昼に飲んじゃだめだよ」
「じゃあなんで昼間に出したの…」
ルールウド君に呆れられたけれども、俺は仕方ないとおもうんだ
影の中にいる時、ビールが出せそうなくらい魔力回復したかなー、まだかなー、そういえば、こんなのあったっけ。という風に思い出したんだから
それに・・・
「だってコントロル君がビール飲みたいって悔しがってたし」
「…そう、だね。あ、ショージお昼如何する?」
「教室に行ってからみんな起こして食堂行こうよ。」
「うん、そうしようか。」
ルールウド君は頷いてからシェンフ先輩にそれを伝えた
移動する前にコントロル君に牛丼を出してあげると嬉しそうにしてその場で掻き込んだ
その為少し遅くなったけれどもコントロル君は満足そうだった
その後奇麗に平らげた丼を返してくれたので魔法を解除してから今度は俺たちのご飯を食べに行くために、ぞろぞろと全員が教室へと行き、最後に俺とルールウド君が部屋から出ると生徒会室のあった扉はただの布のかかった壁になって扉が消えた
ペタペタと触ってみると感触はただの壁で、凄く驚いた
「?何しているの、ショージ教室に行くよ」
「壁!何もなくなった、すげぇ!」
「ふふ、そうだね。生徒会室は魔力登録していない人たちにはただの壁なんだ。寮の部屋の扉と同じ魔術が使われているんだよ。後でショージとミーシェにも登録してもらおうと思っているから、詳しくはその時にね?」
「……うん!あの本は読みたい。教頭は気に食わねぇけど図書館やPC部屋は気に入った」
「よかった。正式に生徒会に入ってくれる事を考えておいてね」
ルールウド君は少し安心してほっとしていると顔に書いてあるような表情になって溜息をついた
俺達は教室に戻って黒板の魔法陣を見ない様に注意しながらも消した
次回、ステフィム先生(担任)抜きで授業になるのか!?
いや、この状況をあの先生が放置するとでも思うのか!
次回、『てめぇはヒマ人なのか』こうご期待
(一度やってみたかった予告風ななにか)




