表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
底辺職の風俗嬢は異世界に行って本気を出す  作者: miguel92
第一部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/54

第38話 終わりは突然に

 順風満帆に見えても、周囲からは違う視点で見られています。



 奴隷オークションや遠征で娘を買い取ると教育を施し、閨の作法を教えて娼館に売る。

わたしのスキルの力があるので、適正のある子だけしか選んでいないのよ。

 売られた子の多くが上級店に格上げになったり、身請けされたりしているのがその証ね。


 娼婦として適正の無かった娘や戦闘奴隷を迷宮でレンタルしたり販売したりしているけど、こちらも順調な商売。

 それと獣人も扱う様になったわ、彼女達は微妙な立場で、獣人奴隷は専門の商会が取り扱っていたのだけどね。

 戦闘職適正の赤色が多いのが特徴よ。


 そうそう、スリーローズ商会はローションやバレーナの皮の利ザヤで潤っていて、わたしのポケットマネーと言うレベルでは収まらなくなってきたのが悩みの種よね。


 ロリコンのレオポルト様はヒルベルタ様を寝屋に呼んでみたいよ。

 初めての朝を迎えた二人、本人達は隠しているつもりだろうけど、幸せオーラが出まくりよ、初々しくて羨ましいわね。



 そのヒルベルタ様、昼間は娼婦候補生達に教養の授業、夜はわたしの部屋に来て奴隷商会の運営を学んでいる、もともと頭が良い上に熱心な性格で貪欲に知識を吸収している。


 商会運営は上手く言っている、そう思っていたのだけど、生憎周りは違う評価をしていた様だ。



 ◇◇



 ご主人レオポルト様の父親ルードルフ・アルトナー、彼の商会に呼ばれた。

 今まで何度も顔を合わせた仲だが、実際に彼の商会に行くのは初めてよ。


 大通り沿いの一等地に建つ奴隷商会の建物、レオポルト奴隷商会とは格が違う、と言う現実を見せつけられた。

 受付の対応も流れる様で奴隷商会は人が命、と言う事を見せつけられた気分だ。


 通された応接間でも良く躾けられたメイドの動きに息を吞む。

レオポルト奴隷商会はメイドごっこをしているだけだと、分かった。

まだメイドを売りに出す時期ではないわね。


「遅れて済まないミヤビ嬢、待っているあいだ退屈だっただろう」


「いえ、ルードルフ様、色々勉強をさせてもらいました」


「うむ、そう言った向上心は大切な事だな」



 会話の絶妙な隙間を狙い、メイドが自然な動作でコーヒーカップを置いて行くのだけど、これはかなり洗練された動きよ。

 上品な褐色の味と香りを楽しんだところで、ルードルフ様が口を開く。



「ところで今日君を呼んだのは、私からお願いがあるかなのだが」


「はて、いかな御用でしょう?」


「君は巧言令色を嫌うから、ハッキリ言った方が良いだろう。

 端的に言うとレオポルト奴隷商会を辞めて欲しい。

いや君は優秀だからどこの商会でも務まるだろうし、独立してもよい。

もし望むのならこのルードルフ奴隷商会に来ても良い、君の望むポストを用意しよう」


 考えもつかない事を言われて頭を殴られた様な衝撃を受けたけど、すぐに衝撃から立ち直り。

 

 ルードルフ様の言葉の意味をかみ砕く。

 薄いカップから、最高級の豆で淹れたコーヒーを口にして、更に一呼吸置く。


「わたしがいてはレオポルト様の独立の妨げになるからですね」


「まぁ、そう言う事だ、レオポルトは君に頼り過ぎている」


「ヒルベルタ様に活躍の場を与えないといけませんしね」


「何と言うか、話が早いな、もしかして以前から考えていたのかい?」


「多少は身に覚えがありますので」


「もちろん今すぐ結論を出す必要はないし、必要なら金銭でも人でも援助する用意がある、これはわたしの我儘だからね」


 ◇


 帰りの馬車の中で色々考えた、こちらの世界に来て程なくして嵌めたこの首輪が取れると言う事か。

 今のスリーローズ商会の収益なら充分に食べていける、だけど食べて行くだけで人生と言えるのか?


 かと言って奴隷商人として独立するのはハードルが高過ぎる、ルードルフ様の下で世話になれば生活は安定するけど、つまらない仕事になりそうだ。


 馬車がレオポルト商会に着く頃にはわたしの心は決まっていた、そのままレオポルト様、ヒルベルタ様、オスヴァルトを集めて宣言する。


「わたくしミヤビはここに独立を宣言いたします。

レオポルト様、つきましてはわたしの首輪を外していただけませんか?」


「ミヤビ様、急です! いったい何のご不満が有ったと言うのですか」

 ヒルベルタ様が声を荒げる。


「不満なんてありません、この商会はわたしのとって最高の職場ですよ」


「ならば独立なんてする必要はないじゃないですか」


「ヒルベルタ様、これはあなたの為でもあるのですよ、わたしがいなくても商会が回る様にしてくださいませ」


「ですが、まだ早いです!」


「ヒルデ、ミヤビの言う事はもっともだ、ボク達はミヤビに頼り過ぎていた」


 意外にもレオポルト様は理解が深かった、いやわたしに商会を乗っ取られるのでは、と警戒していたのかもしれない。



 ◇◇



 独立にあたりわたしが選んだスタッフはメイドのメリッサと幼女達、カタリーナ、ミーア、エルヴァ、ビアンカの妹のステラとルッチーナ、そしてサキュバスのリフリー。


 このメンツでギングリッチ兄弟商会から巻きあげた別荘に拠点を移した。

 主な仕事は風俗嬢の教育、娘達におもてなしのテクニックを施すの。

 生徒は誰でも良いと言うわけじゃないわ、適正のある娘をレオポルト商会から選らばせてもらい、おもてなしの風俗を仕込んでいくのよ。


 風俗嬢とは随分違った形になってしまったけど、異世界で風俗嬢を育てる、やりがいのある仕事よ。





  ミヤビ編 第一部 完


 ここまでで第一部は終わりです。

第二部は時系列が前後します、再掲載にあたって、時系列順に並べ替えようかと思いましたが、読みやすさを優先しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ