-10.赤潮-【第一章完結】
――前回のあらすじ
楠木悠の提案により、小牧千夏と斎藤亜紀は彼女のマンションへ向かう。
そこで目にしたのは、異様なまでの花の数々。個人宅にあるような飾りとしてではなく、まさしく切り取られた花畑と感じられる光景だった。
コップ一杯の水を飲む。異様なほどの花束、花瓶に生けられた統一感のない花々。
フラワーアレンジメント?花屋?そんな次元の話ではない。
あれはまるで花の檻だ。
まるで何かを閉じ込めているかのような圧迫感だった。今まで平静を保てていたのが自分でも恐ろしい。季節は夏だというのに脂汗がにじんでいる。
自宅の薄暗いキッチンで私はコップをシンクに置く。
一体、何を縛っているの?あるいは何を守っているの?
悠。あなたは何者なの?
晩夏のこの日、激しい夕立だけが私の耳を支配していた。
「10.赤潮」いかがだったでしょうか。これにて第一章完結です。今回はとても短いお話でした(さぼっているわけではありません 笑)。
次回から第二章「落日の錦秋」がはじまります。
楽しい雰囲気がお好きな方は回れ右してもらったほうがいいかもしれません。
核心に入り始める「転」の章になります。三人の関係にも変化が……?
次回更新予定は8月7日(金)20時です!
更新は週一回を予定しています。
【2026/5/18~カクヨムでも同時掲載いたします】




