08話 「ギルドの情報」
とりあえずパーティはそれなりに整った、
特にピンチになることは無いだろうが、念のために回復役はほしかったところだ。
「そういえばシロは町に戻ろうとしていたよね?何かあるのか?」
シロは少々困った顔をしながら話し始める。
「実はさっきのパーティメンバーを迎えに行こうかと思いまして…」
「ん?なんでだ、ガラの悪いやつばかりだったじゃないか」
「でも、私の現在位置は常に彼らに知られています。きっと私だけ生き残ったと知れば真っ先に的になります、なのでせめて迎えにだけでも行こうかと…」
「フレンド登録、もしくはギルドメンバー登録したんだな?」
デリトが口を開く、
フレンドなどのシステムについては俺も無知だ。
「フレンド登録をするとメッセージのやり取りなんかができて便利、ギルドはまた別だが…」
「それで?」
「便利には便利だ、がフレンド登録したプレイヤー同士は一定の距離なら相手の居場所がわかるんだよ」
確かにここから町は近い、
つまりシロはばれちまうってことか。
「まぁ、そこまで案ずることは無いが…フレンド登録の解除とかはしておいたほうが気兼ねなくプレイできるだろうな」
なるほど、
一応デリトも心配はしているらしい。
「それで?結局、何をしたんだ?」
「ギルドメンバー登録…」
それを聞いた瞬間デリトが「チッ!」と舌打ちをした、
ギルド登録はきっと厄介なことなのだろう。
「あぁ、ギルド登録をしていた場合、ギルマスに退会許可を貰わないといけないんだよ」
「じゃあさ、シロはどこのギルドに入ったんだい?」
「『レッド・スコーピオン』っていうギルド…です」
!!
レッド・スコーピオン、
俺たちが倒そうとしている目標ギルド。
「どうやらそのギルドは元来クソみたいなギルドらしいわね」
「あぁ、そうみたいだな」
俺は唇を噛みしめた、
何も怒っているという理由だけじゃない。
手を出せない自分にも苛立ちを覚えているからだ。
「なぁデリト…今から乗りこめると思うか?」
「ん?やってみるか?」
そんなに軽いノリでいいのか、
俺はまだレベル10だぞ?
「ま、恐らく死ぬだろうがな」
「あぁ、頼む」
こうして俺たちは乗りこむという作戦へと移った。
◆ ―ゲテルグルブ― ◆
男が1人トボトボと歩いている、
鎧に鉄鎚のその姿は見覚えがある。
「ハァ…ゼノ殿もいなくなるし、困ったぞ…」
そんな男の前に二人のキャラが立ちはだかる、
片方は男でもう片方は女だ。
「あらぁ?カイザじゃない、どうしたのかしらぁ?」
「カイザ、元気ない。また、失敗した」
カイザを小ばかにするようなその二人組はカイザの前に立ちはだかったままその場を動かない、
どうやら通す気は無いようだ。
「そこを通してくれないか、俺はボスに会いたいんだ」
「あらそう。それはごめんなさいね」
女のほうがその場を離れると、
もう片方の頭の弱そうな男も一緒によける。
「失礼する」
男がそのまま進もうとすると、
女が「ニヤッ」と笑った。
「行きなさい。」
瞬間、
男のほうが空高くカイザの頭の上へと飛び上がる。
「ぐうっ!薄々、感づいてはいたが…俺を消しに来たか…!」
「さぁ?気まぐれじゃない?」
そういうと、
女は持っていた遠距離用の武器「鎖鎌」でカイザの足をからめとる。
「しまった!」
カイザは前のめりに倒れ、
体勢を立て直せないまま地面へと伏せた。
「グヒヒ。カイザ、バイバイ!バイバイ!」
男は右腕に力を込めると、
右の拳が光を放つ!
「あれはスキルを発動する際の光…!マズい、これをまともに喰らったら…!!」
男は勢いよく、
カイザの背中に向けて拳を放つ!
「『グラビティ・デストロイ』!!」
カイザの鎧が砕ける、
耐久値を攻撃力が上回ったのだろうか。
そなまま拳をカイザへと押し込む!
「うぐぁぁあああっ!!」
道に、
付近の住宅に悲鳴が響く。
「あらぁ、もう終わっちゃうの?」
女はカイザのHPゲージを見て微笑する、
もはやカイザのHPは時間の問題。
「お前ら…今に見ていろ、このギルド…は必ず潰され…る!」
「うるさいわねぇ!」
鎖鎌をカイザの足から放すと、
鎌のほうをそのままカイザへと突き刺した。
「ウグッ!」
カイザは一瞬にして消滅した、
HPが尽きたのだ。
「フンッ、帰るわよゴーデス」
「アグゥ?」
男と女はその場を去った。
◆ ―ラクスラズルシティ・宿屋― ◆
「さて、どこに奴らの本部があるか…だが」
「そうだなぁ…」
俺たちは試行錯誤を繰り返していた、
デリトは剣を磨きながら話しているのでそこまで真剣ではないように見えるが、話は進めてくれている。
「うーん…お?」
俺はメニューをなんとなく開いた時にふと気がつく、
フレンドリストの欄のランプが点滅しているのだ。
「もしかして…」
俺はそこを開いた時に思いついた、
というより本来のプランへと戻せた。
「デリト、本部はすぐに見つけられるぞ」
「なに?」
「本当ですか?」
あぁ、
このフレンドにかけるしかないがな!
「これで…よし!」
俺はフレンド欄に表示されてたプレイヤー名をクリックし、
フレンド依頼を承認した。
「いこうか、戦争だ!」
フレンドリストにあった名前は…




