私、結婚しました
私は、魔王であるアランにプロポーズされてからすぐに魔界に向かった。
アランがだしたトンネルみたいなものを潜ると魔界にすぐに着いたので、移動したのは20歩程だった。
アランは魔王だから当たり前なのだが大きなお城に住んでいた。
私は魔界に着いてすぐに人間でいう「結婚」の儀式をした。
人間だと婚姻届を村役場に届け、結婚式をあげるのが通常だ。
しかし、魔界では互いの血を飲むことで魂同士が結ばれ、結婚したことになるらしい。
ちなみに、魔界でも結婚式を挙げるが飲み食いがメインだと言っていた。
私はアランの血を飲んだ結果、魔族になったらしい。
黒髪はアランの本来の髪色である銀髪になり、金瞳だった瞳は右側の瞳がアランと同じ澄んだ青色になった。
私は、正直言って前の黒髪金瞳よりも、今の銀髪で金瞳と碧眼のオッドアイの自分が気に入っている。
私の外見が変わってしまって、ショックを受けているのではないか、と心配してくれたアランに
「私ね、今の私が大好きよ。だってアランと髪色がお揃いだもの。瞳だって、片方だけだけどお揃いだもの。」
と言うとアランはふにゃりと笑って、私を抱きしめてくれた。
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私はアランと結婚してすぐに、アランの家臣達に「魔王妃のお披露目会」と称して対面した。
驚いたことに、家臣達や愚かメイド達は魔族だけでは無かった。
他にも、妖精や獣人がいたのだ。
人間界では、魔獣と魔族以外は伝説上の存在として扱われていた。
しかし、魔界には人間以外の種族が多く暮らしているらしい。
アランと並んだ私を見た魔族達は一瞬、目を見開いて固まった。
しかし、私があった魔界の住人達は私が元人間だと分かっても優しかった。
皆「魔王様が選んだなら構わない」と言って、アランと私の結婚を祝福してくれた。
村にいた時は「魔族は残忍」と教えられていたが、外見で人を虐げる人間の方がよっぽど残忍だと思う。




