(24)束の間の休日
今日はリヒトとアイリスのデート回です。
きっかけを作るのはクロトです。
はてさて2人の仲は進展するかな?
本編をお楽しみください。
オーク掃討戦から数日、キリリカの街は元の落ち着きを取り戻していた。
俺とクロトも1ランク上がり、修行と依頼の消化に勤しんでいた。
今日は久しぶりの休みだ。
ここ最近働きすぎたからだ。
部屋で寛いでいると、遊びに来ていたクロトが不意にとんでもない提案をしてきた。
「ねぇリヒト。せっかくの休みだし、アイリスを誘ってデートしてきたら?」
「いきなりなんだよ?」
「だってリヒト、アイリスが君を好きな事気づいてるんでしょ?いい加減答えてあげてもいいんじゃない?リヒトだってアイリスの事異性として意識してるんでしょう?」
「うっまぁそうだけど…あからさま過ぎないか?」
「そんな事ないよ?放置される方が悲しくないかな?」
「た、確かに…」
クロトの言葉に思わず頷いてしまった。
いい加減考えるべか。
俺はアイリスをどう思ってる?
嫌いではない…よく考えてみる。
アイリスの笑顔が好きだ。
いつもその笑顔に救われていた。
癒やされていた。
そうか…俺はアイリスが好きなのか。
彼女の存在にその笑顔に救われる程に。
気がつくと心にカチリと何かがハマる感覚 がした。
やっと自分の心がわかった。
「自分の気持ちに気づけたみたいだね?リヒト」
「あぁ、ありがとうクロト」
「どういたしまして。行っておいでよ?アイリス待ってるよ?」
「あぁ行ってくる!」
「うん、頑張って」
クロトを部屋に残しアイリスの元へ向かう。
アイリスの部屋につくとドアをノックして声をかける。
「アイリス、リヒトだけど居るか?今良いかな?」
しばらく待つと中からアイリスが出てくる
「リヒト様?どうなさいました?」
「えっとな…暇なら一緒に街に出ないか?」
「え?」
「つまり…その…デートのお誘いなんだけど、駄目かな?」
異性をデートに誘うのは初めてなので、つい情けない言い方になってしまった。
恐る恐るアイリスの様子を見ると、口に手を添えながら、驚きに目を見開いていた。
目には少し涙が滲んでいた。
「ちょっ…泣かないでくれ…」
好きな相手の涙に狼狽えてしまった。
「だって、リヒト様から誘っていただけるなんて夢のようで嬉しくて」
涙ぐんだまま嬉しそうに微笑むアイリス。
誘って良かった。
ほっと息をつく。
「驚かせないでくれ」
「ふふふ、ごめんなさい。リヒト様」
「で?返事は?」
「勿論お供いたしますわ」
「良かった〜緊張した〜」
「リヒト様でも緊張なさるのですね?」
「当然だろ?女の子をデートに誘うのは、前世でも経験なかったんだから」
「では私が初めてですか?」
「あぁ、自分から誘ったのも初めてだし、デート自体も初めてだよ」
「嬉しい」
「俺の初デート付き合ってくれるか?」
「喜んで」
輝くアイリスの笑顔に、俺も笑顔になる。
「着替えるなら部屋の前で待ってる」
「はいすぐに用意しますね?リヒト様に買って頂いたワンピースタイプのドレス着ます」
そう言って部屋に戻るアイリス。
俺は部屋の前でアイリスを待った。
しばらくしてアイリスが部屋から出てきた。
「リヒト様、お待たせいたしました」
「うん、やっぱりよく似合う。綺麗だよ」
「あ、ありがとうございます/////」
俺の素直な賛辞に頬を赤く染めハニカムように微笑むアイリス。
俺達は連れ立って街に繰り出した。
街は人で溢れ混み合っていた。
「アイリス、人が多いから気をつけろよ?」
「はい!キャッ!」
人にぶつかりそうになったアイリスの手を引いて、俺の体でかばうようにして抱き寄せる。
「大丈夫か?アイリス」
「は、はいありがとうございます。リヒト様////」
「危ないから手を繋ごうか?」
「は、はい」
二人で指を絡めるように手を繋ぎ、街を歩く。
街を歩き、二人で露天を歩いたりする。
露天でアイリスにアクセサリーをプレゼントする。
プリシラの店にも立ち寄りアイリスに服を選び購入した。
アイリスが俺に服を選んで買ってくれた。
楽しい時間を二人で過ごすと、丁度昼になった。
「アイリス、疲れてないか?お腹空いたりしてないか?」
「少しお腹が空きました」
アイリスの体を心配しての声を掛けると、アイリスが空腹を訴えてきた。
「アイリス、この近くにケーキやランチが美味いカフェがあるんだが、一緒に行かないか?そこのケーキ、オーグやクロトのお気に入りなんだ」
「是非行きたいですわ!」
「なら、行こう」
二人でカフェに向かう。
「素敵なカフェですね」
「気に入ったみたいだな。ここのパスタとハンバーグがクロトの大好物なんだ」
「楽しみです」
俺はサーモンのクリームパスタを、アイリスはハンバーグのランチプレートを頼んだ。
しばらく話をしながら待つと、料理が運ばれてきた。
「リヒト様のクリームパスタも美味しそうですわね」
俺は器用にフォークとスプーンを使って、一口サイズにパスタを巻き取り、アイリスの口に運ぶ。
「アイリス、口開けて」
「美味しいです」
嬉しそうに微笑むアイリス。
可愛いな。
その後、二人で食事を楽しんだ。
「美味しかったです」
「クス、気に入ってくれて嬉しいよ。デザートはどうする?」
「でも、どれも美味しそうでどれか一つに絞れなくて」
「なら、2つ頼めば良い。半分に分けて一切れずつ交換すれば、一つ分で2つの味を楽しめるだろ?クロトもいつも一つに絞れなくて、そうやって交換して楽しんでるからな」
「そうなのですか?では私もそのようにして良いですか?」
「勿論、飲み物は紅茶で良いか?俺はコーヒー頼むけど」
「はい」
店員を呼び、ケーキ二種類と紅茶とコーヒーを頼む。
ケーキが来ると、綺麗に半分に分けて一切れずつ交換する。
「はい、どうぞ?」
「いただきます」
俺達と行動するようになって、アイリスも食前と食後に手を合わせて挨拶するようになった。
慣れるもんだな〜。
二人で食後のデザートも堪能しお土産のケーキも購入にし会計も済ませて店を出る。
店を出ると街は夕焼けに照らされていた。
「アイリス、この時間しか見れない絶景が見られる場所があるんだ。もう少しだけ、俺に付き合ってくれないか?」
「はい、勿論です」
俺はアイリスを連れて、キリリカの街を見渡せる高台へと向かう。
「綺麗…」
「この景色をアイリスにも見せたかったんだ」
「嬉しいです。ありがとうございます。リヒト様」
隣に立つアイリスを見つめる。
「アイリス、話があるんだ。今まで答えなくてごめん。やっと自分の気持ちがわかったんだ。それをちゃんと君に伝えたい」
「リヒト様…」
「君が好きだ。いつも君の存在が俺の支えになってるんだ。ありがとう」
「リヒト様…私もリヒト様が好きです。お慕いしています」
「ありがとうアイリス、ずっと側にいてくれるかな?これからの戦いを側で支えてほしい。俺はこれから魔神と呼ばれる人外の者と戦わなくてはいけないんだ。まだこの事はクロトにも話してない。アイリスだけだ。協力してくれるかな?」
「はい、勿論です。何処までもお供いたしますわ。リヒト様」
「ありがとう。アイリス。愛してる」
にっこり微笑んで答えてくれるアイリスを抱きしめる。
そっと唇を重ねて、触れるだけのキスを交わした。
この日俺達は、本当の恋人になった。
美しい夕焼けに俺たちの姿が照らされていた。
やっと進展しましたね。
クロトグッジョ!
ナイスアシスト!
めでたく2人は恋人同士になりました。
作者も一安心です。
次回から第二章が始まります。
次回もお楽しみに〜。




