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『グランドファンタジア・闇の大地』をつくってみた  作者: 葉月 優奈
三話:キャンプ場の巨象をつくってみた
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(EFUNE’S EYES)

翌日、私はこの一軒家の中にいた。

いた場所は、リビングではない。

私たちの世界は、作られた世界だ。神々の世界で、私はそれを知っていた。

作ったのは、道標(インディケーター)という集団。


その中の一人が、彼……『鹿山 遼』という男だ。

神『鹿山』が作るのは、音楽。だけど、楽器を持っているわけではない。

しかも、彼は音楽に詳しいわけではない。


あるのは、パソコンだけ。

近くには、楽譜の本が何冊か置かれていた。


「ここでは、音楽を作っていたのか?」

「俺は音楽担当だ、ゲーム音楽を、作ることが出来る」

「ふむ」私はパソコンを見ている、鹿山をじっと見ていた。

鹿山はパソコンを操作しながら、パソコンから音楽が流れていた。


「この曲、いつも私の城(トーリー)で流れているぞ」

「そうだろう、俺が作っているからな。魔城トーリーの楽曲、その名も『魔城』」

かっこつけて、鹿山は曲を流していた。


「でも、どうやって作るんだ?」

「まあ、曲作りの基本は組み合わせだよ」

画面には音楽ソフトを、起動していた鹿山。

慣れた手つきで、操作していく。


「音の素材はネットでも落ちているから、フリー素材を集めて組み合わせる。

一つ一つは、独立した音だけど繋ぐと意外と音楽になるんだ。

音楽というのは、組み合わせの上で成り立つ芸術なんだぜ」

「よく分からんが……」

鹿山が、音楽ソフトを操作していた。

パソコンのスピーカーから、一つのドラム音が聞こえた。


「このドラム音に、こちらのギターの音を組み合わせると……」

「ちょっとかっこよく聞こえるぞ」

「それが一つのコードだ。

基本コードはいくつもあって、それらの曲調やテンポを変えて……曲に仕上げる」

「でも楽器は?」

「不要だ。何もいらない。

今の作曲家は、楽譜を見なくても曲は作れる。この俺様のようにな」

かっこつけていた鹿山に、私は呆れていた。


「うーむ、しかし外に行きたかったぞ」

「仕方ないだろ、今回はスピカを連れて行くって男駆が決めていたしな」

「むー」外に出られない私は、不満そうな顔を見せていた。

そんな私の上に、一人の女が寄りかかった。


「エフネ様……」

「ペストラ、私に寄りかかるな」

「だって……眠たいのですよ」

「それでも私に寄りかかるな。重いぞ」

小さな私に、同じく小さな黒髪のペストラが寄りかかってきた。


巨人族でもあるペストラが着ている服は、なぜか男駆のワイシャツを着ていた。

彼女は、自在に体を大きくすることが出来た。

だけど、大きくなるとこの地球では様々な問題が起こると言うことで小さい体を維持させていた。

そんなペストラの体にも、精霊印があった。

精霊印のあった場所は、お尻だったけど。


(彼女も、パイアも、魔王軍だ。

巨人族は、魔王軍に手を貸した盟友。その長であるペストラに……なんであんな印があるのだろうか)

精霊王オベロンの印だ。

だが、この魔法は私たち『悪魔魔法』ではない。人間が使う精霊魔法の一種だ。


「離れろ」私に絡んでくるペストラは、馬鹿力だ。

小さな体のペストラだけど私は、簡単に押し倒されてしまう。

それを、呆れた様子で見ている鹿山。


「仲がいいな」

「こら、お前は助けよ」

「じゃれ合っていて、いいじゃないか。俺は、そういうの、俺は嫌いじゃ無いぞ」

「むうっ、これでも私は魔王の娘で……」

「俺は神なんかじゃ無いのか」

鹿山に言われて、私は言い返せない。

私たちの作った世界を、作ってくれた神だ。

それでも、何とか寝ぼけたペストラをどかして鹿山のパソコンを見ていた。


「ふむ、それにしても……記憶が無いのか?」

「ああ、全くだ」

「オベロンの鏡の話もか?」

「ああ、円に引きずりこまれたところまでは微かに記憶がある程度。

エフネは、魔法が使えるのだろう」

「一応はな。だが魔力源が、ここはとても弱い。

だから私の魔法の効果は、大幅に落ちている。

私の魔法でペストラの意識を取り戻すことも、出来なかったしな」

「でも、今のペストラは……エフネ様のもので……」

「暑苦しいぞ」ペストラが、重そうに絡み続けた。

見た目は少女……いや黒髪幼女だけど私よりもずっと重い。

それでも、何とか引き剥がしていた。


「まあ、今日も魔方円探しもしていた」

「魔物が出たんだって?あの脳筋勇者と一緒にか?

勇者の力は、どうやらそのまま使えるみたいだし」

「それが、一番納得できない」

私は、不満そうな顔を見せていた。


「だから、お留守番だ。いい子にしているんだ。エフネ様か?」

「そうです、エフネ様です~」ペストラが、なぜか私の代わりに反応していた。

だけど、私は考えていた。


(私は魔王の娘、こんなところで終わるはずがなかろうに)

ある事を考えながら、私は目の前の鹿山を見ていた。

そして、私は用意していた。一つの秘密兵器を。



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