良く言うと歴史の感じるホテル
「ねぇ。どこまで歩くの?」
城下町からどんどん離れて行くので怖くなり、ミリヤに尋ねる。
実は、私は城下町くらいしか魔界に来てから行ったことがない。
お義母様やマイヤ達は、「観光に行こう」と誘ってくれるのだがその度に、アランが「俺がいないのに行くの?」と捨てられた仔犬の様な目でみつめながら言ってくるのだ。
ちなみに、アランが一緒に行けない理由は仕事が溜まりに溜まっているからだ。
ミリヤはため息をつくと、見知らぬ場所に怯える私の手を握った。
「これで我慢してください。」
フードで顔が見えないからなんとも言えないが、声からするとミリヤは今照れていると思う。
ミリヤは、まるでロボットのように抑揚のない声で淡々と喋るから正直いって少し怖かった。
ただでさえ怖いのに、目元まで隠れるフードを被っているのだから、怖さは倍増している。
しかし、私のことを心配してくれるあたりから察すると、彼女は冷たそうに見えるだけで彼女は根は優しいのだと思った。
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しばらく歩くと、ミリヤはよく言うと歴史を感じる_悪くいうとボロい_ホテルの前で止まった。
「絶対にフードを脱がないでください。」
彼女の言葉に頷き、フードを被っているのをもう1度確認する。
私がフードをちゃんと被っているのを確認すると、ミリヤはホテルの中に入った。
受け付けにいる猫の獣人は眠そうに目をこすっていたが、フードを深く被っている私達を不審げな表情でみた。
しかし、ミリヤがルームキーを持っているのを確認すると大きな欠伸をひとつして、うつらうつらしだした。
一歩踏み出す度に、ミシミシと不穏な音をたてる階段を登る。
ミリヤに促されるまま、少し傷のついた扉を開けると驚きの人物がいた。




