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魔王の妻、始めました  作者: 橘花穏
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冗談でしょう?

「話がある」とアランに告げられた私は、動揺しすぎてティーカップを置く際に、ガチャンと派手な音をたててしまった。



どうしよう、嫌われちゃったかな。

もう会いにこないとか?

恋愛相談とか?

でも、私は誰とも付き合ったことないからそんな相談されないか…

次々と心配事が浮かんでくる。



「…ナ、イレーナ、大丈夫?」


「…えっ?」


考え事に夢中でアランの呼びかけに気づかなかったらしい。

心配そうな顔をしているアランに


「大丈夫。心配かけてごめんね。」


と精一杯の笑顔で謝る。

表情筋が引き攣っている気がするけれど、アランが気づかないことを願うしかない。



コホンと咳をすると、アランは私の目をじっと見つめると


「イレーナ…俺と結婚してほしい。」


と静かに告げた。


「…えっ?」


何を言われたのか分からず混乱して、首を傾げる。

彼が私と結婚したがる訳が無い。



だって、私は「化け物」と呼ばれて忌み嫌われる存在。



対してアランは、陽だまりの様な金髪に空のように澄んだ碧眼をしていて、こんな私にも優しくて本当に陽だまりの様な人。



引く手数多だろうにどうして私を選ぶのだろう。

だから…


「…冗談でしょう?」


私は微笑んで問いかけた。



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