容量過多
死んだ『アイツ』は死んだ......。
懐から銃を奪いあの人は言う。
「どっちがいい?」
ハサミと銃、どっちが......。
何も想像出来なかった......美咲多江子を見つめ、俺は死んだ。
「......うっ!!」
声が出ない、出せない、感じた事のない痛み。
動けない、ただ痛みに耐える、耐えられない。
限界だ......この世界で......死ぬ。
「9つ目の世界へ、ようこそ。」
真横から聞こえた。
あの人の声......美咲多江子......。
驚いて後退り気付く。
「......ここは......?」
「私の家。」
裸で横たわる彼女。
欲しかった玩具を漸く手にした様に......。
「......どう、やって......。」
「所有者が代わったのよ。」
その手にはあの機械があった。
美咲さんも2%って事なのか......所有者って一体何の事だ。
「なるほどね......渡る度にこんな情報量を脳に詰め込むの......回数をこなせない、苦肉の策が人柱......もう少し手は有りそうね。」
頭痛が一向に治まらない。
「鼻血は私の裸が原因?なんて、冗談も聞きたくないかしら。」
気を抜いたら意識が飛びそうだった。
美咲さんが何を考えて渡ったのか?これからどうするのか?
考える事さえ苦しくて、思考出来ずにいた。
「シャワーを浴びてくるわ。」
逃げなきゃ......
歩みは遅く、頭は踏み出すたびに痛かった
それでも、逃げないといけない......本能が危険だと叫ぶ。
どれくらい歩いたのだろう
何度か諦めようとした
いや、諦めればよかった......
「りょーちゃん。」
......そうか......会いたかった......。
「めぐ......も、う、大丈......ぶだから、な。」
「うん。ありがとう。」
帰ろう。
元の世界へ。
かえ......ろ...............。




