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15 詩音救出作戦

手賀崎家を出た要と忍は、アリスにもらったコンパスを頼りに詩音を探していた。


コンパスは常に一点を指し示しており、どうやら正常に動いているようだ。


アリスは本当に優秀だな。一家に一人アリスがいたら世の中の大半の問題は解決してしまうだろう。


2人はとりあえずコンパスの示す方向に一直線に向かっていた。


要は屋根の上を渡って行けるが、忍は難しそうなのでショートカットはできないが、最短距離で進んでいる。


よし、この調子ならすぐに見つけられるな。

だけどこんなに上手く事が進むと逆に怖いなぁ


特大のフラグを立てていく要であった。


2人は海の近くの倉庫街に来ていた。ここら辺は、使われてない建物も多いので、監禁されているとしたらこの倉庫のどこかだろう。


「コンパスの向きはどんな感じだ?」


「まだ、ずっと同じ方向っすね。ここら辺の倉庫とかにいそうな感じっすけどね。」


それから暫く歩き回った2人はやっとコンパスの針が向きを変える位置を見つけた。


さらに歩き回った結果、1つの建物の方にコンパスの針が集中している事がわかった。


「ここだな、、、」


「そうっすね。」


さっきまで冒険気分だった2人の間に緊張が走った。

周りに監視をしている人はいないようだ。


「俺はあそこの窓から中の様子を覗いて、行けそうだったら突入するから、手賀崎はここでこのまま待機してくれ。」


「俺も行かせて下さい!」


「ダメだ、担任として生徒を危険な目に合わせることはできない。それに、もし詩音ちゃんが目の前で兄が傷つけられるところを見たらどう思う?お願いだ、言うことを聞いてくれ。」


「、、、、分かりました。ただ、危なくなったらすぐに読んで下さい。」


「分かった。」


要は手賀崎を何とか納得させると、倉庫の2階部分にある小窓へと向かった。


要が小窓から中を覗くと、6人の男たちに囲まれている詩音の姿が確認できた。


力の感じからしてエスパー程度の能力者しかいないようだ。

たまにはこれくらい楽できるとありがたいよな。


そう考えてみると、今までが異常だったのだ。

ナイトやら狂ったプロフェッサーやらなんでそんな奴らと一教員の俺がやり合わなければいけないんだ。

神楽さんに給料UPを請求しなくては、


要は小窓をそっと開けると、音を全く立てずに侵入し、急降下して倉庫内に着地した。


この時点で要の侵入に気づいている者はおらず、その一連の動作はまるで忍者のようであった。


積み上げられた荷物の影に身を潜めた要は、男たちに近づくと耳をそばだてた。


「ボス、このガキなかなか上物じゃないですか?見張っとけって言われただけなら、やっちゃっていいんじゃないですか?」


「おいおい、こんなガキに発情してんのか?それに、俺が受けた依頼はこのガキを傷つけずにここで見張っとけって内容だ。」


「っち、分かりましたよ。それにしても、どこのどいつかも分からないやつの依頼なんて受けて良かったんですか?」


「あれだけの金を用意されたら受けないわけにもいかないだろ。金さえあれば何でもやるのがうちの方針だからな。」


どうやらゲスも混じっているが、リーダーと思われる男は、そこそこまともなようだな。


こいつらは何者かに雇われたただの下請けみたいだが、依頼者の情報が得られないとすると、また振り出しに戻るのか。めんどくさいな。


ヒーローは遅れてやってくるって言うが、まぁ、手っ取り早く片付けるか。


要は物影から出ると、まるで男たちの仲間のような足取りで男たちのもとへ向かっていった。


ようやく近くで詩音ちゃんの様子を確認できたが、特に外傷のようなものはなく、今は眠ってしまっているようだ。

一先ず安心と言えるだろう。


ただ、さすがにそこまでバカではなかったのか、男の1人にすぐに気づかれてしまった。


「誰だ!?」


最初男たちは驚いていたが、要から神聖力が感じられない事が分かると顔をニヤつかせている。


「なんだ、ただのカスか、びっくりさせやがって。」


「コレを見られたからには生きては返せないなぁ。呪うんだったら、こんなとこに来ちまった自分を呪うんだな。」


要をレジスタントだと判断した男たちは、偶然ここに迷い込んできたのだと勘違いしているようだ。


「風死!」


男の1人が笑いながら神術を発動させて、風の刃を放ってきた。


普通のレジスタントだったなら、これで即死だろうから余裕なのも肯けるが、さすがに油断しすぎでは無いだろうか?


要は高速で迫る風の刃が自らのもとに届く前に動き始めると、一気に神術を発動した男の胸に潜り込むと、腹を弱めに殴った。


殴られた男は何が起こったのかも分からないまま吹き飛ばされていったが、その方向にはもう1人の仲間がいたため、その男も一緒に飛んでいき壁に激突した。


よっし!ダブルヒット!

なんかピクピクしてるし気絶してるだろうな。


目の前で何が起こったのかをすぐに理解する事が出来なかったのか、残された男たちと要の間には少しの沈黙が流れた。


「なんなんだコイツは!?」


やっと状況が理解できたようだ。レジスタントの雑魚ですぐに殺せると思っていた相手が、仲間を2人も気絶させたのだ。

こうなるのも無理はないのかもしれない。


正常な思考を取り戻した男たちは、懐から銃を取り出した。


しかもそれは、神術の研究をもとに開発された最新型のレーザーガンだったのだ。


奴らの切り札はこれか。コイツらの服装からして

、このレーザーガンは依頼人から支給されたものだろうな。飛び道具は厄介だな。


これは手賀崎を連れて来なくて正解だったな。


男たちには、もう要に対する油断は一切なく倉庫内は殺気で満ち溢れている。


リーダーが最初の1発を撃つと、それに続けて部下の男たちも要を包囲するように撃ってきた。


この銃の凶悪なところは、弾のスピードが恐ろしく速いことの他に、使用者の神聖力が尽きない限り永遠に撃ち続けることができるところだ。


そもそも対神獣用に作られた最新兵器であり、その威力は人がくらえば体がドロドロに溶けてしまうほどだ。


大量のエネルギー弾が要のもとへ殺到した。

ヤったのを確信したリーダーが、撃つのをやめるとそれに続いて部下も銃を下ろしていく。


さっきまで要が立っていた場所は、レーザーによって床のコンクリートが融解し赤く光っている。


こわっ!人相手に使うもんじゃないだろ!


要はレーザー弾が殺到する前に真上に飛び、倉庫の屋根にぶら下がっていたのだ。


男たちが撃つのをやめたのを確認すると、さっきいた位置より少し後ろに着地した。


男たちは要が降りてくるまで気づいていなかったようで、またもや驚いていたが、すぐにレーザー弾を撃ち込んできた。


要は弾が当たらない謎の主人公補正なしに、一つ一つ丁寧に避けながら男たちに近づいていった。


男たちのの1人に到達すると、一瞬で銃を男の手から蹴り上げ、そのままその男を気絶させると、自分自身もジャンプして、空中を舞っていたレーザーガンを掴んだ。


「バカめ!空中では動けない!狙え!」


リーダーはそこを好機と見たのか部下たちに号令をかける。


未だに空中にいる要のもとにレーザー弾が殺到する。

しかし、その全てを圧倒的な動体視力と身体能力によって自らの放ったレーザー弾で相殺させた。


さらに、その間を縫って男たちの持つレーザーガンに弾を直撃させることにも成功していた。


要が最高到達点に達してから地上に降りてくるまでに行われたその攻防は人間の域を凌駕していた。


男たちはレーザーガンという強力な攻撃手段を奪われた後も、神術によって抵抗したが、すぐに要によって気絶させられた。


「ふぅ、やっと終わった。何がエスパーだから楽だよ!こんなヤバイ武器が出てくるなんて、思わんだろ!」


気絶させた男たちに向かって1人要がぼやいていると、大扉が開き薄暗い倉庫の中に眩しい日の光が差し込まれた。


要はすぐに振り返って臨戦態勢を整えるが、それは杞憂だった。


「先生!大丈夫っすか?詩音は?」


入ってきたのは手賀崎だったのだ。どうやら、どこからか中の様子を見ていたのだろう。


「大丈夫だ。詩音ちゃんも無事だぞ〜。」


忍は要の方に駆け寄っていくと、近くに眠らされている詩音がいることに気づいた。


全身を確認し、眠っているだけだと判ると安心したようだ。

詩音を縛っていた鎖を強引に引きちぎっていた。


いや、ゴリラかよ!お前もしかして、レジスタントじゃなくてゴリラだからあんなに人間離れした動きができるのか!?


見事な特大ブーメランである。


「先生本当にレジスタントなんすか?あり得ないっすよ!あんな動き!

でも、詩音を助けて頂いて本当にありがとうございます!」


忍はそう言うと深々と頭を下げた。


「おいおい、頭を上げてくれ!俺は教師として当たり前のことをしたまでだ。」


まぁ実際こんな命の奪い合いみたいなことが教師の仕事なわけがないんだが、、、


その後も、手賀崎はずっと感謝を伝えてきた。ヤンキーあるあるの、礼儀はすごく正しいっていうのは本当のようだ。


その時、倉庫に入り込む日差しが何者かによって遮られた。


要と忍は一気に警戒を強めると、入口の大扉の方に振り返った。


「要ちゃん、お手柄ね。まさかここまで早いとは思わなかったわ。」


「なんだ、神楽さんか〜。見てたなら手伝って下さいよ〜。」


「なんだとは失礼ね、まあいいわ。私は今来たところよ。見てたのは確かだけど、借り物の目でね。詩音ちゃんも無事みたいだし、一先ずは解決ね。」


神楽さんは生物に関するあらゆることを可能にしている。

今回も、何かしら生物の目を借りてこちらの状況を見ていたのだろう。


「それなんですが、、、」


その後要は、神楽に男たちの依頼主がわからないことなどを説明した。


「なるほどね、いちおう記憶を見てみるけど無駄そうね。私対策かしら?」


そう言って神楽さんはマインドタッチを使ったが、予想通り欲しい情報は得られなかった。


これで、詩音は助け出せたが、誰に何の目的で攫われたのかは分からず終いになってしまった。


お読み頂きありがとうございます!

モチベーションとなるので、切実にブックマークや評価などよろしくお願いします!

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