(69)キリリカ帰還 仲間達への思い仲間達の思い
本日のお話は、仲間達との絆を描いたお話です。
では本編をお楽しみください。
王都出てから数日後、キリリカに帰って来た。
門に近づくと、顔馴染みの衛兵が笑顔で迎えてくれた。
「お帰りなさい。リヒトさん、皆さん。おや?また新しいお仲間ですか?」
レオンを見て言う。
「あぁ、レオンお前身分証持ってるか?」
「ん?これで良いのか?」
「はい、確認しました。ようこそキリリカへ。リヒトさんのお仲間ならば大歓迎です。どうぞお通りください」
ギルドカード確認して、リヒト達を通す衛兵。
中に入ると街の皆が出迎えてくれた。
「リヒト兄ちゃん、クロト兄ちゃん、お帰りなさい」
「お帰りなさい、皆さん」
「お帰り、リヒト、クロト」
「ただいま、皆」
「ただいま〜」
「兄貴…凄い人気なんだな」
「まぁ、キリリカ防衛戦後からこうなったんだ。まぁ、その話は後でしてやるよ」
「ん?わかった」
そんな話をしていると、アレンやセインがやってきた。
「リヒト!お帰り!」
「リヒト、クロトお帰りなさい!」
「ただいま、アレン、セイン」
「ただいま〜」
「戻って来てすぐですまないが、伯爵様がお待ちだ。一緒に来てくれないか?」
「わかってるって行くよ」
「すまないな。ん?彼は?」
一緒に居るレオン見て驚いて聞く。
「新しい仲間だ」
「レオン・ガルパードだ。Aランク冒険者をしている」
「私はこの街を治める辺境伯爵様の騎士団を束ねる騎士団長のアレンだ」
「私は騎士団副団長のセインです」
「私達はリヒトの友人だ。君の来訪を歓迎しよう。ようこそキリリカへ」
「どうも宜しく」
「そろそろ行こう。オーグが待ってる」
俺が先を促すと頷くアレン。
皆でオーグの屋敷に向かう。
「へぇ〜綺麗な屋敷だな。初めて見たぜ」
「オーグの拘りなんだ」
「リヒト!クロト!お帰り‼︎」
レオンとそんな話をしていたら、かけて来たオーグに2人まとめて抱きしめられた。
「うわっ!」
「わぁ!」
「よく無事で帰って来た!無事で何よりだ!」
俺達を抱きしめながら、無事を喜んでくれるオーグ。
「オーグただいま」
「ただいま〜オーグ、心配掛けてごめんね?」
「お前達が無事に帰って来てくれたらそれで良いさ」
「…キャラ濃いな〜」
「ん?誰かな?君は」
「俺の新しい仲間だ。名前はレオンハルト・ガルパード。現獣人族の国の王の第一王子だ」
「リヒト…」
「皆まで言うな。言いたい事はわかってる。ちなみにただの偶然だからな?」
「そうなのか?」
「最初知らなかったんだ。王子だなんて後で知ったんだ」
「そうだったのか」
「あぁ、それでオークロード討伐したぞ?あの野郎アイリス狙って向こうまで追って来てた。それとこれはノーライフキングロードの魔石な」
オーグにオークロードとノーライフキングロードの魔石を見せる。
「オークロードが追って来てたのか?」
「汚い手を使ってアイリを手に入れようとしてたけど、俺が斬り刻んでやった」
「そうか。何があったかは知らないが、リヒト大丈夫か?」
心配そうに聞いてくるオーグ。
「問題ない」
「なら、良いが…無茶はするなよ?」
「わかってるって」
相変わらず鋭い観察力だなぁ〜オーグは。
感心しながら、オーグ達にお土産を渡す。
「こっちの菓子箱はアレンとセインの土産だ。今獣人族の王都で人気の焼き菓子の詰め合わせだ。で、こっちがオーグの土産だ。アレン達と同じ菓子箱と獣人族の国の名酒だ」
「ありがとう。リヒト」
「ありがとうございます」
「流石リヒトだ。私の好みをよくわかっている」
嬉しそうに受け取ってくれる三人。
思わず笑顔になる。
そんな俺を見てホッと息を吐く三人。
「良かった。大丈夫みたいだな?」
「ええ、帰って来た時、いつもと少し様子が違って見えたから少々心配したのですが…」
「大丈夫そうだね。安心したよ」
「何かごめん。そんなに分かりやすかったか?」
「まぁいつも通りと言えばいつも通りなんだが…」
「何となくですね」
「うむ、セインの言う通りだ」
「何かごめん」
「謝る事はない。きっとリヒトにとっての辛い事があったのだろう?」
「…実は…」
俺はクリネラの話を三人に打ち明けた。
話を聞いて神妙な表情になる三人。
そんな中オーグが口火を切る。
「リヒト、辛い決断をよくしたな」
「英断だったと思いますよ?リヒト」
「そうだな。決断出来ず放置してたら、今頃どうなっていたかわからない」
「うん」
自分を責めず、肯定してくれた三人に心が救われた。
ありがたいな友達って。
しみじみそう思う。
「ごめんね?リヒト。僕に勇気がなかったから君に全部背負わせてしまって」
突然、クロトが謝って来た。
「何だ?急に」
「皆で言ってたんだ。僕等はリヒトに頼り過ぎだって、もっと強くならなくちゃって、心も体も力も…僕達は…僕は何処までも君に着いていくと決めたから、君を支えられるようにならなくちゃって」
「クロト…」
「だからごめんね?僕が弱いばかりに」
「そんな事ない。クロトは強いよ。お前がいるから俺は安心して背中を預けて戦える。弱くないよ。ただ…俺がクロトにやらせたくなかったんだ。あんな事にならさせたくなくて、自分でやるって言ったんだ」
「リヒト…」
初めて吐露した俺の本音を黙って聞くクロト。
俺はクロトを俺と関わった事で変えてしまいたくなかった。
今のクロトを守りたかった。
そのままのクロトでいて欲しかったんだ。
それをクロトに伝えると泣きそうな顔でこちらを見る。
「僕は僕だよ?変わったりしない。少なくともリヒトが望まない変化はしないよ。約束する」
泣きそうなのを堪えながら、クロトがそう答えてくれた。
クロトの思いが伝わってくる。
やっぱり俺は最高の親友に恵まれた。
心からそう思う。
出会えて良かった。
クロトに…アイリスに…この仲間達に…心の底からそう思った。
俺は恵まれている。
何も知らない世界へ飛ばされた当初は不安がついて回っていたが、心強い友や仲間を得て俺はここまで進んできた。
「皆に出会えて良かった。心の底からそう思うよ。クロトに出会えて親友になれて良かった」
素直な気持ちを伝える。
それに嬉しそうに微笑んでくれるクロト。
「僕もリヒトに出会えて親友なれて良かった」
「私達もリヒト様出会えてお仕えできて、幸運でした」
「はい、幸せです」
「私もお会いできて幸せです!」
「私もリヒト様に出会えて、愛していただけて幸せですわ」
「兄貴に出会えて良かったと思ってるぜ?」
「皆ありがとう」
仲間達の思いに胸が暖かくなる。
温かな思いが、俺の心を救ってくれる。
この世界に来て良かった。
心の底からそう思った。
お互いの思いを伝え合って、更に絆を深めた俺達は、キリリカで一泊してから妖精族の国へと旅立つことを決めた。
オーグの屋敷を後にして我が家へと戻る。
俺の屋敷を見てポカーンと口を開けて固まるレオン。
「これが我が家だ」
「でかいし凄ぇな」
「オーグからのプレゼントなんだ」
「流石は伯爵って所か?」
「そうだな」
苦笑しながらレオンに答え、屋敷に入る。
「ただいま〜」
「お帰りなさいませ。リヒト様」
執事のセバスが出迎えてくれる。
「お帰りなさいませ!ご主人様‼︎」
他の使用人達も集まって皆で出迎えてくれた。
「ただいま皆ごめんね?あまり居なくて」
「いえ、リヒト様には使徒としての使命がおありですから、ご無事にお戻りくださるだけで私共は幸せです。ご無事のご帰還心よりお祝い申し上げます」
セバスが代表して答えてくれる。
それに皆が頷く。
「皆ありがとう」
俺がお礼を言うと嬉しそうに微笑んでくれる皆。
「リヒト様お食事になられますか?」
「そうだな。あぁ、彼はレオン新しい仲間だ。彼の部屋を用意してくれるかな?」
「畏まりました。私はセバスと申します。レオン様御用のおありの時は遠慮なくお申し付けください」
「レオン・ガルパードだ。宜しく」
すぐ様俺の指示が実行される。
食堂に移動するとシェフが腕によりを掛けて作った料理がテーブル並んでいた。
「ご馳走だな」
「リヒト様がご無事に帰還なさいましたお祝いでございますから、シェフが張り切って作りました」
「ははは、ありがとう」
少し離れた所で恐縮しているシェフに礼を言うと嬉しそうに微笑む。
豪華な料理に舌鼓を打ち、それぞれの部屋に戻り、ゆっくり休む。
翌日キリリカの街を旅立った。
如何でしたか?
普段はあまり口にしないリヒトの本音が聞けたと思います。
さて次からまた旅が始まります。
次回も楽しみに〜。




