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Read New World  作者: りのあ
新世代編
50/55

24話 「剣と大剣」

 ミロク達の戦いが終わった。

 つまり、次の出番は俺だ。


「いけるか?」

「拒否権は無いんだろ?」

「フッ、当たり前だ」


 覚悟を決め、背中の剣を抜く。

 特に効果も何もない普通の剣、つまり死ぬかどうかは自分の技術(ステータス)次第。


 俺が中心に着くとともに相手の黒服もこちらへと歩いてくる。

 身長はカイザくらいか。


「お前さんが俺の相手か、一丁よろしく頼むぜ」


 手を出される。

 とりあえず握手を求められているのだろうか、握り返す。


「そんなひょろっちい剣で大丈夫なのか?大剣じゃないと俺の剣にへし折られるぜ?」

「さて、そいつはどうかな」


 男はフードを脱ぎ捨てながら後ろへと下がる、

 俺も男との間合いをとるため数歩下がる。


「いくぜ!」


 唐突に始まる戦い、これがPVP(プレイヤー対プレイヤー)なのか。


「うおおらぁ!」


 大剣を軽々と振り回し一撃を与えに来る、

 後ろへとバックステップを決めながら攻撃をかわす。


「この武器は『フライング ソード』っと言ってな、ちょっとばかり特殊効果を持っているんだよ…たとえば」


 男の持っている剣が光る。

 瞬間、男の姿が消える!


「何!?」


 俺は足元の影に気がつく、

 影がいつもより太いのだ。


「まさか!」


 上を向くと大剣を振り上げながらこちらへと急速で落下してくる男がいた。

 案の定、

 男の攻撃をまともに喰らってしまう。


「うぐぁっ!?」


 ゼノのHP表記が HP:1900/2100 へと変わる。

 流石にレベルの差がよく出てくる、むしろ今まで出てこなかったのが不思議なくらいだ。


 剣を持ち直し攻撃へと移る。


「『ライトレイソード』!」


 剣を苦無を持つように持ち替え、スキルを発動する。

 刃が先のほうから次第に光り輝きだし剣を包み込む!


「うおおおおっ!発動しろぉおお!」


 ゼノの身体が発光し輝く、

 剣と共に光り輝くその姿はまさに閃光。


「!?どこへ行った!」


 ゼノが視界から消え戸惑う男、

 しかしその疑問もすぐに解消される。痛みを伴って。


「うがっ!?」


 背後から斬りつけられる、

 男は前方へと顔から吹っ飛び突っ込んだ。


「くっ…!」


 ゼノは膝をその場についた。

 自らのHP表記を見ると HP1200/2100 へと変化していた、これはダメージを喰らっているということだ。


 薄々感づいてはいたがこれはダメージを喰らうというリスクも伴う、

 そう乱用は出来ないな。


「ヘヘ…聞いたぜ今のは」


 大剣を突き刺し立ち上がる、

 どうやら致命傷とまではいっていないようだ。


「強者には名を名乗ろう、俺の名は『ロイア』。お前の名も聞こう」

「ゼノだ」

「そうか、じゃあゼノ。本気の最終ラウンドといこうや!」


 突然、ロイアの剣が光り出す。

 明るい光ではない黒くよどんだ光だ。


「『ダーク・フライト』!」


 ゼノの足元から闇の触手が這い出て、絡みつく!

 そのままゼノの身体は空中へと舞い上げられた。


「いくぞオラァ!」


 空中へと舞い上がったゼノの真上、真下、真横へと次々と瞬間移動をするロイア。

 ゼノのHPはみるみる減っていく。


「うっ…」


 地面へと落ちたときには既に HP:700/2100 だった。

 ロイアに関してはHPがまだ残っているどころか HP:3300/4000 と絶望的な状況である。


「ハァ…」

「フッ、どうしたよ?もう終わりか?」


 地面に這いつくばるゼノを見てあざ笑う、

 しかしその顔はすぐに色を変えた。


(こいつ…!笑ってやがる!?)


 ゼノは笑っていた。

 どうしてかは分からない、しかし酷く歪んだ顔で笑っていたのだ。

 狂気の笑みである。


「しょうがねぇなぁ…見せてやるよ、秘策のスキルをよぉ…」


 もう一度ゼノが消える。

 すぐに刺されることを知っていたロイアは無駄には動かない、

 その場でジッと剣を受けた。


「ぐっ…」


 ロイアの背中へと剣が突き刺さる。

 すぐに後ろへと手をまわそうとする!


 …が、気づく。

 動けないと!


「なん…だ、これは…!」


 ゼノの顔が歪んでいるのがよくわかる、

 これはゼノじゃないというほどに。


「『グリード ブレイド』っていうんだけどね…まぁ、秘策さ」


 ロイアのHPがどんどん減っていく、

 対してゼノは既に全回復していた。


「くそっ!なんだこれ!?」


 身体中に絡みつくツタのようなもの、

 これこそ剣先から出ている原因だ。

 しかし分かっていても引きはがせない。


「うっ、うがああああっ!」


 最後の雄叫びを上げ、背後のゼノへと剣を振るう!

 剣はゼノへと食らいつきダメージを与えた。


「くっ!」

「へっ、いい戦いだったぜ…」


 ロイアは宝石を残し、綺麗に消滅していった。


「…え?」


 突然ハッとした顔でゼノが辺りを見回す、

 しかし敵はどこにもいない。

 足元にあるのは宝石だけである。


「宝石を使っていなかった…?」


 足元の宝石を拾い、見つめる。

 ほんの数分だけの付き合いだったが何か不思議な物を感じる。

 いや感じた。


「やれやれ、ロイアにはLV.5を与えておいたのですが…失敗でしたか」


 眼鏡の男は拍手をして前へと出る。


「まぁいいでしょう、これで目的は達成されたのですから…あああああっ!」


 瞬間、目の前の男が破裂する。

 いやエフェクトだろうがそれにしては生々しい、ガラスの破片のようなクリスタルにはなっているが何故か赤い。


「なんだったんだ今の…それにlv.5って」

「ゼノ!」


 デリトの声に少しビクッとする。


「そいつを早くこっちへ!」

「あ、あぁ…」


 妙に焦っている。

 何があったのだろう?


 デリトの元へと行き宝石を渡した。


「ふぅ…」


 ため息をつくデリト、

 その顔は難しい表情をしておりとても話しかけられそうになかった。


「ゼノ、お前にいくつか伝授することがある」

「なんだよいきなり…」

「いいから聴け!もう時間が無い!」


 突然の大声にその場が静まり返る。

 デリトがここまで焦るのは何か普通じゃない、理由があるはずだ。


 何が起ころうとしているんだ。

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