第10話 離間の計
マサオの助言でクーデッタ国は税収を得た。しかしその裏で国民感情を刺激するという事があったのだが役人のノエルはそのリスクに気づいていなかった。
ノエル「次に何をしたら良いか教えて貰える?」
マサオはクーデッタ国再建のための次の助言をする。
マサオ「この国にはスパイを取り締まる組織が無いそうだな」
ノエル「ええ。クーデッタ国は戦争と距離を置く立場を取っていて周辺国との戦争を想定して無いから刺激しない様にしているの。それに誰がスパイか判断が難しいし」
マサオ「そうだとしても工作や技術の流出を防ぐために用意した方が良い。それに国民の中にも面白く思っていない連中もいるだろう」
考えているノエルにマサオが気になっていた事を質問した。
マサオ「そういえばこの国は自国の国旗を破壊する行為に対しての罰則が無いのは何故だ?」
ノエル「国旗の利用しやすさとか取り締まる基準を設定できないからだと思うけど」
マサオ「ちゃんと取り締まった方が良い。他国のスパイに利用されるかもしれない」
ノエル「…分かったわ。国旗の扱いとスパイ取り締まりの法整備ね」
マサオ「スパイを取り締まる組織の運営は俺が協力しよう。部外者の方が客観的に判断できるだろ?」
ノエル「そうね。お願いするわ」
国旗を破壊できなくなる法律は直ぐに施行された。しかしノエルの言う通り国旗の処分に困ったりトラブルを避けるために国旗の利用を避ける人が出てクーデッタ国に不満を持つ国民が増える事にまだ誰も気付かなかった。そしてスパイを捕まえる権力をマサオが持つ事になった。マサオはノエルに次の相談をされる。
ノエル「最近の国民は罪人に対して厳罰化を望んでいてそのせいで牢獄が機能していないの」
マサオ「税金を上げて牢獄を増設するしかない。それと罪人の数を減らすためにどんどん処刑するんだ」
マサオの極端な考え方にノエルが戸惑う。
ノエル「処刑の数を増やしたら国が人を殺す事に怖がる人が出てくるんじゃない?」
マサオ「罪人の裁判に国民を参加させるんだ。それで人を殺す責任と罪悪感をうやむやに出来る。だから参加させるだけで判決自体の権限は与える必要は無い」
ノエル「なるほど…よく考えたものね」
税金と処刑を増やす事に成功したマサオはノエルと別れて政治家との接触を図ることにした。
政治家「おお。あなたが噂のマサオ殿か。我がクーデッタ国への力添え感謝しますぞ」
マサオのおかげで税収が増えた事によって政治家からの評判は良かった。そこで彼らを取り込むためにある話を持ち掛ける。
マサオ「私がスパイ取り締まり組織の長官に任命されたのはご存じですか?」
政治家「え、ええもちろん。マサオ殿には頑張って頂きたいですな」
動揺した政治家にマサオはニヤリと笑みを浮かべる。
マサオ「安心してください。あなた方の汚職を取り締まるつもりはありません。それどころか協力を申し出に来たのです」
政治家「協力ですと?」
マサオ「私が組織を使ってあなた方にとって都合の悪い者を始末するので今後の私の行動の支援をして頂きたいのです」
マサオの提案を聞いた政治家は目を輝かせた。
政治家「なんと! 我々の尻に火が付いていた所なのでそれは助かりますぞ! もちろんマサオ殿に協力させて貰いましょう」
マサオ「では早速お願いがあるのですが」
マサオは政治家にクーデッタ国の経済の事で質問した。
マサオ「今この国の若者の就職率が低いのは何故ですか?」
政治家「不景気でどこも雇用を渋っているからですな。そのドサクサに紛れて若者を不当に安い賃金で働かせたり八つ当たりのために殺す勢いで皆が罵声を浴びせているのです」
マサオ「ではこの国に不満を持つ若者を焚き付けて扇動して頂けますか? それと我々への国民からの不満の矛先を変えるために過去の戦争などの歴史問題を抱えている周辺国を挑発してください」
今、全ての準備が整った。




