良い事聞いた、良い事を思い付いた
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夢の中で目が覚めるとまだミーシェちゃんが来ていなかった
可笑しいな、何時もならもっと早くに寝かされている筈なんだけれど・・・
腕時計を見てみるととっくに10時になっている所だった
白黒でシックな部屋へと一気に風景が変わる夢の中に、コーヒーを想像してソファーに座りながらスミレを好きにさせておいた
俺も適当にソファーの上でくつろぎながら日本の新聞を想像して出した
しかし今更別の世界に来ているというのに日本語で書かれたくだらないゴシップ雑誌に近い内容の薄い、新聞の記事に目を通していてもどうしようもないのだが、何となく癖で拡げて読んでしまうのだった
俺が新聞を半分くらい読んでいたとき、ようやくミーシェちゃんがやって来た
目をこすりながら、欠伸をしているミーシェちゃんに、ちらりと腕時計の時刻を見てしまったのは仕方ないことだと思う
三歳児であるミーシェちゃんにはきつかっただろう、11時半を回っていた
『ミーシェちゃん、遅くまでご苦労様。グリーン茶でも飲む?』
『・・・ぁれ、ここ、夢?』
どうやらテーブルに突っ伏している状態で夢の中にやって来たミーシェちゃんは、寝落ちして夢の中へとやって来てしまったらしい
どこかボンヤリとしているし、いつものようにスミレにまっすぐ向かいに行かなかった
『勉強でもしていたの?』
『・・・んーん!アルトお兄ちゃんに元気になって欲しくって、いっぱい、い~~~~っっっぱい!図鑑を読んでたの。ルー兄様が探してて・・・ミーシェも、手伝っていたの。』
『にゃにゃ、子供は早くねにゃいと背が大きくにゃらにゃいにゃよ?』
『・・・でもでも、アルトお兄ちゃんに元気になって欲しいの、ショージお兄ちゃんが初めて外で出来た、お友達だもん!ミーシェには、ジョアンとかメニーとか、クーナとかいるのにショージお兄ちゃんはまだキューちゃんしかいないでしょう?だから、アルトお兄ちゃんと仲良くなって欲しいもん』
・・・ミーシェちゃんとルールウドくんは、良い子達だなぁ・・・
俺にまるで友達いないような口ぶりだけど、俺だけがまだ屋敷から出るような事もそうそうないからだし今は病院の中にいるだけだし・・・うん、友達いないような気がしてしまうのも無理ないきがする、そこだけ聞いちゃうと・・・
だけれどな?でも嫌俺いるし?昔生前なんかは数人いたし?(震え声)
そう思われるのも無理ないのかも知れないけどね?!
・・・い、否、こう見えてもスミレがいるし!
友達なんかいずれ・・・出来る予定だし?バリバリ作れる予定だし!
よ、よしこの考えは止めよう
今すぐ止めよう
即刻止めよう お兄さん泣いてないから!
止めて、スミレその哀れなモノを見るような視線を止めて下さい
『にゃぁ・・・ショージには、みゃー達がいるにゃ』
『やめろぉぉぼっちみたいな言い方をするんじゃあない!』
『にゃぁ・・・』
『にゃあじゃないです、その目を止めてくれませんか』
『ぱっかーんってするにゃ。うまうまにゃのくれたら止めるにゃ』
『・・・もんぽち上げます』
俺はスミレにもんぽちを上げることで哀れみを帯びた視線を回避することが出来た
俺はもんぽちの代わりに何かを失った気がする・・・
『初めてのお友達には元気になってショージお兄ちゃんと遊んで欲しいもんね』
『・・・・・・・うん、そうだね』
理由はどうであれミーシェちゃんはアルトくんのために調べ物をしてくれたと思うと嬉しいことだよ、うん、よし、そういうことにしておこう
初めての友達というのは『この世界の友達』ということし?そうだ、うん
『にゃふふふ!』
スミレが愉快そうに両前足を自分の口元まで持って行き笑うので俺は出してあげたもんぽちを取り上げて煮干しを数匹皿に置いてあげた
『ニャ・・・』
『スミレちゃんまたショージお兄ちゃんの機嫌わるくしちゃったね?』
『みゃう・・ショージのけちんぼ!いじわる!』
『ははははは、何を言っているのか分かんないなぁ~?』
『ニャ・・・にゃあ~ミーシェ、みーしぇショージが意地悪するにゃぁ』
スミレは俺が出してくれないとみるとすぐにミーシェちゃんにお強請りしにミーシェちゃんの足下で可愛さアピールしにいってしまった
ミーシェちゃんは俺に目だけで『可哀想だよ』的なことを訴えていた
うぐ・・・スミレめ・・・俺はもんぽちを止めて結局は何時ものかりかりを出してやって妥協してあげた
『ぱっかーんは?』
『もんぽちはなしです』
『みゃ・・・』
スミレはションボリして尻尾をたれ下げながらも大人しくかりかりを口にした
かりかりだけじゃ少し飽きちゃうかも知れないけれど、時折味の違うかりかりを出してあげているので問題はないはず・・・筈だ、うん・・・たぶん
『かりかりは美味しいの、スミレちゃん』
『まぁまぁにゃ』
『美味しくないの?』
『うまうまにゃのも、あるにゃ。でも意地悪だからショージはたまにしか出さにゃいにゃ』
『そうなんだぁ~』
あぁ、味が違うのもちゃんと意味はあったみたいでよかった
味と食感がひと味違うと書かれている袋のかりかりをたまに数種類コロコロと変えてあげているのだがスミレにも一応それが分かっていてくれてホッとした
これで全部同じにしか思えないなんてなったら色々と考えないといけない所だった
ミーシェちゃんも屋敷に帰った後ルールウドくんと街の図書館に行ってアルトくんの病気を治せそうな薬草や薬の元になる物を探していてくれたらしいし、スミレも少し役に立ってくれても良いんだけれどなぁ・・・
『にゃ』
『うん?どうしたスミレ』
『にゃう、みゃーも一緒にアルトのお薬探すにゃ!』
『お、おうどうしたいきなり』
『役に立ってにゃいと思われるのは心外にゃ!』
スミレはまるで任せろと言いたそうにふんふんと鼻を鳴らした
猫じゃなくて犬かお前は・・・とか思った俺は悪くないと思う
スミレに文句代わりに一回引っ掻かれたけれど・・・
夢の中の部屋で暫く雑談してから、ミーシェちゃんが起きる時間になったので俺も起きることにした
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病室から起きて、真っ先に顔を洗って身支度を済ませるとスミレが窓を開けて欲しそうに引っ掻いていた
スミレは窓を通り抜けることが出来るので今まで気にしなかったが、何でか今日に限って開けて欲しそうに窓のガラスを引っ掻き、俺に向かって何度か鳴いた
珍しいな、何時もなら自分で何でもやろうとするし、窓は通り抜けるのに
キューリャさんが窓に視線をやる俺に気付いたのか、窓を開けてくれた
「具合が悪いのですか?」
「いえ、スミレが窓を開けて欲しそうにしてて・・・」
「左様ですか」
キューリャさんは窓の縁の辺りを一度見てから俺の方へとやって来た
スミレはキューリャさんが窓を開けたので、どこかへと出て行ってしまった
本当に、今日は勝手に出ていくんじゃ無くて窓を開けてまで出てくなんてどうしたんだろう・・・変なスミレだなぁ、なんて思いつつも俺はキューリャさんにお礼を言っておいた
一応、開けて貰ったのだからお礼は言っても可笑しくないよね
俺がお礼を言うと途端にキューリャさんはそっぽをむいてスッと消えてしまった
・・・えぇー・・・?何で消えたの?何、俺いけないことでも言った?
恥ずかしがり屋だからと言ってお礼言っただけだよね?それだけで消えるか、普通・・・とか思いつつ一人になってしまった俺は医師の男性が来たので大人しくして検診を受けた
いつものように本を置いて行かれて俺は受け取ったけれど、サイドテーブルに置いた
図書室に行って他の本を読んだ方がまだ有意義だと思うんだが・・・まぁ貸してくれるものだし、スミレは気に入っているみたいだし、いいけれどね?
俺が図書室で薬の本を探しながら頭の中に3冊程度コピーしていると手首に浮かべている簡略化したステータスにあるMPの数字が100に減ったのでやめておいた
どうやら今の所一日でコピーできる数は2、3冊が限界みたいだ
まだ子供だから仕方がないとは言え、地道にコピーしていくしかないな・・・
MPの数値が410しか元々ないのに一気にコピーしていたので一寸だけ目が眩んだので、長いテーブルの方に行き、コピーしてない薬草の本を借りて本を拡げて少しだけ休んだ
目眩も治まったので本を読んでいるとスミレがいつの間にか戻っていたらしく、俺の膝の上に乗ってきた
・・・俺はスミレをそっと撫でるとスミレは何かを強請るように前足で軽く俺の手を引っ掻いてきた
うーん、これは後でささみか何かを上げないと拗ねる奴かな?
後でアルトくんを待ちながらスミレに何か上げるかな・・・玩具とかでも良いだろうか・・・
あ、猫と言えば紙袋とか小さい箱とか好きだよな
用意しておいてみるかな、なんて考えながらもスミレを撫でておいた
『にゃぁ、もっと褒めろニャ!良い情報聞いてきたニャ!』
スミレは自慢したそうにそう言いながら俺の手を両前足を使ってぷにぷにとした肉球と柔らかい前足で包んだ
やわっこくってきもちいい
「それで、良い情報ってなに?」
『にゃう、ローエンって言うところに行けば美味しい食べ物が手に入るにゃ!』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
スミレは、美味しい食べ物を探しに行ったらしいです
そっかぁ、俺はそのことにどうコメントして良いのか分からないんだが、これは・・・
うーん・・・うん、一旦は、褒めるべきだよね?
きっと、スミレなりに頑張ったから、褒めるのが正解だよね?
俺はどうしたら良いんだろうかと困惑しているんだが・・・
スミレを褒めた方が良いという結果になったので、俺はスミレによかったねと心の中で言いながら撫でておいた
そして俺はスミレを放置して開いて置いた本を真剣に読み始めた
・・・スミレに期待するのは止めておこう、そう考えて少しでも薬草の効果と名称を憶えるために必死に読んだ
『ニャぅ、もっと褒めるにゃ!』
はいはい、今忙しいから後でね。ミーシェちゃんの所にでも行って遊んで貰いな
『ニャ・・・みぃ・・・』
スミレがふにふにと膝の上を何度も踏んできた
構って欲しいのかな?仕方ないから俺は猫用ジャーキーを出してあげた
文句言いたそうにじろっと見てきたがスミレはしっかり猫用ジャーキーを両前足で掴んでいるので、そんな所を見ると効果はそこそこあると思ってしまった
俺は今友達のために何とか出来そうな薬草を探しているから、相手は後でね
『にゃ・・・きいてきいて!』
スミレは思い切り俺の肩に乗って、俺の顔、頬を両手の肉球を押しつけてきた
一寸、スミレさんオレまだ体的に三歳児の体だからすっごく邪魔なんですが!
ほおを両手でプニプニされると邪魔、と言うか視界に猫の手が映るのは構わないけれど、猫の手が目に入りそうで怖い!やめて!本が読めないから!
『聞いて欲しいにゃ!ローエンに行くにゃ!』
俺はスミレを方から降ろして、膝の上に置いた
不満そうに俺を見上げてくるスミレに、思い切り溜息をついてからここではスミレとちゃんと声を出して会話が出来ないから仕方なく図書室を出ることにした
拡げていた本を借りる手続きをして、抱えて中庭へと行くとスミレが我慢できないと言わんばかりににゃーにゃー鳴いて話しかけてきた
『ローエンにニャ?にゃんでもにゃおる美味しい葉っぱあるらしいにゃ』
「・・・ローエンって言うところに、そんなに凄い薬草があるってどうやって知ったの?」
『にゃーの友達に聞いたニャ!美味しい葉っぱは、食べるとぽかぽかしてどんにゃ病気も、痛いのもにゃおるにゃ!そういってたにゃ!』
「それは・・・動物だけに効く薬草とかじゃ、ない?」
スミレには悪いんだけれど、大事な所だから聞いておかないといけないよね
もしも動物以外、精霊以外には効果がないとか、アルトくんの体質に合わないとかだったら大変だから・・・心配しているからきいてみた
するとスミレはふふんと鼻を鳴らして胸をはって背筋を伸ばし、褒めて欲しそうにした
『ローエンの精霊達にも話聞いたら万びょーって奴に効くらしいニャ!でも、お薬として使うにゃら、ほかのとるのが難しい所にある葉っぱと混ぜにゃいといけにゃいのにゃ!』
「・・ローエンって言うところにある薬草と、他の所にある薬草を混ぜないといけないの?」
『そうにゃ!ローエンの葉っぱは、みゃーの友達がにゃンとかしてくれるっていってたにゃ!だから、今から取りに行くにゃ!』
「す、スミレだけで取りに行くの?」
嫌君精霊だけれど猫だからね?!大丈夫なの?!と思ったけれど、スミレは任せろ的な顔をして胸をはった
・・・・・!良い事考えた!スミレが取りに行けるならば・・・
「因みに、それは・・・どこに、あるの?」
『にゃ?』
「だから、混ぜなくちゃいけない、薬草の方。」
『・・・ニャ・・・』
怪しそうに俺を見上げるスミレを無視して、俺はもう一度聞いてみた
獲りに行きたそうに見えるって言いたそうだが、俺はその通りなので何も言わない
近場だったら一寸病院を抜け出し探しに行こうかと思っている
「ローエンの薬草じゃない方の、薬草。何処にあるの?」
『にゃぁ・・・』
スミレが困ったように先程とは打って変わって、うろうろと俺の膝の上でくるくる回って、困ったようになーなーと鳴いて尻尾を足と足の間に入れて座り込んだ
一方俺はスミレが何時でも話してくれるように、もんぽちを缶で出した
するともんぽちをじーっと物欲しそうにスミレが眺める
さぁ情報を出すか、もんぽちを捕るかスミレを試してみよう
(勿論もんぽちを捕るなら情報を出して貰うし情報を渡さないならもんぽちは無しだ)
さぁ、どうするスミレ




