表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
護衛の仕事で成り上がれ  作者: 肩ぐるま


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/41

第40話 思わぬ苦戦を強いられた

1日中、風魔法を使い続けたことで、風魔法が4にレベルアップしていた。

今日も1日歩き続けるだけだが、風魔法を使い続けてレベルアップするという楽しみが出来たので、朝から気合いが入っている。

「旦那様、今日は、元気そうですね。何か、良いことがありましたか?」

いつも俺を気にかけてくれるルージーが聞いてきた。ルージーの細やかな優しさが、心に沁みた。

それに比べるとトゥデラは、俺の体調などお構いなしだ。剣術の模擬戦では、容赦なく打ち込んできて、何度、骨が折れたと思ったことか。木の枝だからいいものの、鉄の剣でやられていたら、俺は、何度も死んでいたぞ。

そんなときでも、トゥデラは、「ガハハハッ、まだまだだな」と楽しそうに笑っているだけで、俺が立ち上がるのにも手を貸そうともしない。

まったく、傭兵気質が抜けない奴だ。

もっとも、それは王都を出るまでの5日間のことで、王都を出てからは、トゥデラとの模擬戦はしていない。護衛の仕事に悪影響が出るかもしれないことは、流石のトゥデラもやらない。

そんな風にトゥデラの悪口を考えながら歩いていると、気配察知に何かを捉えた、

慌てて、意識を現実に戻し、風魔法を止めて気配察知に集中する。

立ち止まった俺に、ルージーが、

「旦那様、どうされました?」

と聞いてくる。

「何かが来る」と大声で叫ぶ。

すると、トゥデラが、前の方から、

「駆けて躱わすぞ」と大声で応えたかと思うと、騎馬も馬車も速度を上げて駆け出した。

俺とルージーも慌てて駆け出す。

街道で敵と遭遇したときの対応は、あらかじめ決めてある。

敵が何者であれ、正面から来た時でなければ、駆けて躱わす。

そうすれば、例え横から襲って来たとしても、後ろから追い掛けなければならなくなる。

戦闘をするのは、追いつかれたときだけだ。

そのために、殿に俺が居る。

ルージーは、俺のすぐ横に居て、俺が護るほうが安全だ、

奥の手が復活した俺なら、大抵の敵は倒せるだろう。

前から敵が来たときは、基本的にトゥデラが対処する。数が多いときは、俺が駆け付け、ルージーは馬車の護衛に回る。

これがトゥデラが組んだ、敵に襲われたときの迎撃フォーメーションだ。

騎馬、馬車は俺とルージーを置いて、疾走して行く。俺たちは囮も兼ねているので、反撃の準備をしながら駆け、敵が接近して来たら、奥の手の矢を射る。

俺の弓術の熟練度は7、これは実戦で、アクロバティックな動きをしながらでも、動く敵を射抜くことが出来る熟練度だ。

俺は、草むに隠れて斜め後ろから追いかけて来ている影に、振り向くことなく、奥の手の矢を射た。

矢が届く範囲に近づいた敵は、目で見なくても、気配察知で場所が分かる。

キャゥンと、悲鳴を上げて、一つの影が倒れた。グラスドッグだった。

グラスドッグは、王都に来るまで何度か数匹の群れに襲われたが、トゥデラが簡単に撃退している。体長は50センチ位で、ゴブリン程度の弱い魔物だが、どういう訳か、今回は数が多い。

俺もルージーも走っているが、だんだん追いつかれてきた。騎馬と馬車は、安全圏に逃げ延びたようだ。

前を向いて走りながら、気配察知を頼りに、奥の手の矢を立て続けに射る。

キャゥン、キャゥンと悲鳴が上がり2匹を倒したが、1匹は外したようだ。

しかし、この群れは大きい。軽く50匹以上いる。

俺1人なら確実に勝てるが、ルージーが一緒だと危ない。

もう一度逃げることにして、

「ルージー逃げるぞ。走れ」と声を掛けた。

俺の声を聞いて、緩めていた脚に再び力を入れて駆け出したルージーの横に並び、風魔法で2人の背中を押す。

「キャッ」とルージーが、追い風に驚いてバランスを崩し掛けたので、身体強化を使って、ルージーを子供のように抱き上げながダッシュした。このときに強い風魔法を自分の背中に当てながら、全力で200メートルぐらい走ったので、グラスドッグを少し引き離した。

そこで、漸くルージーを地面に下ろして、後は、普通に走り出した。今度は、いきなり強い追い風ではなく、徐々に風を強くしていった。

500メートルほど走って、かなりグラスドッグを引き離した。

俺は、背中から半弓と矢を取り出して、

「ここで、敵の数を減らす。5匹減らしたら、また逃げるぞ」

そう言っているうちに、またしてもグラスドッグが追い付いて来たので、俺は、奥の手の弓と手に持っている半弓を連射した。

合わせて6本矢を放ったところで、

「ルージー、逃げるぞ」と声を掛けて、また、追い風を使って逃げ始めた。

俺とルージーは、その後、何度か立ち止まっては、グラスドッグの数を減らし続けた。

とうとう、気配察知でグラスドッグが、半分ほどに減ったのが分かったので、迎え撃つことにした。

半弓用の矢は使い切ったので、奥の手の矢しかない。これだけで数を削るのは厳しいが、奥の手の矢で近付く敵を片っ端から射殺した。

とうとう20数匹が、足を止めた俺たちに襲いかかってきた。

ルージーは左手に鉄の盾を持ち、右手でメイスを構えている。

俺はルージーの左側に立ち、半歩前に出て、右手に剣、左手に盾代わりに短剣を持ち、奥の手を全て出して迎え撃った。

最初の激突で、見えない槍で2匹、見えない斧で1匹、見えない剣で1匹、見えない短剣で1匹、見えない矢で1匹、自分の右手の剣で1匹を倒した。その間にルージーがメイスで1匹倒している。見えない盾で突進を止めたのが3匹。

最初の襲撃は撃退したが、それでも倒した数は10匹に届かない。

まだ10数匹残ってあり、それが間髪入れずに襲って来た。

その襲撃でも7匹殺したが、数匹が俺たちの攻撃と防御を掻い潜って。ルージーの脚と俺の脚に噛みついた。

俺は見えない盾を垂直に下ろして1匹の背骨を折り、見えない槍でルージーの脚に噛みついた奴を刺し殺した。この間に、右手の剣で1匹殺した。

生き残りが10匹を切ったグラスドッグは、自分たちの数を確認するように左右を見たので、その瞬間に、見えない矢と槍で2匹殺すと、残りのグラスドッグは逃げ出した。

それを、奥の手の矢で次々と撃ち殺していった。

戦闘が終わると、怪我をしていないか、それぞれ自分の身体をチェックする。

ウルフドッグが噛みついたのは、分厚い革ブーツの上からだったので、2人とも怪我はなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ