↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋も仕事も大騒ぎ!婚約破棄から始まる王宮大喜劇!  作者: よみなぎ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/5

第4話「第二王子、六年目の大勝負!」

「兄上が婚約破棄した!?」


 第二王子セドリックは立ち上がった。


「馬車を!」


「どちらへ?」


「エルディア公爵邸!」


「何をしに?」


「告白!」


「早い!!」


「六年待った」


「急に重い!!」


 十二歳のときから、セドリックはクラリスが好きだった。


 だが彼女は兄の婚約者。


 だから何もしなかった。


 六年間。


 昨日までは。


「花を用意しろ!」


「何がお好きなんです?」


「…………」


「殿下?」


「花」


「種類を聞いております」


「…………」


「六年間、何を見ていたんです?」


「遠くから」


「役に立たない六年!!」


「では菓子だ!」


「何がお好きで?」


「…………」


「もう手ぶらで行ってください」


「そうする!」



 エルディア公爵邸。


 クラリスは庭で紅茶を飲んでいた。


「ごきげんよう、セドリック殿下」


「クラリス!」


「どうされました?」


「今日は何をしていた?」


「十時に起きました」


「十時!?」


「遅い朝食をいただいて、本を読んで、お昼寝を」


「昼寝!?」


「自由です」


 輝いていた。


 セドリックは思った。


 今、告白していいのだろうか。


 だが六年待った。


「クラリス」


「はい」


「ずっと君が好きだった」


「ごめんなさい」


 三秒だった。


「待ってくれ」


「はい?」


「六年待ったんだ」


「そうなのですか?」


「三秒で終わった」


「時間をかければ結果が変わります?」


「…………」


「では三秒で」


「正しい!!」


 セドリックは頭を抱えた。


「せめて理由を聞いても?」


「殿下がお嫌いだからではありません」


 顔を上げた。


「本当か!?」


「はい」


「では!」


「今の私は『婚約』『結婚』『王子妃』『教育』という言葉を聞くだけで逃げたくなります」


「四つも地雷がある!」


「昨日できました」


「新鮮!」


 セドリックは考えた。


 そして。


「分かった。婚約しない」


「はい?」


「結婚もしない」


「はい?」


「王子妃にもならなくていい」


「……はい」


「教育もない」


 クラリスが初めて興味を示した。


「では、何を?」


「私が君を好きなだけだ」


「…………」


「会ってもいいなら会いに来る。嫌なら帰る。君がお茶を飲みたいなら一緒に飲む」


「それだけ?」


「それだけだ」


「私が寝ていたら?」


「起こさず帰る」


 クラリスの目が見開かれた。


「起こさない?」


「起こさない」


「朝でも?」


「朝なら私が悪い」


「素晴らしい」


「そこ!?」


 初めて褒められた。



 二人はお茶を飲んだ。


「セドリック殿下は甘いものがお好きなのですね」


「ああ」


「知りませんでした」


「私も君の好きな花すら知らなかった」


「六年も?」


「遠くから見ていた」


「怖いですね」


「言い方!!」


 クラリスが笑った。


 セドリックは初めて見た気がした。


 王太子の婚約者としてではない。


 公爵令嬢としてでもない。


 ただ笑っているクラリスを。


「クラリス」


「はい?」


「また来てもいいか?」


「構いません」


「明日?」


「早いです」


「明後日?」


「早いです」


「三日後?」


「それくらいなら」


「二日半」


「帰ってください」


「三日後に来る!」



 馬車へ戻ると、側近が待っていた。


「どうでした?」


「婚約は断られた」


「残念でしたね」


「三日後にまた来ていい」


「勝ってません?」


「六年間ゼロだったんだぞ」


「はい」


「それが三日に一度になった」


「はい」


「無限倍だ!」


「計算がおかしい!!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。