(44)王家との謁見
今回は人族の王族との謁見の回です。
それでは、本編をお楽しみ下さい。
翌日、俺達はギルド本部に、ギルドカードを受け取りに来ていた。
「お待たせしました」
渡されたのはまるで成金趣味のような金色に輝くカードだった。
その表面は堂々とSSSとSの文字が刻まれている。
「これはな〜」
「悪目立ちしそうだね」
「そう仰らず、昇格おめでとうございます!」
にっこり微笑んで言ってくる受付嬢に、若干引きつっだ笑顔を向ける俺達。
オーグを待たせているので足早にギルドを出る。
何か依頼を受けて欲しそうだったが、相手は王家なので勘弁してほしい。
そう俺達は、王宮に呼ばれているのだ。
アイリスは、エルフの国で仕立てた若草色のきれいな体のラインが出るシンプルで美しいドレスを身に着け、俺が送ったブルーダイヤの髪留めを着けていた。
俺とクロトもエルフの国でアウリーが仕立ててくれた黒と白を基調した礼服と青と白を基調した礼服を身に纏っている。
今日はフィアナもドレスで着飾っている白を基調とし青い糸で美しく刺繍か施されたドレスにクロトから送られたブルーサファイアの髪飾りとネックレスを身に着け、銀糸の髪をまとめてアップにしていた。
二人ともよく似合う。
着慣れない礼服に戸惑いつつオーグの馬車に乗り王城に向かう。
「リヒト、クロトとてもよく似合うぞ?」
「エルフの国でアウリーが俺達の為に仕立ててくれたものなんだ。このタイピンやカフスボタンもな」
「そうだったのか」
「エルフ達に恥をかかせるわけに行かないだろ?」
「確かにな」
そんな他愛ない話をしていると、王城に到着する。
本日アインとルカは、俺に仕えるエルフの騎士として着いてきてる。
俺が打った騎士用のミスリル合金製の鎧とミスリル合金の剣を身に着けている。
「二人とも頼むぞ?」
「はっ!お任せを!リヒト様」
馬車が止まり王城の前で馬車の扉が開く。
まず俺が降りてアイリスをエスコートする。
その後クロトが降りてフィアナをエスコートし最後にオーグが馬車を降りた。
素早く俺の両脇にアインとルカが控える。
衛兵に案内され控えの部屋に入る。
アイン達は護衛と言う事で、武器の帯刀は許された。
三十分ほどで謁見の準備が整い呼ばれた。
「史上最高ランクのSSS級冒険者リヒト・カサギリ様と史上最年少のSランク冒険者クロト・ブリュッセル様のお入りです!」
案内に促され謁見の間の中央に進み、膝を付き礼を取る。
「そなたらがキリリカの双璧黒の剣士と青の剣士か?」
「そのとおりです。陛下」
「儂はこの国のグリーンホール王国国王クリストファー・グリーンホールである。
これまでの働き見事であった。
エルフ王からも感謝の書状が届いていたぞ?」
「ありがたきお言葉、有難く拝命いたします」
「ついてはそなたらに爵位を…」
「恐れながら陛下爵位の叙爵いりません。私は、転生の女神アレンシエル様の使徒です。そのような。柵を与えられては、使徒として動きにくくなってしまいます。クロトは私の協力者で友人です。彼も同じ理由で辞退致します」
「なんと無礼な」
「そうかな?真っ当な返答だと思うが?彼には使命があり協力者である彼も同じ使命を背負っている我々の思惑で邪魔してよいわけ無いだろう?口を慎め!」
王様の近くに控えていた王子が貴族を一括する。
「すまない。我が国の貴族が大変失礼をした。許されよ」
「構わない。そんな些末な事気にしている必要が俺達にはない。せねばならぬことが山積みだからな。まだオークキングまでは倒したが、まだロードが残っている。それも倒さないとならない。魔神を追い詰め倒す為にも、奴の手駒はできる限り倒しておきたい。この世界の命運がかかってるからな」
「なるほど貴殿の言い分は真っ当だ。協力は惜しまない」
「それは王家の相違か?」
「全てではないが、概ねそうだ」
「そうか、その王子の言葉を信用しよう」
「そばに控える彼らは?」
「俺専属のエルフの騎士だ。俺自らが鍛え育てている。実力はAランク相当はあるぞ?エルフの中で最も俺に心酔し信仰してる者達なんだ」
「我らの命!我らの剣は、転生の女神様の使徒たるリヒト様お一人に捧げられしものです!世界が滅びようとどこまでもお供しお仕えいたします」
と、俺の史上の主として語る二人。
やり過ぎだろ。
もう苦笑を浮かべるしかないな。
「王子協力してくれると言うなら頼まれてはくれないだろうか?
ギルド本部のグランドギルドマスターやキリリカのギルドマスターに頼んで今他種族の情報を集めてもらってる。人族、エルフが襲われた。
他の種族が襲われていないとは限らない。
魔神の力を削るためにも、各地で起こっている他種族ヘの攻撃を止めなくてはならないんだ。だから情報収集を手伝って欲しい」
「わかった。協力しよう。なにかわかればギルドを通して伝える。それでどうだろうか?」
「それで構わない。協力感謝する」
「それよりも俺に明確な敵意を向けてくるその男は誰かな?」
さっきから俺に敵意をあからさまに向けてくる貴族の男を指差す。
「言っておくが、俺はアレンシエルの使徒であると同時にエルフの国の王女アイリスの婚約者でエルフ王アウレリウスの義理の息子になる上、アウレリウス王の種族を超えた友人だ。あんたがしてるのは国際問題になりかねない案件だぞ…」
そう言うと周りがざわめく。
当の本人は青褪めていた。
「ライラック卿説明を」
「ライラック?あんた元Sランク冒険者のライラックの関係者か?」
「そうだ!貴様のせいで息子は地位を失ったのだ!」
「それは自業自得だろ?身から出た錆だ。あんたのそれは理不尽な逆恨みだ。奴がキリリカの街で何をしてきたか知らないわけないだろう。再三オーグが抗議していた筈だ。だがあんたは知らないふりを貫き放置した。それがあの結果だ。自業自得以外に何がある?キリリカの冒険者達だけでなく、商人や職人や街の住人にまで嫌われて嫌煙されてる奴のどこに正当性が?放置し続け何もしなかったあんたの何処に正当性がるんだ?応えられるものなら答えてみな?」
「ぐうっ」
「それに他の貴族の領地を故意に荒らすのは違法行為ではないのか?」
「そうだな。詳細を調べ厳罰に処す!連れていけ!」
衛兵に釣れられていくライラック卿。
「アウグスト辺境伯。我らの失態だ。許して欲しい」
「いえ私の所には心強い友が来て助けてくれましたから。彼は私の宝です」
「伯にそこまで言わしめるとは、凄い人だな」
「そんな大した人間じゃない。守りたいと思ったものを全力で守っているだけだ」
「それが言えるのは、あなたが強く信念を曲げない方だからだ。尊敬する」
「色々あったが、謁見はここまでとする。御苦労であった」
謁見が終わり部屋を出て歩いて居るとさっきの王子がこちらにかけてくる。
「待ってくれ!」
「まだ何か用か?」
「私とも友人になってくれないだろうか?」
「それは構わないが?」
「ありがとう。今日は夜会が行われる。是非参加してくれ」
「わかった」
「ありがとう。では夜会まで休める部屋を用意させるよ」
王子の図らいで、夜会まで休ませてもらった。
夜夜会が行われた。
如何でしたか?
ライラックの父親が出てくるとは。
親子揃ってはた迷惑ですね。
さて次回は夜会です。
次回を乞うご期待!




