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とある教師が懲りずにつっかかってくる件

ぷーちゃん先生が俺の足元にいる、子鹿みたいな精霊に話しかけた

するとその小鹿は嬉しそうに何度も俺の周りをくるくるとかけ回った


『この子、土の良い匂いがするの!あとぽかぽかする!好き!』

「あぁ、なるほどそうか。」

「何かわかったのですか、パディ先生。分かったのなら助けて差し上げて欲しい所ですが」

「あぁ、なに。単にここにいる精霊たちは草食で大人しい精霊達ばかりなのだが、この一生徒であるドラゴニア殿の魔力が彼らの好む、草木と、日の温かい魔力でありそれがこう、な、フフフこうなっている、要因だそうだ。ふふ、ふくくく!」


笑うなよこの陰険教師め


「なに、この子たちは害を与える事ない大人しい性格の精霊達だ。火の精霊や闇の精霊とは違うから争って自分が気に入るようなところを奪う事もない。ただ単に陽だまりの中、心地の良い場所に座っている、そういう気分になるのだろう」

「…は、はぁ…。それで、助けてあげたのですか?」

「いいや、まだ助けていないが?いやぁ愉快 愉快。彼に群がっている動物がたくさんいる、とそう、想像してくれればいい」

「パディ先生、私は助けて差し上げて欲しいとお願いしたのですが」

「もう少しこのままでいいのでは?害はないのだし。」


おいそこのぷーちゃん先生!

見てないで助けろ!!だが今朝の事は謝らないからな!


しかしぷーちゃん先生は助ける気がなさそうで、さらに俺に向かってにやにやした顔をして、何度も思わせぶりなふりをして見せた


「助けてほしいならばそういう態度はいけませんなぁ、ドラゴニア殿、おっと失礼。態度も何も群がられているのではどうする事も出来ませんなぁ?あぁ愉快、愉快」


こんのくそ教師…

ステフィム先生が米神のあたりを指で揉んでいるし、他の生徒たちも戸惑いどうしたらいいのか困惑している

俺はこのままでは影の手を出すことすらできない(動物たちがうろちょろしてて巻き込み兼ねないからしないし出来ない)


ぐぬう…動けるようになったら覚えてろよ、ぷーちゃんめ!


せめて精いっぱい睨み付けると小馬鹿にしたように笑い転げている

んにゃろぉ、大人げないったらないぜ、こいつ!


俺がほとほと困っているとすっと窓から入ってきたスミレ様が、フ―!と尻尾を膨らませて威嚇し、怒っている様子でやってきた


『みゃーのいにゃいうちに、にゃにしてるニャーーー!フシャーーー!』


『わきゃー!』

『きゅー!』

『おてつきだったでちゅー』


わらわらと動物達が俺の足元に来たスミレから逃げるように反対側に逃げ込み、スミレが俺の周りをくるりと威嚇しつつも回ると漸く動物地獄から解放された


『ショージ!みゃーのいにゃいうちに精霊たちのいるとこ行っちゃ駄目にゃ!』

「そんなこと言ったって…授業なら仕方ないだろ」

『さっきみたいにゃことににゃっても、しらにゃいにゃよ!』

「…授業があるときに声かけるよ」

『みゃん、それにゃらまだいいにゃ。そうするにゃ!こにゃー!』

『きゃー!』


スミレと会話している時にこっそりとリスの精霊が俺のポケットにするりと入ってきてくすぐったくて仕方なかったけれども、スミレが追い出すと素早く逃げて行った


『みゃったく、油断も隙もにゃいにゃ!ふしゃー。』

『くぅぅーん』


子犬の精霊が俺の左足の裾から離れ哀れっぽく泣いた

その他度々俺のそばに来てはスミレ様のお怒りの鳴き声でしょんぼりして離れていった

そのまま精霊術の魔法を座学で受ける、が、しかし

スミレが俺の机や肩に行ったり来たりして精霊たちを追い払うので俺は授業に集中できそうにない…スミレちゃん、スミレちゃん、うろうろしないでください

ノートに文字が書けないよ


『こいつらが悪いにゃ!ふしゃー!ふー!』


Ok、わかった

お怒りになるのはごもっともです、大人しく襟巻になっていてください

俺は仕方ないのでにゃおちゅーるをだしてスミレに上げた

膝の上でにゃおちゅーるに飛びつき、懸命に舐めだすスミレを置いておいてようやく一呼吸つける状態になったので俺はジロッとぷーちゃん先生を見た


「な、なんだね?よかったじゃあないか。君の優秀な契約精霊が追い払ってくれたのだから、私が何かしなくてはいけない通りはないだろう?」

「………」


俺はこの時諦めた

精霊術の授業は、ろくに勉強になりそうにない、と…

この先生、俺に突っかかってくるんだから当然だと思うが、まず俺は精霊たちに群がられるから、先生の話とか全く聞こえない!それのおかげでスミレが肩に上って、フー、フーと威嚇しているためうるさくて授業に集中できないのだ


うーん、何とかしてくれないかねぇ…


「ふふふ、ずいぶんと君の精霊は執着心や嫉妬心が強いみたいだなぁ?」

「…いいから授業でもしてくださいよ、ぷーちゃん先生」

「その名で呼ぶな、その名は誰にも許可していないぞ」

「ぷーちゃんは嫉妬深いししつこいと母が言っていましたよぉ?」

「その!名で!呼ぶんじゃない!!」


はっはっは!ざまあみろ!

ぷーちゃん先生は足を叩きつけるように足踏みをした後に、俺をにらんだ


ステフィム先生が頭を本格的に抱えだしたがそれは俺のせいじゃない

半分くらいは揶揄っているけれども、ね


「ほらぷーちゃん早くしてくださいよぉ」

「その名で呼ぶなと言っているだろうが!」

「はぁ…胃が痛い…」

「ほら、ぷーちゃん先生が授業をちゃんとしないからステフィム先生が胃を悪くしたじゃないですかぁ」

「だあああああああ!貴様!ガキだからと言って私が許すと思うなよ!貴様はもう少し群がられていろ!この生意気な悪ガキめ!」


あ、ひでぇ!スミレにぷーちゃん先生が毛糸玉を取り出してこれ見よがしに投げてよこしたせいでスミレがにゃおちゅーる食べていたのに毛糸で遊びだした

そのせいでわらわらと動物たちが俺の所によってきた


どうやらスミレが離れたせいで俺と遊べると思ったらしい

再び俺のそばに動物たちが寄ってきた

しかしスミレちゃんがすぐにクワッと目を開き、毛玉をそのまま投げて、他の精霊たちに威嚇した


『め!にゃ!』

『うにゃにゃ…だめにゃ?』

『めにゃの!!』


スミレが猫の姿の精霊といやそうな顔して話したら、その猫がなんと他の精霊たちに話をつけてくれるみたいで、しょんぼりしながら俺とは遊べないみたいだと言ってくれた

そしてスミレがすりすりと俺の手に自分の体を擦りつけると、周りにいた精霊たちは少し残念そうにしつつもあきらめてくれると約束してくれた


おぉ、何とかなりそうでよかった…

ぷーちゃん先生は何もしてないので恨み倍増だけれどね!

ステフィム先生は頭を押さえて、大きなため息をついて肩を落とした


「なぜそう仲が悪いのですか…特にパディ先生…貴方はもう少し大人として一教員として生徒を指導しなくてはいけない立場なのですよ?長く付き合っていかなくてはいけないというのに…ハァ…」

「なに、私は自分に素直なのだ。嫌な悪ガキに指導なんて冗談じゃない。レシェルナ様がなんと言おうがこいつはあののほほんお天気女に取り入って王家に入ったに違いない!」

「だから、貴方のそう言う所がショージ様にも他の生徒たちにも悪影響を与えるので直して欲しいのですが!」


あーもうめちゃくちゃだよ

咬み終わったガムより頑固で粘着質だよ、このぷー太郎

自分の仕事すら投げ出しやがるとか大人の風上にも置けねぇ

よしここは一つ俺がこの使えないぷー太郎に代わって授業してやろう

俺は中身大人だからね(あ、そこの“何言ってんだこいつ”とか思った人、スミレちゃんの爪に引っ掻かれてしまえ)


俺は使えない、見習ってはいけない大人一人とそれを説教している先生一人をそのまま放置して、生徒たちを自分の周りに呼んだ


「どうしたんですかショージ様」

「なんですか?」


子供たちは皆素直に俺の周りにやってきたので、本当にいい所の育ちでよかったとか一瞬思った

いや、呼んでも自分じゃないから、とか 自分と変わらない位の子供が呼んだからとか屁理屈こねて素直に来てくれない子供とかいるからね

そういう面ど…げふん、ちょっとプライドが若干邪魔して素直になれない子とかが居なくてよかった


俺は皆を集めたところで、精霊たちの姿をまず認識してもらうことにした


「ぷーちゃん先生の代わりに、僕が精霊術の事を教えようと思います、いいって思うならこのまま僕の近くに居て、いやだったら席についてね」


俺がそういうと周りにいる友達の顔を見て困っている生徒たちはいまだに言い争っている(一方的にぷー太郎が怒られている)先生たちを見てこのまま俺の周りにとどまった


その選択は俺的には正解だと思う

俺は精霊たちにそれぞれの姿に相応しい様な餌皿を用意してその中に栄養薬の水薬≪ポーション≫をキューリャさんにスカーフから出してもらい、皿に移した


「それは何ですか?」

「これは俺が作った栄養薬だよ。これはね、精霊達にあげると姿が見えるようになるんだ。まずは君達にも精霊の姿が見えないと、精霊術というのは今一どういう物かわかりにくいでしょう?」

「そうなんですか」

「そうなんだよ、みててごらん」


薬を入れた餌皿をそれぞれ精霊たちの前において、俺は精霊たちに飲んでと言った

嬉々として精霊たちはそれぞれ集まり、ちびちびと飲んで、最終的には美味しいと思ったのか、皿を舐めるように全部飲んだ


すると精霊たちが光って…他の生徒達にも見える姿になった

動物の姿で、俺の出した餌皿に群がっている姿が目に映る


「「「わあ!!!」」」

『『『?!?!?』』』


子供たちが驚きの声を上げたせいで精霊達はびくっと反応して耳をバタつかせたり、周りをきょろきょろと見渡したり、逃げようとしてあちこちに走ってほかの精霊とぶつかったり、高い所に逃げようとして机に上ったりした


「混乱しちゃうから大きな声は出したら駄目だよ?」

「「「ご、ごめんなさい…」」」


今度はいまだ混乱している精霊たちに訳を話すことにした

訳を話して少しでも落ち着いてもらわないとどうしようもないからなぁ(汗)

先に訳を話してから協力してもらえばよかった

『大丈夫、落ち着いて。みんなの姿が見えなかったのに、見えるようになって驚いただけなんだ。驚かせてごめんね?俺があげたおいしい水で見えるようにしたんだよ』

『『びっくりしたぁ』』

『うん、ごめんねってみんな言っているからね?』


ようやく落ち着きを取り戻した精霊達は渋々と子供たちに自分から近寄った


「精霊って形は皆様々だけど、動物の姿に見えるよね」


俺がそういうと頷いたので俺は教本を開いて教本の内容から外れないように気を付けて子供に納得できるように教えていくことにした


「まず、この姿でも精霊は本当の動物とどこか違う所があるでしょう?リスならこの羽がないはずだし、同じリスの姿をしていてもこの子はしっぽが尖ってるし、この子は角があるよね?」

「本当だ」

「可愛い…」

「精霊の得意としている属性で違うんだ。」

「「「へぇー!」」」


リスの精霊達はお互いにきょとん、としているけれども大人しくしていた

よかった、大人しくしていてくれるからやりやすいよ


「で、えーと、そんな精霊達は本来なら召喚することで姿が見えるのだけれども、今回は俺の栄養薬で見えるようにしたから本当なら見えないと思っていいからね?精霊達は自然が豊かなところに多くいるんだ。火の精霊なら家の中の暖炉とか、台所とか、水の精霊なら水辺によくいるよ。この子たちは草とか土の精霊達だから、庭先とかにいるはずの子が多いかな。全体的に羽が生えている子が多いでしょう?」


小鹿には蹄の後ろに小さな羽がついているし、スミレに叱られて他の子に言い聞かせてくれた猫にもスミレのように背中に一対の羽がついている


「で、この子たちはこの子たちだけの言葉があって、精霊術っていう自然の力を借りる術があるのね?それが精霊語と、精霊術っていわれるものだよ。ほら姿は見えるけれどもこの子たちの言葉はわからないでしょう?」


『さっきの甘々な水ほしい!ちょーだい!』

『あれおいしかったねー、甘々!おいしい水ほしいー!』

『ほしいー!』『ちょーだい!』『もっとなめたかったー!』


試しに何か話して貰った方がいいかな、とか思ったけれども俺が指示する前に精霊たちが退屈したように好き勝手に話し出したので、子供たちは納得したようにうなずいた

ほら、見えていた方が納得できるでしょう?


一寸賑やかだけれどさ…というか一気に話さないの!と言いたいのを我慢した


「で、この授業は本当ならばこの子たちの使う自然の力を借りるための術を習うんだ。えーと…教本の3ページに書かれているけれど、この精霊達は、怪我を治療する事も出来るし、身を守ってくれる時もあるんだ。それに、精霊達は基本的に僕たちみたいに性格が合って、友好的な子も多いんだ」


俺が教本を見ながら言うと精霊達が皆して『『『そうだよー!意地悪禁止だよ!』』』と言ってきたのでそれも伝えてあげた

何この言葉をそのまま通訳しなきゃいけないの…?とか一瞬思ったけどまぁそのまま通訳してあげたよ


その後は精霊術でどういう事が出来るのかとか、精霊術の事を少しざっくりと触れて鐘がなったのでぷー太郎の出番もなく授業は終わった…終わってしまった

同じぷーと付くのに黄色いクマの方がまだ愛くるしいという点で勝っているぞ、ぷー太郎!あとうちのステフィム先生をいじめるんじゃない


え、おまえがいうな?知らんなぁ。俺は虐めてないし?


「じゃあ次に精霊術の授業があるときはぷーちゃん先生が教えてくれると思うからここまでにしようかぁー」

「ショージ様は教えないのですか?」

「僕はぷーちゃん先生がどうしてもやる気がないと言いきれば教えるけど、一応ぷーちゃん先生は先生だからね。お仕事とっちゃだめだからねー」


生徒たちはぷーちゃんというと後ろを見て、ぷー太郎がいまだに怒られているのを見てため息をついた

次回も俺が教えることになりそう…いやさすがに、二回連続はないよね?!

ないと言え、そこのぷー太郎!お前それでご飯食わせて貰ってんだからしっかりその分働けよ!訴えるぞ、学園の偉い人に!


俺はいまだに白熱しているステフィム先生に強制的にこちらに連れ戻すのも何なので、ぷー太郎を黒い手でがっと掴み、ポイッと放り投げた


まじめに働いて苦労が絶えないであろうステフィム先生に乱暴をするより、授業を気に食わない奴(しかも相手は子供の俺だぞ?)がいたからと言って放棄するようなぷー太郎を乱暴に扱うに決まっているだろう?

誰だってそうする、俺だってそうする、というか、した。


俺はわざとらしくも子供らしい笑顔を見せてステフィム先生を猫撫で声で呼んだ


「ステフィム先生、鐘がなりました、授業は代わりにざっくりとだけれども教本を見て少しだけ進めました。」

「あ、あぁ、私としたことが…はい、えーと…」


おや おや先生は混乱しているようです

可哀そうに…それもこれもぷー太郎のせいだね(異論は認めない)

俺は今日ざっくりやった精霊術の所をステフィム先生に教本を片手に言うとステフィム先生はどうにか冷静さを取り戻したようで途中から俺の話を聞き言って、頷いた

そして後でぷー太郎に次回授業する時に困らないように今回の事を引き継ぎ、次回の授業の為に言っておくと言ってくれたので先生に任せようと思う

そしてそのまま俺たちに元居た自分たちのAクラスの教室へと案内してから昼食を取りに自室に戻るのも、食堂に行くのも自由ですといい、一時間後にここに戻っているようにと言った


昼か~どうするかなー…

食堂はちょっと怖いからなぁ…でもアルト君やミーシャちゃんと会うのって今の所食堂だけだし、仕方ないけど行こうかなぁ…

以外にサラダ美味しかったし、デザートのフルーツもおいしいし…とか思っていたらルネア君が俺に食事を誘ってきた


「あ、あの、ショージ様、よろしければ、ですけれどご一緒に食事などいかがですか」

「?いいですよー?どこでとりますか?」

「あ、あの、中庭の方に、売店があるそうなんです。そちらは軽食が中心なものがおおいのですが果物とかもあるので…」


おぉ、そっちの方もあんのかー、と思いつつ頷いた

なんせまだ学園に来たばかりだし、売店が中庭にあるとか知らなかったからなぁ

食堂か、自室に行ってキューリャさんの作ったものか自分で適当に出したものを食べるかの3択しか頭になかったよ


場所的には食堂か、自室の二択だけれど、そっか中庭かぁ…

天気もいいし、そこでもいいな、うん


「いいですよ。中庭に行きましょうか」

「あ、は、はい!」


ルネア君は何かほっとした表情で従者さんに何かを聞いて、中庭に案内してもらうのでと言ってきた

俺とキューリャさんがルネア君の後についていこうとするとその後を慌ててカフィーユ君がついてきた


「どこに行くんですか?ご一緒しても?」

「あ、は、はい!どうぞ!中庭の方で、売店とかがあるみたいなのでお昼はそこにとお誘いしたんです」

「あぁ、いいですねー!天気も悪くないですし!」


俺とカフィーユ君とルネア君は三人して中庭へと出る特別教室へと続く廊下の反対側に位置するところのテラスから出られる、中庭へとやってきた

そこには売店と言ってもそんじょそこらにある屋台の出店と比べてはいけない


何せここは貴族たちも通う学園の、中庭だ


中庭にあったのはおしゃれなカフェのテラス席だ

軒先にはパラソルがさされてあり直射日光が当たらないようになっているし、店をのぞくときれいな内装になっている、普通のどこにでも出店できそうな高級感のあるお店だ

出店の意味は…出店ってなんだっけ、と思いたくなった


その辺にあるお店に入りキューリャさんがメニューを持ってきてくれるのを席に座って待っていると、スミレがお腹空いたと鳴いたので先にスミレにカリカリを上げた


『にゃ、うにゃ うにゃ』


スミレは満足そうにカリカリと頬張るのを見ながらも俺もキューリャさんが持ってきてくれたメニューを見ながらどれを食べようか困った

サラダだというメニューやパンの種類が意外にも豊富で、どれも(キューリャさんの説明を聞く限りでは)おいしそうだったからだ


「ショージ様、これなんかお勧めだそうですよ」

「あ、このパンに入っているジェルの実は美味しいんですよ?」


そして以外にも人間の食べ物に詳しいみたいの二人に言われるがまま、選んでみた

結果としては美味しかったのでよかったけれども、パンはもそもそで硬かった

乾パンとビスケットを合わせたような、スコーンのような感じのパンで、中の生地に練りこんでいる木の実はグミのようでフニフニしていて面白いなとは思ったけれどね

味?うん、普通においしかったよ、葡萄に似ていたし、色もきれいな紫だし


サラダはフルーツ入りのサラダ、以外にもドレッシングと甘いフルーツが合った

すごくおいしかったので、明日もこれ食べたいとか思った位には、気に入った

野菜とクルミのくるくる巻きという名の変なものを頼んだら、レタスのような、春菊のような大き目の葉物にクルミと蜂蜜のような蜜、そしてヌガーのような粘着質の液体に漬けたバラ肉のようなものが巻きつけられている

そしてそれが食べやすいようにサンドウィッチのように上から楊枝で止められていて、更にクレープの様に手で持っても大丈夫なように紙で包まれている


味もおいしかった、サラダも大好きな味だったので満足です

ルネア君にそんなに美味しかったのかと聞かれ、即答するくらいには好みだった

そうこうしているうちにカフィーユ君とルネア君の頼んだものも来たので皆で一口づつ分けて食べてみて、メニューの名前から想像ができない味に驚いたりもした

・・・

・・

・

食事を終えて教室でのんびりと読書をしていると鐘がなり、授業が始まると思いきや、先生がいまだに教室にやってきていなかった

暫く待って居ると先生がカートを押して教室に入り、教卓の前に布をかぶせてあるカートを二台も置いた

台にはそれぞれA、Bと書かれたプレートが付いていた


「えー、これからやる授業は皆さんが将来的に貴金属や高価な調度品を購入する際に困らないように、本物と偽物を見極めるための大事な授業です。いいですか、今から見せる二つのものを見比べて本物か、似せて作ってある物かを前に出てきてから、見て、触って、考えてください。その後紙を配るのでその紙にどちらが本物かを記号が書かれているので本物だと思った方に〇をつけてください。」


おぉ、これは俺の将来の夢であるダンジョンに潜ってお宝を見つけて加工し、行商人するという夢に必要なスキルなのでは!

物が悪くちゃ売る所じゃないし、本物に触れることでどういうのがいいとかが分かるのでは!!ようし頑張っちゃうぞ!と俺が張り切ると隣の席のルネア君が不思議そうになぜそんなに張り切るのかと聞いてきた


「僕行商人になりたくて」

「え!……しょ、ショージ様、商売人の中でも過酷な、行商人になりたいんですか?!」

「だって、遠い所の美味しい物とか、奇麗な風景とか、色々と見て回れるでしょう」

「……行商人は、その…やめておいた方がいいですよ?その…色々と大変なので、嫌われる職業ですよ?ショージ様はその…優秀な魔法の使い手なので、他にもいくらでも職業は選べると思いますが…」


?俺が思っているよりルネア君は行商人に否定的だった

それどころか、カフィーユ君も大きく目を開き、俺を信じられないと言いたそうな目で見てきた


「?そんなに良くないものなの」

「なんと言いますか…その、行商人さん事態に対するイメージが良くないんです。ほら、えと、病気の原因を領内に持ち込んだり、その…荒れたり、盗賊の被害の責任を領主さんに押し付けたり…場所代、っていうのですか?それ払いたくないからって無断でお店を道端の所で勝手に開いて、領主さんに報告しなかったり通行や景色の邪魔になったり…その…あまりよくないイメージで、その…とにかくやめた方がいいと思います。」


ルネア君がここまで話すの、初めて聞いたんだけれど…そんなに酷い行商人もいるんだ?

まぁ俺も病原菌扱いは流石に嫌だけれどもそれでもどうせなら色んな所≪国や村、果ては世界≫を旅して廻って、色んな文化に触れたい、色んなものを食べて、いろんな体験をしてみたいんだよなぁ…

それならばやはり行商人という、市民と距離の近い職業はいいと思うんだ


「なんという風評被害…でもいい行商人もいるでしょう?」

「…その土地ごとにいる、き、貴族の方に下にみられますよ?」

「言わせたい奴は言わせとくのが一番だよ。だって行商人だから永住するわけじゃないし。」

「……えうぅ、か、カフィーユ様も何とか言ってくださいぃ、このままじゃショージ様が行商人目指しちゃいますぅ」


あぁ、ルネア君を困らせる気はなかったんだけれどなぁ(汗)

そんなに、駄目なのかな…行商人

俺がそう思っていると、カフィーユ君が苦笑してからひと言、ルネア君に言った


「いいんじゃないんですか?」

「えぇ?!」


おぉぉ、カフィーユ君は俺に賛成してくれるんだね

カフィーユ君にも否定されるとばかり思っていたよ、勝手に…


「確かに不遇職、苦労も多いし偏見だってひどいです。でも、ショージ様はハーフとはいえエルフとドラゴンの血を引いているお方。長生きなので僕らとは価値観や生き方が違うのでしょう。千も万も生きると言われるドラゴン族です、それなら若いうちに色々とみてみたいと思うのも、やってみたいと思うのも道理でしょう。僕らはショージ様の半分も生がないと思えば、流石にそんな冒険できませんけれどね」


長生きって確かにそうかもしれないけれど、いくつまで生きるかわからないぞ?

ハーフとはいえエルフだから、そこそこ長いと思うけどね!


「うぅ、う…た、確かにそうかもしれません」

「それに、今は学園にいるのだからいいではないですか。」

「うー…そ、そうです、ね…あ、でもショージ様、本当に他の人がいる前でそう言うこと言わない方がいいですよ?あ、あの、それだけでいかに凄く魔法を使えても、お薬作れても、精霊さんと仲良く出来ていても否定されたりしますから」

「あぁ、それは言えていますね。僕らは将来的に領地を治める子が多いので、行商人はよく思われないことが多いのです。」


な、なるほど…それは確かに気を付けないといけないね

俺は頷いて気をつけるよと言った

そんなことを話しているうちに膝の上にいるスミレがニャーと鳴き、どうしたんだろうと思っていると先生が俺とルネア君、カフィーユ君の三人を呼んだ


「どうしました、あと前に来て観ていないのは貴方方三人だけですよ?」

「あ、は、はい!」

「ほらショージ様、行きましょう!」

「うん」


俺がスミレを机の上にお座りさせるとスミレは俺の後をついてきた

どうやら一緒に行きたいみたいなので、そのまま放置しておくことにした

前に行くといつの間にか上にかぶせてあった布がとられていて、赤いふかふかのクッションの上に、ゴブレットが寝かされている

一見どこにでもありそうなゴブレット(銀色)が二つ並んでいるけれども、片方には装飾として赤や黄色、青、緑、黒の宝石“に似せたガラスや樹液”が…

なるほど、これは精巧に似せている

でも何となく違和感があるよね…何だろう、ゴブレット自体は良い物っぽいけれど

あからさまに偽物でーすと言っているようだった

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