5 作戦会議
「なっ!?」
「なっ!?神楽様、なぜ貴方様のようなお人がこのような場所に?」
上空から降り立ったのは、神楽さんだったのだ。
町のボヤ騒ぎに連続行方不明事件との関連性を予感して来たのだろう。
まぁ、この人の場合は仕事から逃げてきたと考えた方が妥当かもしれないが、、、
「あら?神崎さん、お久しぶりです。ちょっと、仕事がめんどうに、じゃない、町の方が騒がしかったようなので。」
完全に言っちゃったよこの人、基本的に完璧超人の神楽さんにも欠点はあるようで、仕事のことになるとなぜか集中が続かないようだ。
さらに、ちょっと抜けたところがあったりする。
これを本人の前で言ったら、何倍返しにされるか分からないので絶対に言わないが、、、
「そうでしたか。ご心配をお掛けして申し訳ございません。しかし、事件はただ今解決致しました。どうか仕事にお戻り下さい。」
あぁ〜、神崎父は親バカだけじゃなく、空気も読めない超まじめタイプの人間のようだ。
神楽さんは、神崎父の言葉を聞いて顔を歪めていたが、それは一瞬だったため、俺以外の人はおそらく見逃しているだろう。
「そのことなんだけど、こちらにもちょっと事情があってね、そこの子と犯人を私に貸してくれないかしら?」
神楽さんは、俺を指差して言った。どうやら、俺と親しい間柄にあることを隠しておきたいようだ。
それは、こちらとしてもありがたい。普通に考えて、グランドマスターと親しいレジスタントなどいるはずがないからな。
「左様でございますか。では、用事が済みましたらご連絡下さい。では、私は仕事がありますので娘と一緒に帰らせて頂きます。」
おいおい本音が隠せてないぞ。
絶対娘と一緒に帰りたいだけだろ。
「先生、先程は危ないところを助けて下さってありがとうございました」
「先生、我が娘を助けて頂き本当にありがとうございました。感謝しても、感謝しきれません。ぜひ機会があれば、我が家へいらして下さい。今後とも娘を宜しくお願いします」
あれ?俺さっきこの人に殺されかけなかったっけ?気のせいかな?
「はい、機会があれば、こちらこそ宜しくお願いします」
挨拶を済ませると、神崎は神崎父の腕につかまった。意外な光景に多少驚いていると、2人はいきなりその場から消えた。
どうやら神崎父は瞬間移動が使えるようだ。
プロフェッサーの多くが使えるとはいえ、流石としか言いようがない。
さて、そんなわけでこの場に残ったのは、神楽さんと俺と誘拐犯だけになった。
誘拐犯は、未だに気絶しているようだ。さすがにそろそろ起きてもよさそうだが、寝不足だったのだろうか?
「さあ、要ちゃん、私たちも帰りましょう。」
「そうですね。めんどくさいんで、3人まとめて瞬間移動で帰りませんか?」
「しょうがないわね〜、お子様なんだから、じゃあ手を掴んで」
♢♢♢♢♢♢♢♢
要たちは学園長室に戻ってきていた。
そこで仕事をしていた秘書らしき男性に多少驚かれたりはしたが、問題なく帰ってこれた。
おそらく彼こそが、神楽さんの仕事を肩代わりしている張本人であろう。
目の下には、当然のように深いクマができており、机の上には栄養ドリンクの空ビンが並んでいた。
本当にご愁傷様です。
「さて、要ちゃん、話を聞かせてもらえるかしら。」
その後、今日あったことやロイドという謎の人物について話した。
「なるほどね〜、まさか身内に犯人がいたとは。完全に私の責任だわ。」
「身内?どういうことですか?」
「そこの誘拐犯に直接確認を取ってないからまだ推測の域を出ないのだけれど、おそらく話に出てきたロイドというのは、ロイド=スミスのことだと思うわ」
神楽さんは、悲しさと悔しさが混ざったような顔をしながら言った。
「ロイド=スミスって誰なんですか?」
「彼は私の部下の1人よ。プロフェッサーでここら辺一帯の治安維持を任せてるの。今日会った神崎さんの同僚って感じね。
あまり信用がおけないタイプなのは確かなのだけれど、まさか人攫いをするとわね、、、」
「プロフェッサーって、マジですか、、、」
「とりあえず、そこの誘拐犯から情報を抜き取ってみましょうか」
そう言うと、神楽さんは未だに気絶している誘拐犯の頭に手を当て神術を発動した。
これは神楽さんの力の一部で、ブレインタッチだ。
対象の記憶を読み取ることができるらしい。
俺もこういう便利な力が欲しかったな〜。
使いにくい力があってもしょうがないからな。
そうこうしているうちに、読み取りが終わったようで神楽さんは頭から手を離した。
「残念だけど、私の予想は当たっていたわ。ロイドはまだ、私たちが真相にたどり着いたことに気づいていないはず。
今なら、逃げられる前に奇襲を仕掛けることができるはずよ。」
「そうとなれば、早急に手を打ちましょう!」
「ただ運が悪いことに、私はこの後他のグランドマスター達との会議があるの。
立場上、欠席することは出来ないし、、、
そこで、要ちゃん、働かせてばかりで悪いけれどロイドの対処お願いできないかしら?」
「まぁ、やりますけど、貸し1つですよ。」
「ふふっ、頼りになるわね。分かったわ、この私に貸しをつくれる機会なんてそうそうないんだから、心配はしてないけれど気をつけてね。」
「それにしても、レジスタントにプロフェッサーを倒せなんて無理難題よく頼めますね。」
ちょっと神楽さんにいじわるしてやろうと言ってみた。
「あなたのは、自称レジスタントでしょ!確かに私でも、要ちゃんから神聖力を感じることはできないわ。でもね、あなたからはそれ以上の何かを感じるわ。
まぁ、それを感じることができるのは最低でもマスターの実力は必要だろうから、一般人から見たらあなたは、完全にレジスタントってことになるわね」
「まぁそうかもしれないですね」
自分から振っておいて自分の詮索をされそうになると、急に口が硬くなる要なのであった。
それから神楽さんにロイドの屋敷の場所や能力について教えてもらい具体的な作戦を練った。
あらかた作戦が決まったところで、急に神楽さんが真剣な顔をして、こちらを見つめてきた。
性格はおいといて、大人の色気と美しさを持った神楽さんに、こんなに見つめてられると思わず緊張してしまう。
「要ちゃん、おそらく行方不明になってる人たちは、ロイドの屋敷のどこかに監禁されている可能性が高いわ。
だから、助け出して欲しいのだけれど、もし中澤みかんという名前の子がいたら、ここに連れてきて欲しいの。
お願いできるかしら?」
「中澤みかんさんですね。了解です。
もしかして、昨日から神楽さんが少し悲しい顔をしていたのは、その人が心配だったからですか?」
それを聞くと、神楽さんはちょっと照れくさそうにしていた。
普段こんな顔はしないので、不覚にもかわいいと思ってしまった。
「まぁ、そうね。彼女は去年まで要ちゃんのクラスの担任をしていたの。でも、春休みの間にいきなり行方不明になっちゃってね、、、
彼女はなにかとミスばかりしていたようだけれど、あのクラスの子からは本当に慕われていたわ。
まだあのクラスには、彼女が必要な気がするの。あぁ、これは、要ちゃんがダメってことじゃないのよ。
だから、もし無事で帰ってきたらあなたのクラスの副担任を任せようと思ってるわ」
「そうだったんですね、、、全力で探して連れ帰ってみせますよ」
神楽さんは、それまで思い詰めたような表情をしていたが、少し安心したようだ。
「お願いね、要ちゃん。じゃあ私はそろそろ行かなくちゃだから、帰ってきたらいい報告を聞かせてちょうだいね」
そう言い残すと、神楽さんはその場から消えた。
短くてごめんなさい。
時間はあるんですけどなかなか進まないです。
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