第37話 幼女、幼女を描く
普段マンガとかアニメにしか接している人に絵を描かせると、やはり、同じような鼻の無い絵になりがちです。
ミーアの問題は常にメイドのホセフィーナが同室する、と言う事で手打ちにした。
以前はメイドが部屋にいると集中できない、と言っていたレオポルト様だけど、後ろめたい気持ちがあるのだろう大人しくメイドを受け入れたわ。
けどこれって根本的な解決にはなっていないよね、わたしは嬢、大勢の男性にご奉仕して気持ち良くさせて来たけど、ロリコンの相手はした事はないわよ。
エッチがご褒美のリフリーを宛がうのが一番の性欲解消法だとは思うけど、そんな事をしたらロリコンが加速するだけよね。
そう思いを巡らせながらヒルベルタ様の教養の授業を一緒に受けている。
絵の授業は性奴隷候補の子達も一緒よ、彼女達に混ざってわたしも絵の指南を受けているのだけど。
わたしの描く絵はどうしても鼻の無いアニメ絵と言うかマンガ絵みたいになってしまうの、これは違うわよね。
「まぁ、ミヤビ様、これは斬新な絵の様式でございますね」
令嬢らしからぬ声を上げたヒルベルタ様。
「いえ、わたくし絵の基本を学んでおりませんので、我流と言うか思ったままに描いたと言うか」
「絵なんてそれで良いのです、型にはまっていては自分を表現出来ませんわよ!」
普段穏やかなヒルベルタ先生が大きな声を上げているので、生徒達も集まって来た。
わたしのアニメ絵はあっという間にレオポルト奴隷商会に広がったわ。
そう言えば浮世絵、今でこそ美術館の収蔵品だが、江戸時代は安っぽい大衆娯楽だったそうよ、人気の遊女や歌舞伎役者、まといを持った火消し等人気者の絵が大量に消費されていたそうなのよ。
そんな大衆文化が西洋に伝わると顎が異様に長かったり、目が小さかったり等デフォルメされた絵が斬新だったらしく、後の西洋芸術に影響を与えたそうなの。
わたしも同じことをしているのかな。
◇
職人適正有りの幼女エルヴァは画才も有るのだろうか。
とにかく筆が速いし、わたしのアニメ絵や伝統的な写実絵でも自由に描き分ける、これは…
「ねぇ、エルヴァちょっと絵を頼みたいのだけど良いかな?」
「はっ、はいミヤビ様」
私室に連れて来ると、カタリーナとリフリーを呼ぶ、変身魔法ですっかり美少女になった彼女達を指さし。
「この子達を描いてみてくれないかしら?」
「どう言った絵で描けば良いですか?」
「う~ん、鼻の無い絵で描けるかな」
「わかりました」
ものの数分で絵が完成した、線は最低限だけどしっかり特徴をとらえた絵でデフォルメされてもカタリーナだと分るところが凄い。
「凄いわね、良く描けています、まだ平気ですか?」
「大丈夫です、いくらでも描けます」
幼女達のポーズを色々変えてみた、最初は同じ姿勢で嫌だ、なんて顔をしていた子供達だが、完成した絵を見ると、目つきが変わった。
単なる幼女ではなく、小さいけどモデルさんの表情よ。
グラビアアイドルとかの写真撮影の現場、最初モデルさんは、緊張して表情も硬いけど。
何度もシャッター音を聞いていると次第に大胆になって来るそうよ、カタリーナとリフリーも目がモデルさんね。
可愛いモデルさん達を下がらせたあと絵描きのエルヴァに言う。
「こちらの絵の女の子達を裸にして描き直せますか?」
「はい、わかりました」
◇
その晩、わたしはレオポルト様に面会を申し込んだ。
重厚な机に、分厚い魔道書を何冊も乗せて、さながら本の要塞みたいよ。
要塞の中には真剣な顔をしているご主人様。
「レオポルト様、お時間宜しいですか?」
「あっ、うん」
専門書から顔を上げようともしないで返事をするご主人様。
「実はエルヴァに画才がある事が分かりましたので、ご報告に上がりました」
そう言うと露わな姿のカタリーナとリフリーの絵を机に並べる、専門書とにらめっこしていた十代の少年はロリ絵を見て目を見開く。
それでも露骨に興味を示すのは恥ずかしいと感じるのだろうか。
“ボクはそんな物に興味無いよ”と言う顔をして本に視線を移す、わたしがいては邪魔ね。
「それではわたくしはこれで失礼致します」
ホセフィーナの報告によればレオポルト様のシーツが汚れていたそうだ。
それからは毎晩ロリ絵と言うか萌え絵をレオポルド様のもとに持って行くのがわたしの仕事になった。
リアル幼女に手を出すのはダメだから絵を見て自家発電で性欲を解消。
風俗のお仕事を生業としていたわたしとしては複雑な気持ちよね。
今日もカタリーナの痴態を描いた絵画をレオポルド様のところに持って行こうとしたら、ヒルベルタ様が待っていた。
「ミヤビ様、毎晩ありがとうございます」
「はぁ、わたしにはこれくらいしか出来ませんので」
「これからはわたしが絵をお渡しします」
そう言うと半ば強引にわたしから絵を奪うヒルベルタ様。
一人になったヒルベルタは数枚の絵を見て顔をしかめる、そのままゴミ箱に放り込むとレオポルドの私室に向かう。
「レオポルド様、お話があります」
毅然とした声のヒルベルタ、彼女は翌朝まで私室から出ることは無かった。




