第2話 情報収集と暴走した勇者
女神に異世界転生させてもらったマサオは不思議な感覚の後に目を開けてみるとそこは城下町の裏路地だった。
マサオ「ゲームでよくある世界かな?」
転生した異世界の感想を言っていると女神がテレパシーで話しかけてきた。
女神「あなたが喜んでくれそうなゲームに近い異世界を選びました。まずはゲームに習って沢山の人に話しかけて情報収集をするといいでしょう」
マサオ「え? いいよ面倒くさい。早くモンスターと戦おうぜ」
アドバイスを聞こうとしないマサオに女神が説教を始めた。
女神「ゲームのような世界で生きていくには全ての人に話しかけないといけません。何故ならストーリーに関わる情報をくれる人がいるからです」
マサオ「ゲームは好きだけどストーリーなんてどうせ単純だから情報収集なんてわざわざする必要ある?」
女神「例えばプロの作家さんが作ったゲームもあるんですよ。情報の収集と分析と推理をしないと世界で何が起きているのか、自分のやっていることが正義か悪か、これから何が起きるのかとかストーリーの深い部分が分からないでしょう?」
マサオはゲームをやっていた時の不満を思い出して食い下がる。
マサオ「人に話しかけてもどうせ、ここは〜の町だよ、みたいな下らないことしか言わないじゃん」
女神「ゲームの場合は町の名前を言う人にも役割があるんですよ。町の名前を覚えてもらうことで世界地図を覚えてもらうことになって自分が今どこで何をやっているか分かりやすいでしょう? でないと移動魔法で何処に飛べばいいのか分からないということになるんです」
マサオ「右上にでもテロップで出せばいいじゃん」
女神「日常会話に混ぜることで覚えやすくなるんですよ。注意深く観察すると町の名前を言う人はそれぞれ若干セリフが違います。それにほら、説明書に書いても見ない人がいるでしょう? まあ完全な一本道のゲームなら二度とその町に行かないので町の名前なんて無くてもいいんですけどね」
女神はゲームにおける情報収集の大切さを続けて語る。
女神「情報の中にはゲーム難易度を左右するものもあるんです。例えば極端なレベル上げが必要だなと思った時それまでに何か見落としや勘違いがあるということなんですよ。中ボス戦というのはそのチェックポイントなんです。だから振り返るための中ボス戦が少ないかあるいは無いゲームは難易度が高い、不親切と言えるんです」
マサオ「あー、確かにクソゲーの中に中ボス戦が1回しかないゲームがあったな」
説教されたマサオは渋々情報収集をするために裏路地を出たがそこで違和感に気づく。
マサオ「あれ?」
割と大きい城下町の大通りなのに人が1人も見当たらない。歩き回って店や民家や城を訪ねても誰もいない。
マサオ「人がいないんだけどどういうこと?」
女神「そんなはずは………あ!」
女神は心当たりを思い出して申し訳なさそうに言った。
女神「実はその世界に以前転生した者がいたんですがその者が全ての人間を殺してしまいました。なのであなたの体は唯一生き残ったその転生者の体なのです」
マサオ「全ての人間を?! なんでそんなことを?」
女神「人間は大きな力を持つと調子に乗って神を気取り出すのです。そうやっていくつもの異世界が滅んでいきましたがここもそうだということを思い出しました。今すぐ人がいる別の異世界に送ります」
マサオが乗っ取っていた体が光りだしてマサオの精神体がその世界から消えようとした時マサオはこの世界に取り残される転生者が不憫に思った。しかしまさか自分も似たような悲惨な最期を迎えることになるとはこの時は思ってもいなかった。




