この世界には娯楽(サーカス)がないのか?
一時間目の終わった後ノートと教材もどきをしまい、トイレに行く生徒たちがまばらに教室を出ていく
その後鐘がなる前に生徒たちが急いで戻ってくるのをぼんやりと眺めてから先生が席に着くように言って、鐘がちょうどなった
「では簡単にレクリエーションとご自分の得意な属性の魔法を使ってもらいます」
先生が名前を言って、その呼ばれた生徒から順番に自分の得意属性の魔法をちまちま一回ずつやって見せていく
なぜ纏めてやらないのかと思わず思う物のすぐに複数魔法を展開できるのは俺とキューリャさんだけだったと思いだしたので黙っておいた
そのままちまちま小出しに初級魔法を出して、周りの生徒たちは拍手をするというのを繰り返していく
えっなにこの個人発表会状態は…
恥ずかしいからやりたくないと思っていたらルネア君の番になり、ルネア君は自分の周りを薄暗くしてみせたり、ふわりとその場で浮いて見せたりした
「え、えと、終わりです」
ぱちぱちと拍手を受けながら、恥ずかしかったと俺に小声で言った
俺もそう思うがそれをまだやってない俺に言わないでほしかった
猶更恥ずかしいじゃないか
そう思いつつも次に俺が呼ばれたので、俺はブラックアウトとライトアップを見せて態と光に色をつけ足して光らせてみた
赤や黄色、オレンジに青、さらにはピンクに緑とバリエーションは豊富に様々な色に光らせる、ライトアップに生徒たちだけでなく先生も思わず唸った
これくらい、イルミネーションを知っている俺からすれば大したことの無いちゃっちい物だけれども、この世界の人たちがイルミネーションのことなど知っているはずが無いので新鮮に映るだろうと踏んでやってみた
結果としてはすごい音量の拍手をされた
先生までも拍手してきたので恥ずかしさは倍増して、さらにカフィーユ君にはこの後普通の魔法を見せるとかやり辛いんだけれど、と言われてしまった
ここまで反応がいいとは思ってなかったのだから仕方ないじゃないか
でも一応カフィーユ君には謝っておいた
やり辛くしてしまったことに変わりはないからね、仕方ないね
その後カフィーユ君が先生に呼ばれて、立ち上がり魔法で水を両手に湧き出させて、そのまま水を両手の間に流しつつも手と手を離した
すると水が手のひらからこぼれることなく凍っていき、最終的には氷の橋ができた
重力を無かったかのようにまっすぐ水が手と手の間を通り、奇麗な一本の小さな橋ができている
ニュートンやガリレイ等の物理学者なんかが見たら腰を抜かすんじゃないかと思うほど、水がひとりでに凍り、まるで最初からそうであったかのようにカフィーユ君の掌の中できれいな透明の橋が出来上がった
「君も対外凄いよね」
「それ君にだけは言われたくないんですけれど?」
何故かカフィーユ君にそう言われてしまい、ちょこっとだけ納得いかない俺だったが、隣でうんうんと頷いているルネア君だった
解せぬ
水をひとりでに凍らせたり、自分の周りを薄暗くしたり浮かんで見せたりした方が魔法っぽくていいじゃないか
俺なんかイルミネーション並みだったぞ?派手にやると先生の胃にダイレクトに攻撃を与えてしまいかねないから仕方ないけれどさ、イルミネーションなんてただの電球の集まりだとおもうのですが…いやまぁ奇麗だと思ったからやったけどさ
そうこうしているうちに生徒たち全員が魔法をやり終え、次に相性がいい魔法の相手を自分達だけで話合い、二人一組みになり、二人で魔法を合わせろという無理難題を言われた
俺は二人一組ならばカフィーユ君と組んでおいた方がいいのかなと思った
一応チームメイトになってくれると言ってくれているしねと思ったのだがなぜか皆して俺とカフィーユ君を誘ってきた
「ショージ様、ご一緒しませんか」
「僕も闇魔法得意なので」
「火属性の魔法ですけど、派手さには自信があります」
派手とかどうでもいいのですが
「あ、あの魔法を組み合わせると言う事でショージ様の魔法のアイディアを言ってくだされば頑張って魔法使いますからくんでください」
いやそんなのないっす
なんだそのアイディアを俺の所でいい値段で買うから生み出してください的な依頼は…
「か、風属性の魔法だけど頑張るから」
だからほかに言ってくだしあ
あぁもう、今朝にもこんなことがあったな、もう!
なんで俺はこんなに人気なんだよ、ちっとも嬉しくないぞ!
俺がそう考えてある意味うんざりしていると、カフィーユ君が俺の右腕を取って抱き着いてきた
「ごめんなさーい、僕もうショージ様とチームメイトの約束をしているので遠慮させてもらいますねー?」
おい俺が思ったよりカフィーユ君神経図太いぞ
そして何よりあざとい…あんな凄そうな魔法を使っておいて自分から注目を集めておいて俺に全部押し付けよったぞ
思わず俺は驚いてカフィーユ君を見たがカフィーユ君はケロッとしている表情をしている
「(カフィーユ君色々と凄い神経してる…)…ちょっと、なんで腕組んでるの?」
「おや、嫌ですか?」
「腕まで組む必要はないと思うのだけれど…」
「仲良しな友達ならこの位当然でしょう?」
「…………そんなことある?」
「ありますよー。ね、ルネア君もありますよね?」
カフィーユ君はそのままルネア君も巻き込み始めた
急に話を振られて驚いたのか、ルネア君は変な声を出しておどおどしていた
可哀そうだから急に話題を吹っ掛けるのやめようよ(汗)
「え、えっと、た、たぶん?」
「ルネア君、適当に返すのはよくないと思うよ?」
「え、は、はい、すみません。聞いていなくて…えと、何の話でしょう」
「急に腕とか組んだりするのって普通かどうか?僕は普通だと思いますけど」
「……ひ、人それぞれでは?」
お、うまく逃げたみたいな表情をしているぞ
やはり急はへんだろ、というかいつまで腕組んでいるつもりなんだろうか
でも俺たちの方に詰め寄ってきた生徒たちには効果がばっちりあったのか、カフィーユ君が俺とすでにチームメイトを組む予定だと言う事で渋々と違う人を誘い出す声がちらほらと出てきたのが分かった
カフィーユ君がようやく腕を解いてくれて自由にはなったが…先生は、魔法属性の相性の良い人と組めと言っていなかったか?
俺はカフィーユ君の得意魔法属性とそんなに相性がいいとは言えないぞ?
確かカフィーユ君の得意属性って昨日聞いた水と闇、空だったよな…
どうしろっていうんだよと俺が困惑しているとおろおろしていたルネア君さえも他の子と組んでペアがあっという間にできた
「ところでショージ様の得意な魔法属性なんでしたっけ?」
「あぁ、土、無、闇、光だよ。光が印象強すぎるよね」
「ですね…ショージ様の得意属性との相性はよくないのですか、残念です」
カフィーユ君はそういいながらも全然気にしていないようだった
なにその余裕そうな顔は…カフィーユ君は余裕かも知れんが俺は余裕ないぞ…
どうしたらいいんだよ、相性が悪い(しかも俺の方が有利属性)カフィーユ君と魔法を合わせるとかどうしたら…
俺がどうしたらいいのかを考えているとカフィーユ君が俺に今できる魔法がどんなものかを聞いてきた
俺に今できる魔法…?そんな事聞いてどうする気だろう
「僕は水属性の中で、氷が作れるんですよ。闇属性の中では…そうですね、こうもりになれますし、影の中にひそめます」
「あ、こうもりになるのって闇属性なんだ」
「そうですよ?ほら、影を操る魔法があるじゃないですか。あれの応用編で、こうもりになるんですよ」
「そうなんだ。俺も影を操れるよ?陰で大きな手を作ってねー、お手玉だってできるよ」
実際人間をお手玉にしてフロストエルフさんたちと遊んだこともある位だ
勿論そのフロストエルフさんは泣きながら許しを乞うてきたので解放してあげたよ?
フロストエルフさんたちは4年間の間で大分俺に対する態度が変わってきているから最近はそんな事ないのだけれども、一寸だけ寂しいなぁ
エフィールさんが一緒にいるからかもしれないけど、それでも反抗的な、よそ者を見るようなぞんざいな扱いはしなくなってきたので遊んでくれないのが残念だなぁ
今はそんなことはどうでもいいよね、いけない、いけない。
「お手玉って…」
「あーえっと、ジャグリングみたいな遊びだよ!」
「じゃぐりんぐ…?」
うわお、どんどん墓穴掘っていく気がする!
こういうのは実際にやって見せた方がいいだろうな…
何かないかな、投げられるもの…
俺は筆記用具を適当に4つ出して放り投げ、順番に空中に放り投げつつジャグリングを軽くだけどして見せた
「えっと、こういうのだよ。空中で物が行きかっているでしょう?」
「わぁ凄い!どうやるんですか?」
「簡単だよ?左手で空中に上げて、右手は左手の飛ばしたものを取って左に投げるだけ、こうやるの」
俺は次々投げるものを増やして教本までも投げて見せた
ちょい調子に乗ってしまったのは否めないがカフィーユ君が目を輝かせてみてくるからついついやってしまったのだ
「ショージ様、遊ぶのは鐘がなってからにして頂けませんか?それと物を投げて遊ぶのは感心いたしません。」
「…はい、すみませんでした」
調子に乗りすぎた結果、先生に怒られてしまった…
ステフィム先生が額に手を当てて、大きくため息をついている
本当に申し訳ない
「怒られてしまいましたね」
「そうだね、一寸教本はやりすぎたかな」
「先程の遊びを陰の手でできると言う事でしたが」
「うんできるよ?」
「ならばそれにしましょう。ショージ様は黒い影で先程のお遊びを、僕が投げるものを作ります氷のボールでいいでしょうかね」
カフィーユ君はそういって氷を作り出し、それを球体にして見せた
やはりカフィーユ君も対外凄い子だと思うのだけれど…
平然と氷を球体に形どってそのままポンと何もない所から出せるんだから
「それならもう少し、大きめな氷出せる?」
「できますよ。どのくらいでしょうか」
「影の手が大きいからなぁ…ほら」
俺が影の手を出して見せるとカフィーユ君が手に合わせて氷の球をラグビーボール並みに大きくして見せた
これならば十分影の手でお手玉ができそうだ
先程先生に注意されたばかりだけれども、これくらいしか現状では思いつかないよね
「そうだ、氷柱みたいな尖っていたり変な形でもある程度なら投げられるからどんな形の氷でも大丈夫だよ?」
「では様々な形に凍らせて見せましょう」
「じゃ、僕たちの出し物はそれでいいか」
「ですね」
わいわいとあちこちから子供の声がする中、俺たちの魔法の組み合わせて見せるものはあっさりと決められた
その後カフィーユ君に色々とどんな魔法ができるのかを聞かれて答えてあげた
答えてあげたと言っても俺はそんなに凄い事が出来る訳じゃないから、簡単に透明になったり、土属性でガラスや金属、植物などが作れるとか、薬草が早く成長するように覚えた魔法とか飛んでいる魔物相手に狩りをするための、音を派手に遠くまで出す魔法とか、花火とか、そういうのができると言ったら呆れられた
「ショージ様は本当に魔法レベルがⅠなのですか」
「そうだよー?」
「もはやレベルⅤまで言っているのではないですか」
「魔法レベルは学園とかで経験を積まないと成長ができないのでしょう?」
「…それもそうですが、それはもう…Ⅰレベルをはるかに超えていますよ。」
ウーム、変な事なのだろうか…
俺が首をかしげているとカフィーユ君が呆れながらも魔力がどのくらいあるのかを聞いてきた
そういえば最近ステータス見てないな
そう思ったからステータスの簡略化を使ってみた
ちなみに4年前、始めてレシェルナさん達のいるフロストエルフの里やツインズリードに行ったときの簡略化を使った状態での表示はこうだった
【HP;120/120 MP;410/410 異常状態;無】
それが2年間でレシェルナさんとお薬作ったりミーシェちゃん達と遊びまわったり、山でハーピーたちを狩ったりグランパさん達のお屋敷に遊びに行った時にはこうなっていた、気がする
【HP;340/340 MP;1300/1300 異常状態;無】
そして今、俺の簡略化したステータスはというと圧倒的にMP…増えている
【HP;600/600 MP;1900/2700 異常状態;無】
カフィーユ君が呆れた表情で、ランクを出すようにと言ってきた
ランクというのは簡単に言うならば熟練度で、どの魔法をどのくらい使いこみ、その魔法に慣れているか、または補正があるかを表すものだ
俺はメモ用紙を取り出し魔法ランクを写すように魔法を使った
【魔法ランク;230】
【闇;140】
【光;130】
【土;180】
【無;200】
えへへー、いっぱいだぁ(遠目)ごめんなさい、ミーシェちゃん風に言えば可愛いと思ったんだ、どうしようもねぇっす
呆れた表情をしていたカフィーユ君が今度は驚いている表情になった
そして自分のステータスの、魔法ランクを写して渡してくれた
【魔法ランク;120】
【闇;100】
【水;120】
【空;70】
「…ショージ様、代々新入学生の魔法ランクは120~140の間です」
「あ、はい。」
「貴族の子息と言う事を鑑みて、大体これでも高い教養、高い練度を想定しての、平均的な魔法ランクですよ。さらに平民や、一般人の子供魔族での平均ランクはさらに下です」
「…はい」
俺はなんだか怒られている気分になってしまい、しょんぼりと落ち込んだ
何か悪かったのかというと魔法ランクが高すぎるゆえにたくさん使っているということがばれていると言う事で…てへぺろ
はい、ごめんなさい
いや、だってたくさん魔法出しても気絶や眩暈しなくなって来ていたからつい、調子に乗ってばかすか魔法でいろんなもの作ったり生み出したり加工したりしていたから…てへ★
カフィーユ君が苦笑しながらも俺のランクを写したメモを見て、もう一度ため息ついた後呟いた
「これ、もう魔法レベルを上げる試験を受けても問題なく上がってしまうと思いますよ」
恐ろしい事を言わないでください
そんなことしてしまったらますます今朝の勧誘のようなことが増してしまうではないか
俺は無言で眉を顰めたら、カフィーユ君が微笑みを浮かべて頑張れと言ってくれたけれどもとても嬉しくないです、はい
俺が恐ろしい事を想像していると先生がそろそろ皆の魔法を合わせた結果を出してもらうといったので俺とカフィーユ君の番が来るまで待ってみた
前の教卓のあたりまで行き、そこで魔法を見せるようにと言われて生徒たちはそわそわして落ち着きのなさそうな表情や不安そうな表情をみせている
俺はこの授業よりいろんな意味で魔法レベルがばれた時の先輩たちの反応や周りの反応の方が恐ろしくてそれ所じゃなかったけれど今は一応授業中なんだった
うっかり忘れていたよ
生徒たちの魔法は中々すごかったけれども、特筆することの無い魔法だった
だって俺ならきっと一人でできるような魔法を二人でしているのだから、なんだろう…
なんだろう、凄く非効率的な感じに感じる
たとえていうならば、多重魔法で解決するようなのを一人一人バラバラで掛け声合わせ手加減しながらやっているのがもどかしく感じる、みたいなものかな
威力もなさそう、相性も良くない、でも頑張って合わせるぞ!
みたいな…何だろう、このもどかしい感じ…
あぁ、そうじゃないよと手を差し出して教えたくなるような…
まぁ一生懸命しているというのが伝わるので子供のお遊戯会を見守る感覚で見ているのだけれども、ね…?
順番が来たのでカフィーユ君が俺とともに教卓の方へ行くと期待しているような視線を一身に受けた
止めて、期待しないで
ただのお手玉をこの視線の中でやるとかやり辛いのですが?!
俺が影で両手を出すとそれだけで驚かれるのはなぜです?
ナズェミテイルンディス?!とふざけたくなるほど、かなり期待されてみられているのですがこれは一体何の羞恥プレイなのでしょうか
誰か知っているのでしたら答えをこの学園のこの住所に居を構えている俺にまでお便りで下さ…いや、手紙はもういいや…今朝さんざん手紙を上級生達からくれたのでうんざりしているから、手紙以外でおせーてください(遠目)
だって俺が今やって見せたのって陰で大きな両手を出しただけだぞ?
何か可笑しいのか?え、もしかして影を操ること自体変?いやそれはないな。うん、ない
だってカフィーユ君も影を操れると言っていたし陰に隠れることも可能と言っていたし、変ではないよね?えっと、何この雰囲気は…
「ショージ様、どうかしました?」
「あ、いや、なんでもない」
カフィーユ君が両手に抱えるほど氷の塊を出していたのに今気づいた
いけない、いけないっと慌てて謝ってお手玉をして見せることにした
ただお手玉するのも味気ないので俺は影の手でそのまま氷をポンポンとお手玉をしながらも透明な氷だけでなく、刃物を作り出しそれを一緒に回し、氷を削って見せた
「…」
「…」
「あのー、終わりですけど?」
呆けているステフィム先生と、カフィーユ君にそう声をかけると二人して頭を抱えた
なんか変なことしたかな?
見ていた生徒たちは拍手くれているから子供的には受けじたいはよかったみたいだけど何か駄目だったんだろうか…
「…ショージ様、刃物はどこから出たんですか」
「土属性の魔法で出したよ」
「…ショージ様、刃物を氷とともに回した意味は」
「面白いかなって。」
「………さようですか…」
カフィーユ君はなんだか納得いかないような表情をしているけれども、よく見かける光景だよね、ジャグリングに、刃物や形の違う物を回すことって…
まあ本当は練習や危険がなさそうなおもちゃの刃物を使うことが多いんだろうけどね
今回は俺の魔法なのでコントロールして刃物の刃を潰した物を作ってさらに金属操作で柄の所が手の方に来るようにしたけれどもね
氷は普通に削って見せたけど、あ、もしかしてカフィーユ君それのせいで怒ったのかな?
それなら一寸悪いことしてしまったかもしれないな
「あぁえと、ごめんね?ちょっとお手玉だけだったらつまらないかと思って、削って見せたりして」
「…いえ、いいんですよ。削られるのは、まぁ、驚きましたけれど、それはいいんです」
「あぁ、よかった。機嫌悪くしたかなと思った。」
「…本当に規格外なんだからむしろこれくらいで驚くのは間違いですよね、ハハハ」
「????」
なんだか斜めを向いて遠くに目をやり乾いた笑いを漏らしているカフィーユ君と同情をしているような目を向けているステフィム先生がいた
キューリャさんとカフィーユ君の従者さんが頭を抱えていたり、目を反らしているのも不思議だ
俺は何か変なことをやらかしているらしい
常識の範囲内だと思うんだけどなぁー?
そうこうしている内にステフィム先生に席に戻っていいと言われたので席に戻り、先生が全員の魔法を誉めてこの授業は終わった
鐘がなり、思い思いに先程の組んだ子と話したり先程の魔法がいかに難しかったとか次に同じ課題が出たらとか話し合っていた
元気でにぎやかな感じがしていいねぇ
カフィーユ君は氷を球体にしてじーっとみだした
なんか違和感でもあったのかな?
「どうしたのカフィーユ君」
「僕の魔法でできた氷って、そんなに簡単に削れるほど柔らかかったでしょうか…強度には自信があったのですがショージ様が簡単に、しかも空中にある時に削ってくれたものですから…自信、なくします」
おう、俺のせいで自信喪失させてしまった、とな
俺は魔法で出して見せた刃の潰れた刃物を出してあげた
「触ってみて?」
「え、ですが危ないですよね」
「ちょっとだけなら大丈夫でしょ?」
カフィーユ君が刃物を触ると驚いた顔をした
「刃物なのに、刃が潰れていますね。丸くなっています」
「そこにねー、魔力を通して熱を入れると氷を切れるようになるんだよー?」
「ね、熱伝導を魔力で…」
「魔力を柄に触れている時に入れて、氷切るだけだよー?」
「…すごいアイディアですね」
そうなんかな、自分で凄いなんかちっとも思った事ないけれど
俺が暢気に刃物を再び手慰みにくるくるとお手玉をしていると何を思ったのかカフィーユ君が手に持っている俺が出したナイフを俺の手が空いている時に追加してきた
あぶな、でも何気に渡すときのタイミング良いな
ナイスアシスタントだった
でも危ないのでやめてほしいな?
「急に加えるのは危ないよー」
「すみません、でもこのナイフはもともとショージ様が出したものですから途中から投げ入れてもコントロール出来るのではと思った物ですから」
「まぁうん、できるけれども…」
俺と暢気に会話しているものの、カフィーユ君はくるくるとお手玉をしている俺の手元を見ている
そんなに面白いだろうか
「ショージさま!物を投げないで頂きたい、と注意しましたよね。他のお方々が真似したがるのでおやめください。怪我をなされたらどうするつもりですか」
「ご、ごめんなさい。でももし怪我したのなら俺が治します」
「そういう事ではありませんよ!」
先生にきつく叱られてしまった
今後は注意しよう
まぁ確かにちょっと危ないことしているという自覚はあるけれどもね
刃物を回すとか傍目から見たら大道芸でも危ないと思う物ね、うん
それを大の貴族の方々が面白そうだから、俺もやっているからと言って真似して本物を使ってやって大怪我したら確かに危険だしね
うん、反省します。ごめんなさい
お手洗いに一応行ってからカフィーユ君とルネア君と雑談していたら鐘がなったので大人しく自分の席へと付いた
しかしせっかく席に着いたというのに、先生が移動するというので先生の後に続いて専門の授業に使うであろう教室にまで移動した
そこは昨日も来た、精霊たちのいる動物だらけの教室で、教室の扉が空き、皆が入ると精霊達はわちゃーッと騒ぎながらも好き勝手に動いていた
そして俺が最後に入ると全員が俺の足元にやってきて、抱っこしろとか勝手に登ってみたりだとかしてきたので俺はあっという間に精霊達だらけになってしまった
「ちょ、動けないってば!」
『なんでー?あそぼー!』
『あそぼー!』
『あのねー、これおいしいのー!』
『こっちのもおすすめなのー!』
「ちょ、一寸、動けないから!離れてよ」
『『だっこー!』』
抱っこ、じゃない!
肩に上ろうとしないで、ここにはいないけれど俺の契約した精霊のスミレが嫉妬する!
ズボンの裾を咬まないで、やめて、歩けないってば!
俺が扉の前で一人たたずみ動かない(動けない)でいるとどういう風に見えたのだろうかは不明だが、実際には困っている俺を見たルネア君とカフィーユ君が不思議そうに首を傾げているけれど、俺はそれどころではないので助けてほしい!
切実に!いや、本当に!
「何をなされているのですか、ショージ様」
「精霊たちが俺の邪魔をしていて進めないんです、先生に言って助けるよう言って貰えないでしょ、うわ、やめて、やめて!重い!」
「…?は、はぁ…」
ルネア君が不思議そうにしているけれど俺は今現在俺の腕を面白がって昇っているリスのような姿の精霊がいるのをくすぐったいのでやめさせるのに必死だ
後スミレが昨日はいたからそこまでではなかったというのに、頭や肩にまで登ってきてしまう子もいた
止めて、やめてと言っているのにもかかわらず、精霊たちはぐいぐいと俺にお気に入りなんだかわからないが食べ物なのだろう、どんぐりやら葉っぱ、木の実なんかから枝についているままの果物なんかも隙あらばくれようとしていて大変なことになっている
助けて
「セ、先生、ショージ様に精霊さんたちが集まっているそうです。動けないみたいで…」
「あぁ、精霊たちの姿は私ではちょっと…この教室で待って居てください、精霊術の先生を呼んできます。」
座学と聞いていたのに何でこんなにわちゃわちゃといる中で授業をしないといけないんだろうか!
スミレええええええ!戻ってきてええええええええええ!
俺が困っているとステフィム先生が早歩きで戻ってきてくれた
うぅ、これで少しはどうにかなるかもと思っているとその後ろにあのむかつく先生事ぷーちゃん先生がいて、俺を見るなり噴出した
「やれやれこの私の手を借りなければならぐっふぅ!!!!ふははははははは!!!」
うるせぇ、笑うなら先に助けろ
「はははは!ど、どういう状況なのかな、これは!なぜ君たちは一人の生徒に群がっているのかな?いや私としては面白いから構わないがね」
俺がかまうからやめさせてくれませんかねぇ(いらっ)
ぷーちゃん先生が俺の足元にいる、子鹿みたいな精霊に話しかけた




