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エルフの村で2

少し久々の投稿です。やっぱり文章をわかりやすくするのはまだ全然です。ごめんなさい。

「ロトがすげぇのは知ってたがカケルっつったか?お前も半端じゃねぇな!」


「一応勇者なんで」


周りのエルフの作業を手伝ったカケルたち、周りが代わる代わる休憩に入る中、ロトとカケルだけはお昼まで休憩なしのぶっ通しで作業をしたのだ。そして現在、みんなで河川敷に移動しお昼ご飯を食べていた。お昼ご飯はというとロトが料理ができなかったので不安だったのだが隣の川でとれたなんかすごい光ってる魚の串焼き、あと例の草を美味しく味付けしたものだった。


「俺の10分の1も生きてねぇのに生意気じゃねーか」


そう言いながらガハハと笑う男、この人はレイドといい、この村だと村長一家の次にえらいらしい。エルフにしては「美」と言う言葉が似合わない体格をしている。話を聞くところ、カケルたちの前の勇者の仲間であるカイトというムキムキに憧れているらしい。この話し方もカイトを真似ているそうだ。この人が言うには「まだまだカイトさんには及ばないがな!ガハハ!」だそうなのだが。


「今日中には砦はできそうですね」


「あんたらのおかげでな」


「本当に助かっているよー」「ありがとねー」


周りのエルフ達からも感謝の声が上がる。エルフたちの予定では砦の完成は明日の夜までかかりそれから住居をつくったりと中の作業に3日ということだったらしい。カケルは少し照れながらも頭をポリポリとかいた。


「カケル・・・僕魔力回復したし作業に戻るね」


ロトはそういうとトコトコと一人完成まじかの砦の方へ戻っていった。カケルはロトとはこの作業な間で仲良くなっていた。理由はおそらくある者の邪魔がなくなったからだろう。誰とはいわないが・・・・

カケルも久々のまともな飯を食べ終わり、立ち上がった。


「じゃあ俺も先に行ってます。」


「おう、俺らはもう少しここで休むわ、プリンちゃんは俺たちが見てるからよ」


「はい!お願いします、おーいプリン!その子たちに怪我させたらダメだぞ!」


「ワカッターーーー!」


一応子供のエルフと川の中で遊んでるプリンに注意した後カケルも作業場に戻った。



木を風魔法「カッター」で切断し、砦になるよう地面に突き刺していく。午前中の作業中にカケルはロトに教えてもらったのだが、どうやら魔法というのは最初のイメージが大事ということらしい。言葉にしているのはイメージをしやすくする為だそうだ。前まではフリーズなど口にだしていたが、たしかに戦闘中は口にしている暇はないだろうしと納得した。黙々と作業をするロトにカケルは魔法について尋ねた。


「なぁ、ロト、さっきの魔法についてなんだが質問いいか?」


「いいよ」


「もしイメージができるのならば時間を止めることとかできるのか?」


カケルの質問にロトは考えるそぶりも見せず答える。


「無理」


「なんでだ?」


「イメージできても時間を止めるってなったら魔力がいくらあっても足りないと思う。カケルの魔力でも1秒持つのかな?その点カケルが言ってたあの物質変換魔法と物質転送魔法の合体は魔力はたくさんいるけどイメージしやすいし可能だよ?」


カケルにとってはいまいちピンとこないのだが既存の魔法を合体するというイメージは意外と簡単だということらしい。


(どっちがイメージしづらいとかそんなの考えてなかったなぁ)


カケルはそんなことを考えながらも質問を続ける。


「じゃああの物質変換・・・もう長いから転移魔法で!転移魔法のイメージはロトにとってどんな感じなんだ?」


「まず生物を紙などに変換するのは簡単・・・物質転送魔法は現在いる場所と行きたい場所までの道が結びついてるイメージをして最後にその道の距離を0にする感じのイメージ、ただ生物の場合負荷がかかるから一時的に無機物に変換されるっていう感じだよ」


「なんかイメージばっかだがすごいな」


「考えたのカケルだよ?」


ロトの説明に圧巻されたカケルは逆にこれを考えてたんでしょ?と聞かれ、適当に言っていたことを反省しつつも「ま、まあな」とごまかした。


「そ、そういえばフレイのやつみないな」


カケルはこのままではボロが出そうだと話を変えようと試みる。


「多分だけど、あそこの村長の小屋にいる。あそこにはサンとルナもいるからからお話しでもしてるんだと思う。」


「あーー・・・なるほど、わかった」


カケルの声のトーンがみるみる小さくなっていく。フレイをあの後作業の途中、カケルがプリンの服を作るついでに確認しにいった。だがその時まだそのまま頭を抱えたままだった。これは触らぬが吉だと判断したカケルはまたそのままそっとしておいたのだが・・・


(まさかサンとルナと一緒にいるとは・・・・村長の前で俺のあることないこといってなきゃいいが・・・)


そう考えると嫌な汗がカケルの体から噴き出した。同時にカケルが宙に浮かせていた丸太がぐらっとぐらつく。


(おっとアブねー今は集中だ!そうイメージイメージ)


集中を試みたカケル。

しかし結局カケルは何を言われてるか不安で作業が午前より進んでいないの周りから見ても明らかだった。



ーーーーーーーーー


午前は順調でこのまま今日中に終わるはずだったのだが、カケルがイマイチ集中できていなかった為、結局明日の朝一に残りをやってしまおうということになっていた。今はみんなで晩御飯をたべている。相変わらずサンルナフレイの三人の姿は見えていない。


「すみません、俺の集中が続かなかったばっかりに・・・」


申し訳なさそうにカケルは謝る。


「仕方ないわ。それよりもみんなで飯を食べる方が大事よ!ねぇ?あなた」


「おうよ!本当だったらもっとかかってたんだ!むしろよくこんだけ手伝ってくれたよ」


レイドとその妻であるフィレアがカケルを励ます。そしてレイドはガバッとカケルの肩に腕を回した。


「それよりも酒だ!わざわざ村から運んだんだ!みんな飲もうぜ!」


レイドの掛け声にエルフたちは酒を用意し、乾杯し始めた。


「カケルソレナニー?」


プリンがカケルの容器にはいった酒に興味を持ったらしい。隣でじーっと酒を見つめている。


「これはお酒だ。プリンにはまだ早いからプリンにはこの魚をやろう。」


そういうとカケルはプリンに美味しそうに焼けた魚を渡す。プリンは魚を串ごと飲み込むと気に入ったのか大量に重ねてあった皿ごと呑み込んだ。


「いい食いっぷりだわープリンちゃんすごいわ!」


フィレアがうふふふふと言いながらもテンション高めでプリンを褒める。酒に弱いのだろうか、白い肌が綺麗にポッと赤に染まっている。

周りを見ると他のエルフも顔を真っ赤にしながら騒いでいた。ロトも酔ったのかコテンと木にもたれかかっていた。


(俺一応まだ未成年だが・・・それにしてもプリンが食べた魚はまだ体内にいるのかな?今度服の中を見せてもらうか・・・)


カケルはアホなことを考えながらプリンをニヤニヤしながらみる。そんなアホな考えができるのも場の空気と年齢がわからないが自分の好みの美女がたくさんいるからなのだろうか。だがここで背後から聞き慣れた声が聞こえた。


「カケル貴様未成年だろう?酒は飲むなよ?」


振り向くとそこにはさっきまで見なかったフレイの姿があった。なんだフレイかという顔でカケルは返事する。


「飲んではいない。勝手に注がれただけだ。

なんか用か?」


「今日村長にエルフの案内人が欲しいという話をしていたんだが、カケルに話があるそうだ。」


少しこの場から離れることを惜しみつつもわかったというとカケルはまたレイドさんにプリンをお願い村長のいる小屋に向かった。


「失礼します。」


カケルはそういってなかに入った。そこにはイケメンのエルフとサンとルナがいた。


「えっと話とは?」


「まあ、そこに座りなさい。」


カケルたちは村長の前に座る。


「カケルくんとは初めてだから自己紹介をしよう。私がこの村の村長をしているヒロトだ」


「ヒロトさんですか?」


日本人のような名前にカケルは質問する。


「この名前は前回の危機に立ち向かった勇者であるレイト様に名付けてもらった。確かレイト様の弟と同じ名前であると聞いている。」


そこからなぜか延々と前の勇者の話を聞かされた後、ヒロトはようやく本題を話し始めた。


「フレイさんに話を聞いたのだが村の者を連れて行くのは許そう」


カケルはなんだよかったと安心すると頭を下げた。


「ありがとうg「ただしだ」


なにやら条件があるらしい。カケルの言葉が遮られる。


「この森に生える薬草である黄昏草を取ってきてもらいたいんだ。」


「えーっとそれはどこらへんに生えているんですかね?」


少しめんどくさいと思いつつも尋ねる。


「あそこに流れていた川はね・・・エリシュア大森林の最奥地にある精霊の池につながっているんだけど・・・」


そこからヒロトはまたも延々と今度は精霊の池について反し始めた。ヒロトの話を要約するとどうやら精霊の池の中心から湧き出る水には魔力が含まれていて、それによってあの様々な光、精霊が集まっているということらしい。


(なるほどな・・・あの川やっぱり綺麗なだけじゃなかったか・・・前よりも魔力の回復が早かったのは川の近くにいたからと魚食ってたからかな)


「黄昏草はとても貴重で魔力を一瞬で回復できる優れものなんだ。その池の淵に生えてるんだけど最近取りにいけるようになったんだよね」


(まさかのチートアイテムきたーーーー)


「なにかあったんですか?」


「その池って僕らエルフにとってとても神聖な場所で儀式をするとき以外近寄ることが禁止されていたんだけど、実はあそこにゴブリンキングたちやモンスターがたくさん住みついちゃってね。みんな魔力の豊富なところにいたいだろう?」


カケルはなるほどと納得する。モンスターにとってもそこはオアシスだったのだろう。なんせ一瞬で魔力の回復できるチート草が生えているのだから。そして理由が頭に思い浮かんだカケルはそれを口にする。


「もしかして今取れる理由って・・・俺ですか?」


「君が全部倒しちゃったって聞いたから多分そうだね」


そういうとニコッとヒロトは笑った。


「じゃあ皆さんで取りに行けばいいんじゃないですか?」


「もしかすると危険なモンスターがいるかもしれないし、今精霊の池に行くことができるのってこの村じゃここにいるサンとルナくらいなんだよね」


「へ、ヘェ〜」


それを聞いてカケルはサンとルナを見たのだがサンはゴミを見るような目、ルナはなぜかとんがった耳を真っ赤にして顔を隠した。


「君たちを試すようだけど、おねがいできるかい?」


(一応サンとルナは嫁候補だしな・・・めんどいがやるか)


カケルはハイと再び頭を下げた。そして話が終わりみんながこやを出ようとしたときカケルだけがヒロトに呼び止められた。そしてカケルにだけ聞こえるようにヒロトは耳元で話す。ヒロトは村長で孫がいるといっても普通に周りから見ればイケメンなわけで・・・腐女子に騒がれそうだなと考えつつも真剣な表情で話を聞く。


「カケルくんに言い忘れてたことがあったけど、サンとルナがフレイさんと話す会話を聞いていてね・・・一応注意しときなさい」


その言葉に背筋が凍った。カケルはヒロトの忠告に礼をいうと、外に出る。サンとルナはもちろんフレイももうそこにはいなかった。


「今から踊るんだって」


だがそこには一人だけカケルを待ってくれている女の子、いや男の子がいた。ロトだ。どうやらカケルがいないのに気づきカケルを待っていてくれたらしい。


「教えてくれてありがとうな」


カケルはロトの頭を撫でるとフラフラのロトを支えながらみんなのいる方へ向かった。


(このままロトと結婚しようかなぁ)


どんちゃん騒ぎが聞こえる、みんな酒を飲みながら踊ったり騒いだりと楽しそうである。プリン以外なぜか男ばっかり仲良くなっているカケルはこの状況と一瞬でも血迷いそうになった自分自身に涙しながらも綺麗な空を見上げるのだった。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

評価感想待ってます


一応勇者なんでってフレーズ結構気に入ってます

というか頭でアホなこと考えながら真剣な話ができるスキル欲しいです

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