第11話 同じ夢とキスの呪い発動
こんにちは。今日も一日お疲れ様でした。
クタクタですが、今日は二話投稿できました。
入浴を済ませ、桃子と父と母で食事をした寧々は与えられた部屋に戻ると、ぐっすりと眠ってしまった。
その夜、彼女は夢を見た。
龍太郎とあの雪桜の下で、初めて会った時の夢だった。
桜の花びらと雪が舞う中に、寧々と龍太郎は立っていた。
「ねぇどうして、またここにいるの? これは夢?」
寧々が目の前にいる龍太郎に尋ねた。
「さぁな。おそらく夢だろうな」
龍太郎は桜と雪が舞う空を眺めていた。
──寧々さん、私の声が聞こえますか?──
突然、鈴の鳴るような声が寧々の脳内に響いた。
(き、聞こえます……)
寧々は頭の中で返事をした。
──あなたは私に会った日に願い事をしました。その願いを特別に叶えましょう──
(はぁ? え? どういうこと?)
寧々は龍太郎のほうを向いたが、彼には聞こえていないらしく、龍太郎は桜の花びらに手を伸ばしていた。
──私が強制的に縁を結びました。龍太郎とあなたは48時間に一度はキスをしないと、死にます。どちらも死にます──
「はぁぁぁぁ!? キスしないと死ぬぅ!?」
寧々は叫んで飛び起きた。
カーテン越しに、朝の気配を感じた。
「なんだぁ、夢か……ビビったぁ」
寧々はピンクの掛け布団を見ながらつぶやく。
(少し残念……なんてね、えへへ。龍太郎とキスしないと死んじゃうなんてさ、そんなのあたしにとってご褒美みたいなものじゃん。だって彼、めちゃくちゃイケメンだよ)
部屋に設置された豪奢な洗面台で寧々は顔を洗って、口をゆすぐ。
その時、ドンドンと乱暴に部屋がノックされた。
「えっ、な、なに?」
寧々が困惑していると、勢いよくドアが開けられた。
「はぁはぁ……」
息が乱れた龍太郎が寧々の部屋に飛び込んできた。
彼は黒いシルクの寝巻きのままだった。
まるでランニングでもしてきたかのように息が荒い。ふらふらしながら、龍太郎は寧々に近づいてきた。
その瞳は寧々をしっかりと映していた。
「えっ。なに? 怖いんですけど……」
尋常じゃない龍太郎の様子に寧々がひどく困惑し、一歩一歩近づいてくる龍太郎から後ずさる。
「おまえ……昨日、神様かなにかに祈りを捧げただろう?」
龍太郎が壁際にいる寧々に向かって、壁ドンをかましてきた。
寧々の視界に龍太郎の端正な顔が映る。
「え、えぇ? 龍太郎……ま、まさか、雪桜の中にいる夢を見たの?」
背の高い龍太郎を見上げる形で、寧々が恐る恐る尋ねた。
「……ああ、見たよ。夢の中で、たしかにおれたちはまた雪桜の中にいた。それより、おれとおまえ、48時間に一度はキスをしないと死ぬらしいな」
龍太郎が寧々を見据えた。
「え? それただの夢だよ? それよりどうして、そんなに息が荒いの? 大丈夫?」
寧々が軽く微笑みながら彼に訊く。
「夢じゃない。おれは信じられないぐらい心臓が苦しいんだ……心臓が痛いんだよ」
ドクン──
「えっ?」
その言葉を聞いた寧々の心臓もおかしくなる。
「えっ。やだ……なにこれ。胸が痛い……」
寧々が胸を押さえる。
「……おまえのせいだぞ。おまえのせいでおれは死にそうだ……はぁはぁ。どうしてくれるんだ? まったく、なんつー願い事をしてくれたんだ」
壁に手を突いたまま、龍太郎が苦しそうな表情で寧々をまっすぐに見てきた。
「と、とりあえず、キス……してみます?」
寧々の心臓はたしかな痛みを放っていたが、目の前にいる龍太郎の妙な色気に押されていた。
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