(107)ギルドに顔を出す。そして…スサノオと依頼を受ける②
この間の続きようやく書き上がりました。
お待たせしてすみません。
またペット枠と言うかマスコットが増えます。
今回は熊さんです。
では本編をお楽しみください。
アルフ王子からの指名依頼の内容は、王都から少し行った先の街にグリズリービッグベアが出没し、田畑などに被害が出ているらしい。
今のところ人的被害は出ていないそうだが…時間の問題かもしれない。
急いだ方が良いだろう?
グリズリービッグベアの討伐が今回の指名依頼の内容だ。
今までの個体とは違いかなり知能が高いらしい。
そのため普通のランクの冒険者では二次災害になる可能性が高く俺に回ってきたようだ。
まあそこまで得体の知れない個体なら、そこまでの警戒は妥当だろうな。
俺は、父上と討伐対象について話し合う。
「父上はどう見ますか?」
「ふむ…実際に見ねばなんとも言えんが、可能性として転生者と言うこともあり得るだろうな」
「転生者ですか?」
「必ず人に転生できるとは限らん。動物であったり、魔物であったりもするだろう。日本にもそう言った話がなかったか?」
「あーありましたね。異世界転生物の話でスライムに転生してしまい魔王にまでなった男の物語がありました。あれと同じ事が実際に起きた可能性があると父上は思ってるのですね?」
「うむ…絶対にないとは言えまい?」
「確かに可能性は低いですが、ゼロとは言えませんね」
父上の推察に頷く。
そう…ないとは決して言い切れないのだ。
俺が実際に異世界転生している以上は。
想像の中だけの話とは言えないのだ。
気を引き締めて、状況を確認せねば…もし転生者で地球からの転生ならば、生き残れるように俺なりに手助けしなくては。
そう考えながら現場に急ぐ。
王都を出て少し歩いた先に町があった。
そこそこに大きな街でインフラもかなり整えられた綺麗な街だ。
街の外周の一角に畑が広がっていた。
多種多様な野菜が植えられているそこから少し離れた場所には果樹園も併設されていた。
かなり栄えているようだ。
ここは農業で栄えてる街なのかな?
門の所で衛兵にアルフ王子からの指名依頼できた冒険者だと言うのを伝える。
「アルフ王子様からの指名依頼ですか」
「ああ…これは、俺のギルドカードだ。確認してくれ」
「お預かりします。なっ⁉︎SSSランク⁉︎もしかして使徒様のリヒト・カサギリ様でしょうか?」
「そうだけど?」
「失礼いたしました!子爵様にご連絡しますのでこちらの詰所内でお待ちください」
慌てて咳を勧めてくる。
「わかったから早くしてくれ。そんなに時間に余裕はないぞ?」
「は、はい!急いで子爵様に知らせろ!使徒様が王子様からの指名依頼でお越しになられていると!」
「は、はい!」
それから数分後、子爵邸に招かれてきている。
「…俺…時間ないって言ったよな?いつまで待たせる気だ?アルフ王子に妨害されたと報告して良いのか?」
「あ、いえ…そろそろお越しになるかと…」
でっぷりと太ったおっさんが現れる。
アイリの事を、足の爪先から頭まで舐めるように見る。
「おい…おっさん…そう言うの視姦と言って俺たちの世界ではセクハラとして法律でも禁止されてる行為だぞ?人の婚約者を変な目で見るな」
不機嫌そうに言うと、慌てて弁明してきた。
「申し訳ありません。使徒様。使徒様のご婚約者様でしたか?失礼を…」
「彼女に変な事するなよ?じゃないと俺もキレるしエルフ族との間で争いが起こるぞ?」
「ヘ⁉︎」
「彼女はエルフ族の現王アウレリウス・ルクセリオンの娘、第18王女のアイリス・ルクセリオンだからな」
俺がそう言うと、ルカが子爵殿に父上に失礼な事をするなと警告ている。
「エルフ族の王女殿下⁉︎」
「ちなみにリヒト様は、次代のエルフ王でいらっしゃいます。お気をつけを…そしてこちらはリヒト様の父君で…異世界地球の神…須佐男の命様です。失礼のないように…」
それを聞き、顔面蒼白になる子爵殿。
「俺と父上の事を誰かに話し、情報を利用しようとするのは禁止だ。俺が許さない…」
黄龍の目を少しだけ発動し睨みつける。
震え上がる子爵。
「あーそれと…俺はアルフ王子と身分を超えた友人だ。俺に何かしたら彼の怒りを買うと思えよ?おっさん」
ニヤリと笑って言う。
物凄い勢いで頭を縦に振る。
「わ、わかりました⁉︎使徒様!」
「で?グリズリービッグベアについての情報を貰いたい」
「は、はい!実は今朝街の者が果樹園で遭遇しまして…被害はなかったのですがグリズリービッグベアを目撃する直前に他の魔物と遭遇しまして危うく食い殺されそうになったそうです。ですが現れたグリズリービッグベアがその魔物に襲いかかり、彼を助けたそうです。聞き間違いかと思うのですがグリズリービッグベアが喋ったというのです。意思を持った声で、逃げろ!と…」
「…やはり父上の懸念が当たったようですね?」
「うむ…急がねばな」
「はい…子爵殿?俺達はこれからグリズリービッグベアが目撃された現場に行く邪魔はするなよ?」
「承知しました‼︎」
話を終え現場に向かう。
「リヒト様?退治するの?」
「いや?保護する。お前のように俺の眷属として救う」
「そっか〜やっぱりリヒト様は優しいや」
嬉しそうに尻尾を振るアース。
果樹園の一角に行くと大量の血溜まりを見つけた。
そこから血が点在している。
「かなりの深手を追っているみたいだ。急がないと…」
血の跡を追ってグリズリービッグベアを探す。奥まで行くと洞窟が見えてきた。
血はそこに続いていた。
奥にグリズリービッグベアが血を流しながら倒れている。
「これは酷いな…」
「お、俺を殺しにきたのか?」
「やはりしゃべれるんだな?お前…地球からの転生者か?」
「な、何故それを⁉︎」
「俺もそうだからだ。俺の名は笠霧理人…日本人だ…お前は?」
「真瀬翔太…日本人」
「やっぱり日本からの転生者だったか。傷の手当てをするそのままじっとしていろ翔太…メガヒール!」
傷を癒す。
「翔太…増血丸だ。飲むと良い…」
翔太の口に薬を入れ水を流し込み飲ませる。
「はあ…ありがとうえっと…リヒトさん?」
「ああ…翔太…このままだとお前は討伐対象になり殺される。それを回避する為の方法が一つある良いか?」
「この状況を打開できるなら教えてくれ」
「このアースと同じように俺と眷属契約しよう。そうすれば生き延びられる。俺の保護下に入るからな。いずれ地球にも戻ることはできるかもしれない」
「本当か?」
「ああ…直ぐではないがいずれは戻るつもりだ」
「ちなみにこちらは須佐男の命…お前も日本人ならスサノオのことは聞いて知ってるだろ?」
「うん、知ってる。本当にスサノオ様なのか?」
「うむ…本当である我は諏佐隼雄の命…須佐男である。翔太…リヒトの眷属となり力になってやってくれ。この子はこの世界の神々にこわれて使徒して活動しておるのだ」
「使徒⁉︎この世界の神様の⁉︎」
「そうだ。助けてやって欲しい。我の加護を与えるから強化もされるはずだ」
「よくわからないけど、この世界救うことは巡り巡って地球を救うことにもなったりするのか?」
「なるよ?今は滅びかけてるけど、元凶となる奴を倒しそいつに紐付けられてるものを断ち切る事ができれば。終わりだ」
「そうなんだ?わかった。助けてもらえるなら協力する」
「契約を交わすのに新しい名前をつけなきゃいけないが良いか?」
「構わない」
「翔太の新しい名前は…翔牙…どちらかと言うと月の輪熊の方が良いよな?種族進化ってできるのかな?」
すると翔太の体が進化を始める。
月の輪熊のように首のあたりの毛が三日月のような白い毛に変わり体も月の輪熊のように変化する。
力も増したようだ。
神熊月光牙と言う種族に進化したらしい。
「翔牙…お前は神熊に進化したよ?」
「ヘ?」
「おめでとう。神獣になったんだよ」
「マジ?」
「マジ…俺のせいでもあるとは思うけど」
「どう言う事?」
翔牙に自分の秘密を話す。
「マジか。神様の息子の魂を持つリヒトさんと契約したから神獣に進化しちまったって事か…」
「そうなるな。すまない」
「良いよ。元々積んでたんだし、リヒトさんは本気で助けようとしてくれただけだしさ。ありがとうリヒトさん、俺頑張るね?」
そして翔牙が仲間になった。
「僕は地龍アース。よろしく、翔牙」
「どうもっす。アースパイセン。よろしくお願いします」
「うん!」
「あ、俺の獣魔って扱いになるから、目印でこれつけてもらって良いか?」
水晶と皮でできたアクセサリーを首に巻く。
アースも同じものを身につけている。
「了解っす。リヒトさん」
さて、報告に行くか?
翔牙を連れ向かう。
街に戻ると衛兵が翔牙を見て槍などを構える。
「あーこいつは翔牙。おれの眷属の神熊だよ。魔物ではないから」
慌てて止めに入る。
「え?使徒様の眷属なんですか?」
「そうだよ。ちゃんと目印も首につけてるだろ?」
「あ…本当だ…し、失礼いたしました!」
慌てて武器を引き納める。
「翔牙許してやってくれ」
「別に怒ってない…リヒトさんが大丈夫だって言ったから守ってくれるって信じてた」
「そっか…流石翔牙だな。偉いぞ〜」
褒めて頭を撫でる。
心なしか照れてる翔牙。
俺たちのその様子を見て安心したのか、住民達が近寄ってくる。
「この熊さん、怖くない?」
「怖くないよ?だってこの熊さんは神獣だからね。みんなを悪い奴から守ってくれるよ?」
「ありがとう、くまさん」
子供達が目を輝かせて翔牙を見ながら礼を述べる。
それに恥ずかしそうに答える。
「お、おう…」
翔牙を連れ子爵殿に話をして問題が解決した事を伝える。
そしてその日のうちに転移魔法で嘔吐に戻りアルフ王子に報告する。
討伐せず、眷属として契約して神獣に進化した事を伝えると、
「流石リヒトだね。僕の予想の遥か上をいくんだもん」
と、何故か嬉しそうに言われてしまった。
そして今度はキリリカに帰還する。
「リヒトさん、ここは?」
「俺が拠点にしてる街商業都市キリリカだ」
「へぇ〜賑やかな街だね?」
「ああ、明日街を案内してやる」
「うん、ありがとうリヒトさん」
嬉しそうに笑う翔牙。
「さて…まず先に依頼達成報告しにギルドに行くぞ?」
ギルドに立ち寄り、依頼完了の報告をする。
「クラウド、ただいま。依頼達成報告しにきた」
「お帰りなさい。リヒト。なんだかまた仲間が増えた?」
翔牙を見て言う。
「まあな追加登録してくれるか?名前は翔牙だ。種族は神獣の熊…神熊だ」
「地龍の次は神獣ですか?」
「まあな」
苦笑しながらクラウドに答える。
依頼完了の手続きをしてもらい、報酬を受け取ってギルドを出る。
そして皆で街の外に向かい父上のお見送りする。
すると街の人達や冒険者達も集まってきた。
「スサノオ様帰っちゃうの?」
「大丈夫だ。また遊びにくるからの」
「約束だよ?スサノオ様」
「ああ勿論だ。約束だ」
父上は子供達とまた来る事を約束しているようだ。
「スサノオ様、都市を守ってくださってありがとうございます。お気をつけてお帰りください。またきてくださいね?お待ちしております」
「うむ、皆も達者でな。リヒト、気をつけるのだぞ?」
父上は俺を抱きしめて別れを惜しんでくれる。
「はい、父上…母上と叔父上によろしくお伝えください」
「わかった」
しばらくそうやって抱き合った後父上は時空間転移を使い地球へと帰っていった。
ギリギリで駆けつけたオーグがお土産にキリリカの酒を手渡していたが。
間に合ってほっとしたらしく今は呆けている。
そして父上との邂逅を終えた俺は父上の帰る姿が完全に消えるまでその場で見送った。
続く。
如何でしたか?
熊さんはなんと地球からの転生者でした。
リヒトと眷属契約した事で神獣へと進化しちゃいました。
神熊です。
その内狐さんも出そうかな?とか考えてます。
お狐様良いですよね?
私狐様好きなんですよね。
では次回もお楽しみに…。
緋勇蒼夜




