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16 弟子入り

詩音の救出を果たした忍と要は、神楽と合流して、ひとまず手賀崎道場へ帰ることにした。


今、忍は妹の様子をみており、要と神楽は客間で一息ついている。


「救出できたのはよかったですけど、何も情報なしですか、」


「そんなこともないわよ。私が金華山とこの生徒たちから情報を聞いてきたもの」


「マジですか!?いつの間に、」


「私を誰だと思ってるのかしら?」


「そうですよね。天下のグランドマスター様ですもんね〜、それにしても、まさか情報を聞き出すために、生徒に神術使ってませんよね?」


「あら?要ちゃんは私のこの美貌が見えないのかしら?私が質問したら、誰だって嫌な顔1つせず答えてくれるわよ。あなたという例外を除いてね」


それを聞いた要は、露骨に顔をしかめた。

確かに見た目は完璧なんだろうけど、中身がこれじゃね〜

あと年齢もね〜


「要ちゃん?死にたいのかしら?今すぐあなたが今何を考えていたのか、読み取ってあげてもいいのよ?」


神楽さんはものすごい笑顔で語りかけてくるが、目だけは笑っていない。むしろ、人殺しの目をしている。

怖すぎるってこの人、そういうところだよなぁ。


「まだ何かあるのかしら?要ちゃん?」


「い、いや、何でもないですよ。神楽さんの美しさに見惚れていただけです」


「そっ、」


神楽さんはまんざらでもなさそうに答える。


怖っ!常に人の心を読む力かなんか持ってるだろこの人!

まてまて、今は真剣な話し合いの場であるはずだ。

こんなことで戯れている場合ではないな。


「それで、生徒たちからは、どんな情報を聞き出せたんですか?」


要は打って変わって真剣な表情で神楽に尋ねた。すると、神楽もそれに応えるように、雰囲気を一変させる。


「それが、5日後、この道場に道場破りをしかけるそうよ。

勝ち抜き戦で、もし忍ちゃんが負けたら、この道場と土地を売却することに同意する条件みたいね」


神楽は言いながら、金華山道場のやり方に嫌悪感を丸出しにしている。要は、嫌悪よりも驚きの方が大きかったようだ。


「なんだそれ、そんなの手賀崎にとってなんのメリットもないじゃないですか。そんな条件なら、流石の手賀崎でも受けないんじゃないですか?」


「それがそうでもないのよ。もし忍ちゃんが勝ったら、今後一切この道場には関わらないという条件らしいわ。そして、直近で妹が攫われ、危険に晒されている。1人しかいない家族を守るために、忍ちゃんなら確実に受けるでしょうね」


神楽の話を聞き、要は納得するとともに、嫌悪感を丸出しにする。


「ちっ、とことんムカつくやつらだな。やり方が汚すぎる。神楽さんならこの状況なんとかできるんじゃないですか?」


要の質問に神楽はゆっくりと顔を横に振った。


「私は学園長という立場の前に、グランドマスターという立場があるの。もちろん、生徒の危機は放っておけないけれど、それ以上にグランドマスターとして、中立を守る必要性がある。この問題は、個人では無くあくまで道場同士の問題。私が特定の集団に肩入れしたとなると、グランドマスターの信頼が揺らぐことになりかねない。そしてそれは、私だけの問題ではなくなってしまうわ、、」


神楽さんも本当はこの問題を何とかしたいのだろう。話している顔を見ればわかる。

たしかに、神楽さんは立場があまりもにも上すぎて、下手に動くことができない。


それならば、この問題を解決できるのは、自由に動ける俺しかいないだろうな。


「今、この問題はあくまで道場同士の問題と言いましたよね?それなら、俺がこの道場に弟子入りすれば、全て解決ですね」


「そういう結論になるわよね。でも、金華山の連中がそれで納得するかしら?あなた強すぎるもの」


要はニヤリとして言う。


「納得するも何も、してもらわなきゃ困ります。なんたって、俺はレジスタントなんですから」


神楽はあきれた表情をしたものの、レジスタント差別意識が強い金華山の連中ならば、案外いけるかもしれないと考えいた。


「前にもこの話はしたけれど、あなたのはあくまで自称でしょ。でも、試合をさせてもらうことはできるでしょうね。負けたあと、チケをつけてくる可能性はあるけれど」


もう神楽の中では、要が手賀崎道場に弟子入りする時点で、金華山道場の敗北は決定していた。


「うーん、それは面倒だなぁ。何か連中を黙らせる方法があればいいんだけど、、、」


少し考えていた要は、ハッとしたように顔を上げた。


「そうだ!手賀崎を鍛え上げて最強にしちゃいばいいんだ!

アリスに力を借りればなんとかなるだろ。うん!さらには、あの計画も進めることができる!」


要はゲスい顔をしながら笑っている。それもそのはず、あの計画とは、忍に桜楽を倒させて役得シュチュエーションに持ち込む、あの計画のことだ。


神楽はそんな要を見ながら、またもや呆れ顔をしていた。


「それは却下ね。どんな方法を使うのか知らないけど、金華山の連中は忍ちゃんの実力を把握してるはず。この短期間でいきなり強くなったら、不自然すぎるわ」


た、確かに。いや、でも、そこはなんとかなりそうな、なんか、こう、「いつから俺が本気を出していたと錯覚していた。」みたいなので、なんとかならないかなぁ


自分の欲望をどうしても叶えたいクズな要なのであった。


「私もあくまで中立な立場から動かせてもらうことにするわ。金華山のやり方が気に食わないのは本当だし、少しぐらいいたずらしてもいいでしょ?」


神楽は普段の大人っぽい雰囲気とは全く違う、少し幼さを感じさせる、何か企んでるような顔をして言った。


うーん、この顔はずるいですね〜

ギャップというのでしょうか?美人のかわいい顔、ましてや、神楽さんのこういう顔はレアすぎる、、、


いや、ダメだ要!見た目に騙されては!きっと頭の中では、えげつないいたずらを考えているに違いない。


まぁ、この人が動くなら何とかなりそうだな。


頭の中で、ものすごく失礼なことを考えていながら、神楽に対する信頼度は高い要なのであった。




すると、その時客間の襖が開けられた。

要と神楽の視点が一気に集中する。


そこに立っていたのは、詩音であった。その背後には、まだ心配そうな顔をしている忍が立っている。


そこで、いきなり詩音が話し出した。


「助けてくれて本当にありがとうございます!

兄から話は聞きました。要先生!すっっごく強いんですね、助けてくれてありがとうございます。

保健室の先生も、忙しい中サポートしてくださってありがとうございます!」


なんか清々しい子だなぁ。さっきまで拐われていたとは思えないほど元気だ。それに、手賀崎と違ってめちゃくちゃしっかりしている。


両親が早くに亡くなられていると聞いたときは、心配したが、どうやら不要な心配だったようだ。


「いいのよ〜、生徒の問題を解決するのも私たちの役目だから。それより、もう体調は大丈夫なの?」


神楽さんは、詩音ちゃんを気に入ったのが丸わかりするほど、顔を笑顔にしている。


「はい!もう、へっちゃらです」


詩音は元気はつらつっと言った笑顔で返事をする。


「俺も担任としてできることをしただけだから、何もかしこまらなくていいよ。とりあえず無事で良かった」


そこで、いままで詩音の後ろにいた忍が前に出てきた。


「俺からも改めてありがとうございました。

感謝しても感謝しきれません。この恩はかならずどこかで返します!」


「いや!だからかしこまる必要はないから、その言葉だけで十分すぎるよ。それに、1番詩音ちゃんのことを心配して、1番見つけるために頑張っていたのは、手賀崎のはずだろ」


それを聞いた手賀崎は、まだ煮え切らないかんじだ。

さすがは貸し借りがしっかりしているヤンキーといったところか。


すると、詩音が今度は忍の方に向かって頭を下げた。


「お兄ちゃんもありがとう。心配かけてごめんね。

これからはもっと気をつけるし、自分で解決できるくらい強くなる!」


忍は急に恥ずかしくなったのか、顔を逸らしてしまう。


「まぁ、無事でよかったよ。助けるのは、家族なんだから当たり前だろ、あんまり心配かけんなよ、、、」


素直じゃないなぁ、兄妹喧嘩したとか言っていたが、これは手賀崎の方に問題があるんじゃないか?

まぁ、口を出すことでもないか、


「ただ、まだ問題が解決したわけじゃないの。これから、難しい話をするから、2人とも座ってちょうだい」


神楽の真剣な表情に、さっきまでの和やかな雰囲気はどこかへ消え去り、2人も真剣な面持ちで席につくのであった。


それから、神楽さんが金華山の生徒から聞き出した内容と、それに対する対策を4人で話し合った。


「という訳で、この道場に弟子入りさせてくれ」


「えぇぇえっ!いやいや、先生の方が全然強いじゃないですか!どっちかって言ったら、俺が先生に弟子入りしたいっすよ」


「いやいや、これはどっちが強いとか関係ないだろ?

とにかく弟子入りすれば、俺が道場破りに対抗できる。

本当はお前1人で解決したいだろうが、条件が条件だけに担任として黙ってられないな」


それを聞いた手賀崎は、うんうん唸っている。

なかなか自分の気持ちに折り合いをつけるのが難しいようだ。


妹の救出も手伝わせて、そこにさらに、道場破りに対抗するための手伝いとなると、なかなか気が重いのはわかる。


それに見かねた神楽さんも追い討ちをかける。


「忍ちゃん?変な意地を張っている場合ではないのよ?

それに、今回はピンチでもあればチャンスでもあるの。

この要ちゃんが力を貸せば、確実に勝利できることは、私が保証するわ」


ん?なんかいいんだけど期待値がすごいなぁ。

これでめちゃくちゃ強い奴とか出てきたらどうしよう、


「そうっすよね、わかりました。先生の弟子入りを認めます。これから、少しの間ですけど引き続きよろしくお願いします」


「おう!任せてとけ!」


こうして、要は無事、忍の弟子となることができたのだった。




超久しぶりに時間ができたので、続きを書きました。

これからもぼちぼち投稿していきます。

評価やブックマークよろしくお願いします。

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