(77)休息回① キリリカ帰還〜懐かしい顔ぶれ〜
キリリカに帰還しました。
ちょっと長くなってしまいました。
久しぶりにプリティアとナダルさん登場です。
相変わらず、クロトのトラウマになってます。
では本編をお楽しみください。
面倒なので転移魔法を使い、王都を出てすぐキリリカに移動した。
移動する時間が惜しいと言うのと、早くエルフの国へ帰りたかったからだ。
「兄貴のこの魔法ほんと便利だな」
「まぁ時間がもったいないし?」
「なるほど〜」
「あ、リヒトさん!クロトさん!お帰りなさい!」
突然現れたにも関わらず、俺達だと分かると笑顔で駆け寄って来る衛兵。
それに苦笑しながら答える。
「ただいま〜」
「伯爵様に先触れを出します」
「あぁ頼んだ」
オーグに帰還を知らせるため、衛兵が1人オーグの屋敷に走る。
「相変わらず兄貴やクロトは人気者だよな?」
「お二人はキリリカの英雄でキリリカの双璧ですから」
「その二つ名久々に聞いたな?」
「そうだね。暫くキリリカを離れてたからね」
「新しいお仲間ですか?そちらの妖精族の女性は」
「あぁ、ミリアって言うんだ。ミリア、身分証明できるもの例えばギルドカードとか持ってないか?」
「こちらでよろしいですか?」
ミリアがギルドカードを提示する。
「はい、確認しました。ようこそ商業都市キリリカへ。歓迎致します」
「ありがとうございます」
「皆さんどうぞお通り下さい」
「ありがとう」
礼を言って街の中に入るとあっという間に、街の皆に囲まれてしまった。
「お帰り〜リヒトさん、クロトさん」
「アイリス姉ちゃんもお帰り〜」
「フィアナさんにアインさん、ルカさんもお帰りなさい」
「リリアの嬢ちゃんにレオンさんもお帰り」
「ただいま皆」
「ただいま〜」
「ただいま戻りました」
「ただいまです〜」
「おう!ただいま〜」
子供達が我先にと群がって来る。
「兄ちゃん、妖精族の国はどうだったの?そのお姉ちゃんは妖精族でしょ?新しい兄ちゃんの仲間?」
「こ、こら、落ち着け。一気に聞かれても説明出来ん。一個ずつにしろ」
矢継ぎ早の質問に、慌てて一つ一ずつ聞くように言う。
「はあ、先ず妖精族の国はいい所だったぞ?自然溢れててエルフの国に通ずるものがあったかな?後、彼女の名前はミリア、新しい仲間だ」
俺は矢継ぎ早の質問に一つ一つ答えた。
「そうなんだ?キリリカにいらっしゃい。ミリア姉ちゃん」
「ようこそキリリカへ、大歓迎だぞ」
「あ、ありがとうございます」
「リヒト!クロト!」
毎度恒例のオーグの熱烈抱擁を受ける俺とクロト。
「た、ただいま、オーグ」
「たっだいま〜オーグ」
「よく無事に戻った二人共!」
「お帰り、リヒト、クロト」
「お帰りなさい。リヒト、クロト」
アレンとセインも出迎えてくれる。
「ただいま〜二人共」
「ただいま〜」
漸くオーグが俺達を解放してくれた。
「リヒト、クロト報告を聞こうか?」
「あぁ、ライカンスロープの討伐無事完了だ。妖精族の国はもう大丈夫だ」
「そうか、それは良かった。で?その妖精族の女性は誰だい?まさかリヒトまた?」
「なんだよ?そのすげぇ嫌な言い方は。まぁ新しい仲間だけど、しかも妖精族の王女ではあるけども、アイリスの判断でもあるからな?ミリアを仲間に迎えたのは、つかコレクションはしてないからな?」
「そうか、何かすまん」
俺が反論すると、オーグが驚いたのか謝って来た。
とりあえず、皆でオーグの屋敷に移動する。
「まぁ、素敵ですわね」
オーグの屋敷を見てミリアが感心する。
それを聞いて、機嫌が良くなるオーグ。
「そうだろう?私の拘りの屋敷なんだ」
「オーグ嬉しいのは分かるが早く行かないか?話しするんだろ?」
「すまん。リヒト。つい…」
「まぁいいけどさ」
屋敷の中に入り、応接間に通される。
ゆっくり落ち着いて座ったのを見て切り出すオーグ。
「で?どうだった?」
「どうも何もないな。酷い有様だったぞ?ライカンスロープ達は殺した妖精族の遺体を破壊して遊んでたし、かなりの数の妖精族が犠牲になってる」
「そうだったか。もう少し早く情報が掴めてればな。申し訳ないミリア殿」
「いえ、リヒト様のおかげでこれ以上の被害を抑える事が出来ました。感謝しておりますわ」
「そう言って頂くとありがたいが」
「本当の事ですわ」
笑顔で言い切るミリアに笑顔を向けるオーグ。
「オーグ、エルフィスに聞いたんだが、まだ新しい情報は入って来ていないらしい。だから一度エルフの国に戻ろうかと思ってる。アイリの里帰りも兼ねてな。お前も行かないか?」
「エルフの国にか?」
「アウリーに約束したんだ。今度戻る時はオーグも連れて来るってさ。お前にエルフの街と王城を見せてやりたいんだ」
「私にか?」
「きっと気に入る。お前好みの自然を重視した建築だから」
「それは楽しみだ」
「じゃあ決まりだな。レオンとの約束でキリリカを案内するから、明日出ようと思ってる」
「わかった。準備しよう」
話がとんとん拍子に進み、オーグを連れてエルフの国に帰還することが決まった。
アレンとセインはお留守番だ。
まぁ当然だな。
騎士団の団長と副団長が同時に留守にする訳には行かないからな。
オーグの屋敷を後にして、俺達はキリリカのギルドへと向かった。
「あ!大将!クロトさん!お帰り!」
めざとく俺達を見つけた冒険者達が駆け寄って来る。
「ただいま」
「ただいま〜」
「お疲れ様っす!いつお帰りに?」
「さっきだ。これ妖精族の国の土産皆で分けてくれ」
そう言って討伐した魔物の素材を大量に渡す。
「アザーっす」
礼を言い喜ぶ冒険者達。
カウンターに向かい、クラウドに声をかける。
「久しぶり、クラウド」
「お帰りなさい。リヒト、クロトさん」
「ただいま。ギルマスに報告したいんだが?」
「どうぞ、こちらへ」
クラウドに案内されてギルマスルームに向かう。
「マスター、リヒトとクロトさんが戻りましたよ?」
「入れ」
中からヴォルフの声が聞こえて中に入る。
すると、ヴォルフが書類と睨めっこしていた。
「よう、ただいま。どうした?珍しい光景だな?」
「おお、リヒト、クロトお帰り。ちょっとした問題だから心配するな」
「そうか?何かあれば言えよ?」
「わかった」
「で、報告。エルフィスから連絡来てるかもだが、ライカンスロープの討伐完了したぞ?これがロードの魔石だ」
テーブルにライカンスロープロードの魔石を置く。
「確かに確認した。流石だな。リヒト。せっかくの休息をエルフの国で過ごすんだって?グランドギルドマスターから聞いた」
「あぁ、アウリーにも会いたいし、兵士や騎士達の方も気になるからな。久しぶりに戻ろうかと思ってる」
「そうか、所でアウリーって誰だ?」
「エルフ王のアウレリウスの事だが?」
「エルフ王の事だったのか⁉︎」
「まぁな。本人に愛称で呼ぶように言われてるんだ」
「そ、そうなのか」
「流石リヒトですね」
何か知らんがクラウドに感心された。
一通りの報告を終えて俺達はギルドを後にした。
「さて、約束通り街を案内するか」
「ありがとう。兄貴」
「どこから行くの?」
「ガルフ爺のところから行こうか?」
「そうだね。ラルゴがどうしてるのかも気になるし」
「ラルゴって誰だ?」
「エルフの国に拠点を持ってるドワーフの鍛治師だよ。今ガルフさんの所で修行中なんだ」
「へぇ〜」
そんな話をしながら、ガルフ爺の店に着いた。
「ガルフ爺‼︎リヒトだけど?」
「ん?おお〜リヒト坊、クロト坊お帰り」
「ただいま〜これ土産妖精族のハーブ酒」
「おーすまんの。リヒト坊」
「そう言えば、獣人族の国でガルバにあったぞ?言い忘れてたけど」
「ほうあいつにあったのか?もしかしなくともダークエルフの嬢ちゃん達の装備はあいつの作か?」
「あぁ、フィアナ達の装備を整えてから、ノーライフキングロードの討伐に向かったからな」
「そうだったか」
「所でラルゴはどうしてる?」
「元気にしとるわい。奥で作業しとる」
「そっか、この間紹介出来なかったんだけど、仲間になったレオンだ。で、こっちが最近仲間になったミリアだ。二人共、この人がガルフ爺、キリリカで1番の鍛治師だ。俺にとっては爺ちゃんみたいな存在だな」
「ガルフだ。宜しくの。リヒト坊の仲間なら歓迎じゃ。儂にとってリヒト坊もクロト坊も孫のような存在じゃからな」
「そうなのですか?」
「そうじゃ」
「宜しく、レオンハルト・ガルパードだ」
「ガルパード?お前さんもしかして、獣人族の王家に連なる者か?」
「流石ガルフ爺!レオンは現王の息子なんだよ。ちなみにミリアは妖精族の現王の娘だ」
「そうじゃったのか」
「宜しくお願いします」
「こちらこそ宜しくの」
「リヒト坊また出るのか?」
「エルフの国に里帰りしようと思ってる。アウリーや騎士達の様子が気になるからな」
「そうか。エルフ王に宜しくの」
「わかった。伝えとく」
ガルフ爺と久しぶりに話して店を出る。
「楽しい爺さんだったな。兄貴」
「次はやっぱりあいつを紹介しとかないとだろうな」
「り、リヒト、まさかあそこに行く訳じゃないよね?」
怯えた様子で聞いて来るクロト。
「クロトさん?大丈夫ですか?」
「大丈夫ばないかも」
「あークロト、いい加減慣れろって。同じ街を拠点にしてるんだから避けては通れないだろ?」
「そ、そうだけど…嫌なものは嫌なんだよ〜」
「わかったわかった。後で甘いもの奢ってやるから」
泣きそうなクロトの頭を撫でて宥める。
「あ、あの〜リヒト様?一体何が?」
「あれ?フィアナはまだ会ってなかったっけ?」
「はい?誰にですか?」
「歩く災禍ブリティア」
「お会いした記憶はありませんが?」
「そっか〜強烈だぞ?一回会っただけでクロトのトラウマになった奴だからな〜」
「そうなんですか?そんなに強烈な方なのですか?」
「クロトの様子を見れば一目瞭然だろ?」
「た、確かに…」
「とにかく覚悟決めて行こうな?クロト」
「う、うん…」
嫌がるクロトを連れてプリティアの店に行く。
「プリティア!いるか?」
「は〜い、あらん?リヒトちゃん!クロトちゃん!久しぶり〜やっと来てくれたのねん。待ってたわ〜ん♡」
体をクネクネさせ、プリティアが近づいて来る。
「ひっ⁉︎」
怯えるクロト。
「ストーップ‼︎それ以上近づくな!クロトが怯えてるだろ?」
「もう!クロトちゃんのイケズ‼︎」
「それ以上近づいたら、有無言わせず斬るぞ?」
殺気を飛ばしながら言う。
「相変わらず、ゾクゾクするわん。リヒトちゃんの殺気素敵♡」
「相変わらず凄えメンタルだな?ほら、他の国で買った土産忙しかったから渡せなかった奴、渡しとく」
「ありがとう。リヒトちゃん」
嬉しそうに受け取るプリティア。
「沢山お仲間が増えたのねん」
「まぁな。ちなみにこっちにいるダークエルフのフィアナはクロトの恋人だからな?」
「あらん、そうなの?おめでとうクロトちゃん」
「えっと、ありがとう?」
「で、こっちが獣人族のレオンと妖精族のミリアな。んで、小人族のリリアは紹介したっけ?」
「いえ、まだよ?そっちのエルフのお兄さん達もまだ紹介してもらってないわ」
「悪い。クロトがこれだからあんまりここに近寄れなくてさ。こっちがアインでこっちがルカだ。俺の守護騎士をしてくれてるエルフの元衛兵だ」
「アインちゃんにルカちゃんね?覚えたわん」
「どうも宜しくお願いします」
「宜しく」
「うふふ、宜しくねん♡」
土産も渡したので店を後にした。
あまり長居はできないと言うかしたくない。
個人的に。
クロトも限界なので店を後にした。
店を出るとレオンがボソッとぼやく。
「強烈なオカマだったな。兄貴の言う通りだわ」
「確かに」
「クロト殿がトラウマになるのも分かる」
「クロトさん大丈夫ですか?お店出たからもう大丈夫ですよ?」
「うん」
フィアナの慰めに、覇気なく応えるクロト。
「クロト、お前の好きなカフェのケーキ食いに行くぞ?」
「ケーキ⁉︎行く‼︎」
一瞬で元気になるクロト。
「お見事です。リヒト様」
「流石リヒト様です」
アインとルカに褒められてしまった。
大した事じゃないんだけどな〜。
カフェに着き、いつも通り選びきれないクロトと半分ずつシェアしてケーキを食べる。
「次は何処に行くの?」
「ん〜市場とか覗いてみるか?」
「あぁ、兄貴」
お茶した後、市場に向かった。
「流石に賑わってるな〜」
「まぁ此処は商業都市だからな」
「おや?リヒトさん、クロトさん、お久しぶりです」
「あ、ナダルさん?お久しぶりです。元気でしたか?」
「ええ、私は元気ですよ?大活躍のようですね。流石です」
「あ、そうだ。ナダルさんにも各国のお土産買ってたんだ」
「私にもですか?」
「勿論!」
そう言うと俺はその場でお土産を渡す。
貴重な鉱石から酒類まで色々渡した。
「こんなに?ありがとうございます。リヒトさん」
連れの使用人に持たせて礼を言ってくれるナダルさん。
「お仲間が増えたのですね?おめでとうございます。それとご婚約おめでとうございます」
「ありがとうございます」
一通りナダルさんと話して別れた。
「兄貴さっきの人は?」
「ナダルさんと言ってこのキリリカで1番の商人さんだ。俺がこの世界に来てクロトの次に初めて出会ったこの世界の人間だよ」
「そうなのか?兄貴、沢山知り合いが居るんだな」
「まぁな」
一通り市場を見て回って、屋敷に戻った。
「此処がオーグからプレゼントして貰った俺の屋敷だ。ただいま〜」
「お帰りなさいませ。リヒト様、アイリス様、クロト様、他の皆様もお帰りなさいませ」
「お帰りなさいませ。ご主人様」
セバスと使用人達が出迎えてくれた。
「ただいま〜変わりはないかな?」
「はい、勿論でございます」
「そっか、これお土産皆で分けてくれ」
「ありがとうございます。リヒト様」
「また出る事になるけど、留守頼むな?」
「御意、どちらへ?」
「エルフの国に里帰りだよ」
「あぁなるほど、お気をつけていってらっしゃいませ」
「うん、明日立つよ」
「畏まりました」
「新しい仲間がまた一人増えたから部屋の用意頼む。名前はミリアな」
「了解致しました」
すぐ様準備するセバス。
頼りになる執事だ。
準備ができるとミリアを案内する。
「ミリア様、お部屋の用意ができました。こちらへどうぞ?」
「ありがとうございます」
「俺達は居間に居るから、ミリアを後で案内してやってくれ」
「畏まりました」
本当に頼りになる執事だ。
オーグに感謝だな。
俺達は居間に移動して寛ぐ。
お茶を飲んでまったりしているとミリアがやってきた。
「リヒト様、素敵なお部屋をありがとうございます」
「気に入ってくれて何よりだよ」
ミリアにお茶を勧める。
しばらく皆でまったりお茶を飲む。
夕方になり、セバスが夕食の時間になった事を教えてくれた。
皆で食堂に行くと、そこには和食が用意されていた。
「これは…」
「この間教えて頂きましたリヒト様の故郷のお料理和食をご用意させて頂きました。ご賞味くださいませ」
「兄貴の故郷の料理か〜楽しみだな」
「興味深いですわね」
「わざわざありがとう」
「いえ、リヒト様の為にお料理をご用意するのは楽しゅうございました」
「そっか、ありがとう」
「どうぞお召し上がりください」
「いただきます」
皆で手を合わせて言い、料理を口に運ぶ。
「うん!美味い‼︎」
「良かったです」
懐かしい味が口の中に広がる。
俺が褒めると、安心した顔で微笑むセバス。
「すごく美味しいよ?」
「ありがとうございます」
そんな風に楽しい食事をして、それぞれの部屋に引き上げその日はゆっくり休んだ。
翌日オーグを連れてエルフの国に里帰りした。
如何でしたか?
相変わらず、可哀想な位にプリティアに怯えてましたね〜クロト君。
ナダルさんも久しぶりの登場でした。
次はエルフの国に里帰りです。
次回も楽しみに〜。




