15. 闇が隠した絹と日暮れ
「此処か?」
足を止めたルシャージャに尋ねる。
「うん。反応は此処から出てる」
ルイス達の前には、古びた建物。
「ルイス、ここって使っているの?」
「俺担当じゃないんだが・・・ここらって、北東だよな」
多分あっているだろうが、自信はそこまでない。ルシャージャに確認を取った方が確実である。
「ああ」
「なら、使われてないんじゃないか。設備とかも古いし、殆ど使われてないっていうのを前に見たぞ。此処もそうかは分からんが」
北東は過去商業が盛んだったが、今は衰退している。
昔の使われていた施設が多く立ち並んでいるが、時代遅れとなり今はその殆どが使われていない。
いっその事取り壊してしまえばいい物を、国は保存している。重鎮達の考える事は、一般人であるルイスにはよく解らない。ルシャージャなら、解るのかもしれないが。
「そう」ルイスの返答に、納得したように頷く。「なら」
なら・・・?
「少しくらい、暴れてもいいんじゃない」
どうでも良さそうに言うが、ルイスにとっては重要な事だった。
「お?お?やる?乗り込むか?」さっと腕捲りをする。
「はしゃぐな」ぴしゃりと言われた。
なんだ、やらないのか。残念だ。
「全く、好戦的過ぎるでしょ」
袖戻しなよ、と呆れが滲む声で言われた。
「お前が動かなさすぎなの」
この出不精め。
「で、どうすんの?乗り込まないんだろ?」
どういう思考回路してんの、とぶつぶつ言っているルシャージャに疑問を投げかけた。
「早とちり。乗り込まないとは言っていない」呆れた、という副音声が付きそうだ。絶対思ってる。
てか、どっちだよ。
「黙って最後まで話を聞け」
「へーい」
伸ばすなと睨まれる。
気にした様子の無いルイスに、ルシャージャは溜息を一つ吐き口を開いた。
「ルイスの言う乗り込むって、真正面から突っ込むことでしょ?」
「そうだけど」
別にいいだろ。
「そんな事をやるのは馬鹿だけだよ」溜息を吐き、大袈裟に肩を竦める。
「おいこら」
「本当の事。そりゃあ、君達が正式に動くのなら、正面から行くだろうけど。今は、私達二人だけなんだよ?」
手数が足りないとルシャージャは言った。
「俺いけるけど」
「知ってる。でも、私は無理だから」
――それに、面倒だし。
それが本音だろ。
「お前なあ・・・」
「とにかく」語気を強めて言う。
ルシャージャと目が合った。
「隠密行動。いいね」
決定事項らしく、ルイスの言い分を聞く気は無い様だ。
「へいへい」頭を搔き答える。
「何があるか分かっていないんだし、離れないで」
「了解」
その言葉を最後にどちらともなく黙り込んだ。
目を閉じたルシャージャが、なにか魔法を行使する。
目を開けた彼女とルイスは、暗い建物の中に消えて行った。
絹の様な白髪と日暮れの様な金茶が風に靡いた。
次話は24日20時に投稿。
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