(106)ギルドに顔を出す。そして…スサノオと依頼を受ける①
本日はスサノオと一緒に依頼を受けます。
アルフ王子からの指名依頼です。
そして信じてる人たちに自分の秘密を打ち明けます。
みんなそれぞれの考えで受け入れてるみたいですね。
では本編をお楽しみください。
翌日、スサの父上と一緒に久しぶりにキリリカの冒険者ギルドに向かう。
その道中、街の人達に親しげに声をかけられ嬉しそうにしている父上の姿にほっとする。
「リヒト?どうしたの?」
不思議そうに聞いてくるクロト。
「ん?この世界なら荒神としてではなく、父上個人を見て受け入れてくれるんだな〜って嬉しくなっただけだ」
「地球では違うの?」
俺の答えを聞いて不思議に思ったのだろう。
クロトが聞き返してきた。
それに頷いて答える。
「地球では荒神として扱われる側面が強くてな。父上の神気は苛烈だから、子供は火がついたように泣き出してしまうんだ。だからあんな風に子供に囲まれて嬉しそうにしている姿を見るのは正直嬉しいし、ほっとしてるよ」
「あ、そうなんだ?スサノオ様も、苦労してるんだね」
「父上は本当に情が厚く周りを大切にする方だから、誤解されてるのは凄く心苦しかったんだよ。だから、ああいう姿を見られて嬉しいよ」
本当に嬉しいので微笑んで見守っていると、父上がこちらに向き直る。
「リヒト!この世界は良いな。地球も良いが、ここならば我は我でいられる。時々顔を出しに来よう。お前の顔も見たいしな」
「了解しました。父上、いつでもお越しください」
「一度くらいは調整して天照も連れてくる」
「大丈夫なのですか?」
「しっかり手を打っておけば問題ない」
「そうですか。なら、楽しみに待ってます」
にっこり微笑んで答える。
「うむ、日本のお土産も持ってこよう」
「はい、父上」
和やかに会話する俺達を見て首を傾げる街の人々。
「父上?スサノオ様は、地球の神様なんだろ?」
「知らないけど、スサノオ様からすると子供みたいなものなんじゃないか?だからリヒトさんも父親のように慕ってるとか?」
「あーなるほど?でもよく見ると似てるよな?リヒトさんとスサノオ様」
「確かに…」
俺たちの顔を見比べながら言う。
「そんなに似てるかな?」
「うん、似てるよ?特に雰囲気が似てる〜」
「顔も少し似てるよな?」
「うんうん、似てる」
皆から似てると何度も言われる。
そっか…似てるんだ?
何か嬉しいな。
「リヒト兄ちゃん嬉しそう」
「そりゃね。尊敬する父上に似てると言われて喜ばない筈はないよ?」
「そっか〜」
そうこうしながらギルドに到着する。
街の人に手を振って中に入る。
「あ!スサノオ様!あ!大将‼︎お帰り〜」
「うむ…おはよう皆」
「ただいま〜あ、土産だ」
毎度恒例で冒険者たちに素材を分ける。
「あざーす!大将!」
嬉しそうに分けていく。
「喧嘩するなよ?」
「了解っす。大将」
「あ、リヒトお帰り。おはようございます。スサノオ様、リヒトにお会いできてよかったですね?」
「ただいま、クラウド」
「うむ…初めて親子の時間を過ごせた。改めて礼を言うぞ?クラウド」
「大したことはしておりません。それよりも親子の時間?リヒトは人間なのですが?」
父上の言葉に違和感を感じて質問してきた。
「あークラウドそう言うとこも含めてヴォルフに報告があるんだ。取り次いでくれ」
「わかりました。ギルマスに確認してきます」
一礼して奥に向かうクラウド。
しばらくすると戻ってきた。
「リヒト、ギルマスが会うそうです。奥のギルマスルームまでどうぞ?ちなみに私も立ち会って良いですか?」
「もちろん、クラウドは俺達の専属だろ?聞く権利はある」
「ありがとうございます。リヒト」
俺の言葉に嬉しそうに微笑むクラウド。
クラウドと一緒にギルマスルームに向かう。
「マスター…クラウドです。リヒト達とスサノオ様をお連れしました」
しばらくして中から声がする。
「入れ」
「失礼します」
「邪魔するぞ?ギルマス」
「リヒト、みんなお帰り、聞いたぞ?ダンジョンを最初に攻略したそうだな?迷宮都市のギルドマスターから感謝状が届いてるぞ?後適切な指示を感謝するそうだ」
「そっか…あ、そう言えば、釈放された蛮族達が俺を訪ねてこちらに向かったそうなんだが、あいつらこっちについてるのか?」
「いや…まだだな」
「そっか…もしき来たらうちの屋敷の場所教えてやってくれ」
「わかった。で?報告聞こうか?」
「ああ…迷宮完全攻略の詳細と、父上との関係性について話す。落ち着いて聞けよ?ヴォルフ」
「父上?」
「スサノオ様の事だ」
「どう言う事だ?」
これまでの事や父上から聞いた真実をかいつまんで話す。
クラウドもヴォルフも口を開けて驚いている。
「まさか教国の最高司祭様が、この世界を滅ぼそうとしているとは、しかも異世界地球まで巻き込んでるなんて…」
「本当にとんでもないですね」
「おまけに前世のリヒトを死なせたのがあの人とはな。しかもにリヒトがスサノオ様のお子様の魂の持ち主とは正直驚いた」
「そうですね。で?リヒトはどうするんですか?」
「アルテミシアの方か?」
「ええまあそうですね」
「倒すさ…地球の滅亡があの女に紐付けられてるからな。それを経ちきって倒さなければ地球が滅ぶ。今は父上達が頑張って繋ぎ止めてくれてるから大丈夫だが、いつまで待つかは保証できないしな。それに父上と母上を悲しませたあの女を俺は許さない。それに俺を手に入れるためにアイリを殺そうと画策してるらしい。それを放置する俺だと思うか?」
「いや思わんな」
「そうですね。でもなぜアイリス王女が狙われるんです?」
「それは俺がアイリと魂の契約を交わしてるからだな」
「魂の契約?」
「互いの魂に深く刻みつけて契約を交わすんだよ。特に神はな。俺の場合無意識だけど、俺はアイリに俺の全てを永遠にアイリにやると魂の契約をしている。それが奴には気に入らないんだとさ。だから俺を手に入れるためにアイリを魂毎滅し契約を無効化させるつもりでいるんだよ。あいつは…」
「それでアイリス王女を狙っているのか…」
「理不尽ですね。と言うか、そんな事をすればリヒトに余計に嫌われるだけなのにわからないのでしょうか?」
「わかってないからやるんだろ?」
「あーなるほど…愚かですね」
呆れるクラウド。
その隣でヴォルフも頷いている。
「冒険者達が知りたがった場合教えてやってくれ」
そう指示をするとヴォルフから本当に良いのかと問いかけられる。
「良いも悪いもないだろ?あいつらの目の前で親子として会話しているんだから、気になるだろ?」
「あー確かに…」
「それにあいつらなら俺の不利になるような事はやらないだろ?」
「信じてるのですね?リヒトは…」
「仲間だからな」
「わかりました。彼等が訪ねてきたら情報を提供する事にします」
「頼む…それと父上は今日地球に戻るから最後に一緒に依頼を受けようと思う」
「わかりました。下にいきましょうか?リヒトに受けて欲しい指名依頼があるんです」
「俺に?」
「ええ…王子から指名依頼が来てるんです」
「アルフから?わかった。受けよう」
「ではいきましょうか?」
「ああ…そうだ。ヴォルフ土産渡しとく。迷宮都市の酒だ」
「お?ありがとう。リヒト」
嬉しそうに酒を受け取るヴォルフ。
ヴォルフに土産を渡し終えてギルマスルームを後にする。
戻ると冒険者達が、待ち構えていた。
「あー気になるだろうが、俺はこれから指名依頼をしなくちゃならない。王族からの依頼だから、事情を聞きたい奴は後でクラウドかギルマスに聞いてくれ。話して良いと二人には言ってるから…」
俺の話を聞いて頷き離れていく冒険者達。
「リヒトこれが指名依頼の依頼書です」
「ありがとうクラウド。詳しい事は直接アルフに聞くよ」
「わかりました。いってらっしゃいリヒト、スサノオ様」
「行ってくる」
「うむ…ではな?クラウド」
「あ、クラウド…これクラウドへの土産な?」
「これはエメラルドの原石ですか?」
「ああ…偶然手に入れたものなんだが良かったらもらってくれ」
「ありがとうございます。リヒト」
クラウドにお土産を渡してギルドを出る。
そのまま門へと向かい、ギルドカードを提示して外に出る。
そして転移魔法を使い王都に向かう。
王都の門で同じようにカードを提示して中に入る。
その足で先ず王都のギルドに顔を出してエルフィスに、迷宮で手に入れた例のアイテムについて報告する。
「やあ…リヒトお帰り」
「ああエルフィス久しぶり、迷宮内部で手に入れたあるアイテムがあるんだが、ちょっと厄介なアイテムだからお前を通して報告した方が良いと判断してきた」
「厄介なアイテム?」
「これなんだが…お前解析鑑定ができたよな?見てくれるか?言いたい事それでわかると思う」
「わかったよ。これは…確かに危険な代物だね。下手な相手の手に渡ると悪用される危険性が高い」
「ああ…だから迷宮都市では報告してないんだよ」
「なるほど…良い判断だったと思うよ?リヒト」
「それと…俺の秘密お前に打ち明けとく…」
「秘密?」
「スサの父上から昨日聞いたばかりの話だ」
「父上?」
昨日聞いたばかりの話をかいつまんで説明する。
「リヒトがスサノオ様の子供の魂の持ち主…そっかリヒト…君は我々が思っていた以上の物を背負ってたんだな。わかったよ。この話ヴォルフは知ってるの?」
「知ってる…クラウドもそれにオーグとセインとアレンも知ってるうちの家のものもな。後アウリーにも話すつもりだ。キリリカの冒険者達は今頃クラウドから聞いてるだろ。俺が話して良いって許可出したから」
「大丈夫なのかい?」
「あいつらが俺に不利になる行動や言動はしないと信じてるからな」
「なるほど…わかった。心に留めておく」
「ありがとうエルフィス。これからアルフに会いに王城に行くよ。あいつから指名依頼を受けてるからさ」
「そうか…頑張って?リヒト」
「ああ…行ってくるよ」
エルフィスに土産を手渡してギルドを後にし王城に向かう。
門の衛兵にアルフから指名依頼を受けていることを話し面会を申し出る。
「確認して参りますので、少々お待ちください」
暫く待ってるとアルフが衛兵と一緒にやってくる。
「リヒト、お帰りなさい。スサノオ様お久しぶりでございます」
「ただいま、アルフ」
「うむ…初めしてだな?人族の王子よ。我が名は須佐男…地球の神である。其方の事はリヒトから聞いている。会えて嬉しいぞ?」
「はい!お会いできて光栄です。須佐男様。ようこそおいでくださいました。リヒトおかえりなさい。指名依頼の件だよね?」
「ああ…詳しい話を聞きに来た」
「どうぞ?城の中へ…」
アルフについて王都に入る。
彼の自室に招かれる。
そこで、依頼の詳しい話を聞く。
そして、エルフィスにました話をアルフにもした。
友達だから隠し事はしたくないしな。
やはりアルフも驚いていた。
「そうですか…でも良いんですか?僕に話してしまって」
「友達だろ?俺は友達にこんな大事な事を隠しておきたくない。それにアルフの事は信じてるからな」
「リヒト…ありがとう。凄く嬉しいよ。君に信じてもらえてるなんて…」
嬉しそうに笑うアルフ。
本当にいい奴だよな〜アルフは。
「さて話は聞けたし、依頼に行ってくるよ」
「もう行くの?」
「内容を考えるにあまり時間をおくべきではないと判断した。下手すると近隣の町や村が被害に遭うかも」
「そうだね。お願いできるかな?」
アルフに見送られ、依頼に向かう。
続く。
如何でしたか?
ちょっと長くなるので二部構成にします。
依頼は次回書きます。
では次回もお楽しみに…。
緋勇蒼夜




