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『グランドファンタジア・闇の大地』をつくってみた  作者: 葉月 優奈
一話:勇者と幼女をつくってみた
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11/56

011

カフェから家に帰ったのは、夕方だった。

俺が帰る場所は、仙志荘。外観は、少し古い一軒家。

白い壁に赤い屋根が特長だ。

この辺りは一軒家の多い住宅街なので、他の家とはそれで見分けていた。


表札に『仙志荘』と書いてある一軒家の玄関は二つ。

表の玄関と、裏の勝手口だけ。無論、俺は自転車を止めて玄関から中に入った。


「おかえりなさい」

出迎えたのは、かなり短い髪から少し髪が伸びたスピカだ。

青いエプロンを着ていて、見た目はかわいらしい。

年齢は十八才の女の勇者は、家庭的な姿を見せて俺はドキッとした。


「ちょっと可愛くない?」

「そうか?」

「うん、後は女の子らしい言葉をすれば……いい感じだな」

「そういう子が、神『男駆』は好きなの?」

玄関の奥から、スマホを持ったエフネも姿を見せていた。

俺は二人に招かれて、玄関の中に入った。


この生活も、早二週間が経過していた。

鹿山がいなくなり、エフネとスピカが来た生活。

人は、これをハーレム生活とでも言うのだろうか。


確かに、スピカは俺がデザインしたキャラだから絶対可愛いと思う。

エフネは……正直な話、趣味ドンピシャだ。

つまり二人とも、滅茶苦茶可愛い。

そしていい魅力のある女との、ハーレム生活を満喫していた。


「それと、料理が出来ましたよ」

「そうか」勇者スピカは、意外と料理がうまい。

リビングに入り、こたつのテーブルには豪勢な料理が並んでいた。

肉料理がメインだけど、食材はあの冷蔵庫にあったのだろうか。


「この揚げ物は豆腐をあげていて……こっちは厚揚げを使って」

「このハンバーグっぽいの肉じゃ無いのか?」

「肉は無くても、工夫して食べるのが旅の料理だ」

「それは、随分と説得力あるな」

「私も、スピカの料理は……気に入っているぞ」

エフネが、完全にスピカに胃袋をつかまれていた。

スピカは、いいお嫁さんになりそうだ。これも、恵太の設定の影響だろうか。


「とりあえず、食べるか」

「そうだね……うん」ぎこちなく喋るスピカ。

エフネは、既に着席していた。

最近のこたつの席順も固定されていて、すんなりと俺たちは座っていた。

俺もジャンパーを脱いで、食事を取ることにした。


「それにしても、この世界の人間は魔法を使わないのだな」

「ああ、そうだ。

魔法使える奴がいたら、それこそ動画制作者あたりになるだろうな」

「動画制作者か」エフネは、スマホを見ようとしていた。

「エフネ、食事の時はスマホを見てはいけない」

「はーい」スピカが、エフネを叱った。

魔王の娘エフネが、勇者のスピカに素直に従う。

まるで母親……姉のような雰囲気だ。


「エフネは、随分スマホに慣れてきたんだな」

「うん、この情報社会だっけ、かなり面白い。

私の見聞が、次々と広がっていくぞ」

「それは良かった」

「それに、私は魔法が使えなくなったからな。

新しい武器を手に入れないと……いけない」

エフネの顔が、しんみりとしたモノに変わった。

だけど、すぐにエフネは顔を上げていた。


魔力源(ソーマ)だっけ?

この世界には、魔力源が少ない……そういうことだろ?」

「うむ、この世界に魔法文明が存在しない理由がそれだ」

エフネは得意分野の、魔法が使えない。

魔力源が薄いこの地球では、彼女は普通の幼女だ。

魔法が弱体化されて、効力が弱くなっていた。


「空気内には、魔力源が存在している。

微量の原子レベルで、魔法の力を増幅する。

私の中にも存在し……スピカの中にもある」

「俺の中には?」

「神『男駆』の中には、全く存在しないようだ」

エフネに言われて、ガッカリした俺。


「まあ、魔法を使う方法は他にあるかもしれない。

この世界で発動させようとすると、魔法自体が弱体化するからな」

「うーん、それは問題だな」

「でも、知識はある。私に任せてくれ。

魔方円の解析は、私の得意分野だ」

エフネは胸を張って、堂々としていた。

その小さなエフネを見ながら、俺はずっと考えていることがあった。


(本当に、この子は何者なのだろう)と。



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