さて思い付いたはいいがどうしようか
さぁ情報を出すか、もんぽちを捕るかスミレを試してみよう
(勿論もんぽちを捕るなら情報を出して貰うし情報を渡さないならもんぽちは無しだ)
さぁ、どうするスミレ
・・・
・・
・
餌皿の前に鳴きながら食らいついているスミレ
『ニャ・・・うまうまにゃ・・・』
スミレは数分も経たずして、もんぽちに負けた
俺はスミレが教えてくれた、混ぜるための薬草が自生しているという所の地図を見ていた
なんでも、【ローエンの薬草】と龍の顎と言う所にある【ドラゴンシード】と同じく龍の顎にある【竜胆のしずく】という水溶液が必要なんだそうだ
ならば・・・
獲りに行こう!
と言う訳で俺は今、中庭で地図を拡げている訳である
因みに地図は早々に売店でゲットしてある
今俺がいるのは病院で、山の麓にある病院だから地図で見る限り俺とミーシェちゃんの暮らしていた屋敷のドラゴニア王城を通り越して左右にある山の左側の方を登って、山の大体中腹あたりに自生すると書かれてある【龍の大樹】を目印にすると良いみたいだ
【ドラゴンシード】は薬草図鑑の最後のページにあった紫色の、見るからに堅そうな木の実で、俺のいた世界で言うと・・・スターフルーツに近いかな?スターフルーツのように凹凸が外からクッキリ見えるように筋がありながらリンゴみたいに木のヘタがある
【ドラゴンシード】は木の実だけれど、中の種だけを使うらしい
因みに実は他の病気の薬になるので、無駄にはならないとか何とかスミレが言っていた
まぁ木の実丸ごとアルトくんのお兄さんか、俺の主治医さんに渡そうかと思っている
材料は揃えるつもりだけれど、調合なんかはアルトくんのお兄さんにやって貰える様言うつもりであるのは素人だから折角材料を採取できても俺が調合して薬にするとヘタすれば全部を無駄になっちゃうかも知れないし、と言う想いがあるからだからね?
【ドラゴンシード】は龍の顎にある【龍の大樹】の木のうろに出来る木の実で、【竜胆のしずく】は龍の大樹の根元に生える薬草だそうだ
謀らずとも【龍の大樹】の所へ行けば両方共手に入るのだと言う事を、薬草図鑑とスミレの情報で確信した
なので目指すは大樹だ!
・・・・・一寸、遠いし、所々谷があったり、山道に、とにかく三歳児には大変にゃー!とか、スミレが精一杯口にもんぽちを頬張りながらも止めてきたけれど俺は止められないぜ
あと、もんぽち口に頬張って言われても迫力も真剣みもないからな、スミレ・・・
俺は一寸した冒険に出掛けるとあってわくわくしているのだ!
勿論、その辺りに出そうなモンスターや、他の薬草とか食べられそうなものとかを調べないといけないので、今日、すぐ行くとはならないが・・・。今、俺はルールウドくんに教えて貰った初歩的な魔法だけで【龍の顎】へと行く旅の準備をしているのだと思うとわくわくしてくる
初の冒険、しかも上手くいけばこの世界初の友達も病気が治せるとあってちょっとはりきってる
「む・・・龍の顎にはハーピーが出るのか・・・」
「左様でございます」
「ふぁう?!」
キューリャさんの声が俺の後ろから聞こえて来て俺は驚いて慌ててぐしゃっと地図を握りしめて、大慌てでポケットに仕舞った
その後何事もなかったかのように何時も拡げている薬草図鑑―初心者用―をひらいて笑顔を振りまいた
俺は何もしてないよ、普通に勉強してましたよと言う無駄に思えるかも知れない誤魔化しだがなに、今来たばかりならば何とか誤魔化せるはず!
「きゅ、キューリャさんいつからそこに・・・?」
「たった今ですが、何かお隠しに?」
「い、いいえなにも!」
「龍の顎にはハーピー、龍人種、羽根老人、ドルーグ、スプリードなどのモンスターが居ります。麓にはアイスクルード、フロストエルフのいる氷の森が広がっております」
ふむふむ、アイスクルードというのは大型犬の犬だ
名に恥じぬ氷魔法を使う、・・・ゴールデンレトリーバーと、ドーベルマンを足した感じの犬で、2メートルもする、大型犬だ
かなりでかくて噛まれたら俺くらいの子供なんて丸呑みできそうな位、しゃれにならない口の大きく体も大きいワンチャンだ
フロストエルフというのはエルフママさんと同じ種族で、空を飛べはしないのだが森の木々の間をぴょんぴょん跳んで跳ねて移動して森に侵入してくる輩を徹底的に錯乱させる薬をまき散らして混乱させ相打ちをさせるという厄介なエルフだという話だ
普通のエルフは精霊術が使えるのだが、フロストエルフは魔法が使えるようになり、精霊術とは縁遠くなってしまった、エルフ族の中でも特殊な方の種族だと習った
そして、気難しさもエルフ族の倍で、森の中にあるフロストエルフの里に入るには同種族の許可が絶対に必要だそうだ
勿論名前の通りに氷魔法、水、土魔法が得意らしい
なんて恐ろしいんだ、エルフママさんの種族・・・
フロストエルフさんは森の中を走り回って警備している為、見つかれば即追い出されるか、質問されて森に入る許可がない物は錯乱され攻撃されるという・・・ごくり
否、理由在るし!今回俺は初めてのお友達のために薬草獲りに行くんだし!
・・・許して欲しいなぁ・・・
俺がそんな風に思っているとキューリャさんがゴホンと咳払いして一言
「分かっておられると思いますが、ショージ様は未だ入院中です。」
「分かっていますよ?」
「そうですよね。ではなぜ龍の顎のことをお調べに?」
「ほ、ほらえっと・・・ミーシェちゃん達の、屋敷の近くじゃないですか?」
「はい、左様ですが」
「だ、だから、えーと調べてみようかなっておもって?」
キューリャさんは俺をじーっと見てきたけれど俺は笑顔のままでいてみた
うーん止められるかな?とか、バレバレかな?とか、思わなくもないが一応妥当な理由だと思うし?・・・大丈夫だろ、うん
「・・・・・」
「(にっこり)」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・あの?(汗)」
あのー・・・沈黙が、重いです
キューリャさんが何とも言いようのない表情で俺をじーっと見てきている
その顔には絶対に信用なら無いとかいてあるかのようだ
まぁ事実、俺は抜け出して冒険に行こうとしている訳で、間違ってはいないのだけれどね?
キューリャさんは俺の手元を態と見るように視線を下げて、溜息をついた後に俺をジトリとみてきた
「分かっておられると思いますが、入院中は外など行けませんよ」
「わかってますよ?」
「・・・夜になど、外出も禁止ですよ」
「理解してますよ?」
「・・・ならば、良いのですが・・・」
わぁーい、めっちゃあやしんでる
ヤバい、俺めっちゃクチャ怪しまれているわ・・・これ
さてどう抜けだそうか(汗)
俺はにこやかに、分かっているよと、理解しているとは言っても行かないとはいってないからな!
俺は素直に薬草の図鑑を見てる振りをしつつ、何時決行しようかと考えていた
ハーピーとかのモンスターについて調べるのは流石に怪しすぎるので、今日の所は素直にアルトくんを待つふりをしつつも薬草の本を読んでおくことにした
結果としてアルトくんは今日も来られなかったらしく、お兄さんが来てくれたけれどお兄さんは仕事が忙しいのだろう、アルトくんは今日ここにこれそうにないんだ、すまないとだけいってすぐ西棟の他の白いローブを着た人に呼ばれてそちらへといってしまった
うーん、やはりというか何というか・・・
アルトくんは相当良くない状態のようだ・・・
これははやく薬草を採りに行く必要がありそうだ
キューリャさんの目をかいくぐるため、準備が終わり次第俺も透明になる魔法を独自に開発するしかないな
真夜中に、こっそりとトイレにでも行って、魔法の練習しておこうと決めた
スミレが俺を不審そうに見上げてくるけれど知らないな
キューリャさんも同じ目を向けてくるけれど、知らないな
と言うかスミレが見えていないはずなのに、なぜにキューリャさんとスミレがシンクロしているのか分からないし、仲が良いなと思ってしまう
そして俺はアルトくんが来ないと分かったので、自分の病室へと帰りがてら売店に行き水と携帯食料代わりにお菓子を少し買った
ふっ、これで少しは食糧確保できたぜ
毎日こつこつと少量ずつ買いだめして、瓶入りの水もチョコチョコと買いだめしていこう
「ショージ様、間食を買いすぎですよ」
「っめ、珍しい物、多すぎて・・・駄目ですかね?」
「・・・一日一個だけですよ」
「あ、ありがとうございます」
あ、許されたみたいだ、やったぜ
キューリャさん意外にチョロいな
でも俺事実この世界の菓子珍しいんだよね
袋にたくさん入ってるみたいだけど、これ・・・何だろう
袋のパッケージには、毒々しい紫と黒い何かが、とげとげしい見た目のグミ?みたいな物が映っている
「これなんですか?」
「木の実でございますが」
「木・・・の実?」
「五味の実ですが?」
「ゴミ?!」
い・・・異世界凄ぇな・・・ゴミなんかくうのか・・・究極の、リサイクルだな
でも俺は食いたくないので、棚に戻させて頂こう
ゴミの実って何だよ・・・なんのゴミなんだよ・・・
せめて、食い物のゴミだったら・・・うん、やっぱりゴミはいやだ
俺はさりげなく、先程の商品を戻し、隣にあったお菓子を取ってはキューリャさんにどういう物なのかを聞いた
中には想像もつかない物があったり興味深いと思えるような物が沢山あった
中でもザクロみたいな赤い色をした、小さい種みたいな物がゼリーみたいな透明のぷるぷるしている物に包まれているお菓子とか食べてみたいので購入した
一寸食べるの楽しみにしていたり・・・俺くずきりとかくず餅とか、好きだったからな・・・
あの手の物だったら俺が嬉しいな
意外に楽しんでしまったお菓子購入だったがこれで旅支度第一段階クリアだ
食料、飲み物確保したから、次は服の調達、武器の調達、夜間の見張りのタイミングをみて、地図と過去の病院周辺の地理を把握、魔力が途中で切れたら大変だから、(俺の場合特に大事だ)魔力回復薬を少々手に入れねばならないな
魔力回復薬は、売店で売っていたんだけれども・・・買おうとしたら、キューリャさんに笑顔で戻された
げせぬ
入院しているのだから今はそれを必要としていませんよ、とやんわりとした言い方だがはっきりと断られてしまった
キューリャさんの目を盗んでいつかしっかり確保しておかねば・・・
早く用意していかないと、山登りしに行くのだから大変だというのに・・・
因みに靴は通常の今はいている物で十分だと思う
靴によく見ると魔力を通すと裏にスパイクみたいなのが出てきて、これなら問題なく簡単に山登りもできそうなのだ
俺は魔力回復薬をどう手に入れるかを考えながらもルールウドくん達に手紙を書く便せんを取り出す振りをして手頃な袋になりそうな布や入れ物になりそうな袋をさがした
結果、特になかったのが残念だ
なかったなら仕方ない、服を縛って繋げて何とか巾着袋にするしかないだろう
首の辺りの空いてるところを縛り、逆さまにして中に入れ袖を縛るだけでも結構何とかなるのでそれを更に何とか繋げて二着で大きな袋にして持って行く気でいる
若しくは、悪いのだけれど一時的に病院のシーツをお借りします
シーツを風呂敷状態にして中に入れて持ち運ぶ気でいる
キューリャさんには悪いかも知れないけれど、俺は弓矢だったら何とか実戦で使えるんじゃないかとまで言われたからね!
まだ生き物に射ったこと無いけれど!
あ、でも土魔法で弓矢を自分で作れるから矢の準備は殆ど要らない
唯、魔力が心許ないので魔力回復薬が必要なのだ
俺は手紙を書いて、スミレに届けて貰う内にトイレに行ってきますとキューリャさんに言っておいてキューリャさんが使っているような透明になる魔法を見よう見まね、記憶にあるキューリャさんの使っているときの感じを思いだし頭の中に浮かべながらも練習しておいた
俺は、透明になる魔法を憶え切れたら魔力回復薬を購入し、抜け出して龍の顎の左側の山へと行こうと決定した
「・・・ショージ様、ショージ様。ちゃんとそこにおられますよね?」
「ひゃい?!あ、いますよ~?」
集中してやっていたらキューリャさんに呼び出された
ヤバい、計画がバレたかと思って一瞬心臓が飛び出るかと思った
おかげで透明になれる魔法を、今日は中指の指先までしか出来なかった
結構集中力を使うみたいだ・・・まだ俺が慣れてないからかも知れないけれど結構難しい魔法なのだろう、指先を透明にしただけなのに、簡略化させたステータスによるとMPが50も減っていた
立った指先数㎝で、50も減っていると言う事は全身を透明化させるのにはかなりの魔力が必要になるようだ
俺にはやはり、魔力回復薬は必須らしい
勿論無理しない程度に練習をしていこうとしてはいる物の、この調子だったら何時全身を、長時間姿消す事が出来るのだろうかと不安になってくる
熟々、キューリャさんが凄いなと思えてくるが俺は一旦魔法の練習を切り上げて逃げ出してないと分からせるためにトイレから戻った
キューリャさんが少しホッとしたような表情で俺の方を見てきた
幾ら俺でもそんなに準備していないうちに早く出て行こうとなんかしないぞ?
何事も用意大事だしな
今日はキューリャさんの監視の目が鋭くなったと言うだけで、特に何も無かった
「・・・ショージ様」
「?はい」
「MPの数字が減っているようですが何かなさいましたか」
「特には何もしてません」
「・・・・・・・・・」
再びジトリと怪しんだような目で見られたので俺は言い訳として考えていた、トイレの中で、飛ぶ練習をしていたとだけいった
飛ぶのはまだ上手くいかないから魔力消費が上手くコントロール出来ていないので飛ぶ練習してたという、言い訳になると思ったのだがそれはあたりで、キューリャさんの中では腑に落ちる事だったらしく、あっさりと頷いて納得してくれた
よ、よし、誤魔化せたっぽいぞ
「ミーシェ様のお体と今のショージ様自身のお体では若干違うので飛ぶ際に魔力を多大に使ってしまうのですね」
「ほえー・・・そうなんですねー」
適当に考えた言い訳だったがグッジョブ俺
キューリャさんにミーシェちゃんの体にいる時に翼に魔力を込めたときのように背中に羽根があるようにイメージした方が良いのかも知れないとアドバイスを貰ったので頑張ってみた
結果、結構な勢いで天井にぶつかった
「いだ・・・頭打った」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です・・・」
抜け出すときには、飛ぶのを控えよう
折角ミーシェちゃんの姿の時に飛ぶ練習をして天井へ顔や頭をぶつける事が100回に一回とかに減ってきたというのに・・・この姿では駄目なのか
また練習し直さなくてはいけないな
その後はひたすらキューリャさんの怪しんだ目で見守られながら一日を過ごした
今すぐ抜け出さないとはいえ、そこまで怪しまれると気不味いので止めて頂きたい
まぁいつかは・・・透明になれる魔法を憶え次第出て行けるようにしようとは思っているのだけれどさ?
このままで、本当に俺は透明になれるのだろうか・・・
一抹の不安を抱えながら、気ばかりがせいて仕方がない




