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3 授業してみた

「よーし、じゃあ今日の授業は歴史についてだ。

じゃあ、手賀崎!今は新世界暦何年だ?」


「え〜と、325年っす。」


「そうだな、人類の歴史のうえで、最大のターニングポイントとなったのが、325年前の8月10日だ。これは常識だが、この日は審判の日と呼ばれている。そして、この日を境に旧世界と新世界が分けられている訳だ。」


「せんせ〜い、しんぱんのひってなにがあったの?」


「うーん、7柱の神が降臨した結果、人が神聖力を持つようになったことだけは確かなんだが、それ以上のことはまだ判明してないな。まぁーあと強いて言うなら、神獣も同時に出現したとかかなぁ。」


「せんせいは、もっとしってるとおもうけどな〜」


「すまん、俺が教えることができるのはこれだけだ。あと言うとするなら、神は7人の人間に直接力を授けたと言われている。お前らも一度は聞いたことあると思うが、七撰神王のことだな。」


「ふ〜ん。’’7人’’ね。」


こいつ、やっぱりなんかあるな。

そう言えば、昨日も俺の力がどうとか言ってたし。

もしかして、神楽さんから色々聞いてるのかもしれないな。

でも、なんか違和感があるんだよなぁ


纏う雰囲気がマスターのそれな気がするしな、しかもあの手賀崎を圧倒するだけの身体能力もあるし、、、


ん?


まて、


ってか神楽さんの妹ってことは、確実にマスター以上の実力者じゃねぇかよ!


マスターとプロフェッサーの間には大きな壁があると言われているが、その1つの理由が寿命だ。


マスターは膨大な神聖力を保有していることにより、不老長寿になっている。


つまり、審判の日以前の旧世界人である神楽さんの妹ということは、藍染桜楽も同じく旧世界の人間であるということになる。


なんで、こんな簡単な事に気がつかなかったんだ!

マスターでありながら、グランドマスターではないってことは、はぐれマスターの1人がこんなところにいたのか!?


まさか大罪!?


それは、ないか、、、


わざわざレジスタントとしてこのクラスにいるってことは、何か力を隠したい事情があるのかもしれないな。

あとで、神楽さんに聞いてみよう。


しかし、俺の詮索をしてくるのは厄介だな。

逆にちょっとカマをかけてやるか。


「手賀崎、お前の服なかなか見ないけどかっこいいなぁ。なんて名前の服なんだ?」


「おっ!さすが先生!この良さがわかるんすね!でも、なんだっけなぁ、ムロランみたいな、、、感じだったような〜

すみません。分かんないっす。」


「しのぶちゃんは、じぶんのきてるふくのなまえもわからないだね〜。ふっふっ

それは、がくらんっていうんだよ〜。」


「っち!そんだそうだ!学ランだ!ちょっとど忘れしてただけだよっ!」


かかった!新世界の日本に於いて、学ランを着ているのは、おそらく手賀崎だけだろう。

それにも関わらず、学ランの名前を知っていたという事は、確実に藍染は旧世界の人間で間違いない!


手賀崎が予想通りのバカで助かった

見たか!この俺の完璧な作戦を!

さすが俺頭良いわ〜


「へー、学ランっていうのかー。

それにしても、なんで藍染は名前を知ってたんだ?」


「、、、ふ〜ん、せんせいっていじわるなんだ。」


よし!流石に妹は、まだまだ神楽さんの口の強さには程遠いようだ。

大人気ないって?そんなのはこの際どうでもいい!


まぁ、周りの生徒は頭に?を浮かべているがおそらく藍染にも事情がありそうなので、ここらへんにしておこう。


「まぁ、どうでもいい話はここら辺にして、続きやるぞー。」


「ちょっと、先生!どうでもいいってなんすかっ!」


「まぁまぁ、じゃあ手賀崎、審判の日から7日間のことを何と呼ぶか知ってるか?」


「アルマゲドンっすよね。人類の約半数が失われたって言われてる。」


「そのとおり、手賀崎も言ってくれたが、アルマゲドンで世界人口の約半数にのぼる47億人もの人が亡くなった。

まあ、世界が滅亡しかけたって感じだ。」


「旧世界の社会制度が崩壊した事によって起こった人々の殺し合いの他に、5人の大罪人によって約30億人の人が殺されたとされている。」


「しかも、この5人は未だに捕まってないんだ。わかってるのは、5人全員がマスターであるってことだけだな。

無いとは思うが、もし大罪に出くわしたら、すぐに逃げるんだぞー。」


「また脱線したが、話を戻すとアルマゲドンを最小限の被害で乗り越えることができたのは、グランドマスターたちのおかげだな。」


「じゃあ神崎、グランドマスターは何人いる?」


「23人ですわ。」


「そうだな。アルマゲドンで世界が大混乱しているとき、マスターの中でも特出した力を有する4人がいち早く協働して、他の19人のマスター達に協力を要請したんだ。この23人で世界を分割して、マスターの絶対的な力をもって担当範囲の治安を維持する仕組みが、グランドマスター制度だな」


「じゃあ誰かグランドマスターの名前知ってるやついるか?」


「藍染神楽様ですわ」


「まぁこの学園の学園長だし、みんな知ってるよな。世界的に見ても、グランドマスターが身近にいるなんて相当珍しいんだからな!

学べることは、どんどん学んでいけよ〜」


「つっても先生、なんか特別な式以外、学園長に会ったことないんすけど。それも、顔隠してましたし」


「は?お前はしょっちゅう会ってるだろ?

って、コレは言っちゃダメなんだった。今のなしっ!」


「どういうことすか?先生、たまにおかしいですよ」


「とりあえず忘れてくれ、って無駄話をしてたら、もう時間だな。今日はここまで」

 


〜放課後〜



よし、今日も見回りに行くとしますか。

ちょうど、うちのクラスの生徒たちが帰宅する時間だから、行方不明になるとしたら今だろう。


無能力者の若い女性を狙っているってことは、おそらく神術を用いないで何者かに連れ去れてる可能性が高いな。


神楽さんも当てにできない以上、地道にやるしかないが、、、

とりあえず、うちの生徒たちを探してみるか。


屋根の上を走り回る影が1つ。

側から見たら、完全に不審者か厨二病にしか見えないが、本人はそんな事には気づくはずもなく、至って真面目に原因究明に励むのだった。


ちなみに、その日屋根から謎の足音がすることで、警察に通報が殺到したとかしないとか、、、


たぶんこの辺に誰かしらいると思うんだけどなぁ〜


「おっいた!あれは神崎か、家が裕福そうだし歩いて帰ってるのは意外だな。

ちょっと見張ってみるか、、、」


あの取り巻きが2、3人常にいそうな見た目をしている神崎でさえ、1人で下校してるところを見ると、やはりレジスタントへの差別は、かなり深刻なのかもしれないな。


新世界になって、約300年経つが能力者の階級差別は日に日に増しているようだ。

上の位階の人間は、下の位階の人間を見下し、差別し、下の位階の人間は、また更に下の位階の人間を差別するという悪循環になってしまっている。

そして、最下層のレジスタントへの差別は特に酷いことになっているわけだ。


さらに深刻なのが、差別される側よりも、差別する側の方が圧倒的に人口が多いことだ。


旧世界では、少数の支配者層が多数の被支配者層を支配するという構図が良く見られた。そして、その圧倒的な数により支配者たちを撃ち破り支配から逃れてきた。


しかし、新世界に於いてレジスタントは、世界人口の16%程度しかおらず、また能力者との間には圧倒的な力の差があるため、数でも力でも劣っており、差別から逃れることが出来なくなってしまっている。


おそらく、この連続行方不明事件もレジスタントへの差別が、一つの要因となっていることは間違いない。


俺はさっきから、神崎の約100m後方を屋根伝いに尾行してるわけだが、さっきから神崎は何者かにつけられているようだ。


お前だろって?まぁ間違いではないが、、

あくまで、生徒の安全のためだ!だ!


して、つけている男は何かしらの方法で神聖力を隠してはいるが、どうやらナイト程度の実力があるようだ。若いレジスタントの女性をつける実力者ということは、まず間違いなく誘拐犯だろう。


どうやら、見回り2日目にして当たりを引き当てたようだ。

我ながら運が良い!

あっ、生徒の心配しなきゃ。

ダイジョウブカナ〜


誘拐犯は完全に神崎をロックオンしているようで、どんどん2人の距離が縮まっている。


残り20mとなったところで、誘拐犯が一気に走り出した。

さすがナイトというところか、一瞬のうちにその距離を縮め、神崎に迫る。


神崎は特に反応することもなく、家への歩みを進めていく。万事休すか!


不審者の手が神崎に届くか届かないかのところで、突然神崎が下にフッとかがみ込んだ。


「マジか、、、」


思わず口に出してしまった。

手賀崎といい、神崎といい、本当にレジスタント離れしてやがる。

まさかナイト程度の実力がある誘拐犯の接近に気づき、完璧に避けきるとは思わなかった。


マジで俺がこのクラスの担任で大丈夫か心配になってきたぞ。


とか考えてる間に、向こうの状況は進んでるようだが、さすがの神崎といえどナイト相手では分が悪いようだ。


さっきから、誘拐犯の攻撃をギリギリでいなしている。

神崎は確か薙刀術がどうとか言ってたから、素手だけでかなり善戦しているようだが、そろそろ限界が近いな。


「お前ホントにレジスタントかよ!?

神術を使ってないとはいえ、ここまでやるとは、ロイドさんにやるのがもったいないぜ。」


「はぁ、はぁ、あなたが、最近話題の誘拐犯ですわね。ここまで強いとは多少計算が狂いましたわ」


「どうだろうなぁ。まぁすぐにわかると思うが、時間もないしそろそろ終わらせてもらうぜっ!」


男はそう言うと、今までとは段違いの速さで神崎に殴りかかった。


さすがの神崎も、これには反応できなかったようで、男の拳が直前に迫っても防御耐性を取れていない。


バシッ!


誘拐犯の一撃が神崎に当たる直前、要は2人の間に身体を滑り込ませ、誘拐犯から繰り出された右手を掴んだ。


誘拐犯もこれには驚いたらしく、目をパチクリさせている。


「ふぅ、間に合って良かった。今のはなかなかギリギリだったな。」

なかなか書くのは難しいですね。

お読み頂きありがとうございます。

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