↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/36

第二十五話 納豆だけは勘弁してください

「でゃあああああっ!!!」


 気合い一発。


 和鰐に向かって駆け出す。


 そして、魔力刀を大きく振りかぶり、飛びかかるあやめ。


 ズバッ 


 和鰐の肩口を力一杯、大きく斬りつける。


 グオオオオオ!


 咆える和鰐。


 あやめの動きはさらに加速する。


 ◇


 あやめは再び斬りかかろうと、姿勢を低くしながら駆け巡る。


 右へ左へと。


 しかし、和鰐もただ斬られるだけではない。


 尻尾が鞭のようにしなる。


 狙いを定めて振り下ろされる。


 バシンッ


 ビュン


 近づこうとするとすかさずに振り下ろされる尻尾。


 容易に間合いに入れない。


「近づけない……」


 攻撃を避けながら、なんとか近づこうとするあやめ。


 どうにか突破しようとフェイントを混ぜながら駆け巡る。


「さてと、このままだとらちが明かないなー」


 攻撃を躱しながら次の手を考える。


「練習不足だけど、やってみるかー」


 あやめは、タイミングを計りながら、次の尻尾が振り下ろされる瞬間を待つ。


  今だ——


 その瞬間。


 上空に跳び上がる。


「いー!」


 ぴょん。


「なー!」


 ぴょーん。


「ずまーーっ!!」


 次の瞬間、身体を捻り、向きを変える。


 そして、空中を蹴り、一気に加速する。


「斬りー—ー—っっ!!!」


 立体機動を駆使して、上空から斬りかかる。

 

 和鰐は斬られる瞬間に尻尾を振り出した。


 勢いよく飛び込んできたあやめの刀が振り下ろされる。


  あやめに尻尾が迫るが、刀が振り下ろすほうが早い。


 ズバァッッ!!!


 尻尾は根元から切り離される。


 グアアアアア!!! 


 和鰐はよほど痛いのか大きく吠えた。


「よしっ!」


 あやめは小さくガッツポーズをする。


 そのまま、油断せずに距離を取る。


「これで尻尾の邪魔がなくなって間合いに入りやすいかな」 


 あやめは刀を構えながら様子を覗う。


 グロロロロロ……


 和鰐は唸りながら睨んでくる。


「いくら睨んでも」


「尻尾がなければ、お前なんか」


「もう、怖くない!」


 あやめの言葉が気に入らなかったのか、和鰐は勢いをつけて突っ込んで来る。


 グオオオオオ!!!


 しかし、


「よっとっ」


 難なく躱され、


「隙だらけですよっと」


 動きが止まったところを斬りつけられる。


 グアアアアア!!!


 咆哮を上げ、大きく仰け反る和鰐。


「では、」


「魔力充填!」


 魔力刀が震える。


「120パーセント!!」


 ブオオオオォォン!!!


「くらえ!風のヤイバアアァッ!!!」


 ズバアアアッ


 上段より一気に振り下ろされた一撃は、和鰐を一刀のもとに斬り裂いた。


 そして、斬り裂かれた和鰐は黒い霧へと変わり、そのまま消えていった。


 ◇


「って、ことが朝からあったんだよ」


 フェアリーハイツに帰り、あかねに今朝の出来事を説明するあやめ。


「あやめちゃんって、見た目と違って、色々と凄いわね」


「和鰐を一人で倒すって、本当に大概よ」


 呆れるあかね。


「そうかなー」


 空気を読めず照れるあやめ。


「なんか武術の心得とかあるの?」


「ありませんよ?」


「でも、私が突っかかってた時も、全部避けてたよね?」


「あー」


「あれはね、スポーツチャンバラをやってたからかも」


「スポーツチャンバラ?」


「柔らかい剣を先に当てたら勝ちみたいなスポーツがあるんだよ」


「そんなスポーツがあるんだね」


「つい最近までそこそこやってて、わたし、結構強いんだよね」


「へー」


「これでも、昨年の全国大会に出て、中学生の部で優勝したんだから」


 えへんと、胸を張るあやめ。


「そうなんだ!」


「だから、避けたりするのは得意かも!」


「でも、無理したらダメだよ」


「怪我したら、みんな悲しむからね」


「わかった、気を付ける」


 ◇


 朝ごはんを用意するあやめ。


「ところで、あかねさん」


「ん?何、あやめちゃん」


「納豆って、食べられます?」


「……」


「それだけは、勘弁してください!!!」


「美味しいのに……」

  

 本気の土下座をするあかねであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。