真っ白な猫を追いかけて
真っ白な猫を追いかけ、茂みをくぐると真っ白な猫は芝生の上に寝そべって毛ずくろいをしていた。
「捕まえた!」
後ろから静かに近づき、後ろから真っ白な猫を抱き上げる。
真っ白な猫は毛ずくろいを邪魔されたのが不満だったのか、じっとりと私を睨んでいるように見えた。
「ふふふ…」
不意に笑い声が聞こえた。
振り返るとお砂糖の入ったお洒落な小瓶を持ったベラがいた。
「ベラ、早かったわね?」
真っ白な猫を抱き直し、ベラの元に駆け寄る。
「イレーナ様、手を出して頂けますか?」
不思議に思いながらも手をだすと、手をぎゅっと掴まれた。
いわゆる恋人繋ぎだ。
「…?!な、何?」
いきなりのことに驚いて、片手で抱えた真っ白な猫を落としかけたとき、ベラはどこからか透き通った石を取り出した。
たしか、あの石は…
私が思い出す前にベラの持っていた石が淡く光だした。
周りがぐにゃりと歪み始め、私は怖くなって思わずぎゅっと目を瞑った。
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次に目を開けると、城下町の路地裏にいた。
「貴方は…誰?」
私がベラだと思っていた人物はどうやらベラではなかったらしい。
目元まで隠れるフードを被っていて相手が何の種族かはおろか性別すら分からない。
私が恐る恐る尋ねると、相手は私と繋いでいた手を申し訳なさそうに離し、身につけていたポシェットの中を漁り始めた。
そして、こんな時にあの石が転移魔法の込められた石であることに気がついた。
少しすると、自分がつけているのと同じ目元まで隠れるフードを貸してくれた。
「フードを被っていてください。貴女はここでは目立ちますから。」
声からすると、多分私と同じくらいの年頃の女の子だと思う。
「貴方のお名前は?」
貸してもらったフードを羽織りながら尋ねる。
「ミリア…」
「そう。素敵な名前ね。私は…」
「知っています。貴女の名前はイレーナでしょう?」
「そうよ…」
「ついてきて下さい。危害を加える気はありません。」
彼女は私が警戒しているのを見抜いていたようだ。




