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第57話「ミシェルの過去②」

「はぁ? 結婚してる? 誰とだよ! 一体何、言っているんだ、お前!」


声を張り上げたカミーユは、ねめつけるような目でミシェルを見た。

「そんな事、俺は認めないぜ」の拒否オーラが半端なく出ている。


いや、認めるとか、認めないとか、お前には全く関係無いけど、と思う俺。


だが、案の定、カミーユの口からは、

とんでもない台詞(セリフ)が吐き出された。


「俺は、な。お前と別れたなんて、全然思っていないぜ!」


「カミーユ!」


レベッカが大きな声でカミーユを(とが)めるが、奴はどこ吹く風。


「ちっ、うるせぇ! レベッカは引っ込んでろ。部外者が俺達の間に、入って来るんじゃねぇ……」


カミーユはそう言うと、俺を「ちらっ」と見た。 


こいつは相変わらず目付きが悪い。

まるでチンピラだ。


「ん~? ミシェルよぉ、さっき言ってたお前の結婚相手って、まさか、このガキなのか?」


風貌からしてカミーユは多分、20歳くらいだろう。

こいつから見れば、15歳の俺は確かにガキだ。


しかし、俺の事を聞かれたミシェルは何故か……答えない。


「…………」


ミシェルが黙り込んだのを良い事に、カミーユは言いたい放題である。


「だからよぉ、あんな、クソつまらない村なんて一緒に出ようって言っただろう? しょっぱい村に居るから、こんなクソガキを相手にする事になるんだぜ」


クソつまらない? しょっぱい?


よく、ボヌール村に対して、そんな事を言えるな!

お前、自分の生まれた故郷(ふるさと)なんだろうが。


まだ同郷出身者同士、仲間内で故郷を冗談ぽく茶化すのは許せる。


俺達の地元はさあ、超田舎だよなぁ……なんて自虐的に笑い合うのは許せる。


……と、個人的には思う。

 

だけど、こいつ、カミーユという男の口調には酷く悪意がこもっていた。

あからさまに、ボヌール村を馬鹿にしていた。


俺の第二の故郷をよくも! ……てめぇ、許さねぇぞ。


「はぁ? お前、何か機嫌が悪いのか? ガキぃ」


カミーユは再び、顔付きが厳しくなった俺の顔を覗き込んで来た。

 

おい、近いよ、近い。


カミーユ! てめえの汚ねぇ(つら)を俺に近づけるな!


そう、はっきり言ってやりたい気分である。


クッカ達嫁ズなら、ともかく。

男の顔なんか、間近で見たくねぇ。


特に、てめぇみたいな汚い心が更に腐ったクソ最低な奴の顔はな。

  

不愉快そうな俺を無視して、カミーユの口は止まらない。


「おい、ガキ! お前さぁ、もうミシェルにエッチさせて貰ったのか? こいつ、たまらない身体してるだろう?」


「…………」


俺が無視していると、カミーユは更に調子に乗る。


「まあ、こいつ、頭は馬鹿だけど、身体だけは最高だからな。俺も随分楽しませて貰ったぜ」


おいおい……何て事言うんだ、コイツ。

 

ひとつ分かったのは、カミーユって男は最低最悪の馬鹿野郎だって事だ。


俺同様、ミシェルもさすがにうんざりしたようだ。


「もう! カミーユ、あっち行ってよ。一緒に飲む筋合いなんか無いわ。貴方は、ボヌール村を見捨てた人間……もう、よそ者だもの」


「はあ!? よ、よそ者だとぉ!」


ミシェルの言った、『よそ者』という言葉がカミーユの心の琴線に触れたらしい。

拳を振り上げてぶんぶん回し、激高している。


だが傍観者で居ろ! と言われたレベッカも、

醒めた視線をカミーユに投げ掛けた。


「……カミーユ、あんたさあ。さっきから聞いていれば、良くそんな酷い事言えるわね。あんた、ミシェルのお父さんに命を助けて貰った癖に」


はあ、何だ? こいつ……


ミシェルのお父さんに命を助けて貰ったのか?

それでいて……この偉そうな態度なのかよ。


「う、うるせえ~! あんなゴブども、俺が本気を出せば簡単に倒せたんだ。それを、あの親父が無理矢理、俺達を逃がしやがって」


と、カミーユが更に偉そうに強がった、その時。


ぱあん!


肉を打つ音が店内に鳴った。


ミシェルが、遂に我慢しきれないといった表情で立ち上がり、

カミーユの頬を張ったのである。


張られたカミーユは、痛む頬を押え、「ぺたん」と尻餅をついてしまう。


「てっ、てめぇ! よくもやりやがったな! 身体しか能がないくそ女がぁ!」


カミーユの罵声に、レベッカが思わず反撃する。


「さいってい!! 何て事言うの! この馬鹿男!」


「うるせ~、男女ぁ!」


カミーユは立ち上がってレベッカを殴ろうとし、

レベッカはミシェルを守ろうと立ち上がる。


ほう! 『男女』か……


言い得て妙かもしれないが……最悪最低な、お前が言っちゃいけね~よ。

じゃあそろそろ、「こうるさい」こいつにお仕置きをしても構わないだろう。


がしっ!


俺は素早く反応し、カミーユの右腕を、しっかり掴んだ。


低く、どすの効いた声で言う。


「おい、ザコ。てめえ、カミーユ……とか言ったよな」


「くうう……は、放せ、くそガキ! くそ馬鹿野郎!」


俺を睨みつけるカミーユ。


ここで、見物していたカミーユの仲間らしい、

冒険者クランの男どもがやって来た。


計3人居る。


「おいおい、どうした、どうした」


仲間の声を聞いたカミーユが、喜色を あらわにした。

「助かった!」って顔に描いてある。


「おお、兄貴達っ! そうだ、兄貴達に、この女達を進呈しますよ、好きに思う存分やっちゃって下さい」


こら! とんでもない許可を出すんじゃねえ! 


俺は憤ったが、冒険者クランの男共はノリノリ。


「うは、良いのか? 結構、滅茶苦茶にしてしまうが」


「はい、どうせ、俺の女達ですから、全然オッケーですよ、うぎゃっ! いたたたた!!」


俺は無言で、掴んだままのカミーユの腕に少しだけ力を入れた。


すると、奴は話を中断し、情けない悲鳴をあげたのである。

 

ばあか! 全然、力を入れていないのに……大袈裟なんだよ。

それより、さっきから黙っていれば……なんちゅう会話をしているんだ。

 

ここまで来ると、俺の我慢もそろそろ限界である。


だから、きっぱり言ってやった。


「おい、いい加減にしろ、ザコども。俺の嫁達を勝手に、てめぇらのもんにすんじゃねぇ」


口調が「がらり」と変わった、俺の言葉を聞いた冒険者どもがいきり立った。


「ザコだとお!? くそガキぃ!」

「ごらぁ!」

「生意気こくと、てめえ! しばくぞ!」


しかしなぁ、いくら凄んでも全然平気。

魔物を含め、今まで戦った相手に比べれば、

こんな奴等は、言ってやった通り、雑魚(ザコ)だと分かっているから。

 

でも、このまま店で戦えば、大騒ぎとなり、この町の衛兵様が飛んで来る。


スト~ップってね。

 

そんなんで、もしも衛兵にタ~イホされ、連れて行かれたら、

俺は全く悪くないのに喧嘩両成敗になるかも。


結果、良くて罰金。下手すれば牢屋行き。

そんなの、真っ平御免。


だから目立たない場所で、こいつらを懲らしめてやる。

徹底的に、う~んと、生まれて来た事を後悔するくらいにな……


「おい、ザコのおっさんたち……ここじゃ、この店に迷惑がかかる。外に出ようぜ」


俺は、カミーユの腕を掴んだまま、空いた方の手を「くいっ」と動かす。


卑劣な雑魚冒険者どもへ、外でケリをつけようと促したのである。

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