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異世界転生してチート能力を手に入れたのに評価されず説教された〜異世界チート勇者が嫌われる理由〜  作者: ジェイセブン


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第5話 ジョブシステムの罠

マサオ「俺と同じレベルの人と出会えたおかげで旅が楽しいよ」

ニック「僕もそうさ。それにアイテムボックスのスキルを持った人なんて初めてみたよ」


マサオは旅の道中に出会ったニックという戦士とパーティーを組んでいた。そして自分とニックのためにアイテムボックスのチート能力を選択していた。


ニック「あれが僕らの目指しているジョブシティさ。みんなあそこでジョブを選んだり周辺に出るモンスターでジョブの訓練をするんだ」


ジョブシティに到着したマサオはニックに聞こえないようにジョブについて女神に質問する。それに女神はテレパシーで答えた。


マサオ「ジョブって誰でも何にでもなれるの?」

女神「基本的なジョブは全て誰でもなれますよ。しかし複数のジョブを極めた人でないとなれないジョブもあります」


女神の説明を聞いていたマサオにニックが提案する。


ニック「僕はもう戦士のジョブになっているからマサオ君はゆっくり選ぶといいよ。僕はその間に買い物とかしとくからさ」

マサオ「ありがとうニック」


マサオはニックと一旦別れた後、ジョブ申請を受け付けている神官に会う前に女神からさらに詳細な説明を受ける。


女神「ジョブは才能による適性があります。人によってジョブの修得速度や得られる魔法と特技の数と威力が違うのです。その辺りを知るために他の冒険者を観察してみましょう」


女神に促されてマサオはジョブシティの外で活動している冒険者を探した。


女神「例えば、あの格闘家の男女2人を見てください」


女神の示した方向に2人の格闘家がオークと戦っていた。女が拳でオークを攻撃していたがオークは無傷だった。しかし男が拳でオークを突くとオークの腹に大きな穴が空いて倒れる。


女神「男の格闘家の方が強く見えたのが何故か分かりますか?」

マサオ「男の方が格闘家の才能があったから?」

女神「もっと正確に言うと性別によって男の方が腕力が強いからです。ムキムキマッチョの男より華奢な女の方が力が強いとおかしいでしょう?」


さらに別の冒険者を見つけて女神が説明する。


女神「あの優秀なモンスターテイマーの方を見てください」


女神が示した男は確かに強そうなモンスターを連れて歩いている。


女神「あの方が何故あんなに強力なモンスターを仲間に出来たか分かりますか?」

マサオ「モンスターテイマーの才能があるから?」

女神「重要なのはその才能が何処から来ているのかです。男で筋肉があるから拳が強いのと同じ様に、彼にも強力なモンスターを仲間に出来る理由があるはずなのです。その理由が分かりますか?」


マサオが答えられずにいると女神が言った。


女神「あのモンスターテイマーの方は魔族です。つまり魔族でない人がモンスターテイマーになってもあまりモンスターを仲間に出来ず意味がありません」


女神に一通りジョブの説明を受けたマサオは自分のジョブをどうするか女神と考え始めた。


マサオ「ちなみに俺は何のジョブの才能があるんだ?」

女神「あなたは剣士の体を乗っ取りましたが転生前のあなたを含めてなんの取り柄もありません。イケメンの駄目な人です。なのでどんなジョブをやっても恩恵があまり無く極めることも出来ないので上級のジョブにはなれないでしょう」

マサオ「俺もこの人もそんなに無能なのか…」

女神「顔がいいだけあなたよりマシですけどね」


落ち込んでいるマサオを女神が励ます。


女神「気にすることはありません。逆に考えれば自由に個性を演出する事が出来るということです。好きなジョブを選ぶといいでしょう」

マサオ「うーん…何かオススメとかある?」


マサオにオススメのジョブを聞かれた女神は少し考えて教えてあげた。


女神「例えば、遊び人とかどうですか?」

マサオ「遊び人?! そんな弱いジョブで大丈夫?」


ゲームでは弱くて使えないことで有名なジョブを提案されて驚いたマサオに女神はその理由を説明した。


女神「確かにゲームでは弱いジョブでしかもあなたはその上級にあたるジョブになることは出来ません。しかしゲームと違った遊び人の強みを利用できるかもしれません」

マサオ「遊び人の強みって何?」

女神「遊び人は日々の生活に追われていないので色々なことを考える余裕があるのです。今世界で何が起きているのか、自分の敵は誰か、自分の武器をどう活かすのか、誰と協力するのか、あなたが居た世界にも長い間を無職で過ごした賢者がいたでしょう?」

マサオ「遊び人をやって覚える魔法や特技じゃなくて生活や冒険に役立つ知識ってことか」

女神「まあその上で才能のある人はその先のジョブになれるんですけどね」


マサオは他のジョブになってもしょうがないので女神の提案を受け入れて遊び人になった。そしてニックと合流してジョブシティを出ることにした。


ニック「気に入ったジョブになれたかい?」

マサオ「まあ、このジョブでどうなるか分からないけど勉強になったかな」


マサオは先行して歩くニックから少し離れた所でニックのジョブをステータスオープンのチート能力でこっそり確認する。


マサオ「ニックの戦士ジョブのレベルは1か。ニックと同じスタートラインに立ったから負けないように頑張らないとな」


そのマサオの言葉を聞いた女神は衝撃の事実をマサオに教えた。


女神「ニックは戦士のジョブをカンストしていますよ」

マサオ「え…」


混乱しているマサオに女神は続けて言った。


女神「戦士だけではなく僧侶とその2つでなれる聖戦士のジョブもカンストしています。それとレベルとステータスも大きく下げていますね。ニックは手加減しています。あなたのアイテムボックスに一切頼らなかったのも熟練の冒険者だからですね」


マサオは女神に問い質す。


マサオ「何でそんなことを!」

女神「あなたと同じレベルで冒険を楽しみたかったか、あるいは…」


女神は間を取って小さな声で言った。


女神「あなたの事が嫌いだからとか」

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