015
五十土は、嵐のように訪問し、嵐のように帰っていった。
リビングでは、五十土がいなくなって静かになった。
俺はスマホの画面を見ながら、首を傾げていた。
五十土から、スマホの写真をもらって確認していた。
しかも、写真は2枚もあった。
(いや、あんなのが出ているとなれば……しかし)
俺は五十土の見せたスマホの写真が、頭から離れられない。
難しい顔で、俺はスマホを見ていた。
「どうした?」エフネが、心配そうな顔を見せた。
だけど、俺は首を傾げていた。
「ちょっと、考え事だ」
「神は一体何を、見たんだ?」
「ああ、俺が作ったキャラだ。
まさか、エフネやスピカの他にも、キャラが来ていたとはな」
「ほう、そうか。そういえば、この家にあった二つ……三つの魔方円は?」
だとすれば、ルドファークで何が起っているのだろうか。
俺が作ったキャラが、単にこちらに来るだけなのだろうか。
それとも……別の理由があるのだろうか。
誰がやっているのか、指示をしている人間も見当もつかない。
それと、五十土が最後に玄関前で言った一言。
「エフネちゃん、あの子の秘密は後で教えるから」
エフネに関して、五十土が何かを知っている様子だった。
エフネは、俺が作っていないキャラだ。
魔王バロルには、そもそも娘の設定はない。
そんな考えをしていると、スピカが俺の前にココアを差し出す。
「どうした?」
「ああ、何かがルドファークで起っているようだ」
「本当ですか?魔王が、まさか?」
「さあ、だけど近いうちに、何かが起こるのは確かだ。
この世界と、ルドファークで何をしようとしているのか……まだ分からないけど」
二週間前、鹿山がいなくなった。
この直前にエフネと、スピカがやってきた。
さらに遡ること一ヶ月前、恵太もいなくなった。
恵太がいなくなったとき、代わりに誰かが来たのだろうか。
恵太が疾走した時期は、『グランドファンタジア』の同人ゲームが発売されてからの出来事だ。
それがなんなのか、今のところ分からない。
分からないけど、俺は二人の顔を見合わせた。
「今から、俺の部屋に来てくれないか。
やって欲しいゲームが、あるんだ」
俺はスピカとエフネを、俺の部屋に招いていた。
そして、俺は覚悟を決めていた。
(このゲームで、今後のことを決めてみるか)
俺が招いた部屋には、パソコンがある。
そこには、既に『グランドファンタジア・闇の大陸』が立ち上がっていた。




