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『グランドファンタジア・闇の大地』をつくってみた  作者: 葉月 優奈
一話:勇者と幼女をつくってみた
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13/56

013

五十土先輩は、長い付き合いだ。

俺の中学の時、美術部の一つ上の先輩。

そして五十土は、突然現れることでも有名な先輩でもあった。

玄関には、地味な赤シャツの俺が出てきた。

五十土は、白のブラウスを着ていた大人の女性。


「あら、出てくるのは女の子じゃないのね」

「最初は俺ですよ」

「見に来たのよ。ゲームのキャラが、『仙志荘』に来ているんでしょ」

「まあ、そうだな」

スピカとエフネの話をしているが、芝童森はあまり興味を示さなかった。

しかも、この家の家主なのにもかかわらずだ。

だけど五十土は、興味を示して夜でもこうして乗り込んできた。


「酒は、飲んで無いっすか?」

「勿論よ、さあ早速あたしに会わせて頂戴。

あたしの大事な大事な子供達に」妙なテンションの五十土だ。

長い付き合いで、俺はよく知っていた。五十土の性格を。


「まあ、問題ないでしょうし」

「やった」五十土は、嬉しそうにしていた。

そのまま廊下を進み、リビングに案内すると二人の女がこたつに座っていた。


「おお……女だ」

「その方は?」

「ああ、インディケーター……俺と同じ神だ。彼女の名は……」

「ちょっと待って、神って?」五十土がすかさず突っ込む。

「ああ、二人ともルドファークから来た、グランドファンタジアのキャラだ。

だからこそ俺たちインディケーターを、神と呼ぶ。

そして、こちらの女性が……五十土という神。神の創造は……」

「グラフィックデザイナー兼マップクリエイター。

須原 五十土よ。あたしを五十土女神様って呼んで頂戴」

五十土先輩は、かわいらしくウィンクして見せた。


五十土の登場に、スピカはキョトンとしていた。

エフネは、なぜかスピカの服の裾を掴んでいた。


「こいつ、信用していいのか?」

「ああ、一応神だ。神『五十土』。俺と付き合いも長く……」

「怪しい女だ」エフネが警戒していた。

「怪しまなくていい……」

「そうですよ、エフネちゃん」

五十土に、名前を呼ばれてエフネは身震いをしていた。

俺は遠目で、不安げな顔を見せるエフネの心配をしていた。


「大丈夫か?」

「なんか、あの女……怖い」小声で、俺に耳打ちをするエフネ。

そのまま、こたつの中に入ってしまうエフネ。

一方普段からよく来る五十土は、慣れた様子でこたつに座っていた。

スピカが、動いてすぐにお茶を用意していた。かなり、気の利く勇者だ。


「さて、あたしが来た理由は二つ」

五十土は、こたつに座って指を立てていた。

元々、五十土は何度もこの仙志荘に来ていた。

ゲームの制作もあるし、徹夜をしたこともあった。


「一つはエフネちゃんと、スピカちゃんの顔を見に来たこと。

大丈夫?男駆に変なことをされていない?」

「されていないです」こたつから、なぜか警戒しつつ顔を出すエフネ。

「うん、うん」スピカもすぐに否定した。


「俺もしていないし、なにより俺は節度ある神だ」

「そう」だけど、五十土は俺の話を聞いていない。

五十土はスピカに出されたココアを飲みながら、微笑ましい顔で二人を見ていた。


「まあもう一つは……多分こっちがメインだけどね」

「もったいぶらないで教えろ!」

「魔城トーリーに存在する『転移魔方円』に、関してだよね」

「魔方円……とな」こたつに隠れたエフネが、一気に出てきた。

スピカも、この話を気にしないわけにはいかない。一気に、真顔が変わっていく。


「ああ、鹿山がいなくなった原因が……魔方円だ。

だが、最近は魔方円を見かけることもない。

魔方円が出現しないことで、手詰まり感が拭えないが。

スピカも、エフネも、魔方円でここに来ていた。

その一方で鹿山も、魔方円に取り込まれてしまった」

「ネットで、魔方円に関することをいっぱい調べたのよね。

そこで、いくつか魔方円がこの辺りにも見つかったのよ」

「あるんだ」

「ええ、ただ……魔方円が機能しているかは分からないけど」

五十土の話を、俺たち三人は聞いていた。


魔方円は、戻る手がかりだ。

アウトドア派の五十土の情報は、かなり頼りになる先輩だ。

おまけに『グランドファンタジア』のマップ担当だ。

魔方円の事も、よく知っていた。


「教えてくれ、魔方円はどこにある?」聞いたのはエフネ。

「その前に、魔方円に関して詳しく教えてくれないか?」

俺も、五十土に聞くことがあった。


「じゃあ、最初から説明するわね」

五十土は、片目をつぶりながら自分のスマホを取り出していた。



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