表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
187/255

第187話「姑息な悪だくみ」

様子を見守っていると……

サブリーダーは何やら、リーダーのバルナベに入れ智恵をするようだ。

俺に聞こえないようと声を低く落とし、口元を隠していた。

 

ふふふ、甘い!

そんな小細工で、俺に話を聞かれないと思ったのか?


こんな時こそ、習得した能力スキル全開で行ってやろう。


まずは聴力を全開!


これで、遠くからでも奴等の内緒話は筒抜けとなる。


更に合わせ技で、心と心の会話、念話の聴取能力も発動。


結果、奴らの肉声と心の声が、ばっちり聞き取れる。


俺に、全てを聞かれているとは露知らず、

リーダーのバルナベとサブリーダーは、顔を付き合わせ、ひそひそと話し始めた。


まずは、サブリーダーが言う。


「おい、バルナベさん、こうなったら、奴を上手く丸め込んで……騙しちまいましょう」 


「む、丸め込む? 騙す? 一体、どうやって?」


あはは! やっぱりこういう話か。


バルナベの言う通り、奴等の、俺を「丸め込む」「騙す」って、

一体どうするのだろう?


対して俺は、笑顔で、引き続き話を聞いていた。


サブリーダーは、実は誰も潜んではいない、俺が居ると思われる場所を、

「ちらっ」と見てから、バルナベに(ささや)く。


「全員で、一旦武器を捨て、奴に安心させてから、儲け話に、ひと口噛ませるとか言うのですよ、今回も利益は、最低でも金貨1万枚は見込めるでしょう?」


「おお、そうだな、それくらいは楽勝だろう」


サブリーダーの提案に、バルナベは嬉しそうに頷いた。


俺に追いつめられていたバルナベにとっては、最高の良案なのだろう。


同意され、『えっへん顔』になったサブリーダーは、ぺろりと、

ずるがしこそうに舌を舐める。


「で、こうしませんか? 奴へ、リーダー並みの分け前、金貨2千枚くらいを渡すと言えば、ホイホイ飛びついて来ますよ、ぜひ自分も混ぜて下さいって」


「ほう! 成る程、そうだな」


いやいや、ホイホイってさ、

俺はあの黒いつやつやした虫じゃないんだから。


簡単には、飛びつかね~よ。


俺を居ると思うらしい方角をちらっと見て、

サブリーダーは仕上げの話に入る。


「当然、あんな奴に、大事な分け前なんか渡しやしません」


「ああ、だな!」


「グリフォンの洞窟で、例の仕掛けを、奴にやらせて捨て駒にしましょう」


む、グリフォンの洞くつで、例の仕掛け?


ふむ、奴等何か、策略を使い、グリフォンを倒すんだ。


その仕掛け役を俺にやらせ、見殺しにしようっていうんだな?


成る程。

話が、見えて来たよ。


「そうか、奴を捨て駒に……巧い作戦だ」


「でしょう? 万が一、奴が生き残ったら……隙を見て、一度に全員で襲い掛かって殺せばOKですね……領主に余計な事を告げ口されないよう、確実に口を封じておかないと」


「おう、さすがティボーだぜ……抜かりがねぇ。やっぱり俺の懐刀(ふところがたな)だけの事はある」


「へへへ、バルナベさん、俺は使える奴でしょう? ……上手く行ったら、俺の分け前の方……結構な色をつけてくださいよ」


「ひひひ、分かっているって」


そんなこんなで、ふたりの密談は終わったようだ……

といっても俺に対して、全然密談にはなっていないが。


ああ、そうかい。

君達の手の内はよ~く分かった。


だから、俺はその上を行かせて貰うね。


「おう、そこの兄さん!」


バルナベが俺を呼んだ。

さっきの、あたふたした慌てぶりとは違ってえらく余裕だ。


これで作戦はバッチリ、俺を罠にはめられる、そう信じているのだろう。


……本当に馬鹿な奴だ。


当然だが、俺は(とぼ)け、返事を戻す。


「うん、何だ?」


「良いか、よく聞け。俺達は、降伏する! 武器を今捨てる! ……それで俺達の誠意を示そうじゃないか」


ほう、誠意?


何が誠意だよ。

お前達の誠意=真っ赤な嘘だろう?


「ふ~ん、それで?」


「へへへ、すねるなよ……凄く良い話だぜ、あんたにも、俺達の儲け話にひと口噛んで貰うのさ」


「何だとぉ!」

「ふざけるな」

「馬鹿言え!」


片や、話が通っていないクランメンバーが、一斉に不満を爆発させた。


自分達の分け前が減るから、至極当然の反応だ。

 

しかし、こういう示し合わせは慣れっこらしい。

リーダーのバルナベが、僅かにウインクをし、サインを送る。


悪だくみの、意思疎通を行ったらしい。


すると、戸惑っていたメンバーが、すぐに頷いた。


顔を輝かせていやがる。


これで悪だくみの作戦は、奴等の中で完全に共有出来たようだ。


「くう! リーダーの命令にゃあ、逆らえねぇ」

「糞! 悔しいが、仕方がないか」

「畜生!」

 

あはは、完全に演技だ。


全員、不自然に笑っている。


セリフも、もろ棒読み。


こいつら、絶対にバレないとでも思っているのだろうか?


まるで三文芝居だよ。


俺が見やれば、バルナベは自分の演技に酔っているらしい。


もう完璧に、俺が騙されていると信じているのだろう。


「と、いう事で兄さん、今から俺達は武器を捨てる……出て来てくれないかね」


ここで、俺はツッコミをする。


「分かった……その代わり、お前らの武器は、遠くに投げ捨てろよ」


俺の意外な?提案に、バルナベは驚き、目をむいた。


「な、何!? 足元に落としゃ、良いじゃねぇか」


「いや、ダメダメ! 俺は用心深いんだ……思い切り遠くへ、派手に放り投げてくれ」


「く、糞っ!」


ギリギリと歯を鳴らすバルナベ。


お~お~、、これじゃあ話を聞かなくても、裏があるって丸分かり。

顔にはっきり出てるぞ~。


本当に馬鹿でぇ~。


しかしサブリーダーのティボーはまだ落ち着いているようだ。


短気な髭リーダーを、しっかりと諭す。


「バルナベさん!」


「ち! 分かった! 分かったよ!」


忌々し気に舌打ちをし、不承不承に頷いたバルナベは、

腰のロングソードを抜くと、思い切り遠くへ放り投げたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説書籍版既刊第1巻~8巻大好評発売中!

《紙版、電子版、ご注意!第8巻のみ電子書籍専売です》

(ホビージャパン様HJノベルス)

※第1巻から8巻の一気読みはいかがでしょうか。


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

既刊第1巻~5巻大好評発売中!

《紙版、電子版》

何卒宜しくお願い致します。

コミックスの第1巻、第3巻、第4巻は重版しました!

皆様のおかげです。ありがとうございます。

今後とも宜しくお願い致します。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。


WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が購読可能です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、


⛤『外れスキルの屑と言われ追放された最底辺の俺が大逆襲のリスタート! 最強賢者への道を歩み出す!「頼む、戻ってくれ」と言われても、もう遅い!』《連載中》


⛤『冒険者クラン新人選択希望会議でドラフト1位指名された無名最底辺の俺が、最強への道を歩みだす話!』《完結済み》


⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのあ

る王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』《完結》

⛤『異世界ゲームへモブ転生! 俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件!』《完結》

も何卒宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ