フロストエルフさんたちは犠牲になったのだ(にっこり)
門をくぐるとにっこりと出迎えてくれたレシェルナさんとトーマスさんが俺達の近くへと寄ってきた
俺達のそばにいるエルフさん達が慌てて頭を軽く下げるとレシェルナさんが微笑ましそうに目を細めて労を労う言葉を掛けた
だったら行かせるんじゃないという気持ちが透けて見える様な表情で緑色のマントのエルフさんと、何も言わないまでも目が遠くを眺めている黒いマントのエルフさんは何だか微妙な雰囲気を出していた
まぁ実際このエルフさん達何もしてないからね、仕方ないね
だってこのエルフさん達何も、本当に何もしなかったからね
ずっと一緒に薬草を探してくれるかと思いきや途中からはただただ周りを見ていただけだからね
本人達は警戒しているだけだ、さっさと見つけろと言うだけだったからね
黒い影の手を何度使おうかと思ったことか・・・途中までへりくだっていたくせにみっともない大人だぜ
まぁ、その前に人にはとても言えないようなことをしていたので仕方がないので黙ってそのまま放置で良いと本当にいない物として放置したのだけれどね
俺は間違ってないと思うから謝りなどはしないがな!
俺は無言でにっこり微笑んで影を動かし、エルフさんの足首を撫でさせてみた
すると二人してビクッと肩をふるわせ俺を勢いよく見てきた
「?どうしました、二人とも」
「「・・・・・・・・・・なんでもない」」
「ショージ、駄目だよ」
「なにがー?僕は何もしてないよぉ?」
わざとらしいくらいに俺は、にこやかに言い切ってやった
多少子供っぽく見えるように、態と小首を傾げて、可愛らしく『分かんないなー』とアピールしておいた
実際、一寸影を動かしただけだしぃ?それ位なら子供の可愛い戯れじゃないかなぁ?
ふふふ(笑)
レシェルナさんが俺を見てふふふと笑い面白そうに忍び笑いした
どう見ても俺が影を操っているのがレシェルナさんは分かっていそうだったが見て見ぬ振りしてくれた
「ふふ、仲が良くなったのね。良かったわ~」
「ははは、そうだね。」
トーマスさんも笑いつつも俺を咎めることなかった
俺は二人のエルフさん達の影を元に戻して何も無かったという顔をしてやった
緑のエルフさんからはジトリとした目で、黒いエルフさんからは怯えられたような目で見られたけれど俺何のことか分かんないなぁ?(笑)
「ショージ、悪戯したら可哀想だよ」
「俺何もしてないよー?」
「もう・・・」
「???ショージお兄ちゃん何かしたの?」
「何もしてないよ?変なルールウドくんだよねー」
「?????ふぅん?」
ミーシェちゃんには分からない様にこっそりとやったからミーシェちゃんは本当に何も無かったように思えたのだろう
ルールウドくんは二人のエルフさんの反応で俺が一寸した悪戯を察したのか分かった風に咎めてきたけれどね
レシェルナさんが俺達を呼ぶように手招きをしてきた
「可愛らしいお客さんが待っているのよ。後珍しいお客さんが、ね。」
「?可愛らしいお客、ですか?」
「えぇ、そこのショージくんに、お客さんですよ」
「?ショージに?」
「えぇ、えぇ。私の家においでなさい」
よく分からないが、俺に会いに来た客はレシェルナさんの家にお邪魔しているらしい
俺達がレシェルナさんのお宅へお邪魔すると行き成り顔面に飛びかかってきたのは白い毛並みの、子猫・・・そう俺の契約した精霊の、スミレだった
『ふにゃあああああああああ!ふしゃあああああ!』
「ぐえっ」
「わぁ、スミレちゃんだぁ~!おばあちゃんちにこれたのね?!」
「・・・ショージに飛びかかってきたのはスミレちゃんだったの?」
「うん、今も顔にくっついてるよー? 」
俺はスミレを無理矢理剥がして抱きかかえた
不満そうに尻尾が膨らみ、爪を立てて怒っていらっしゃる
俺が抱きかかえていた腕に爪が食い込んでいて痛い
「もんぽちとにゃおちゅーる上げるから、おいていったのを許してよ」
『みー!にゃおちゅーるっておいしいにゃ?』
「そうだね、多分美味しいとは思うよ?高いおやつなんだ。ペースト状なんだよ」
『まずはそれを出すにゃ!はにゃしはそれからにゃ!』
「・・・わかったよ。はい」
俺はしゃがんでその場でにゃおちゅーるを出してあげた
すると細いスティック状の袋が出て、俺が口を切るとスミレはひくひくと鼻を鳴らして香りを嗅いで、期待したような表情でじーっと見てきた
可愛い
中身を押し出すとぺろっとなめて・・・思いの外気に入ってくれたのか、俺の手をたしたしと両前足で包みながらもしっかりと支えさせてぺろぺろと一生懸命に舐めだした
お気に召したようで何よりです
「かわいー、そんなに美味しかったの、スミレちゃん」
『にゃむ、うにゃうにゃ』
スミレはミーシェちゃんの言葉を聞いていなかったかのように必死に舐めている
・・・俺はスッとにゃおちゅーるを上に上げて、釣られたのか一緒に後ろ足二本足で立ち上がり背伸びしたスミレをにゃおちゅーるごとミーシェちゃんに渡す
ミーシェちゃんは最初キョトンとしてたけれど察したのか嬉々として細長い袋を受け取りスミレににゃおちゅーるを上げていた
「スミレちゃん美味しそうねー」
『にゃぁん!美味しいニャ!これはショージが出したおやつの中で一番にゃ!』
「良かったねー、スミレちゃん」
『みゃぁん』
ちゃしちゃしとミーシェちゃんの手まで一緒に舐めて、袋を囓ってみたりしながら暫く必死にぺろぺろとなめて食べていた
俺はと言うとスミレを引きはがせてホッとしているところに、子犬のアタックが始まって、今度は子犬と遊ぶ羽目になってしまった
可愛いから良いのだけれど、体格的に三歳児なので飛びかかるのは止めてくれ
倒れかけたところをルールウドくんに支えて貰って事なきを得たが、子犬の精霊さんは可愛らしく俺に尻尾をパタパタ振りながらじゃれついてつきまとってきた
「大丈夫、ショージ」
「今度は子犬が飛びかかってきたよ」
「ショージは動物に人気だね」
『わんわん!』
「よしよし、イイコだから飛びかかるの止してね」
『わふ!あふ、わふ!』
子犬は俺の足の周りをくるくる駆け回り、更にうろちょろし、背伸びのように後ろ足二本だけで立ち上がり、ズボンに肉球スタンプをべたべたくっつけてくれた
Oh・・・やめてくれ、唯でさえひらひらで歩きづらいのに・・・
俺が遊んでくれないと思ったのか、子犬は首を傾げてきた
『わん?』
「後でね?」
『くぅーん・・・』
俺が子犬を撫でつつ後でと言うと子犬はすぐにお座りしてションボリした
うーんゴメンね?と思いつつも子犬を撫でると嬉しそうに尻尾を振った
俺に会いに来た可愛い客と言うのはきっとスミレのことで良いと思うけれど、珍しい客とは一体誰のことだろうと思って部屋の中へ入ったら、なんと・・・・・・・
メニーさん達が、いらっしゃっていた
「メニー・・・」
「メニーさん・・・」
メニーさん達は、とても良いお顔でにこやかに笑いつつも一礼してきた
笑顔なのが逆に恐ろしいです・・・(ガクブル)
ヤバい、顔を上げたときのメニーさん目が笑ってない
「ショージ様、ルールウド様」
「ひゃい・・・」
「はい」
「お屋敷にて、お話がございます。」
「「はい」」
俺とルールウドくんがそう言うと大きく溜息をつかれた
ルールウドくんには悪いけれど俺的には一人で獲りに最初行こうとしていたから、助かった方なんだよな・・・でも巻き込んだので、後でちゃんとルールウドくんとミーシェちゃんには謝っておこうと思った
メニーさんにじろりと見られてしまいました
・・・本当に、ゴメンナサイ
レシェルナさんが微笑ましそうに笑って更に奥の部屋へと促してきた
まだ誰かお客さんがいるのだろうかと思いながらもルールウドくん達と一緒に扉を開けた
するとそこには先程の精霊さん達と一緒にいた、人型の頬に鱗のついている精霊さんに似ているような感じの男性が座っていた
うーん、どことなく、ルールウドくんに似ている?かな?
そう思っていたらその男性がくははと口を開けて笑った
誰なんだろう、そしてこの男性は本当に俺に会いに来たお客さんなのか?
「ようきた、ショージ」
「?????は、はい?」
「何だ、ついさっきあったばかりだというのにそんなに呆けおって」
「さっき、ですか?えと・・・?」
困惑していると男性の隣に座っていた、青いチャイナドレスに似た服を着ている、蒼い短髪の一房を後ろで編み込んでいる髪型の女性が鼻を一つならしてそんなのじゃ分かる訳がないだろと男性を咎めた
「ふん、すまんな。コイツは先程お前と会っているのだ。ドラゴンシードと竜胆のしずくの場所を教えた中に、この裏切り者に似たような物がおっただろう」
「え、えーと・・・、はい。」
「コイツの分身だ。地上に気軽に出掛けることの出来る分身という物が作り出せる我らは時折それで悪さをする人間や魔族がいないか山中を見回るのだ。」
うむ、詰まりこの人達(正確には魔族さんかもしれない)は、山の中のパトロールも出来る格上の存在だと言うことで良いのかな?それで、俺にドラゴンシードとかの場所を教えたから“裏切り者”と言ったのかな?でも、これは俺にとって・・・必要なんだよな・・・
もしそうならば女性にはあまり男性の人を怒らないで貰いたいな・・・
「あの、ドラゴンシードと竜胆のしずくは俺の友達が重い病気で・・・どうしても必要なんです、ゴメンナサイ」
「む、何私はお前を怒っている訳ではないぞ?」
「え、だってさっき裏切り者って・・・俺に場所教えたから怒ったんじゃ・・・」
「・・・・・・・成る程、そう勘違いしたか。」
??????
俺が首を傾げているとレシェルナさんが面白可笑しそうに笑い、この人達は実はルールウドくん達の、お父さん(ドラゴンパパさん)の方のご両親であると教えてくれた
詰まり、この人達はルールウドくんとミーシェちゃんのもう一組のお爺さんとお婆さんだと言うことだ
「お前らが私たちの家の庭に来るとその可愛い小さい精霊から聞いて、私らはお菓子や本などを用意して待っていたというのに!そして庭に案内をしようとしていたのに、この裏切り者が勝手に分身で私より先に会って教えてしまったというのだ!狡いではないか!」
「だってどんな子供かをみたかったんだ、許せ」
「貴様!それでも我が夫か!」
「そうだ!」
恐らくドラゴンパパさんのご両親もドラゴンだろうから、ドラゴングランパ(こっちがあった精霊さんに似ている男性の方)さん、ドラゴングランマさんとおよびします
一身上の都合で、レシェルナさん達とわかりやすく分別するためです、わかりにくかったら申し訳ないです
えーと・・・グランマさんの方が、グランパさんのほうに四文字固めを喰らわせています
しかし技を掛けられているドラゴングランパさんは笑顔です
・・・・・・・・・・・・・・えっと、なんだこれ
俺が困惑しているとトーマスさんが二人に止めるよう言ってくれたので二人は止めた
・・・まぁドラゴングランマさんの機嫌は悪そうだったが・・・
と言うかドレス着ていらっしゃるのだから、技を掛けるのはどうかと思います(小並感)
「えーと、お二人は僕達のおじいさまとおばあさま、と言う事で良いんでしょうか」
「「あぁ、そうだ」」
「お二人ともショージのことを聞いているのですか?」
「「あぁ、聞いているとも。」」
あ、聞いているんですね・・・
なんだかんだ言っても、やっぱり俺は血縁関係者じゃないからと言う負い目があるので知らないかと思っていた
ミーシェちゃんに構って貰っているスミレがどや顔をしながらも褒めて欲しそうにしていたのでミーシェちゃんが代わりに褒めてくれた
良かったな、スミレ
「ショージは異世界から来たというのは聞いているし、新たに正式にも一族になったのも聞いている。光属性の魔法を使うことも出来たのだろう?」
「はい・・・そんなことまで聞いているんですね」
「ふ・・・私の子からの手紙で知った。光魔法までも使えるとは誇りに思って良いぞ」
ドラゴングランマさんは俺の近くへ来て頭を撫でてきた
がしがしと頭をわし掴みにして左右にぐらぐらと揺らしてきっと本人的には撫でているのだろう動きをした
・・・俺首がそのままもぎ獲られそうとか思ったのは、内緒だ
一寸だけ恐怖を感じた物のそのまま大人しく撫でられておいた
下手に抵抗したら折られそう・・・
なんだろう、ドラゴンパパさんの時と同じ心配している俺がいた
ドラゴンパパさんとドラゴングランマさんの意外な共通点と流れている血縁を感じつつも俺は無抵抗でぐりぐりされていた
「それで、私たちの庭に来たというのに早々に帰ってしまったのを気配で感じて慌ててフロストエルフの里まで追ってきたのだ」
「うっかり追い越してしまったがね。ははは」
追い越せるのかよ、どんだけ早いんだドラゴン・・・
流石異世界の生き物の中で上位の認知度を持つ生き物だぜ・・・
俺達も結構早い鳥に乗ってきたというのに俺達より前にこのフロストエルフの里に来たって凄くない?
「うるさいぞ、そもそも貴様がショージにあったときに私らの家に寄るよう言付けをし忘れなかったら・・・!そもそも私に言わずに先に会いに行くとは何事だ!」
「焼き菓子を作っていて忙しそうだったのはお前だぞ?何かをしているときに俺の言うことを聞きもしないのはお前だろう。」
「なに?!」
「普段からそうだろうが」
う、うわぁ喧嘩し始めてしまったよ・・・どうしたら良いんだこれ
と言うかドラゴングランマさんお菓子作れるんですね
そっちの方が俺的に違和感、と言うか予想外・・・
なんて言ったら失礼だろうから何も言わないでおこう
俺は困惑しているとトーマスさんが助け船を出してくれた
「お二人とも、孫達が困ってますよ。ここは一つ、喧嘩は止めてお茶でも如何でしょう」
「む・・・そうだな」
「ふむ、トーマス殿の言うとおりにしておこう」
そんなので止まるなら最初から喧嘩し出さないで下さい
そう思いつつも俺達は苦笑をするのだった
ミーシェちゃんが俺の袖を引いてきたので何かと思ったら、スミレに上げるにゃおちゅーるが終わってしまったからお代わり上げたいと言ってきた
スミレが期待した目でこっちを見ている所を見ると自分で言うのでは無くミーシェちゃんに頼んで貰ったのは計画的なように見える
まあお代わりは流石に今まで通りに上げないけれどね?!
だって上げたら切りがなくなっちゃうし、ご褒美って限りがありながらその中で食べた方が良いし、少しの方が特別感出て良いでしょ?
「スミレ、お代わりは駄目。」
『みゃう・・・』
「スミレちゃん残念でした」
『みゅうう・・・折角ショージのために頑張ったニャ』
「そう言えば何処に行っていたの、スミレちゃん」
そう言えば昨日の朝から見なかったのは勝手に散歩に行っているからだと思っていたな
それに俺も出掛けるのに透明になる魔法を掛けて病院抜け出したりしていたのに夢中で自分のことしか見えてなかったからスミレのこと忘れていたよ
まあ置いて言ってしまったからにゃおちゅーる上げた訳だけれどね?
それで許してくれると良いんだけれど・・・
「え、スミレちゃんはどこにいたの?」
「さぁ?昨日の朝病院抜け出したときにはもういなかったからおいてっちゃったんだ。」
「・・・・・・・・・・・・・ショージ、召喚した精霊は大事にしなきゃ駄目だよ。」
「うん、おいてったのは反省してるよ。今お詫びにお菓子上げたとこ。」
「うーん、そうじゃなくて・・・召喚した精霊は一生お世話になるし、他の精霊達の橋渡し役にもなるし、何より精霊は召喚したら一人一体だけなんだから大事にしなくちゃいけないんだよ?力にいろいろとなってくれるんだからね。死ぬような大怪我も精霊に言えば回復して貰って一命を取り留めたなんて話は良く聞くし、そもそもおいていくなんてしたら駄目だよ」
「・・・はい」
何故かルールウドくんにきつく怒られてしまった
ミーシェちゃんだけじゃなくメニーさん達も目を見開いて怒られている俺を見ているので俺はついつい恥ずかしくなってきた
俺はしっかり怒られてからスミレをもうおいていかないようにと言われてしまった
曰く精霊は替えの効かないのは当たり前としても、本当に命を救ってくれる守り神的な物だから幾ら動物の姿をしていても軽んじてはいけないとか、精霊に見放されると一生召喚した精霊の得意な属性の魔法や精霊術が使えなくなるというデメリットもあるといわれてしまった・・・そんなの初めて知ったよ
因みに、スミレの得意な属性はとスミレにルールウドくんが聞くとスミレはあっさりと土と水と応えた
OH・・・俺のよく使い出した土属性じゃないか
危ない危ない・・・
「おぉ、光属性と言われなくて良かったな」
「あらあら、そう言う問題では無いですよ。精霊さん達は、独自に仲間同士でお話しして色々と情報をもっているので一度そっぽを向かれると・・・皆に嫌われるのですよ」
友達に酷い事したからそっぽ向くという感覚なんだろうか、でもそれなら仕方ないよな
誰だって友人や家族に嫌な事されたと聞いたらその人には懐かないよね
そう考えたらもう少しだけスミレに優しくしておこうと思った
「それは困るな、孫達が会いに来てくれる機会が減る」
「えぇ、私たちも困りますわ。ショージちゃん、精霊さんと喧嘩はしないようにね?」
俺に“ちゃん”を着けて呼ぶというレシェルナさんとエルフママさんの血縁関係を改めて感じながらも俺はしっかり反省して頷いておいた
「はい・・・スミレ、ゴメンな?おいてったりして」
『みゃ!みゃーは優しいから許すにゃ!さっきのおかわり!』
「・・・おかわりともんぽちどっちかしか選べないよ、どっちが良い」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ニャにゃ・・・』
スミレは迷ったように尻尾の先をピコピコと揺らし耳をもピコピコさせニャーニャー鳴いて俺の顔をちらちら見ていた
暫くこれ悩む奴じゃ無いかなと思っていたら以外にも早く、もんぽちをとった
おやつよりご飯をとった結果だが、まぁもんぽちはお気に入りらしいからなぁ・・・
なんだかんだ言ってスミレにもんぽちを上げるのが増えている気がするが、ミーシェちゃんにもスミレにも頼まれてしまえば俺は妥協してあげてしまう事が多いのだ
俺は熟々子供と動物には弱いな、なんて思い返した
「所でスミレちゃんお出かけどこ行ってたのー?」
『ニャ、ローエンにある万能薬ににゃるローレア草って言う美味しい葉っぱ獲ってきたにゃ!それとショージが持って来たドラゴンシードと竜胆のしずくで、お薬作れるにゃ!』
「ふえ~・・・スミレちゃんすっごーい!物知りさんだねー」
『にゃっふぅ!そうにゃそうにゃ!みゃーだって役に立つにゃ!』
「凄い凄い!で、お薬にするのはどうするの?」
『それはしらにゃい!』
知らないンかい!と思わず突っ込みそうになるけれどもグッと堪える
イヤイヤスミレは情報をくれたし、ローエンって言うところから美味しい草(本猫談)をもとってきてくれたんだから、十分じゃないか
そうだよ、スミレにしてはかなり役に立ってくれたのだから良いとしよう
調合に関してはアルトくんのお兄さんに材料を渡せば薬にしてくれて有効活用をしてくれるに違いないよな、きっとこれでアルトくんも元気になってくれると思うし
そう思ってスミレに思わず突っ込みを入れそうになったのを我慢していたらレシェルナさんがにこやかに笑って手招きをした
・・・?ミーシェちゃんやルールウドくんを呼んでいるのかな、と思っていたらレシェルナさんが直々に俺を呼んだ
「ショージちゃん、ショージちゃん」
「え、あはい」
「お祖母ちゃんねぇ、お薬作るの、得意なのよぉ?」
「え、そうなんですか」
「そうなんですよぉ?」
これは頼って良いのよと言うことで良いのでしょうか
どこか期待したような目で俺を見てきている、レシェルナさんの視線を受けつつも、ルールウドくんやミーシェちゃんを見ると頼ってみたら良いと言っているように見返してきた
「お祖母ちゃんお薬作れるの?アルトお兄ちゃんのお薬作れる~?」
「きっと作れるわよ?材料から見たらエリクシェードかしらねぇ。」
「えるくしぇーどぉ?お薬の名前?」
「そうよ。万能薬の名前なのよぉ?石化する奇病だって治っちゃうんだからぁ。」
「本当?!あのね、宝石みたいなのが体中何処からでも出来る病気なんだって」
「治るわよぉ?この材料達に、あるモノを足して薬にしましょうねぇ」
おおお、何とか出来そうだと思ってすぐにお願いしますといったら何故かレシェルナさんは俺を呼んで材料を全部もってくるようにと言いつけてきた
一緒にエレベーター(もどき)に乗ってどこかへと移動した
タッチパネルによって降りる階が何となく判明するのだが、どうやら地下のようだった
「あの、どこにいくんですか?」
「錬金術を教えるための調合室よ?お祖母ちゃんが教えてあげるから、ショージちゃんがお友達のお薬を作って見ない?大丈夫、お手本もゆっくりわかりやすくしてあげるし、何度も作り直せるわ。一杯練習して、お薬作りましょう?」
いやいやいやそれはいくらなんでもあかんやつ!
材料取りまでは俺が知ろうとでも頑張ればいけると思ったから頑張って抜け出して山登りしたり戦闘してみたり隠れたりしながらやったけれども!
流石に調合は駄目でしょ!しかも人(この場合魔族だけれど!)の体に作用する物だから、こういうのはプロにして貰わないといけないやつだから!
と、俺がやんわり断るとレシェルナさんが逆になぜだか気合いを入れだした
「大丈夫よ!良い?最初はお祖母ちゃんがやってみせるわ。ショージちゃん、やってみないと何事も出来ない、苦手なままなのよ?大丈夫、ショージちゃんは精霊のスミレちゃんと契約してるんだもの。土属性の得意な精霊ちゃんは、お薬や薬草、薬効にも詳しいからショージちゃんにもその恩恵はある筈よ。お薬一杯作れるようになれば、お料理にも詳しくなれるわよぉ?ささ、楽しくお薬作りをたくさんしましょぉーねー」
あ・・・これは逃げられない奴だ
アイドル追っかけとかのおたくな趣味があるとある友人に引っ張られ散々あちこちのツアー参加、武道館ライブなどを余儀なくされたときの記憶がふと呼び起こされた
アイドルグッズを鞄一杯に買わされてしまったこともあったな・・・
ハハハ、懐かしい・・・アイツ、元気かなぁ・・・
(勿論俺もそいつにお勧めのアニメDVDやBDを買わせたりグッズを普及したりしたが、お互いに良い関係を築けてはいたと思う・・・そいつもアニメは好きだったし)
どことなく、かつての友人を思い浮かべてしまいたくなるような逃げ道がないのを悟ってしまうくらいに熱狂しているのを察してしまった俺には、レシェルナさんに逆らうと言うことは出来ず、頷くしかなかった




