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2人だけのお茶会
「はい、お終い。」
物思いに耽っている間にアランは私の手当てを終わらせたらしい。
「ありがとう…」
アランは優しく微笑むと、持ってきた紙袋を私に渡した。
「…あっ!またこのパン持ってきてくれたの?」
私は紙袋に入っていた胡桃と木苺のパイを見つけてアランに尋ねる。
「嗚呼。そのパン、気に入ってただろ?」
「ありがとう。紅茶入れるね。」
アランは私の所を訪ねる度に、紙袋いっぱいに街で買ったパンやお菓子などを持ってきてくれる。
村から出たことのない私のことを気遣ってくれるので、本当に感謝している。
紅茶を入れると、アランはテーブルにパンやお菓子をもう既に広げて座っていた。
紅茶の入ったティーカップを置くと、私をじっと見つめているアランと目が合った。
「なあに?そんなに見つめて…?」
「ん〜?可愛いなぁって思って?」
「な、何言ってるの?」
冗談だとわかっているのに顔がカッと紅く染まる。
紅く染まったのを隠すように、胡桃と木苺のパイを齧る。
「ふふふ…」
私を見ながら笑うアランをじろりと睨む。
私が睨んでもアランは変わらず笑い続けていた。
ひとしきり笑うとアランは真面目な顔に戻り、
「話があるんだ」
と静かに告げた。
ねぇ、神様。どうか私のささやかな日常を奪わないで…
私はそう神様に願うしかない。




