虹の嫁
「まんが日本昔ばなし」より「虹の嫁」
放送回:特別番組
放送日:1995年04月01日(平成07年04月01日)
演出:吉良敬三、児玉喬夫、三善和彦
文芸:(脚本)上尾久志、三島響子 美術:古宮陽子、西村邦子、阿部幸次
作画:吉良敬三、柏木郷子、遊佐和重、大島りえ
ナレーション:市原悦子
深い闇のような中で美咲の耳に声が聞こえた。
昔ある所に、「やたみ」という名の杣師の若者がおったとさ。
杣師は木こりのことなんじゃ。
⦅そまし? 木こり?⦆
ある日の事、「やたみ」は空に綺麗な虹がかかっているのを見つけたんじゃ。
綺麗な虹を良う見ようと「やたみ」は、湖まで歩いて行ったんじゃ。
⦅あれは……先輩!⦆
すると、空から七色の羽衣をまとった美しい天女が舞い降りて来たんじゃ。
「やたみ」は一目で天女に恋をしたそうな。
恋をした「やたみ」は、天女に心を込めてお願いしたんじゃ。
「どうか自分の嫁になっておくれ。」と……。
しかし天上界にすむ娘が、地上の男と結婚することはできない定めだそうなんじゃ。
どうしても諦めきれない「やたみ」に、天女は言うたんじゃ。
「いつか地上の人に生まれ変わる事がございます。
その時は私の目の下の青いホクロを目印にして探して下さい。」
そう言い残して、天界に帰って行ったとさ。
それからの「やたみ」は、ホクロの娘を探すために山を下り、あちこちの町や村で娘の姿を探したんやと。
なかなか娘は見つからず15年の年月が経ち、「やたみ」は杉山長者の所で山仕事をして働くようになっとった。
ある時、顔が真っ黒の娘「ななえ」が、山仕事の手伝いとして「やたみ」の元へやって来たんじゃ。
「杉山長者さんから、やたみさんのお手伝いをするように言われました。」
「やたみ」は親切に「ななえ」の面倒を見てあげたんじゃ。
二人は一緒に山仕事をするようになったんやと。
やがて仲良うなった「ななえ」から、顔が真っ黒になった理由を「やたみ」は聞いたんじゃ。
「お継母様が自分の本当の娘を長者の嫁にするために、
継子の私の顔にスミを塗り込んだのです。」
それを聞いた「やたみ」は可哀そうに思い、丁寧に「ななえ」の顔を拭いてあげたとさ。
すると、どうじゃ。
「ななえ」の顔は雪のように真っ白い肌に戻ったんじゃ。
さらに今まで見えてなかった目の下に、青いホクロがある事に「やたみ」は気が付いたんじゃ。
「やたみ」は、16年前に出会った天女の生まれ変わりが「ななえ」だった事を知り、「ななえ」もその時の事を思い出し、二人はひしっと抱き合うたとさ。
目出度し、目出度し。
⦅あ………私………私が先輩と……。⦆
嬉しくて泣きそうになった時、美咲は夢から覚めた。
もう少し、見ていたかった夢だった。




