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北の国➆

「さあ、ここがコレクションルームです。」


リュート様が案内してくれた部屋に入ると、所狭しと武器が置いてあった。

中にはこれが本当に武器?と首を傾げたくなるようなモノもあったが、確かにスゴい。

私たちは自然とそのコレクションに目を惹きつけられていた。


「ああ、どうぞ気になるものがあったら触ってみて下さい。コレクションとは言っても、ただの観賞用ではないので。武器も使ってもらった方が嬉しいでしょうしね。」


私たちが気になっているのに気づいたのか、そんな言葉をかけてくれた。

早速、アレン君とサスケさんが気になった物を手に取り始めた。

何だか珍しくサスケさんが……興奮している?

気になった私はそっとサスケさんに近づいてみた。



『おいおい、これって…………何で、ここに?うわ〜、こんなの、まで。嘘だろ。』


サスケさんが1人でブツブツ言いながら、剣に似た物を持ち上げている。

それが何だか知っているみたいだね。

私は珍しい様子のサスケさんに話しかけてみた。


「サスケさん、ずいぶん興奮されているようですが、何か変わったものがありましたか?」


私の問いかけに、またまた珍しくサスケさんが勢いよく答えてくれた。


「ある。これ。何で、ここに、こんなものが。しかも2本も。」


サスケさんは2本の武器を持ち上げている。

その様子に気づいたリュート様がこちらにやって来た。



「ああ、それに興味がありましたか。それは東の国から来たもので『刀』と言います。何でもかなり有名なもののようなんですが、北の国ではあまり馴染みのないもので……。私も1度使ってみましたがやはり難しかったです。うーん、もし良かったらお譲りしますよ。見たところサスケ殿は東の国の方のようですし、私よりも上手く扱えるでしょう?」


リュート様の言葉にサスケさんがビックリしている。

ふむ、やっぱり有名な武器のようだからくれるといってもためらうよね。


「いや……いい、です。まさか、ここに、あると、思わなかった、から、びっくり、した……だけ、です。これ、大事に、して……下さい。」


サスケさんはリュート様の申し出を断った。

というか、頑張って敬語を使っているのが珍しい。


「そうですか……わかりました、もし気が変わったら言ってください。貰い物なんですが、上手く扱える人の元にある方が武器も喜ぶでしょうしね。」


リュート様はサスケさんに優しくそう言った。

この人、本当に武器が好きなんだね。

そしてサスケさんはというと、リュート様の言葉を聞きまたブツブツ言っている。


『貰い物?……まさか、あいつ。いや、でも、さすがに、あいつでも、これを、渡すなんて……やるのか?ああ、やるかも。』


よくわからないけど、リュート様にこの刀という武器をあげた人に心当たりがあるようだ。

だけど、何だか頭抱えているからそっとしておこう。

私はサスケさんから離れて違う武器を見ることにした。

こんなにたくさんの種類を見ることなんてないから、見ているだけで楽しい。

中にはただの棒にしか見えないような物もある、何に使うのか考えるのも面白い。

私が夢中になって眺めていると、リュート様が話しかけてこられた。



「リリーナ様ずいぶん熱心に見られていましたが、何か気になるものはありましたか?」


「あ、はい。いっぱいあって見ているだけでとても楽しいです。」


この日私たちはずっとリュート様のコレクションルームで過ごさせてもらった。

ちなみにサスケさんはずっとあの刀を見続けていた。

あまりの熱中ぶりに、リュート様はまた刀を譲る話しをしていたがそれはサスケさんが断っていたようだ。



そして夕食時、大叔父様が


「そういえばこの間、姉上たちがこちらに帰って来ることを知り合いに話したら、是非パーティーに参加してほしいと招待状を預かってきたんですよ。」


お祖母様が大叔父様から預かった招待状を受け取って、その中身を確認したと思ったら大きなため息をついた。


「リュシアン……あなた知り合いってこれ、国王主催のものじゃない。」


ええ〜〜、なんか友達のような言い方だったけど国王様主催のパーティーなの?

お祖母様の言葉に、食事をしていた私たちは固まった。


「ええ、ガルーダ王が久しぶりに姉上に会いたいと……」


「あいつ、まだリーフィアのこと狙っているのか!」


大叔父様の言葉の途中でお祖父様が吼えた。

王様はお祖母様のことが好きだったの?


「いや、さすがにもう諦めていますよ義兄上。今は王妃一筋です。まあ、ガルーダ王や王妃は『妖精姫』のファンですからね。帰国しているのであれば是非と言ってうるさいんですよ。なので1度で良いので参加して下さいませんか?もちろんリリーナやお友達も参加して下さいね。」


あれ?私たちも出るの?


「そう、リリーナ達も……それなら参加しても良いかしら。ちょうどこの国の貴族を見せてみたかったし。きっと面白いわよ。」


そこで面白いという言葉が出るところが怖いです、お祖母様。



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