(43)Sランク昇格試験
今回はリヒト君とクロトのSランク昇格試験です。
グラマスがやらかしまして、アイリスがキレまくってます。
では本編をお楽しみ下さい。
数日後、ギルド本部で俺とクロトのSランクへの昇格試験が行われた。
Sランク冒険者との試合それが試験らしい。
数日前、グランドギルドマスターの部屋で会ったSランク冒険者が相手だ。
俺の相手がルセウス、クロトの相手がロノア。
「これより、Aランク冒険者リヒトとクロトのSランク昇格試験を行う!」
グランドギルドマスターの掛け声で試合が始まった。
「今日はよろしくな?英雄様」
「よしてくれ。そんな柄じゃない。リヒトで良い」
そう言って試合に集中する。
間合いを図り、相手の出方を見る。
「おらーっ!」
相手が大剣を振り下ろしてくる。
交わし縮地で懐に入る。
刀を抜き刃を返し振り抜く。
大剣で俺の攻撃を防ぐ。
「危ねぇ…あんた強いな。さっきのはなんだ?」
「縮地と言う古い武術の歩法の一つだ」
「縮地か、まさに初見殺しだな」
「交わしといてそれ言うのかよ?」
「ははは。交わせられたのは、俺の持つ獣人特有のスキル超直感のおかげだな」
「超直感か…さすがの俺もそのスキルは持ってないな」
「へぇそうなのかい?」
「超直感は持ってないが、武術家として長年鍛えてきた感覚がある!遅れはとらん!」
縮地だけでなく自前の身体能力をフルに使って、攻めの型を取る。
「三ノ太刀・雷光!」
稲妻の様に目に止まらぬ剣閃が閃く。
「九ノ太刀・八重八雲!」
間髪入れず次の技を放つ。
流石に避けきれずまともに食らうルセウス。
「ぐうっ!?」
「美鏡古神剣術・秘奥がニ・八岐大蛇!」
秘奥が決まり吹き飛ぶルセウス。
刀を払い刃を返し鞘に納める。
「そこまで!勝負あり!勝者、リヒト!」
「おお〜すげぇ。誰だあいつに喧嘩売ろうとした馬鹿は?」
「…」
俺に初見で絡んで来た男は、恥ずかしそうに身を小さくする。
あいつ来てたのか?
俺はルセウスに目を移し治療する為に近づく。
「大丈夫か?メガヒール!」
声を掛け治癒魔法を掛ける。
「悪い。ありがとな」
笑顔で礼を言い立ち上がるルセウス。
「加減できなくてすまないな」
「気にするな!良い勉強になった」
「そうか」
クロト達の邪魔にならないように避ける。
「次!始め!」
「クロトの試合か、どれだけ腕を上げたか楽しみにさせてもらおう」
「クロトさんその実力見せていただきます!」
「リヒトに師事して鍛えてもらったんだ情けない戦いはできない!ヴォーパル・ストライク!!」
鋭い刺突技が放たれる。
「クッ!!」
ギリギリで交わされるが、落ち着いて次の技を放つ。
「バーサル・ストライク!!」
「グアっ!?」
冷静な分析と良い体捌き剣捌きだ。
成長したなクロト。
「見様見真似!秘剣・連斬!!」
更に追い打ちの技が放たれ、相手を倒す。
まさか見取り稽古とはな。
あいついつの間に…。
「そこまで!勝者!クロト!」
「相棒まで只者じゃないぞ?」
「凄いな」
「当然だろう?大将やクロトさんが、負ける訳ねぇよ!オークキングやジェネラルを始め、ヴァンパイアロードまで倒した二人だぞ?キリリカの双璧って呼ばれてる黒の剣士と青の剣士なんだ!Sランク相手でも負けるわけねぇよ!」
あれは、キリリカの冒険者達?
「大将〜!クロトさん!応援に来たぜ!」
あいつ等…何やってんだ。
呆れて溜息をつく。
「なぁあいつ等は?」
「キリリカの冒険者達だな」
「人気あるんだな〜」
「オーク討伐戦後からああなったんだ」
「なるほど、キリリカの英雄って言われるだけあるな」
「やめてくれ。柄じゃない」
「大丈夫?ごめんね?なんか騒がしくて。今治癒魔法掛けるからじっとしてて?メガヒール!」
謝りながらクロトがロノアに治癒魔法を掛けている。
「いや、リヒトさんも強かったが君も強いな」
「側でリヒトの戦いを見てたからね」
「なるほど」
「それにリヒトは僕の師匠だからね。師匠に恥をかかせる訳に行かないからね」
「良い師弟関係なのだな」
「その前に親友であり相棒だからね。僕達は」
納得したように頷くロノア。
「クロト腕を上げたな。良い戦いだったぞ?」
「本当!?」
「まさか見取り稽古してたとはな。驚いたぞ?」
「えへへ」
クロトの頭を撫でる。
「これにて昇格試験を終了する!クロト・ブリュッセルとリヒト・カサギリを史上最年少のSランク冒険者とする。なおリヒト・カサギリのランクはSランクではなく史上最高ランクのSSSランクとする!」
え?SSSランク?
Sランクじゃないのか?
聞いてないぞ?
困惑する俺を余所に歓声に湧く会場。
そんな俺にウインクで応えるグランドギルドマスター。
図ったな?あの野郎。
「リヒト様〜」
アイリスがアインたちを連れて駆け寄ってくる。
そのまま俺の胸に飛び込んでくる。
「凄いです!リヒト様Sランクになるのもすごいのに史上最高ランクのSSSランクになるなんて。素晴らしいです。流石私の婚約者様です」
「アイリス落ち着いて。俺も何が何やら」
「だって聞かされてなかったもんね」
「そうなのですか?」
「さっき初めて知った」
ムッとするアイリス。
「つまり私のリヒト様を嵌めたのですね?エルフィス。エルフィス?話があります」
エルフィスの元に行き、笑顔なのに怖いアイリスが、エルフィスに迫る。
「あ、アイリス様!?」
「リヒト様は聞いていないと仰ってましたよ?私の婚約者であるリヒト様を故意に嵌めたのですか?エルフィス?」
「いえそのようなつもりはありません。
ただ王家からSランクではランクが低すぎると、直前に言われまして、急遽過去に存在していた最高ランクを復活させたのです!」
慌てて弁明するエルフィス。
直前でも、説明して欲しかった。
「いや、それでも発表前に説明くらいできんだろ?これはグラマスが悪いぜ?口出しした王家も悪いが、エルフのお姫様が怒るのは当然だわ」
「そうですね…流石に今回ばかりは私も庇えませんね」
冷たく突き放すルセウスとロノア。
凹むグラマス。
なんか収拾がつかなくなったな。
「アイリスもういいよ。そのくらいで収拾がつかなくなってるから」
「でも」
「アイリス」
「わかりました。リヒト様がそう仰るならこの位で我慢します」
「ありがとう。俺の為に本気で怒ってくれて」
アイリスを抱きしめる。
「当然ですわ。私はリヒト様の婚約者ですもの」
抱きつきながら、答えてくれるアイリス。
「そう言う事だから今後騙し討ちするような真似するなよ?エルフィス。そのうち俺もキレるからな?」
威圧と殺気を同時に飛ばす。
「わ、わかった」
大量の汗を流すエルフィス。
「なら良い。ギルドカード渡すから更新頼む」
「わかった」
俺とクロトのギルドカードを預ける。
俺達は会場を後にする。
会場から出るとキリリカの冒険者達が待ち構えていた。
「大将!!SSSランクおめでとう!流石俺達の大将だぜ」
「それは良いけど冒険者ギルドの仕事は?まさかほったらかしては居ないよな?」
「勿論っす!ちゃんとギルマスの許可貰ってるっすよ?」
疑いの目で見る。
「本当ですってば〜」
「嘘だったら締めるからな?」
「イエッサー!」
「たく…仕様がねぇな」
苦笑を浮かべながら言う。
今度こそ会場を後にする。
如何でしたか?
無事に二人は試験に合格、リヒト君に至っては騙し討でのランクの底上げ。
アイリスちゃんがマジギレしました。
怒らせたら怖いのこの子かもしれません。
さて、次回は王家に呼ばれて王城に向かいます。
次回を乞うご期待!




