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第十九話 お前、誰だ?

「えっと、食べませんからね?」


 二人から疑念の視線を感じるが話が進まないので一旦置いておくことにする。


 吊るされた白うさぎを見る。


「黒兎」


「何だ?」


「そこの白うさぎ」


「うん?」


「その反応じゃ、知らないようだね」


「?」


「いやさ、私、その白うさぎに襲われたんだよね」


 ◇


「今日、黒兎がいたお社に何故か入れたんだよね」


「ほう」


「そこで、中に入ると」


「『黒兎をどこにやった!!!』って」


「すごい剣幕で襲われた」


「それで、説明をしようにも『うるさい』、『あなたの話なんて聞かない!』、『黒兎の居場所を吐きなさい!』って、聞いてくれないし」


「最後には力付くで吐かせるって襲いかかってくる始末」


「もうどうしょうもないから、捕まえて持ってきたんだけど……」


「あやめちゃん、それ、もう荷物扱い……」


「だって危険物だし?」


「……まあ、いい」


「ところで、そのうさぎは話すのか?」


「うん」


「それで黒兎の名前出してるし」


「知り合いかなーと?」


「俺に白うさぎの知り合いなんていないぞ?」


「そうなの?」


「あゝ」

 

「でも、黒兎を探しに来てた感じだったんだけどなー」


「俺を『黒兎』呼びするような奴は白兎一族の連中か、あかねくらいだな」


「そうなんだ」


「だけど、まさかな」


 思案しても答えが出ない。


「だったら、直接聞くしかないよね」


 ◇


 すくっと立ち上がるあやめ。


「あやめちゃん、どうする気?」


「また、暴れられても面倒だし、何より私の部屋だから壊されても嫌なので神域を張ろうかなと?」


「それもそうね」


 あやめは舞って神域を張る。


 そして、あやめは吊るされた白うさぎの後ろに立った。


 そして手にあるものを呼び出す。


「ハリセン」


「「ぶっ」」


 二人は吹き出した。


「何作ってるのよ!」


「だって、魔力刀だと殺してしまうし、殺傷能力の無いもの無いかなーと考えたら、こうなったみたいな?」


「でも、それ取り出したところ見ると、使うんだよね?」


 しずくは呆れながら言った。


「まあ、そうなんですけど……」


 あやめはいい感じの魔力をハリセンに込める。


「では、いきます」


「よっ」


 あやめは軽くハリセンで叩く。


 パシン


 といい感じの軽い音が響く。


「痛っ!」


 反射で起きた。

 

 そして、あやめを見つけると、


「何するのよ!」


「黒兎はどこ!」


「黒兎をどこにやったの!」


「黒兎を出しなさい!」


「黒兎の居場所を吐きなさい!」


 振り出しに戻る。


 矢継ぎ早にまくし立てる白うさぎ。


 そして、拘束されてみの虫状態なのに気づく。


「なによ!」


「わたしを自由にしなさい!」


「こんなことしていいと思ってるの!」


 あやめは容赦しない。


 パシン


「はーーっ」


 ため息をつきながら黒兎を見る。


 早くなんとかしてという眼差しを向けて。


「あー、はいはい」


「黒兎はそこ」


 呆れて黒兎に丸投げした。


「えっ?」


 言われて探す白うさぎ。

 そして、見つける。


「黒兎!」


「黒兎!黒兎!黒兎!黒兎!黒兎!黒兎!」


 黒兎と連呼する白うさぎ。


「うるさい」


 パシン


「痛っ」


 涙目の白うさぎ。


「いいから早く進めて」


 白うさぎには厳しいあやめ。


 話を促す。


「コホン!」


 白うさぎは咳払いをして仕切り直した。


「黒兎!」


「封印が解けたみたいだったから、わたしはお社に様子を見に行ったの」


「そうしたら、黒兎がいなくて」


「代わりに、そこの娘が現れたの」


「そこの娘から黒兎の気配がするし」


「何かされたかと思って」


「居場所を突き止めようとしたら」


「こうなってるのよ!」


「黒兎!助けて!」


 黒兎は残念なものを見たような感じで、わたしに視線を向けてきた。


 フルフル


 わたしは首を横に振った。


「はーーっ」


 仕方ないとばかりにため息のあと、口を開いた。


「お前、誰だ?」


「俺にうさぎの知り合いなんていないぞ」


「えっ」


 白うさぎは目を見開いた。


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