第53章 揺れる心
二人が遊びに来て、あれから数日が経ち、日々仕事に追われていた。
リノちゃんは日に日に僕に接近してくるようになった。
僕がやっている教習所、WJDS は、本人が指定する場所まで迎えに行き、帰りは自宅か希望の駅まで送っていくスタイルだ。ほぼマンツーマンの教習である。
この日、リノちゃんの教習が終わり、彼女を自宅に送っていくことになった。
リノちゃんは一人暮らしで、地方から出てきている専門学校生だ。この日の彼女は、露出の多い服装だった。
顔は、はっきり言ってS級だ。綺麗というより、かわいいという感じの子である。胸も結構大きい。身長は155センチくらいだ。
リノちゃんは、まだ教習を始めて3回目くらいだった。いつも送っていくときには、すごく寂しそうな顔で僕を見つめている。
寂しいのか? 彼氏はいないのか? もしかして……僕に気があるのか?
そんなことを考えながら、自宅のマンションに戻っていた。
部屋に着くと、真っ先にすることは教習申込者の確認だ。ほとんど毎日のように申し込みが来ている。すでに、僕一人ではさばききれないくらいになっていた。
もう、パソコンから携帯に申し込みメールが届くように設定した方がよさそうだ。明日にでも設定しようと思いながら、パソコンの電源をつけてネットに繋げると、
「You've Got Mail」
メールの通知が3件来ていた。
美咲だった。
日付を見ると、今日を含めて3通来ていた。
一番古いメールから確認した。
『ダーへ……
この前はごめんなさい。ちょっとやりすぎた。さくらちゃんにも怒られた。
もう嫌いになった?
てかダーから見たら、もう付き合ってなかったんやったかな……
あたし……まだ彼氏できてないよ。
salut misaki』
二通目。
『ダーへ……
なんで無視なのかな?
やっぱり怒ってる?
お話したいけど……電話はしない。
だって軽い女じゃないから。
salut misaki』
三通目。今日届いたメールだ。
『ダーへ……
も〜なんで返事くれへんの?
明日逢いたいな〜。
ダーんち行っていい?
会社の近くにおいしいケーキ屋ができたから持っていきたい。
電車で行くからいい?
salut misaki』
ここ最近、忙しくてメールまでチェックしていなかった……。
忘れてた……単純に……。
僕は美咲にメールした。忙しくてメールが見られていなかったこと、全く怒ってもいないこと、それと、明日会えるということを伝えた。
すると、10分もたたないうちに美咲から返信が来た。
明日、仕事が終わって19時くらいには近鉄矢田駅に着くという。
とりあえず、間に合ってよかった。
そう思いながらメール画面を閉じ、申し込みの確認をした。
しかし、なんでこいつはいつもメールだけやねん! 電話の方が早いやろ!
と、思わず突っ込んだ。
13件の入所希望があった……。
あかん、これマジで死ぬ……。
明日、携帯に転送するようにホームページの会社に連絡して設定してもらおう。




