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Snow flakes   作者: 山吹 ことり
スノーフレークス編

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168/218

幕間|灰皿

 スタジオのテーブルの上に、

 灰皿が置かれていた。


 中には、

 短くなった煙草が一本。


 コウタは吸わない。


 自分でもない。


「……ヒナタ」


 ハヤテが、小さく息を吐いた。


 しばらくして、

 ドアが開いた。


「おはよ」


 コウタが入ってくる。


 片手に缶コーヒー。

 もう片方には、コンビニの袋。


 テーブルの上を見て、

 小さく目を細めた。


「あれ、タバコ」


 ハヤテは答えない。


 コウタも、

 それ以上は聞かなかった。


 灰皿のそばにコンビニの袋を置いて、

 中から水を一本出す。


 それを、

 テーブルの端に置いた。


「……片づけないでいいよ」


 ハヤテが顔を上げる。


「え?」


「そのままで」


 ハヤテは少し黙ってから、

 困ったように笑った。


「そういうとこ、コウタだよな」


「なにが」


「いや、別に」


 ドアの向こうから、

 足音が近づいてくる。


 軽くもない。

 重くもない。


 ただ、

 少しだけ遅い足音。


 コウタは水のボトルを、

 ヒナタの席のほうへ少しだけ寄せた。


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